CTRにおいてFacebook広告は、Googleに75ポイントの差をつけている─米AdobeのQ2レポートから」
2015/08/12
米AdobeがQ2のソーシャルインテリジェンスレポートを発表しました。同レポートでは海外のソーシャルメディアサービスがどのように利用されているのかがまとめられており、今後、海外展開を予定している企業の方は必見です。
■海外ソーシャルメディアの現状
週一回以上ログインしているソーシャルメディアユーザー93%のうち、定期的にログイン
しているユーザーの78%はFacebookを利用し、圧倒的なユーザー定着率を実現しています。
各サイトへのアクセスはデスクトップとスマートフォンにより異なっています。
・スマートフォン利用優勢:Snapchat、Instergram、X(Twitter)
・デスクトップ利用優勢:LinkedIn、YouTube、Google+
・両利用:Facebook、Pinterest
特に両利用頻度の差が大きく出ているのは以下の2つです。またユーザーの利用内容を分解していくと、デスクトップ勢は大画面・大容量、スマートフォン勢はコンパクト・クイックとなっており、各デバイスの利便性とソーシャルメディアの特徴が結びついているのがわかります。
・YouTube:デスクトップ27%、モバイル13%
・Instagram:デスクトップ4%、モバイル21%
■Facebook広告のCPC(クリック率)とCTR(クリック単価)成長率
レポートによると、Facebook広告のCPCは前年比99%増加しています。
Adobeは、「1年間で、CTRはCPC変わらぬままの伸びが顕著であり、Facebook広告がより効果的になってきているのは明らかである」と調査結果についてのコメントを残しています。
■GoogleディスプレイネットワークとFacebookとのCTR比較
CTRにおいては、FacebookがGoogleに75ポイントの差をつけていることから、Facebookの広告事業への注力度合と改善意欲の結果が伺えます。
・Facebook広告:99%
・Googleディスプレイネットワーク(YoutTubeやその他掲載面):24%
さらに、インプレッション数は前年比47%減少、クリック数は12%続伸しています。
こうした推移についてTamara Gaffney氏(Adobeデジタルインデックス)は、Facebookにおけるクリック数が減少しているにも関わらず広告事業が成長し続ける理由を以下のように説明しています。
以前、Facebookはユーザーの声を受け枠内の表示広告を4つから2つへ減らし、モバイルユーザー仕様でニュースフィード広告を表示させるようになった。これはマーケティング担当者とユーザー、どちらにとっても革新的な変化となり、その結果、インプレッション減少した代わりにエンゲージメント増加となった。
■Facebook投稿タイプ別エンゲージメント率
リンク投稿が前年比20%増となった背景には、昨今機能拡張した「リンクイメージの拡大」や「リンク投稿の優先表示」の成果が実ってきたことが挙げられると思います。
その影響からか、写真・動画投稿は前年比0.5〜1%減の水準へとやや落ち込みました。写真投稿は昨年より減少したものの、相変わらず高いエンゲージメント率を誇っています。
■動画ストリーミングアプリの追い上げ
FacebookやYouTubeだけ以外にも、ストリーミング配信アプリ Meerkat(ミーアキャット) や Periscope(ペリスコープ) が追い上げを見せてきています。
■ソーシャルメディア利用用途の変化
参照元データを見ると、全体的にユーザーのソーシャルメディアの利用用途が シェア目的より検索目的のほうが強い傾向になりつつあります。
一方でデバイス別に見た場合、今年はシェア目的で使うモバイルユーザーがデスクトップユーザーの 約3倍となっており、シェア目的でのモバイル利用が増加傾向にあります。
■リファラー別の売上額
売上額/1訪問では、2015年Facebook、X(Twitter)、Pinterest、Redditと順位がついていますが、昨年と比べFacebookとPinterestは2割前後の減額に対して、X(Twitter)とRedditは6〜8割増となっています。
この結果から考えるに、前者がアーカイブ性の強いメディアであるのに対して、後者はコミュニティ性の強いメディアであるため、後者はユーザー滞在時間を延ばすことや広告の最適化を図ることに成功しているからではないでしょうか。
参考データ:http://www.cmo.com/content/dam/CMO_Other/ADI/ADI_Mobilegeddon/Q2-2015-Social-Intelligence-Report.pdf
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部