知ってる?日本上陸間近『Spotify』が注目されているワケ。
2014/03/11
Spotifyってどんなサービス?何ができるの?
今回は、少し前のお話になってしまいますが、先々週開催されたソーシャルメディアウィーク東京2014で2度講演があった、Spotifyについてご紹介したいと思います。
海外で大人気の音楽のストリーミングサービスアプリですが、日本に上陸が間近と言われています。
先のソーシャルメディアウィークでも、Spotifyのセッションが2つあり、日本進出にとても意欲的に見えました。結論から言うと、日本国内でのリリース日などは明言されませんでしたが、「Spotifyってなに?」「日本でも流行りそうなの?」という点についてご紹介&考察していきたいと思います。
- ■目次
1.Spotifyとは?
-無料会員と有料会員の違い
-ソーシャル機能を活用した”オススメ”機能
-10代後半から20代の若いユーザー層
-有料会員を増やす秘訣とは?
2.Spotifyの『ここが面白い』
-『音楽の発見』機能が充実
-音楽がより身近に、『生活の一部』となる
3.Spotifyの『ここが気になる』
-日本の曲が少ない
-『特典』なしでどこまで勝負できるか
-日本のソーシャルメディア事情とマッチするかどうか
Spotifyとは?
Spotifyとは、2000万曲以上のライブラリーから聴きたい音楽をいつでも聴る、スウェーデン発の音楽ストリーミング配信サービスです。
無料会員と有料会員の2つのオプションがあり、現在約2400万人のアクティブユーザーと、そのうち600万人が有料会員を抱えます。
無料会員と有料会員の違い
有料会員と無料会員の主な違いは、以下のポイントです。
・無料会員はオフラインで楽曲の保存・再生ができない
・無料会員は5~6曲再生ごとに広告が入る
・有料会員の方が高音質
主な違いは上記の3点ですが、逆に言うと無料会員でもオンラインで大量の曲を聞くことができるという点がSpotifyの大きな特徴です。
モバイルとタブレットのアクセスにも違いが
同じ無料会員でも、タブレットからアクセスした場合はオンラインでのオンデマンド再生が可能になりますが、広告は表示されオフラインの保存・再生には対応していません。
またモバイルには、好きなアーティストを選択するとそのアーティストの曲がランダムで流れてくるシャッフルモードもあります。
ソーシャル機能を活用した”オススメ”機能
Spotifyにはいくつかのソーシャル要素があります。
・聞いた曲をSpotifyやFacebook上でシェアできる
・友達の聞いた曲がオススメとして紹介される
・Spotify上に存在するユーザーのプレイリストを分析し、「トレーニング用」「イタリアンディナー用」といった、状況やムードに合った曲が詰まっているプレイリストを提供する「Browse(ブラウジング)」機能
中でも、後述しますがBrowse機能は面白いと思います。
10代後半から20代の若いユーザー層
Spotifyの特徴的なデータの1つに、10代後半から20代の若いユーザーが多いという点があります。
CD購入の減少が嘆かれる今、こちらは非常に気になるデータであります。
有料会員を増やす秘訣とは?
前述の通り無料会員と有料会員に違いはありますが、大きな差は広告の有無とオフラインでの再生環境だけで、それ以外にはあまり違いはありません。
つまり、無料会員でもかなり多くの機能を利用できるので、無料でどんどんSpotifyを使って興味を持ってもらい、最終的に有料会員になってもらえると良いという考えがあるようです。
Spotifyは流行るの?
さて、Spotifyの紹介はこの辺りにして、実際に上陸した際に日本で流行るのかどうかを、色々な観点から想像してみたいと思います
2.Spotifyの『ここが面白い』
『音楽の発見』機能が充実
ソーシャルメディアウィークでもSpotify Japanの野本さんがお話ししていましたが、Spotifyは音楽の発見に力をいれているようです。
友達からのオススメだけでなく、過去に聞いた音楽を基に新たな音楽をオススメしてくれるDiscover、前述のBrowseなどで、今まで触れなかったような音楽に無料で触れられるということは、それだけでユーザーにとって魅力的なのではないでしょうか。
音楽がより身近に、『生活の一部』となる
MusicoveryやSongzaなど、気分や状況にあった音楽をオススメしてくれる音楽ストリーミングサービスはいくつかありますが、Spotifyにも膨大な楽曲数の中からムードに合ったプレイリストが選択できるBrowse機能があります。
様々なシチュエーションに相応しい音楽が簡単にみつかるので、音楽がさらに身近に、もっと言うと音楽が生活の一部となれるかもしれません。
作業中などの「流し聞き」に向いている
日本でも以前から動画サイトで「作業用BGM」をよく見かけるので、ガッツリ音楽を聞くのではなくあくまでもBGMとして音楽を流し聞く形が、最近の風潮としてありそうです。
したがって、そういった作業用のBGMに向いているという点でも、Spotifyは面白い存在になるのではないでしょうか。
3.Spotifyの気になる点
とはいえ、このまま日本でリリースしてもどこまで伸びるかは未知数ですし、個人的に気になる点もいくつかあります。
日本の曲が少ない
単純に現時点では日本の曲が少ないので、海外の曲が好きな人にしかウケない可能性があります。
もちろん前述の通り、無料でも沢山音楽を聞けるためユーザー数は確保できるとは思うので、そこからどのぐらいの人がSpotifyの利用をキッカケに新たな曲に興味を持ち有料会員になるか、予想が難しいです。
また、日本上陸の際に日本の曲も増えるのではないかとは思うので、もしかしたら現在は権利問題などに取り掛かっているのかもしれません。
『特典』なしでどこまで勝負できるか
ソーシャルメディアウィークで登壇していたSpotify JapanのHannes Graah氏も触れていましたが、今の日本の音楽事情は特典付きCDの売り上げが伸びやすくなっています。
そもそもSpotifyは定額制なので比較することはナンセンスかもしれませんが、曲の購買に特典が付属しないSpotifyがどこまで戦っていけるか、という点についても個人的に気になります。
日本のソーシャルメディア事情とマッチするかどうか
ソーシャルを活用したオススメ機能や、プレイリストのビッグデータ的な使い方など、Spotify内のソーシャル要素は充実しています。
今後日本に展開していくうえで気になるのは、日本のソーシャルメディア事情とどのぐらいマッチするかという点ですね。
例えば、Spotifyは18歳から29歳のユーザーが多いというお話をしましたが、現在日本で若者の間で最も使われているソーシャルメディアはLINEなので、そういった事情にどこまで対応していくのか、といった点にも注目していきたいです。
以上、『知ってる?日本上陸間近『Spotify』が注目されているワケ。』でした。
『Music for every moment(全ての瞬間に音楽を)』というキャッチフレーズを掲げるSpotifyが、どこまで日本の人々の生活になじんでいくか楽しみですね。
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部