X(Twitter)の声を拾うだけでは終わらない!マーケティングと炎上対策に使えるソーシャルリスニングのススメ。

2015/05/11

■ソーシャルリスニングをリスク対策とマーケティングに活かすには?

ソーシャルリスニングとは?

ソーシャルメディアの本分はコミュニケーションツール。いかにユーザーに情報を届けるかよりも、いかにユーザーのニーズを引き出すかに向いたツールであると言えるのではないでしょうか?

ソーシャルメディア上の声を集め、有益なものを取り入れることを「ソーシャルリスニング」と呼びます。同じようにニーズを引き出す方法としてアンケートや街頭調査などがありますが、どうしても誘導的な質問になったり偏りが生まれやすいもの。

その点、ソーシャルメディア上に流れる声はリアルな「生の声」。必要な情報を取り出すため精査が必要ではありますが、ユーザーの本音を知るために使わない手はないでしょう。

今回は、そんなソーシャルリスニングの大きな2つの利用目的、「リスク対策」と「マーケティング」について解説します。ソーシャルの声を上手く活用していきましょう!

※本記事の最後で、ソーシャルリスク対策のアンケートを実施していますので、ぜひご協力お願いします!

■目次

1.ソーシャルリスニングをリスク対策に活かす

2.ソーシャルリスニングをマーケティングに活かす

3.【豪華プレゼント付き!】5分で終わるアンケートにご協力下さい!

ソーシャルリスニングをリスク対策に活かす

企業に大損害をもたらす炎上とは

ソーシャルメディア上では良いことも悪いことも、瞬く間に拡散されていきます。企業にとっても個人にとって、いわゆる「炎上」は最も避けたい事案ではないでしょうか。

炎上について具体的な定義が決まっているわけではありませんが、「不利益を被るような書き込みがインターネット上で急激に多くなり、ニュースサイト、時には新聞やテレビ等の他メディアにまで拡散する状況」と解釈いただければ間違いありません。ときには企業にとって億単位の損害をもたらすこともありますから、決して軽視はできませんね。

過去には、食品メーカーに対する異物混入の書き込み、小売業における従業員の不注意書き込み、宿泊サービス業における従業員による情報漏えいなどで大炎上したことが記憶に新しいのではないでしょうか。

リスク対策に必要な3つのステップ

ソーシャルリスク対策を行なうためには、以下の3つを整える必要があります。

1.適切な検索方法を知る

2.目視体制

3.社内フロー

それぞれについてまとめていきましょう。

1.適切な検索方法(と合わせた検索単語)を知る

リスク対策のためのソーシャルリスニングの第一歩は、自社や自社商品に関する書き込みをソーシャルメディアから抽出する方法を知ることから始まります。基本的にはキーワードの組み合わせによって効果的な書き込み取得ができるので、「検索の仕方」をどれだけ把握しているかが重要となってきますね。

インターネットの検索エンジン(GoogleやYahoo!など)でも同様ですが、単純に「自社名」や「サービス名」だけで検索してしまうと、膨大情報の海に溺れてしまうことになります。「自社の名前 and リスクキーワード」を設定したり、「自社の名前 not 不要ジャンルワード」で余計な検索結果を弾いたりするスキルが必要となってきます。

2.目視体制

ツールは書き込みそのものの取得や傾向の把握には役立ちますが、最終的にその書き込みにリスクが含まれているかを判断するには、やはり人の目が必要となります。

残念ながらツールが判断できるのは、書き込まれた単語があるかどうかだけです。文章に含まれた感情を読み取ることができないツールに、最終的な判断を任せるのは大変危険なこと。

目視確認の体制づくりは必須となるでしょう。

3.社内フロー

ソーシャルリスニング

最後に準備するのが社内フロー。これだけ綿密に精査して見つけ出したリスクも、社内で共有できるシステムが備わっていなければ宝の持ち腐れです。

異物混入であれば品質管理部や製造管理チームに、自社の社員が漏らしたと思われる不用意な発言は、人事・教育担当、あるいはその社員の上長へ確実に情報が行き渡らなければなりません。

ここまで整えば、ソーシャルリスク対策の準備ができたといえるでしょう。あとは抜けなく実施するだけです。…と言っても、どんな事故でも100%防げるわけではありません。それでも大きな事故を防ぐために、これだけのことをして損することはありません。

ぜひ一度、社内のソーシャルリスク対策の体制を見直してみてください。

ソーシャルリスニングをマーケティングに活かす

続いて、ソーシャルリスニングで得た情報をいかにマーケティングに活かすかについて解説していきましょう。基本的にはリスク対策時と同様、ソーシャルメディア上に広がる膨大な情報の海から自社および自社商品などに関わるワードを抽出し、その評判を判断してリスク対策やマーケティングにつなげていくところは一緒です。

そしてこれは重要な事ですが、母集団が「ソーシャルメディア上に投稿している人」に限定されていることを理解しなければなりません。拾った情報が日本国民の総意とはならないので、その点はしっかり踏まえておきましょう。さらにソーシャルメディア上を利用している年代としては20代・30代が多いという点を理解することも必要です。

課題別・目的別に見たソーシャルリスニングの活用法

ソーシャルリスニング

さて、ソーシャルリスニングをマーケティングに活用する場合のメリットや手法について述べてきましたが、ここからは解決したい課題別、目的別に見たソーシャルリスニングの具体的な活用方法を解説します。

1.ブランディング・ブランドイメージ調査

ソーシャルリスニングでは、「本音に近い声」を手軽に得ることができます。いまユーザーが何に興味を持っているのか、商品やサービスについて何に価値を感じているのか、どういう場面で利用しているのかなど、漠然とした概念に対して効果を発揮しやすいといえるでしょう。

ソーシャルリスニング

例えば企業は、「組織・部門」、「業務プロセス」、「商品単位」などを通じて商品・サービスを見る傾向にあります。

その一方でユーザーからは、「解決してほしい課題全体」、「商品やサービス・企業全体・提供経路やブランドイメージなどの全体を通して提供される体験」、「商品/サービスの品質が良くても全体として感じる不便さ」、「企業側で想定してない利用シーン」など、あらゆる観点から商品・サービスを見ているケースも少なくありません。

ユーザーからの視点を抽出することで、何がユーザーにとって価値向上となるのか、そしてどうすることが商品やサービスの価値を向上させることにつながるのかを測ることができるでしょう。

2.顧客満足度向上/商品・サービス改善への活用

ソーシャルリスニングは、商品やサービスに関する投稿を収集・分析し、評判や改善点を具体的に把握するという活用もできます。

ソーシャルリスニング

例えば、ユーザーの声を拾うためにお問い合せ窓口を用意している企業は多いでしょう。そこにくる問い合わせは大抵、解決したい強い課題を抱えた人からのものが多くなる傾向にあります。

一方でソーシャルメディアからは、その時の気分やノリで気軽に発する投稿が多くなります。ネガティブなことだけでなく、ポジティブな投稿が多いのも特徴ですね。不満を見つけ出したときに改善につなげていくのは当たり前ですが、ファンの投稿を利用してプロモーションにつなげていくことも可能です。

また投稿日時のデータを持つソーシャルリスニングでは、時系列で評判の変化を追うこともできます。何らかの施策を打ったときに、その効果をすぐに把握することができるのもソーシャルリスニングのおもしろいところです。

3.プロモーション効果測定

前述のとおり、ソーシャルリスニングはタイムリーな評判を知ることができます。自社が行なったプロモーションがユーザーにどのように好意的に受け止められたのか、また逆に反感を買ったプロモーションはどういったものか、良し悪しともに反響の大きさをリアルタイムに確認することができます。

ソーシャルリスニング

結果が早くわかることで、素早く次の施策に移ることも可能ですね。こういったプロモーション効果測定手法としてソーシャルリスニングを活用したいというニーズは、最近増加傾向にあります。

4.競合との比較

競合他社とサービスのリリースが重なることもあるでしょう。そうしたときに、自社サービスとの評判の比較をソーシャルリスニングで確認することができます。

同じ期間内に、自社商品・サービスについての投稿と競合商品・サービスについての投稿が、どの程度のボリューム感で投稿されているか。その差を見ることで、ユーザーの相対評価を知ることができます。

5.アンケート調査のための設計手段

アンケートとソーシャルリスニングは相反するものではありません。むしろ、アンケートには最初の仮説立てが重要となるため、その基となる情報をソーシャルリスニングで抽出し、そのままアンケートの設計に利用することができます。

アンケート結果を使えるものとするには、適した設問を用意しなければなりません。適した設問を用意するには、現在何が求められているのか市場調査が必要です。ソーシャルリスニングを活用することで、アンケートの設問をより実情に則したものにできるんですね。

ふたつを組み合わせることで、より立体的なアンケートを取ることができるでしょう。

アンケートにご協力お願いします!


いかがでしたでしょうか。

ソーシャルメディアでユーザーの声を聞くといっても、集めた情報を活かせることができなければ意味がありません。ソーシャルリスニングは決して万能ツールではありませんが、うまく利用することで炎上のリスクを下げることができ、ブランド価値を高めるマーケティングに活用することもできます。

良いツールを持っていても、使い方を知らなければかえって足を引っ張ってしまうもの。今回のソーシャルリスニング活用マニュアルを読んで、是非よりよいソーシャルメディア運用に取り組んでみてください!

以上、『X(Twitter)の声を拾うだけでは終わらない!マーケティングと炎上対策に使えるソーシャルリスニングのススメ。』でした。

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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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