6月の主要SNSニュースまとめ! Instagramが新機能の実装とテストを連発。地図検索機能やリール広告、クリエイター支援ほか
2021/07/08
皆さんいかがお過ごしですか? 梅雨が始まり外はジメジメ。室内ではエアコンの寒さにやられ体調管理に悩まされる季節。でも夏までもう少し。一緒に頑張りましょう。
先月は特にInstagramのアップデートが多かったですね。ニュースの数だけで見れば地図検索機能やリール広告、クリエイター支援の実装など、今年上半期で最多。それでは早速見ていきましょう。
1. Facebook
ポッドキャストサービスを開始を発表
現地時間6月22日より、Facebookに音声番組が配信できる同社独自のポッドキャストが導入されます。管理者は自分のFacebookページにポッドキャストを追加すると、ユーザーはFacebook上で直接聴くことができるようになります。アップロードやリンクを貼る必要はありません。
最新のエピソードが随時更新され、いつでもポッドキャストを公開や削除ができます。
6月30日執筆時点では、日本語のFacebookページの管理画面やクリエイタースタジオの「メディア」欄にはまだポッドキャスト機能は追加されていませんでした。
音声DMやチャットルーム(開発中)に続き、音声番組コンテンツにも力を入れ始めたFacebook。国内で始まった場合、動画コンテンツ専用の視聴タブ「Watch」のように、ユーザーが視聴しに来やすい導線ができるのかにも注目です。
参考:https://www.facebook.com/podcast_terms,
https://iphone-mania.jp/news-376097/,
https://www.theverge.com/2021/6/16/22537023/facebook-podcast-rss-feed-publish-clips-pages
2. Instagram
リール広告の提供開始を発表
https://about.fb.com/ja/news/2021/06/reels-ads-launch/
現地時間6月17日、Instagramは、30秒以内の短尺動画を楽しむことができる機能「リール」において、広告の提供を開始することを発表しました。日本を含むリールが利用できるすべての国と地域で利用可能です。
リール広告は、ストーリーズ広告と同様に縦長の全画面で表示され、通常のリール動画の合間に表示されます。
2020年11月の専用タブ誕生以降、クリエイターを中心に普及し始めている短尺動画のリール。この度、スワイプ可能な30秒の広告枠が登場しました。リール広告単体で、あるいはストーリーズと併せて出稿が可能です。
同じ縦型で没入感のあるストーリーズ投稿とは操作感や文化が異なります。広告出稿する際はスクロールの仕方やテンポの良い音楽とメリハリを感じる編集など、リールならではのトンマナを意識することが大切です。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2021/06/reels-ads-launch/
近隣の人気スポットを検索できる地図検索機能を導入
https://about.fb.com/ja/news/2021/06/mapsinjapan/
6月17日、Instagramは、近隣の人気スポットを検索できる地図検索機能を日本国内でローンチすることを発表しました。
発見タブの地図アイコンをタップすると、カフェやレストラン、観光名所などの人気スポットが地図上に表示されます。また一部のハッシュタグの検索結果ページにも地図が表示され、そのハッシュタグに関連する近隣のスポットを発見することが可能になります。
同機能によって、ユーザーは行きたいお店が決まってない場合でも、暇つぶしや探し物があればInstagramでまず検索して、お店を知り、口コミ投稿を調べ、検討する流れができたといえます。Instagramで検索行動が活発な若年層がターゲットで、特に写真が撮られやすい商材を有する企業は位置情報と店舗情報、アカウントが紐づいているか確認すると良いでしょう。
もともと2021年3月から試験が始まっていた同機能。詳細なアルゴリズムは明かされていませんが、Googleマップのように検索ワードに対して正確な情報が表示されるというより、各Instagramユーザーの興味関心に沿った情報が届けられるため、同じ場所を調べても表示されるお店や写真が微妙に異なります。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2021/06/mapsinjapan/,
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/00609/
クリエイターの収益化サポートを強化、バッジ機能やショップ機能を拡充
https://about.fb.com/ja/news/2021/06/creator_week_product_announcement/
現地時間6月8日、Instagramは、昨年10月より国内でテスト中のバッジ機能をアップデートしました。1回のライブ配信中にファンが複数のバッジを購入できるようになります。
また、クリエイターがショップ機能で自身のブランドを訴求し、ECサイトを通じて売上を得ることができるよう、個人アカウントのプロフィール画面にショップのリンクを追加できるようになります。
この度YouTubeのスーパーチャットのようにライブ中の「投げ銭」が受け取れ、宣伝した商品の売上の一部が手に入る機能のテストが始まり、自身の商品をショップ機能で販売できるようになりました。
「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」というミッションを掲げるInstagramにとって、特定の分野において専門知識やカリスマ性を誇るクリエイターは、フォロワーとなるユーザーの興味関心を強く刺激し、熱狂させられる貴重な存在です。
クリエイターの収益化は多くの企業のマーケティング活動にとって直接的には関係ありませんが、Instagram独自の経済圏を理解した上で、自社の顧客に合うクリエイターと協業することは購入者に喜んでもらい、結果的に売上を最大化させることに役立つといえます。
参考:https://about.fb.com/news/2021/06/new-ways-for-creators-to-make-a-living/,
https://about.fb.com/ja/news/2021/06/creator_week_product_announcement/
Messenger APIの正式導入を開始、すべての開発者や企業が利用可能に
現地時間6月2日、Facebookは、Instagram用Messenger APIを正式導入し、すべての開発者に公開しました。
目的は、ビジネスが、Instagram上でより充実したメッセージング体験を提供できるようにすることです。
導入によって、すべての企業がMessenger APIを活用してInstagramユーザーの顧客と対話できるようになります。
企業アカウント運用者にとって、2021年9月までにはフォロワー規模に問わずAPIが開放され、ユーザーからのメッセージ対応が簡便になります。
具体的には、従来、顧客からのメッセージを見るにはInstagramに直接入ったりクリエイタースタジオを開く必要がありました。それが今回、外部ベンダーの提携する管理ツール上でも(契約しているツールの開発次第で)将来見られるようになり、見逃し防止や作業の時間短縮につながることが考えられます。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2021/06/the-wait-is-over-messenger-api-for-instagram-is-now-available-to-all-developers/,
https://jp.techcrunch.com/2021/06/03/2021-06-02-facebook-opens-its-messenger-api-for-instagram-to-all-business
ショッピング体験向上のため、ショップ広告の拡充やAR・VR分野への投資を発表
https://about.fb.com/ja/news/2021/06/future_of_commerce/
現地時間6月22日、Facebookは、Instagramのショップ機能などを拡充するためにAIとAR(拡張現実)分野に投資すると発表しました。
コロナ禍をきっかけに加速するオンラインショッピングのニーズに対し、ARやAI技術を導入することで、視覚的な商品検索やパーソナライズした広告体験など、新たな機能の導入・拡大を目指します。
もともとコロナ以前から同社はARやVR分野に投資し、例えばARフィルターによる試着体験など、ユーザーが自宅や自分の好きな場所で疑似的に買い物を楽しめる世界観を作り上げようとしてきました。
今回の広告ソリューションの拡充や投資の発表からは、新しい生活様式がユーザーに浸透した世の中でも、Instagram広告の出稿やアカウント運用を検討する企業がマーケティングで成果を出せるように一層力を入れていることがうかがえます。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2021/06/future_of_commerce/,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2106/23/news154.html
デスクトップブラウザから投稿できる機能をテスト中
現地時間6月24日、Instagramは、ユーザーがデスクトップから投稿できるテストを行っていると明らかにしました。
テスト機能が使えるかどうかは、ブラウザでInstagramを開き、右上のアイコントレイに「プラス」のアイコンがあるかどうかで確認できます。全ユーザーに提供されているわけではありません。
現在はメインフィードへの投稿のみ可能です。
投稿するためにスマートフォンでの操作が必須だったため、クリエイターや企業担当者の工数負荷となっていました。例えば、編集したデータの移管をしたり、改行を反映させるためのアプリの利用したり、1つ投稿を行うのも細かい点で手間が掛かっていました。
もし実装されれば、企業の担当者は作業の負荷軽減のためにワークフローを変えてみるのはいかがでしょうか。
参考:https://jp.techcrunch.com/2021/06/25/2021-06-24-instagram-post-from-desktop/
ストーリーズ投稿でリンクが共有できる機能を一部ユーザー対象にテスト中
現地時間6月29日、The vergeの報道によると、Instagramは一部ユーザーを対象に、ストーリーズ上にリンクを共有できるステッカー機能のテスト中だと明らかにしました。
この機能の場合、スワイプ(上に動かす)ではなく、タップで操作可能になります。
現在ストーリーズにおけるリンク遷移は、公式マークの付いたユーザーやフォロワー数が1万を超えるユーザーにのみ限られています。
操作方法が現行のスワイプアップ形式と多少変わるだけなので、もし本格導入されれば、ユーザーを流入させられる便利な手段となります。アカウント運用上、ストーリーズ投稿によるリンクを貼るために1万フォロワーを集める必要性が低くなると言えます。
現在はユーザーがどのようなリンクを共有するのか、検証している段階だと同社製品部門開発者ヴァシャル・シャー氏は下記リンクの取材で語っています。将来的に実装されるのか注目です。
参考:https://www.theverge.com/2021/6/29/22555434/instagram-link-sticker-post-test-swipe-up,
https://iphone-mania.jp/news-379281/
3. X(Twitter)
ツイートをInstagramストーリーズにシェア可能に(リンクは無し)
インスタグラムのストーリー機能にツイートを共有できるようになりました!これでわざわざスクショして、アップしなくてもよくなりましたよ🤩 iOS上にて順次対応中です。 https://t.co/TAf1aOFe8z
— Twitter Japan (@TwitterJP) June 23, 2021
現地時間6月23日、X(Twitter)は、ツイートを直接Instagramのストーリーズにシェアできる機能を追加。これによりSNSプラットフォームをまたぐ際の体験が改善されました。
ツイートをタップしてX(Twitter)に飛ぶことはできません。しかし、従来行われていたような、スクリーンショットをしてアップする手間が無くなりました。現状この機能が使えるのはiOSのみです。
今のところ、同機能ではリンク遷移をさせられないことから、特定のページやキャンペーンの流入数をInstagram経由で直接的に増やすことはあまり期待できません。
一方、自分の投稿以外のツイートも掲載できることからX(Twitter)で見つけた自社商材に対するユーザーの率直な疑問やお褒めの言葉などを紹介したり、X(Twitter)で特に反響のあった自社投稿を選んで投稿し、それらをInstagramのハイライト機能で保存しておく使い方が考えられます。
参考:https://twitter.com/TwitterJP/status/1407496147376164866,
https://jp.techcrunch.com/2021/06/24/2021-06-23-add-tweets-to-instagram-story/
クリエイターが収益化できる新機能を米国にて提供開始
現地時間6月22日、X(Twitter)は、クリエイター収益化のための新サービス「Ticketed Spaces」と「Super Follows」の提供を米国の一部ユーザー向けに開始しました。
前者はiOSおよびAndroidアプリに、後者はiOSアプリにのみ対応します。実装された場合、モバイルアプリの[≡]ボタンを押すと、[☆収益を得る]が表示されるようになります。
クリエイターがSNSプラットフォーム上で収益化できるのはInstagramやYouTubeの専売特許ではないようです。X(Twitter)でもこの度、米国の一部ユーザーに限り提供が始まりました。
こうした収益化の動きはクリエイターの自立を助け、それまで企業案件をPR会社や広告代理店から受ける以外の収益手段を持たなかった人たちに特に役立つと考えられます。
一方で彼らに依頼をする支援会社側は、そうした状況でも仕事を引き続き受けてもらえるよう、協業する上で金額以外の価値や魅力を提供できるかが今後試されると言えます。
参考:https://media.twitter.com/en/articles/blogs/2021/be-the-first-to-try-ticketed-spaces-and-super-follows,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2106/23/news064.html