20年前、すでにソーシャルメディアの萌芽が!今年の新成人が生まれた1995年をIT業界の歴史から振り返ってみた。
2015/01/14
こんにちは、ソーシャルメディアラボの渕上です。
今年も成人の日を迎え、新たに126万人が新成人となりました。第2次ベビーブーマーと言われる団塊ジュニア世代の子どもが成人に達し始めたこともあり、昨年より5万人ほど数が多いそうです。バブル経済も崩壊し、所謂「失われた20年」に育ったことになりますね。
彼らが生まれた1995年という年は、一般的に激動の年と言われています。
年明け早々の1月17日には阪神淡路大震災、3月20日には地下鉄サリン事件が起こりました。これだけでも十分に悲惨な年でしたよね。
そんな激動の1995年に、当ラボの研究テーマである「ソーシャルメディア」の萌芽はあったのか。1995年前後のインターネットやITの歴史を紐解きながら調べてみました。
■目次
1995年をインターネットとソーシャルメディアの歴史から振り返る
1.日本のインターネット元年は1990年台初頭
2.ソーシャルメディアの元祖は電子掲示板!?
3.1995年生まれの新成人はソーシャルメディアネイティブ
4.おまけ:1995年に生まれたコンテンツ
日本のインターネット元年は1990年台初頭
そもそもソーシャルメディアは、インターネットという技術の存在が前提となって利用できるもの。そのインターネットが日本で普及し始めたのが1990年代初頭で、家庭でも一般的に利用され始めるのが1994年あたりとされています。
※参考記事:
社会実情データ パソコン世帯普及率とインターネット世帯利用率の推移
つまり1995年という時代は、インターネットという新しい技術が日本に広まり始めた時期に該当します。そしてインターネットという技術により注目が集まったのが、あの阪神淡路大震災なんですね。
当時はまだ商用利用・個人利用共に始まったばかりという時期でしたが、電子掲示板や電子会議室の活用により、被災地のリアルな状況把握や被災者との連絡手段として非常に役立ったことが、インターネットが決してマニア向けの技術ではないことを知らしめるきっかけになったと言われています。
※参考記事:
大規模災害とインターネット―阪神大震災にインターネットはどう対応したのか
災害とインターネット 阪神・淡路大震災から三宅島噴火災害まで
また、同年8月にインターネット機能を搭載した待望のOS・Windows95が発売となったことが、日本でのインターネット普及を後押ししました。それまでもパソコン自体は存在しましたが、インターネットに接続するためには幾多の困難を乗り越えないと繋ぐことはできませんでした。
ソーシャルメディアの元祖は電子掲示板!?
ソーシャルメディアというとFacebookやX(Twitter)のようなサービスを想像させますが、この電子掲示板や電子会議室も立派なソーシャルメディアのひとつです。
電子掲示板の代表格・2ちゃんねるやWikipediaのようなナレッジコミュニティ(集合知)、ソーシャルブックマークのはてなブックマーク等もソーシャルメディアですね。
これらのソーシャルメディアの内、かなり早い段階で生み出されたのがこの電子掲示板ではないでしょうか。何せインターネットが日本に根付く前の1995年には存在していたのですから(ちなみに「ソーシャルメディア」という用語自体は、2006年7月以降に広がり始めたそうです)。
それでは他のソーシャルメディアは、いつ頃普及し始めたのでしょうか?それぞれのカテゴリごとに、代表的なサービスの開始年月をまとめてみました。
カテゴリ | サービス名 | 開始年 |
電子掲示板 | 2ちゃんねる | 1999年5月 |
SNS | 2004年2月 | |
ソーシャル・ブックマーク | はてなブックマーク | 2005年2月 |
ナレッジコミュニティ(集合知) | Wikipedia | 2001年1月 |
画像、動画共有 | YouTube | 2005年2月 |
ソーシャルニュース | スラッシュドット | 1997年9月 |
他にも多数ありますが、2000年代に入ってより一般的にインターネットが普及し始めてから、ソーシャルメディアというものが段々定着していったことがわかるかと思います。
1995年生まれの新成人はソーシャルメディアネイティブ
何をもってソーシャルメディア元年とするか難しいところではありますが、今年の新成人は生まれたときから傍らにはインターネットがあり、電子掲示板というソーシャルメディアの萌芽もあったことになりますね。
今後もiモードネイティブやADSLネイティブ、スマホネイティブにタブレットネイティブなどが次々と育っていきます。
筆者は1982年生まれの現在32歳ですが、この年は500円硬貨が初めて発行され、テレホンカードの流通が始まり、笑っていいとも!の放送開始、世界ではじめてCD(コンパクトディスク)がプレスされ、同様に世界ではじめて家庭用のCDプレイヤーが発売されました。言うならばCDネイティブ世代でしょうか。
翌年の1983年にはファミリーコンピュータ(ファミコン)が発売されたので、ファミコンネイティブ世代でもありますね。もちろんソーシャルメディアはおろか、インターネットすらありませんでした。
生まれたときから、その技術があるということ
育っていく途中でその技術に触れるとの、生まれたときから当たり前のようにその技術があることの間には、埋められない溝があるのではないでしょうか。別に良し悪しで測るわけではなく、ネイティブによる技術の使い方や発想は、それを開発した者にとって想定外だったりすることがあります。
いつの時代も、若い世代の声を無視したサービスが普及することはありません。◯◯ネイティブがその技術を活かしたサービスをどう使うのか。そこに着目することが、サービス普及につながるのかもしれません。
私たちソーシャルメディアラボも、ソーシャルメディアネイティブである1995年生まれの新成人には要注目です!
おまけ:1995年に生まれたコンテンツ
流行語
大賞 – 無党派、NOMO(野茂英雄投手)、がんばろうKOBE
ライフライン、安全神話、「だよね!ま、いっか」(EAST END×YURI)、変わらなきゃ、インターネット等。
音楽
史上2番目に多く年間ミリオンセラー作品が生まれた年。J-POP黄金期
・globe、相川七瀬、V6、MY LITTLE LOVER、平井堅がデビュー。
・THE BLUE HEARTS、光GENJIが解散。
オリコン年間トップ5
1位 DREAMS COME TRUE:「LOVE LOVE LOVE/嵐が来る」
2位 H Jungle With t:「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」
3位 福山雅治:「HELLO」
4位 Mr.Children:「Tomorrow never knows」
5位 Mr.Children:「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」
映画
邦画の興収
1位 耳をすませば
2位 ゴジラvsスペースゴジラ
3位 男はつらいよ 拝啓車寅次郎様 釣りバカ日誌7
洋画の興収
1位 ダイ・ハード3
2位 スピード
3位 フォレスト・ガンプ/一期一会
アニメ
04月07日 – 『新機動戦記ガンダムW』『スレイヤーズ』放映開始
06月01日 – 『H2 (原作漫画)』放映開始
09月10日 – 『ご近所物語』放映開始
10月04日 – 『新世紀エヴァンゲリオン』放映開始
ゲーム
3月11日 – 『クロノ・トリガー』発売
3月31日 – 『鉄拳』発売
10月6日 – 『タクティクスオウガ』発売
12月1日 – 『バーチャファイター2』発売
12月9日 – 『ドラゴンクエストVI 幻の大地』発売
以上、『20年前、すでにソーシャルメディアの萌芽が!今年の新成人が生まれた1995年をIT業界の歴史から振り返ってみた。』でした。
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部