AIがSNS投稿を提案する「Post Intelligence」 活用できるか試してみた!

2017/04/17

アイキャッチ

SNSの運用をする際に管理ツールを使用したことはありますか?ツールを使うことで作業を効率良く行えたり、自動で運用の一部を行ってくれたり様々な恩恵がある一方、機械的な動作になってしまうなどの問題点もあります。

今回は、このような従来のツールとは異なる、新たなSNS管理ツール「Post Intelligence」をご紹介します。

    ■目次

  1. Post Intelligenceとは?
  2. Post Intelligenceの機能
  3. 考察
  4. まとめ

1. Post Intelligenceとは?

1

https://www.facebook.com/postintel/

「Post Intelligence」とは、X(Twitter)やFacebook、Pinterestなどの各種SNSを管理できるツールのことです。本ツールは、Googleソーシャルアプリの製品統括者を務めていたBindu Reddy氏によって米国時間2017年3月23日に提供開始されました。

Reddy氏は、「Googleが社会的企業に進化していないことは明らかだった」と発言しており、同ツールの前進となる「My Likes」の開発を行っています。

3

https://mylikes.com/

同ツールをもとにPost Intelligenceが開発されることで、SNS上で機知に富んだ独創的な意見の表明やアイデアの拡散などの“魅力的な投稿”を促すことができ、SNSをより社会的な場に引き上げることができるのです。

同ツールでは、上述したように「人々が魅力的な投稿ができるように支援する」ことを目標にしています。具体的には、AIを利用することで、ユーザーの投稿の傾向を学び、また、フォロワーの趣味嗜好に合わせた最適なコンテンツ提案してくれます。さらには、コンテンツの最適な投稿時間まで提案してくれるのです。

利用ユーザーは、闇雲に投稿するよりも多くのエンゲージメントやいいね!を獲得できるようになり、より効果的な情報発信を行うことができるでしょう。

例えばX(Twitter)とPost Intelligenceを同期した場合、「ユーザーがツイートするとエンゲージメントが上がる可能性のあるトピックや記事などのコンテンツ」がフィード画面に表示されます(赤枠内)。

2

これらのコンテンツは、AIがユーザーの興味や過去のツイートから判断し、選定しています。(詳細は後述)

また、ユーザーがツイートを作成すると、そのコンテンツがエンゲージメントを獲得することができるかAIが10段階で評価し、最適なツイート時間も提案してくれるため、洗練されたツイートができるようになります。これらの機能は、一般ユーザーに限らず、企業アカウントにとってもフォロワーの趣味嗜好にマッチした投稿ができるようになるため、非常に利用価値が高いといえます。

なお現在同ツールは、PCとAndroidスマートフォンで利用可能になっており、iPhone向けのアプリケーションは4月にリリースされる予定だということです。

2. Post Intelligenceの機能

ここからは、弊社オウンドメディアである「ソーシャルメディアラボ」のX(Twitter)アカウントをPost Intelligenceと同期したものをもとに、各種機能をご紹介します。

ホームタブの機能

コンテンツの提案

フィードには、AIによって選定されたコンテンツが表示されます。

4

これはユーザーの興味や過去の投稿から判断されており、「Personalized」と「Trending」に分類されています。ユーザーは、この中からエンゲージメントが上がる可能性のあるコンテツを自由に選択できます。

予約投稿

投稿欄の下部(赤枠内)で、投稿時間の予約をすることができます。これにより、直接自分で投稿しなくても任意の時間に自動で投稿できるため、より効率的なアカウント運用ができます。

5

最近の投稿

フィードの赤枠内から最近の投稿を見ることができます。

6

「view all」を選択することで、全画面でより詳細に過去の投稿を閲覧できます。また、複数のアカウントを同期していればアカウント別の閲覧可能です。

7

投稿のテーマ

ホーム画面の右部では、投稿するとエンゲージメントが高くなると予想されるテーマが候補になって提示されています。こちらもAIによってトレンドワードが選定されています。

8

スケジュールタブの機能

最適とされる投稿時間

スケジュールタブでは、コンテンツの最適な投稿時間を提案してくれます。

9

緑の枠はまだ設定されていない投稿枠を表しており、クリックするだけで簡単に任意の投稿を差し込むことができます。曜日によって最適な投稿時間が細かく異なっていることがよくわかります。

Analyticsタブの機能

Word Cloud

Word Cloudでは、同アカウントに関連性の高い単語を出現頻度の高い順に大きさに分類して閲覧できます。

10

ステータス別に「全体・いいね!が多い・リツイートが多い」、期間では「1年・90日・30日」と条件を指定したうえで表示させることもできます。

Follower Growth

フォロワーの増減推移を確認できます。期間設定も可能です。

11

Relationship Graph

同アカウントとフォロワーの関係性を表すグラフを確認できます。

12

中心に自分のアカウントが位置しています。自分のアカウントとフォロワーのアイコンとの距離は「インタラクション数」、アイコンのサイズはそのアカウントの「規模(フォロワー数)」を表しています。

また、それぞれのアイコンをクリックするとX(Twitter)に遷移することもでき、詳細な情報を見れます。

Posting Patterns

自分の投稿のパターンを分析できます。

13

例えば、「写真や動画付きの投稿はどのくらいしたか」、「遷移するリンクをどのくらい付けているか」などの毎日運用しているとわからないようなことを明確に把握できます。これにより、投稿のコンテンツやキャプションが偏りすぎていたり、統一できていなかったりといった諸問題も解決することができます。

Sentiment

ユーザーの心理状態を確認することができます。

14

図の横軸はエンゲージメントを表しており、縦軸がユーザーの感情やモチベーションを表しています。投稿のエンゲージメント別にユーザーの投稿に対するモチベーションを把握できます。

3. 考察

実際にPost Intelligenceを使ってみて気づいたポイントを3点ご紹介します。

アカウント運用の効率が本当の意味で上がる

Post Intelligenceが今までのツールと大きく異なる点は、「投稿の質を上げること」に焦点を当てている点だと考えられます。AIの搭載により、自分の過去のツイートやフォロワーのツイートなどを判断材料に学習し、趣味嗜好や世の中のトレンドに合った投稿ができます。

このように、機械的な従来のツールと異なり、ツールの使用結果と実際の運用アクションがしっかりとつながりを持っていることが重要なポイントです。

自己アカウントの詳細な情報が把握可能に

アカウントのインサイトなどは、各SNSのアップデートが進み多くの情報を見られるようになってきていますが、今回ご紹介したツールでは、「Word Cloud」や「フォロワーとの関係性」、「ユーザーの心理状態」などのさらに詳細な情報を閲覧できるようになっています。

アカウント運用において様々な施策を試すかと思いますが、今までにない視点からの分析が可能になり、より精度の増した運用方法を取ることができるでしょう。

日本での活用はもう少し先か

Post Intelligenceは、海外で提供が開始されたばかりで日本語に対応していません。

わかりやすい構成になっているためまったく利用できないということはありませんが、本ツールの特徴の1つである「コンテンツ提案」などが英語コンテンツばかりになってしまうので、今のところ日本のアカウントは100%活用するのは難しいでしょう。

4. まとめ

新たなSNS管理ツール「Post Intelligence」についてご紹介しました。

従来のツールには無い新たな視点や新機能は、企業のSNS運用担当者にとって非常に重要なものになると考えられます。まだ、日本語には対応していませんがアップデートがあると思うので、ぜひ自社アカウントの運用に役立ててみてください。

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

企業のWeb担当者様が積極的にSNSをビジネス活用していけるよう、ソーシャルメディア関連の「最新ニュース」「運用ノウハウ」「事例・データ」の情報を素早くキャッチしてお届けします。