SNS運用の引き継ぎを円滑に進めるマニュアル作成術!テンプレートで属人化を解消

2025/07/25

SNS担当者が突然の退職!引き継ぎどうしよう」「うちのSNS運用、完全に属人化している」こんな悩みを抱えていませんか?

SNS運用は企業の顔となる重要な業務ですが、そのノウハウが特定の担当者に集中しがちです。

本記事では、担当者交代の際にも慌てないための「SNS運用引き継ぎマニュアル」の作り方を徹底解説します。マニュアルの基本構成から、すぐに使えるテンプレート、他社の成功事例まで、具体的にお伝えします。

この記事を読めば、誰でもスムーズに業務を引き継げる体制を整え、運用品質の安定化とリスク管理を実現できます。

目次

  1. SNS運用の「引き継ぎ」が難しい理由とは?
  2. 引き継ぎに必要な「SNS運用マニュアル」の基本構成
  3. SNS運用マニュアルのテンプレート・ひな形
  4. SNS運用の引き継ぎ時に活用すべき資料・チェックリスト
  5. SNS運用マニュアル整備の成功事例5選
  6. SNS運用マニュアル整備による効果とメリット
  7. まとめ|SNS運用の引き継ぎはマニュアル整備がカギ

本記事は企業のSNSマーケティングを包括的に支援をしているガイアックスが解説しています。運用実績10年以上、大手企業を中心に累計1,000社以上の運用実績があります。

SNS運用、SNSキャンペーンに興味のあるご担当者様は、ガイアックスにご相談ください。

SNS運用の「引き継ぎ」が難しい理由とは?

 

SNS運用の引き継ぎは、多くの企業担当者が頭を悩ませる課題です。

なぜなら、SNS運用は単なる投稿作業ではなく、企業のブランドイメージや顧客との関係構築を担う重要な業務だからです。

このセクションでは、SNS業務がなぜ属人化しやすいのか、そして担当者の交代時にどのようなトラブルが起こりがちなのかを解説します。

これらの背景を理解することは、効果的な引き継ぎマニュアルを作成し、将来のリスクを未然に防ぐための第一歩となります。

SNS業務が属人化しやすい背景

SNS運用が属人化しやすい主な理由は、業務の性質そのものにあります。

リアルタイムでの情報発信やユーザーとの対話が求められるため、担当者の経験やスキル、さらには個人のセンスに依存する部分が大きくなりがちです。

例えば、投稿コンテンツの企画、クリエイティブの作成、コピーライティング、ユーザーコメントへの返信といった一連の業務は、特定の担当者が一貫して行うことで、アカウントの「中の人」としてのキャラクターや一貫性が保たれます

しかし、その担当者が異動や退職する際、これまで培ってきたノウハウや判断基準が明文化されていないと、後任者は何から手をつけて良いか分からなくなってしまいます。

運用内容が暗黙知・感覚ベースで共有されがち

SNS運用の現場では、「この時間帯の投稿はエンゲージメントが高い」「こういうネタはウケが良い」といった情報が、担当者の経験則、いわゆる「暗黙知」として蓄積されがちです。

これらは非常に価値のある情報ですが、感覚的なものであるがゆえに言語化が難しく、チーム内で共有されにくいという側面があります。

「ブランドイメージを損なわない絶妙な言葉遣い」や「炎上につながりかねない表現の回避」といったリスク管理に関する判断も、担当者の個人的な感覚に委ねられているケースが少なくありません。

このような暗黙知や感覚ベースの運用が続くと、担当者が変わった途端に投稿の質が低下したり、ブランドイメージがぶれてしまったりするリスクが高まります。

担当交代時に発生しやすいトラブル例

SNS運用の引き継ぎが不十分な場合、さまざまなトラブルが発生しやすくなります。

最も典型的な例は、アカウントのIDやパスワードが分からずログインできない、といった初歩的な問題です。

複数のメンバーで管理しているうちに、誰が最新のパスワードを管理しているか不明確になるケースは後を絶ちません。

さらに深刻なのは、投稿内容のトーン&マナー(トンマナ)が維持できなくなることです。

例えば、これまで丁寧な言葉遣いで運用してきたアカウントが、突然カジュアルな口調に変わると、フォロワーに違和感や不信感を与えかねません

過去の経緯を知らない後任者が、不適切な内容を投稿してしまい、炎上につながるリスクも考えられます。これらのトラブルは、企業の信頼を大きく損なう原因となり得ます。

引き継ぎに必要な「SNS運用マニュアル」の基本構成

SNS運用の引き継ぎを円滑に進め、業務の質を維持するためには、体系的なマニュアルの整備が不可欠です。

マニュアルがあれば、後任者は迷うことなく業務を遂行でき、担当者の交代による影響を最小限に抑えられます。

このセクションでは、引き継ぎに不可欠なSNS運用マニュアルに盛り込むべき4つの基本構成要素を解説します。

これらのポイントを押さえることで、誰が見ても分かりやすく、実用的なマニュアルを作成できます。

1. アカウント管理情報

マニュアルの冒頭には、SNSアカウントの基本的な管理情報を網羅的に記載します。これは最も基本的かつ重要な項目です。

具体的には、各SNSプラットフォームのログインID、メールアドレス、パスワード、そしてセキュリティ設定(二段階認証など)に関する情報をまとめます。

パスワードは定期的に変更されることを想定し、更新履歴を記録できるフォーマットにしておくと良いでしょう。

複数人でアカウントを管理している場合は、誰が管理者権限を持っているのか、各担当者の役割と権限の範囲を明確に記述しておくことが重要です。

これにより、不正ログインや権限設定のミスといったセキュリティリスクを防ぎます

2. 投稿業務フロー(企画〜投稿〜レポートまで)

次に、日々の投稿業務に関する一連の流れを具体的に記述します。担当者が変わっても、これまで通りの品質で投稿を継続できるように、業務フローを可視化することが目的です。

まず、投稿コンテンツの企画立案から承認までのプロセスを明記します。

誰がネタを考え、誰が承認するのか、定例会議の有無などを記載します。次に、投稿作成の具体的な手順、使用するツール(画像編集ソフトや予約投稿ツールなど)、投稿前のダブルチェック体制についても詳しく説明します。

投稿後の効果測定(インプレッション、エンゲージメント率など)の方法や、月次レポートの作成手順、報告先といったレポーティングのルールまで定めることで、一貫したPDCAサイクルを回せるようになります。

3. ルール・ガイドライン(トーン/NG対応/リスク対策)

アカウントの個性と信頼性を守るためには、明確なルールとガイドラインが欠かせません。

ここでは、ブランドイメージを統一するための「トーン&マナー(トンマナ)」を定義します。

例えば、文体は「です・ます調」か「だ・である調」か、絵文字や記号の使用ルール、敬称の統一などを具体的に定めます。

また、ネガティブなコメントやクレームに対する対応方針(返信するのか、無視するのか、エスカレーションするのか)、炎上発生時の連絡体制や対応手順といったリスク管理体制も明文化しておく必要があります。

企業として許容される表現、避けるべき表現(差別的、政治的、宗教的な話題など)をNG項目としてリストアップしておくことで、担当者の個人的な判断によるブレを防ぎ、炎上リスクを低減させましょう。

4. 分析・改善の観点(KPI/レポートフォーマット)

SNS運用は、単に情報を発信するだけでなく、その効果を測定し、改善を繰り返していくことが重要です。

そのため、マニュアルには分析と改善に関する観点を盛り込む必要があります。

具体的には、運用目的(認知度向上、フォロワー数増加、ウェブサイトへの誘導など)を再確認し、それに対応するKPI(重要業績評価指標)を明確に設定します。

例えば、「フォロワー増加数」「エンゲージメント率」「ウェブサイトへのクリック数」などが挙げられます。

月次や週次で行うレポートのフォーマットを統一し、記載すべき項目(KPIの進捗、人気のあった投稿、考察、次月のアクションプランなど)を定めておきましょう。

これにより、担当者が変わっても一貫した基準で成果を評価し、データに基づいた戦略的なアカウント運用を継続できます。

SNS運用マニュアルのテンプレート・ひな形

SNS運用マニュアルを一から作成するのは大変な作業です。そこで役立つのが、既存のテンプレートやひな形です。

これらを活用することで、作成の手間を大幅に削減し、かつ網羅性の高いマニュアルを効率的に整備できます。

このセクションでは、テンプレートを活用するメリットや、具体的なフォーマット例、そして各SNSプラットフォームに合わせた書き分けのポイントについて解説します。自社に最適な形を見つけ、マニュアル作成をスムーズに進めましょう。

運用ルールテンプレートの活用メリット

運用ルールのテンプレートやひな形を活用する最大のメリットは、マニュアルに記載すべき項目を網羅的に洗い出せる点にあります。

自社だけで作成しようとすると、どうしても特定の項目が抜け漏れがちです。

しかし、実績のあるテンプレートをベースにすることで、アカウント情報からリスク管理、レポーティングに至るまで、必要な要素を体系的に整理できます。

テンプレートは多くの企業で利用されることを想定して作られているため、誰にとっても分かりやすい構成になっています。

マニュアルの標準化をすることで、ゼロから考える時間と労力を節約し、本質的な内容の検討に集中できる点が大きなメリットと言えるでしょう。

使えるツールはExcel/Google Docs/Notion

SNS運用マニュアルのフォーマットは、自社の運用体制や使いやすさに合わせて選ぶことが重要です。ここでは代表的な3つのツールを比較します。

ツール名 メリット デメリット
Excel ・多くの企業で導入済み
・表計算やデータ管理に強い
・パスワード管理など、一覧性が求められる情報に適している
・同時編集ができない
・バージョン管理が煩雑になりやすい
・デザインの自由度が低い
Google Docs ・複数人での同時編集が可能
・コメント機能でフィードバックが容易
・Web上でいつでもアクセスできる
・オフラインでの編集に制限がある
・複雑なレイアウトには不向き
Notion ・テキスト、表、チェックリストなどを自由に組み合わせられる
・情報の階層化やデータベース化が得意
・テンプレートが豊富
・多機能ゆえに慣れるまで時間がかかる
・一部機能は有料プランが必要

ExcelやGoogleスプレッドシートはアカウント情報の一覧化に、Google Docsは文章ベースのガイドライン作成に、Notionは複数の情報を一元管理するのに適しています。

それぞれのツールの特性を理解し、マニュアルの内容や目的に応じて使い分けるのがおすすめです。

各プラットフォーム別の書き分け方

運用するSNSプラットフォームが複数ある場合は、共通の基本ルールを定めた上で、各媒体の特性に合わせた個別ルールを追記することが重要です。

Instagram 

ビジュアルが重視されるため、投稿する画像や動画のトンマナ(色味、構図、フィルターなど)を厳密に定める必要があります。

ストーリーズやリールなど、各機能の活用方針や投稿頻度も明記しましょう。ハッシュタグの選定ルール(個数、種類など)も重要な項目です。

X(Twitter)

リアルタイム性と拡散力が特徴であるため、投稿内容の即時性や、リプライ・引用リポストへの対応方針を明確にしておく必要があります。

炎上リスクが他のSNSより高いため、緊急時の対応フローは特に詳細に定めておくべきです。文字数制限の中で情報を的確に伝えるための文章作成ルールも必要です。

Facebook

比較的フォーマルな情報発信や、ターゲットを絞った広告配信に強みがあります。

実名登録が基本のため、ユーザーとのコミュニケーションはより丁寧な対応が求められます。

イベント告知や詳細な製品情報の投稿ルール、広告出稿の際の承認フローなどを定めておくと良いでしょう。

SNS運用の引き継ぎ時に活用すべき資料・チェックリスト

SNS運用の引き継ぎを成功させるためには、マニュアル本体に加えて、補足的な資料やチェックリストの活用が非常に効果的です。

これらを準備することで、情報の伝達漏れを防ぎ後任者がスムーズに業務を開始できる体制を整えられます。

このセクションでは、引き継ぎ用のチェックリストを作成する際のポイントや、口頭での伝達だけでは不十分な理由、さらには外部の専門会社に運用を委託する場合の提案書の構成について解説します。

引き継ぎ用チェックリストの作成ポイント

引き継ぎ用のチェックリストは、マニュアルに記載された項目が、いつ、誰から誰へ、どのような方法で引き継がれたかを記録するためのツールです。

これにより、引き継ぎの進捗状況を可視化し、対応漏れを確実に防ぐことができます。

チェックリストを作成する際は、「タスク」と「確認者」の欄を設けましょう。

例えば、「アカウントID・パスワードの共有」「投稿予約ツールの操作方法レクチャー」「レポートフォーマットの説明」といった具体的なタスクをリストアップし、それぞれに対して「完了日」「旧担当者サイン」「新担当者サイン」の欄を設けます。

こうすることで、双方の認識合わせができ、「言った」「言わない」といったトラブルを回避できます。引き継ぎ期間の最終日には、このチェックリストを使って最終確認を行いましょう。

ヒアリングシート・口頭伝達だけでは不十分な理由

担当者の交代時には、後任者からの質問に答えるためのヒアリングや、口頭での業務説明の機会が設けられることが一般的です。

もちろん、これらは重要なプロセスですが、それだけで引き継ぎを完了させるのは非常にリスクが高いと言えます。

口頭での伝達は、情報が断片的になりやすく、伝達漏れや解釈の違いが生じる可能性が高いです。

後から「これはどうでしたっけ?」と何度も確認する手間が発生し、旧担当者が退職してしまった後では、もはや確認するすべがなくなってしまいます。

業務の全体像や細かいルール、過去の経緯といった情報は、必ずマニュアルという「文書」で残すことが、スムーズで確実な引き継ぎの前提条件となります。

SNS運用代行会社に引き継ぐ場合の提案書構成

社内での引き継ぎだけでなく、SNS運用を外部の代行会社に委託する場合も、体系立てられた情報提供が不可欠です。

その際に重要となるのが、自社の要望や現状をまとめた提案依頼書(RFP)や、代行会社から提出される提案書です。

優れたSNS運用代行会社は、契約前に必ず詳細なヒアリングを行い、クライアントの課題や目標を明確にします。その上で提出される提案書には、通常以下のような項目が含まれます。

  • 現状分析と課題の抽出:アカウントの現状を分析し、どこに問題があるかを客観的に指摘します。
  • 運用戦略の提案:KGI・KPI設定、ターゲットペルソナ、コンセプト、具体的な施策などを提案します。
  • 具体的な業務内容と範囲:投稿作成、コメント返信、広告運用、レポーティングなど、どこまでの業務を代行するのかを明記します。
  • 運用体制と報告フロー:どのようなチーム体制で運用し、どのくらいの頻度で報告を行うかを提示します。
  • 費用:月額費用や初期費用、広告費などの見積もりを詳細に記載します。

これらの項目が網羅された提案書を受けることで、自社の要件と合致しているか、信頼できるパートナーとなり得るかを判断することができます。

SNS運用マニュアル整備による効果とメリット

SNS運用マニュアルを時間と労力をかけて整備することは、単に引き継ぎをスムーズにするだけではありません。

企業のSNS運用全体に、長期的かつ多岐にわたるプラスの効果をもたらします。このセクションでは、マニュアルを整備することによって得られる具体的なメリットを解説します。

これらの効果を理解することで、マニュアル作成の重要性とその投資対効果を深く認識できるでしょう。

担当交代によるリスク最小化

マニュアル整備の最も直接的なメリットは、担当者の異動や退職といった交代劇に伴うリスクを最小限に抑えられることです。

運用ルールや業務フローが明文化されているため、後任者はスムーズに業務内容を理解し、即戦力として運用を開始できます。

これにより、「担当者が辞めた途端にSNSの更新が止まってしまった」「アカウントのトンマナが変わってフォロワーが離れてしまった」といった事態を防ぎ、運用の継続性と品質を担保できます。

社内外での業務共有・連携がしやすくなる

マニュアルは、SNS運用担当者だけのものではありません。関連部署(マーケティング部、広報部、営業部など)のメンバーや経営層にとっても、SNS運用の目的や現状を理解するための重要な資料となります。

マニュアルを通じてアカウントの運用方針が全社的に共有されることで、各部署との連携がスムーズになります。

例えば、新商品のキャンペーンをSNSで展開する際に、営業部や開発部と足並みをそろえた情報発信が可能になり、より大きな相乗効果が期待できます。

代理店・外注活用時の品質ブレ防止

SNS運用を外部の代理店やフリーランスに委託する場合、マニュアルの有無が成果を大きく左右します。

自社のブランドコンセプト、ターゲット層、投稿のトンマナ、リスク管理の方針などを詳細に記したマニュアルを提供することで、外注先はクライアントの意図を正確に汲み取り、期待する品質のサービスを提供しやすくなります

確な指針がないまま委託してしまうと、代理店の担当者のスキルや解釈によって成果物が大きく変動し、「思っていたのと違う」といったミスマッチが生じる原因となります。

マニュアルは外注パートナーとの共通言語となり、品質のブレを防ぐための羅針盤の役割を果たします。

まとめ|SNS運用の引き継ぎはマニュアル整備がカギ

SNS運用の引き継ぎにおける課題は、業務の属人化や暗黙知に起因するものが大半を占めます。

担当者の交代によって投稿品質が低下したり、最悪の場合アカウントの運用が停止してしまったりするリスクは、決して軽視できません。

こうした事態を未然に防ぎ、企業のSNSアカウントという重要な資産を守るために不可欠なのが、誰が見ても分かりやすく、実践的な「SNS運用マニュアル」の整備です。

本記事で解説した通り、マニュアルには以下の要素を盛り込むことが重要です。

  • アカウントの基本情報
  • 具体的な業務フロー
  • ルールとガイドライン
  • 分析と改善の視点

マニュアルを整備するプロセスは、これまでの運用方法を見直し、SNS戦略を再定義する絶好の機会でもあります。

この記事を参考に、ぜひ自社のSNS運用マニュアル整備に着手し、持続可能で安定したアカウント運用体制を構築してください。

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