【取材記事】SNSとリアルでユーザーとのエンゲージメントを深める、ゲームアプリのOtoO施策とは?

2016/03/28

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300万ダウンロードを超える大ヒットソーシャルゲーム「幻獣契約クリプトラクト」。2015年2月16日のAndroid版配信開始から1周年を迎え、iOS版も先日3月2日に1周年となりました。今回は、クリプトラクトを運営している株式会社バンク・オブ・イノベーション様に「AppBankStore新宿ジャック」を始めとするキャンペーンやユーザーとの関わりについて伺いました。

text / ソーシャルメディアラボ編集長 大久保亮佑

    目次

  1. プロフィール
  2. ユーザーとの絆を深めるためのリアルイベント
  3. STEP1:イベントをWebで話題にする
  4. STEP2:店舗に足を運んでもらう
  5. STEP3:その様子をWebで拡散する
  6. 期待を上回る、約140%の新規ダウンロード増
  7. ユーザーとの絆を深めるためのX(Twitter)運用のポイント
  8. 今後の展望

プロフィール

五十嵐 規裕氏(写真右):株式会社バンク・オブ・イノベーション プロモーション統括本部 マネージャー

岩瀬 杏里氏(写真左):株式会社バンク・オブ・イノベーション プロモーション統括本部

※ちなみに五十嵐さんとはビジネスマッチングアプリのyentaでお会いして、今回のインタビューの機会をいただきました!

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ユーザーとの絆を深めるためのリアルイベント

大久保:1周年おめでとうございます!では今回のOtoOキャンペーンの概要を教えてください。

五十嵐氏:1周年記念キャンペーンということで、AppBankStore新宿のジャックとグッズ販売を軸にプロモーションしようと企画しました。

1年間続けてきて、ゲームの中だけでクリプトラクトを楽しんでもらうには限界を感じていました。そこで、リアルな場でクリプトラクトの世界を作り上げたら面白いし、ユーザーが手に取って家に持って帰れるようなグッズを販売することで、よりユーザーとの絆が深まるのではないかと思いこのキャンペーンを実施しました。

意識したところは、一方通行の押し付けのプロモーションではなくユーザーにも参加してもらい一緒に盛り上がれるという点です。

キャンペーンは3STEPありまして、

・STEP1:イベントをWebで話題にする

・STEP2:店舗に足を運んでもらう

・STEP3:その様子をWebで拡散する

という、OtoOの更に先があるような流れを意識して作りました。

クリプトラクト1周年記念

STEP1:イベントをWebで話題にする

大久保:具体的にどのようなことをしたのでしょうか?

五十嵐氏:まずSTEP1ですが、ユーザーに楽しんでもらう参加型企画として「デザイン投票キャンペーン」をX(Twitter)上で行いました。7種類缶バッジのデザインを用意し、フォロワーにどれが実際に商品化されて欲しいかを投票(Tweet数)で決めてもらう形式です。このキャンペーンの指標は得票数(Tweet数)で設定していたのですが、想定の2倍くらいの投票がありました。X(Twitter)だとフォロワーのフォロワーにどんどん拡散されていくので、Webでの盛り上がりという点ではかなり盛り上げられたのではないかな、と思います。

 

STEP2:店舗に足を運んでもらう

大久保:2倍はすごいですね。それを踏まえてのSTEP2ですか

五十嵐氏:はい、AppBankStore新宿で店舗ジャックを行ったのがSTEP2です。3/1~3/31の1ヶ月間、ストア内にポスターの掲示や、床から壁から全てクリプトラクトの世界観を表現するように装飾されています。

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五十嵐氏:また、X(Twitter)で行ったキャンペーンで選ばれた缶バッジをはじめとした、グッズ販売のブースを設けています。ストアの2階で買い物するとクリプトラクトのショッパーももらえます。ユーザーが買ったグッズの写真をSNSにアップしてくれて、更に拡散されています。特に等身大パネルの設置は、webでの拡散も意図して写真を撮りやすいスポットとして作ったというのはありますね。

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拡散効果を狙った等身大パネルの設置

岩瀬氏:X(Twitter)見てると結構反響があって嬉しいです。ジャックされた店舗の様子の写真とか「予想以上のジャックに驚き!」みたいなコメントがあったり。

※実際に店舗に行ったところ、缶バッジやマグカップが売り切れていました。

STEP3:その様子をWebで拡散する

大久保:そして最後にSTEP3ですか

五十嵐氏:ユーザーの自発的なWeb上での拡散もそうですが、キャンペーンを色々なメディアに取り上げてもらえるようにしました。芸人のゴー☆ジャスさんがやっている「ゴー☆ジャス動画@ GameMarket」というゲーム実況バラエティチャンネルがあるのですが、そこにも取り上げてもらいましました。結局全部で30メディア以上取り上げていただきました。AppBankやファミ通のようなゲーム紹介系の媒体で取り上げてもらって、リアルで話題になったことがまたWebで話題になって広がっていくという形ですね。

 

期待を上回る、約140%の新規ダウンロード増

大久保:実際に効果はありましたか?

五十嵐氏:そうですね、直近だと約140%ほど自然流入による新規ダウンロードが増えています。件数だとデイリーで500件増くらいです。増えた理由は正確には測れないのですが、おそらくは一連の施策によるものだと考えています。でも一番の効果はユーザーが楽しんでくれたことをX(Twitter)上で見られたことですね。やっぱり嬉しいです。 スライド5

 ユーザーとの絆を深めるためのX(Twitter)運用のポイント

大久保:今回のキャンペーンでも重要なX(Twitter)は普段どのように運用されているんですか?

五十嵐氏:他の企業さんだとプロモーションチームや宣伝チームがやるというところもあるみたいですが、弊社はゲーム事業本部(企画開発を行う部署)がやっています。投稿内容はイベント情報が多いので、リアルタイムでイベントスケジュールやその内容を理解している企画開発の部署がやった方が細かい運用ができますしね。お知らせの他にも、クリプトラクト関連で見つけられたものに関してはなるべくリアクション取るようにしています。

岩瀬氏:最近のX(Twitter)キャンペーンだと、抽選商品としてTVCMの声優を務める中田譲治さんのサイン色紙が当たるものが盛り上がりました。当たったユーザーが「当たったよ!」とツイートしてくれたのを更にRTしてコミュニケーションを取っています。

声優の中田譲治さんの色紙が当たるX(Twitter)キャンペーン

今後の展望

大久保:今回SNSとリアルイベントを掛けあわせた取り組みをされましたが、今後行いたい施策はありますか?

五十嵐氏:ゲーム内の音楽もすごくこだわって作っていて、ファンが多いです。なのでCDを出したら喜んでもらえるんじゃないかな?と思っています。実際にユーザーからも「サントラ作らないんですか」という声をいただくので。あとは衣装がすごくかわいいと言っていただけているので、コスプレイヤーさんとのコラボもいいかなと思います。ゲームの世界をリアルに持ってきて楽しめるかなと。

岩瀬氏:グッズに関しては色々なユーザーからの要望をWeb上で見るので、なるべく応えていきたいですね。ユーザーに求められているものを提供していきたいですし、そういうプロモーションをやっていきたいです。

【編集後記】
キャンペーンの事前の盛り上げ、リアルイベントへの誘導、その後の拡散と上手くSNS(X(Twitter))を活用した、参考になる事例でした。また今回のようにX(Twitter)活用するためには、日々の運用とユーザーとのコミュニケーションが欠かせないということを再認識するきっかけにもなりました。今後もユーザーとの絆を深める施策を楽しみにしています!

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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