Webでも視聴率が取れるようになる! ニールセンがデジタル広告視聴率のサービスを提供開始
2015/07/17
リサーチ会社のニールセンは、7月14日に日本で正式に「ニールセン デジタル広告視聴率」の提供を開始しました。
これにより、オンライン広告にクリック数以外の効果計測方法を導入し、「自社広告がターゲット層にいかに到達したか」をテレビ広告のGRPと同様の指標で管理できるようになります。
そこで今回は、デジタル広告視聴率でどのようなことがわかるのかについて詳しく触れていきます。
■ニールセン デジタル広告視聴率とは
ニールセン デジタル広告視聴率では、オンラインでのブランディング広告キャンペーンのリーチ(到達度)を計測します。
これにより広告主は、従来指標としてみていた「クリック数」以外に、「自社広告がターゲット層にいかに到達したか」をテレビ広告のGRP(Gross Rating Point/テレビコマーシャルを放映した本数にそれぞれの番組の視聴率を掛けた総和)と同様の指標で管理できるようになります。
そのサービス主な特徴をまとめると、
・包括的なデジタル広告測定と分析
デジタル広告視聴率は、スマートフォンおよびタブレットを対象としたデジタル広告効果測定ソリューションです。パソコン、モバイル端末からの広告リーチを、重複を除いて統合・分析した結果をリアルタイムにレポートできます。
・ビューアビリティ(広告が見られているか)を検証
デジタル広告視聴率は、広告が実際に視聴者に見られたのかを、米国のオンライン広告業界団体(Interactive Advertising Bureau: IAB)が定める業界指標3MSに則った広告効果測定を実施します。ビューアビリティの測定には業界リーダーであるIntegral Ad Science社の手法を採用しています。
・デイリーレポート
すべてのキャンペーンにおいて、期間中にPC、スマートフォン、タブレットを含むあらゆるデジタル媒体で計測されたユニークオーディエンス数、インプレッション、リーチ、フリクエンシー、GRPを翌日にレポートします。視聴データは属性(年齢、性別)ごと、広告媒体社とプレースメントごとに詳しく分析ができます。
オンライン広告業界の底上げにつながると期待されている本サービスは、すでに北米、欧州を中心に12か国で展開しており、今後はフィリピン、タイ、マレーシアとメキシコでの提供開始を予定しているそうです。
今回の「ニールセン デジタル広告視聴率」の日本でのサービス提供は、Facebook社とのパートナーシップによって実現しました。
日本で2,300万人のユーザー数を誇るFacebookの巨大なデータベースをパネルと見立て、その情報とニールセンの持つ市場代表性の高いオンライン・パネルの情報とを複合的に組み合わせることにより、日本のオンライン・ユーザーで広告に接触した人々を性別、年齢層まで把握することが可能になるそうです。
また、調査結果は24時間以内にオンラインのインターフェース上に表示され、広告主は自社の広告キャンペーンの結果をすぐに知ることができ、その結果に応じて広告を改善し最適化できるようになります。
広告主や広告代理店、媒体社などは、同サービスを使うことで、広告効果をより正確に検証でき、他社比較や検討が可能になります。
■最後に
さまざまなオンライン・メディア上の広告キャンペーンに接触している消費者を、より良く理解する方法を求め続けてきた広告主、広告代理店、媒体社にとって、このサービスは、まさにニーズに応えるサービスだと言えます。
そして、その良さは、「正確な分析力」と「スピード」にあると思います。
広告効果をより正確に分析できることで、特にこれまで効果の見えづらかったブランディング広告では、その費用対効果が明白になり、他社比較や継続投資などの検討ができるようになります。
効果が明白になり、良し悪しの判断が可能となることで、日本のデジタル広告市場の拡大性は増すのではと思われます。
そして、調査結果のフィードバックの早さは、より早い広告効果の改善に寄与します。特にデジタル広告は、1秒でも早い改善がその後の効率や効果を大きく変えます。そういった意味でもフィードバックが早く、デイリーでレポートが確認できるといった点は、非常にメリットのある特徴だと言えます。
「ニールセン デジタル広告視聴率」は、顧客のニーズに応え、オンライン広告における効果検証を行うことができます。そしてこの指標は、今後大きな成長が期待される動画広告にとっても、重要なものとなってくるのではないでしょうか。
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部