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2015.04.17

ソーシャル担当者は全てを企画してはいけない!?ユーザーを巻き込んでつくるソーシャルメディアマーケティング事例

■コンテンツはユーザーがつくる!
ユーザーを巻き込んでいこう!

こんにちは、ソーシャルメディアラボの渕上です。

みなさんは数多あるソーシャルメディアを、それぞれどんな目的でお使いでしょうか?Facebookなら近況報告やニュースのシェア、Twitterなら思いついたアイデアや反射的に思った端的な感想、Instagramなら旅先で撮った写真を加工してアップ、などソーシャルメディアによって使い方は違ってきますよね。

企業では複数のソーシャルメディアを扱うのもめずらしいことではなくなりました。ひとつのソーシャルメディアで複数のアカウントを運用しているところもあるでしょう。今後各ソーシャルメディアそのものにEC機能がつく傾向があることから、マーケティングを考える上でソーシャルメディアの存在は日増しに大きくなっています。企業の運用担当者の役割は、今後益々重要になってくると考えられますね。

今回ラボでは、ソーシャルメディアを活用し、積極的にユーザーを巻き込むことでマーケティングを成功させている企業の事例を元に、ソーシャルメディアマーケティングの未来を考えてみました。

■目次

1.ソーシャルメディアによるマーケティングの現状

2.ユーザーを巻き込むソーシャルメディア活用事例

3.ソーシャルメディアの投稿をキュレーションしてつくるオウンドメディアという発想

4.終わりに

ソーシャルメディアを利用したマーケティングの現状

企業がFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを活用してマーケティングを行なうのは、もはや当たり前となりました。とはいえ、時代の流れに乗って各ソーシャルメディアのアカウントを作成し、Facebookページや企業用アカウントの運用を始めたものの、上手く集客に結び付けられず日常的に写真やテキストを投稿するだけになっているところも少なくないでしょう。

ソーシャルメディアマーケティングといっても、ただソーシャルメディアを運用すればいいわけではありません。そもそもソーシャルメディアが適したサービスなのかから考えていかないと、かかる労力の割に得られるものが少ないと嘆くことになりかねません。

ソーシャルメディアはコミュニケーションツール

未だに勘違いされがちですが、ソーシャルメディアはインタラクティブ(双方向)なコミュニケーションを活性化させるツールに過ぎません。そもそもが企業が宣伝に使うことを前提にされていないことから、一方的な情報発信をしていても一向にファンは増えず、むしろ過剰な宣伝はファンをアンチに変えてしまうことすら起こりえます。

そんな中、企業目線の一方的な宣伝ではなく、ファンどころか普通のソーシャルメディアユーザーすら巻き込んでコンテンツを創りだしたり、市場に新しい価値を生み出すことにソーシャルメディアをうまく使っている企業が出てきています。

次の項目では、そんな国内企業の活用事例をご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

ユーザーを巻き込むソーシャルメディア活用事例

サッポロビール 百人ビールラボ

百人ビール

2012年にスタートしたサッポロビールの商品開発コミュニティ「百人ビール・ラボ」開発にまつわる全てのフローをFacebookを通してユーザーに公開し、積極的にユーザーから声を集め、順次反映させながら開発を進めるという一大プロジェクトです。これは企業とユーザーが一緒に新製品を開発するという『共創』の概念として、大きな話題を呼びました。

第1弾企画では、Facebook上で開催するLIVE会議を通じて、12,000人のビール愛好家と半年という長い期間をかけて新ビールを開発しました。新ビールの名前は「百人のキセキ」。実際に商品化されたそのビールは、1ヶ月くらいで売り切れればという予想より遥かに早く、たった1週間で完売しました。

2013年に始まった第2弾企画は、Facebook上でのみ行なっていた議論ではユーザーの声に偏りが生まれるのではという問題を払拭すべく、特設のオウンドメディアを立ち上げ、投票形式でビールのスペックを決めるスタイルに変更。これもユーザーの声をすぐに反映させた結果ですね。

百人ビール2

10,000人のビール愛好家の声で生まれた新しいビールは「百人のキセキ~魅惑の黄金エール~」。当初はサッポロビールのネットショップのみで販売されていましたが、あまりの人気ゆえ今年の5月19日からコンビニでも販売されるというから驚きですね。

最大限コミットしてくれたユーザーに与えられる「自分のつくりたいビールを作れる」権利

また、積極的にこの企画にコミットしてくれたユーザーを「百人ビール・マイスター」として表彰し、その中でも多くの貢献をしたトップユーザーには「自分のつくりたいビールを作れる」権利が授与されました。現在百人ビールのオウンドメディアでは、その製作過程が全て公開されています。ビール好きには夢の様なこの企画、究極のユーザー巻き込み型コンテンツといえるかもしれません。

百人ビール3

ファンの声をソーシャルメディアで汲み取り、新製品開発に活かすという見事な試みではないでしょうか。企業のブランディングとしても、参考にすべきところは多いですね。

barbiestyle(バービー)

バービー

小さな女の子が自分を投影させるキャラクターとして有名なのは、日本ではリカちゃんかもしれませんが、世界的に人気なのはダントツでバービー。実はこのバービー、ソーシャルメディアを使ったプロモーションが非常にうまいんです(正確には運用は発売元のマテル社ですが、バービー自身がやっているように見せています)。

まだソーシャルメディアを使ったマーケティング手法がそれほど浸透していなかったであろう2011年。この年はバービーの「元」ボーイフレンドであるケンの生誕50周年であるそうで、それを記念したソーシャルメディアキャンペーンが実施されました(ちなみにマテル社の公式発表によると、バービーとケンは2004年に破局しているそうです)。

キャンペーン内容は「バービーとケンはよりを戻すべきか」をファンに問うというもの。Twitter、Facebook、YouTubeなど一般的なソーシャルメディアはもちろん、めずらしいところではFoursquareを利用していたりします。

バービー3

Foursquareとはゲーミフィケーション仕組みを利用した位置情報共有SNSで、例えば会社や映画館などの施設に今いることをコメント付きで通知することができます(チェックインと呼びます)。

過去にバービーと過ごした場所にケンがチェックインし、そのときの思い出をコメントに残してユーザーとコミュニケーションを取るという施策で、そのやりとりが更にソーシャルメディアで拡散されて話題を呼ぶというわけですね。このSNSでケンがどんなコメントを残したかが非常におもしろいので、ご興味のある方は以下の参考記事をご覧ください。

バービーとケンのソーシャルメディアキャンペーン:季節性や場所を生かした秀逸なストーリー演出

ふたりがよりを戻すかどうかは、ユーザーが決める

ちなみにユーザーはこのふたりがよりを戻すべきかどうか、ソーシャルメディアを使って投票することができます。ユーザーはあらゆるソーシャルメディアで流れてくるふたりのやりとりを自然に受け取り、いつの間にかふたりの物語に巻き込まれることで応援したくなったり、逆に復縁を許せなくなったりと感情を揺さぶられることになるんですね。

企業側が提示した物語に関わらせるソーシャルメディアマーケティング手法として、かなりおもしろい事例となるのではないでしょうか。

結局このふたりが復縁したのかどうかは・・・ぜひソーシャルメディアで調べてみてください♪

写真での非言語コミュニケーションに適したバービーというコンテンツ

最近もっとも勢いのあるSNS・Instagramでもバービーは大活躍で、2014年8月27日にオープンしたばかりだというのに、すでにフォロワーは71万人を超えています。

バービースタイル

季節に合わせた今着ているファッションの魅力をバービー自身が語っているんですが、そのファッションはもちろん実際の商品あからさまに宣伝しているんですが、おそらくファンはその写真を見ても宣伝されているとは思わないでしょう。例え宣伝されていることに気づいたとしても、嫌な気持ちにはならないはず。

バービーというドールは、Instagramという写真での非言語コミュニケーションに適したコンテンツなんですね。他にも食品、料理、生花、アート、映画などのコンテンツは言葉が無くてもビジュアルで伝わりやすいので、BtoCとしてInstagramを使ってみる価値はあるのではないかと思います。

亀田製菓 柿の種

亀田製菓 柿の種

ビールのおつまみにピッタリなお菓子・亀田製菓の柿の種。オーソドックスな柿の種の他に、わさび味・梅しそ味が定番商品としてラインナップされていますね。亀田製菓はユーザーとの結びつきを大事にしているようで、ユーザーが柿の種を使ってつくった料理のレシピをFacebookページやオウンドメディアで取り上げたり、レシピをまとめて書籍化したりと積極的に関わりを持とうとしています。

そんな亀田製菓が新しい柿の種の味を考案するのに、ユーザーの声やソーシャルメディアを活用しているのはご存知でしょうか。

今年2015年に実施されたのは、女優の有村架純さんを新商品の開発部長に据え、亀田製菓の若手社員とともに柿の種の新しい味を3種類開発。その中からファンに一番食べたい味に投票してもらい、一位になった味を商品化するという試みです。

開発部長就任から企画開発会議の模様、新しい味をどうやって考案したか、3種に絞るまでにどんな会議が行われてきたかなどは、亀田製菓のオウンドメディアはもとより、テレビや各ソーシャルメディアを通じて順次ユーザーに公開されていきます。

最終選考に残った「ソースマヨ味」「ベイクドチーズケーキ味」「キャラメル味」の3種から、商品化を決めるのはユーザーの投票数に委ねられます。これまで動向を追いかけてきたユーザーが、まるで企画開発会議から参加しているかのように感じさせる魅せ方は見習うべきところかと思います。

ちなみに一位になったのは有村さんが考案したソースマヨ味。普通に美味しそうですね!宣言通り新商品として3月30日から期間限定販売されているそうですよ。

柿の種ソースマヨ味

2014年はクックパッドとコラボし、ユーザーの声を新商品に反映!

2014年には亀田製菓とレシピ検索サイト最大手のクックパッドが手を組み、「大人の女性がワインを飲むときの気の利いたおつまみはつくれないか」というコンセプトのもと、新商品開発企画が立ち上がりました。

柿の種2

新しい味は何がいいかユーザーにアンケートを取って1位と2位に選ばれた味を商品化すると決まり、もちろんクックパッドの女性ユーザーにアンケートを取りました。利用ユーザーは大半が女性であることをうまく活用していますね。この当時はソーシャルメディアを使っていたわけではありませんが、直接ユーザーの声を反映させる試みであったのは確か。ソーシャルメディアで代用できるところもあるでしょう。

こうしたユーザーを巻き込んだ新商品考案は徹底的に行なわれ、「一粒ずつつまんで食べたい」という女性ユーザーの声を反映して、一粒が従来のものより大きくなったりもしました。

多くのファンを抱える定番商品だけに、味や形を変えるのは開発部だけでは難しかったかもしれません。そこで、多くのファン側に積極的に関わってもらうことで、自分たちの願いが反映される喜びと商品開発に関われる楽しみを同時に感じてもらうことができるという、ソーシャルメディアやユーザーの声を活かした商品つくりに学ぶところは大きいですね。

『共創』を実現するソーシャルアイドル・notall

ユーザーを巻き込んでつくるのは何もコンテンツだけではなく、ソーシャルの声を反映させてつくったnotall(ノタル)というアイドルも存在します。ラボでは以前インタビューを敢行し、そのインタラクティブ(双方向)なソーシャルメディア活用に舌を巻きました。

ソーシャル担当者にとって目からウロコの話も多く聞き出せましたので、詳しくはぜひ以下のインタビュー記事をご覧ください。

ソーシャルメディアは宣伝の道具じゃない!ソーシャル×アイドル「notall(ノタル)」に学ぶ徹底的にSNSを活用する方法

ソーシャルアイドル・notall

ソーシャルメディアの投稿をキュレーションしてつくるオウンドメディアという発想

以上のように、積極的にユーザーを巻き込んでいくのにソーシャルメディアは非常に役立つことがわかるかと思います。そんな中、あらゆるソーシャルメディアに投稿されるコンテンツをキュレーションし、オウンドメディアで一括して管理運用する施策を行なっている企業も出てきています。

リッチなアイスクリームで有名なハーゲンダッツジャパンは、新フレーバー「和栗」に関するツイートやFacebookへの投稿をピックアップしたオウンドメディアをつくったり、オリジナルブランド「unico」を製造販売する家具メーカーの株式会社ミサワは、自社商品を取り入れたインテリア写真のソーシャルメディア投稿をキュレーションしたメディアでコンテストを行なったりしているんですね。

事例

企業発信の恣意的なプロモーションではなく、あくまでユーザー発信の情報であるため、ある種クチコミのような信頼性をメディア内に介在させることが可能になり、宣伝色を極力弱めながらプロモーションをかけることができるわけですね。

数多くのソーシャルメディア運用にてんてこ舞いとなっている企業は、こういった未来感のあるサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

サービス事例:ソーシャルメディア間のハブとなり包括運用できるシステム・Shuttlerock(シャトルロック)

しかし、前述のバービーのように複数のソーシャルメディアを運用していると、ユーザーの声を聞くソーシャルリスニングも煩雑になってくるのが難点ですね。

シャトルロック

例えばこのShuttlerock(シャトルロック)というサービスでは、Twitter・Facebook・Instagram・Youtube・Google+・Tumblr・Flicker・Vimeoといった主だったソーシャルメディアから投稿されたコンテンツをキュレーションし、オウンドメディアとして運営することができます。

上記の2メディアもこのサービスを使用してつくられているんですね。こういったサービスはこれからどんどん増えていくのではないでしょうか。

終わりに

これだけソーシャルメディアが普及すると、意図しないところで急に人気に火がついたり逆に急に炎上しだしたりと、想像が追いつかないようなことが多々起こりえます。企業でそれをコントロールするのはもはや不可能である以上、こうなったら積極的にユーザーとコミュニケーションを図り、より良い情報を発信してもらえるように仕向けていくのが効果的ではないでしょうか。

ソーシャルメディアに点在する声を集めてオウンドメディアにするという発想も、こういったソーシャルメディアマーケティングの先にあるものだと考えられます。

ソーシャルメディアマーケティング!

Facebook、Twitterといったメジャーなソーシャルメディアに「購入ボタン」が付くなど、ソーシャルメディアがEC機能を備えていく流れも顕著です。どこで買っても同じ値段で同じものならば、知っている人や信頼の置ける人から買いたいと思うのは自然なこと。

ものが良いだけでは売れない時代に、ソーシャルメディアがどうマーケティングに活かせるか。未来を見据えた運用法を考えていかねばなりませんね。


以上、『ソーシャル担当者は全てを企画してはいけない!?ユーザーを巻き込んでつくるソーシャルメディアマーケティング事例』でした。

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