グルメQ&Aアプリ「ペコッター」の裏側を大公開!なぜチャット形式は満足度が高いのか?

2017/01/19

松下氏00

2016年11月30日に開催された、チャットボットの現状と活用方法を解説するセミナー。本記事では同セミナーのレポートをお届けします。後編は、チャットベースのグルメQ&Aアプリ「ペコッター」のチャット活用事例です。なぜチャット形式のアプリなのか、どのように運営しているのか、サービスの舞台裏を語っていただきます。
※前編はこちら

    ■目次

  1. プロフィール
  2. ペコッターとは?
  3. ユーザーのより深いニーズに対応できるのがペコッターの価値
  4. チャットボットに人力は必要?全てが自動化できるときは来るのか

プロフィール

松下勇作氏:株式会社ブライトテーブル CEO

松下氏01

ペコッターとは?

松下氏(以下敬称略):「ペコッター」はグルメQ&Aアプリです。
言葉の説明よりも、実際に、「女子会のお店探しから予約を依頼する」までの流れを見ていきましょう。

ペコッター画像

アプリを開いて「きいてみる」というボタンを押すと、質問の投稿画面が開きます。ご飯のシチュエーションを選んだあと、自分の言葉で質問を入力、投稿します。

そうするとまず、公式キャラクターの「はらぺこ君」から、質問の内容にあわせて返信が届きます。その後にメカペコ君(公式)が条件にあったお店を紹介してくれます。ここまでを機械でやっています。

メカペコ君以降の返信は機械ではなくて実際のユーザーさんです。「賑やかで、ワインが美味しいお店ですよ」という感じで、ユーザーさん自身の言葉でお店の紹介が届きます。

気に入ったお店があれば「予約を依頼する」というボタンをタップ。すると今度は、はらぺこ君との個別のチャット画面に移行。簡単なやり取りをするだけで、はらぺこ君がお店を予約してくれます。

自分の希望をつぶやくだけで飲食店をレコメンドしてもらえて、さらに予約までできます。この全てのサービスを「チャット形式」で提供しているのが特徴です。

ユーザーのより深いニーズに対応できるのがペコッターの価値

松下氏02

松下:こういったチャット形式のグルメQ&Aアプリをやっているのは、既存の飲食店検索サービスが抱える課題を解決するためです。

現状のサービスでは「銀座 イタリアン」のようなキーワードで検索して、点数順やSEOが効いてる順で表示されるなかからお店を選んでいきますよね。ただ、ユーザーさんはもっと深いニーズを持ってるんですよね。検索欄のサイズに合わせて「銀座 イタリアン」と言っているけれど、女子会に適したお店がいいとか、イタリアンのなかでもピザが食べたいとか、我慢しているニーズ、キーワードがある。

こういったニーズに対してきっちり答えるグルメサービスが必要だと思っていて、ユーザーの正直なニーズを聞き出すために有効なのが「チャット形式」だと考えて、ペコッターをつくりました。

どうやって運営しているの?ペコッターのオペレーションを公開

松下氏03

松下:次にサービスのオペレーションをどうやっているかです。
2015年3月のリリース当初は、メッセージもお店の紹介も人力で、予約代行も僕がお店に電話をかけていました。ようやく最近は返信や電話を自動化したり、予約サイトと連携したりと、効率化が進んでいます。

お店のレコメンドについては、自社内で「Zeus(ゼウス)」というシステムを構築しています。質問文やユーザーさんの情報をもとにお店を提案し、ユーザーからのフィードバックをうけて学習、よりニーズにあったお店を提案できるようなサイクルが回る仕組みです。

この「システムが学習する」ステップが非常に重要なんです。単純にユーザーの質問の文章を解析して、お店を提案するだけなら、ほかのサービスでもできる。でも、個人の好みを聞き出し、蓄積していくことで、ユーザーのこだわりや絶対条件は外さずに、知らなかったいい店を教えてくれる、というレコメンドが可能になります。

そのためにも、まずは人力でユーザーの嗜好を聞き出し、それをもとに深いサービスを提供していくというのが、これからのチャットボットのサービスの秘訣なのではないかと考えています。

チャットボットに人力は必要?全てが自動化できるときは来るのか

松下:今後、シンギュラリティが訪れ、人工知能が人間の知能を超える、と言われてはいます。ディープラーニングをはじめとした機械学習の技術についての記事を見ない日もないくらい期待が集まっています。

ただ、今現時点の技術では、目の前にいるユーザーさんに確かなサービスを届けるには、人力を介すことは必須だと考えています。大事なのは、サービスを運営していくなかで、人のもっている気遣いを、いかにチャットボットに学ばせていくか。そのノウハウをもった会社が次の時代を担っていくのではないでしょうか。

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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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