広告費の銀行振込も可能に。Facebookの中小ビジネスに向けた施策とは
2017/09/19
前編では長谷川氏による新たなミッションに基づく日本での今後の展望についてのお話でした。後編では、日本の中小企業・個人事業主の現状とそれに対するフェイスブックジャパンのサポートや取り組みについて、SMB(中小企業)事業統括者の井上英樹氏よりお話をお伺いしています。
- 目次
- カギとなるのはFacebook/Instagram広告の活用
- Facebookページを活用した中小ビジネスの事例
- 中小ビジネスへ向けた新たな取り組み
1. カギとなるのはFacebook/Instagram広告の活用
冒頭で井上氏から述べられたのは、多くの中小企業・個人事業主が抱える課題について。広告出稿や販路の拡大、顧客獲得についてなど、ビジネスにおいてもはや従来のやり方では通用しなくなってきているのは、周知の事実です。日本市場の活性化を目指すFacebookは、そういった困難を抱える中小企業や個人事業主のビジネスサポートに一層注力していくそうです。
デジタルマーケティングやソーシャルメディア運用がビジネスで重要な位置付けになってきてはいるものの、「興味はあるが何から始めたらいいかわからない」というのが事業者たちの本音。
そのような状況の中でFacebookが提供できる解決策の一つとしてあげられていたのが、Facebook/Instagram広告。少額の広告費、潜在顧客層への的確なターゲティング、広告結果の可視化など、これらは中小ビジネスにとって非常に効果的であるとしています。
2. Facebookページを活用した中小ビジネスの事例
壱岐の島の小さな果物屋 下條くだもの店
長崎県壱岐にある下條果物店では、旬の果物や自家製のジャムを販売しています。店舗の取り組みの認知向上を目的に、3万円分の広告費を投入したところ、一般的なチラシなどの広告に比べてリーチ単価が1/10までに下がったそうです。
さらに会見では下條さんとテレビ電話でつながっていたため、本人の率直な感想を聞くことができました。
「Facebookページを使い始めたことで、島外にいる壱岐出身の人からのお問い合わせがあった。また、『懐かしいお店がみれて嬉しい』といった声もかなりある」とFacebookの効果を実感しているとのこと。
中でも注目したいのが、Facebookグループの「壱岐グループ」が活発な点。グループ内の投稿を見て、長期休みに帰省する壱岐出身の人も増えたそうです。イベントの告知もほとんどFacebookで、中には「犬がいなくなった」というようなものもあり、まさに新たなコミュニティづくりにFacebookが貢献しつつある事例と言えるのではないでしょうか。
GrantBoss Group(グラントボス・グループ)
石川県金沢市のパーソナルトレーニングスタジオのグラントボス・グループも2年ほど前からFacebook広告の活用を始めているといいます。過去1年間の実績では、顧客数が50%アップし、60%の顧客がFacebook経由だそうです。
3. 中小ビジネスへ向けた新たな取り組み
無料オンライン学習プログラム『Facebook blueprint』の提供
Facebook blueprintでは、「認知向上」「オンライン販売の拡大」といったビジネス目的に沿ったコースが用意されています。また、これらのコースは日々更新され、トータルで60以上のコンテンツがあります。PCだけでなくモバイルでの学習環境も整っているので、空いた時間に気軽に学習できるのもメリットの一つです。
参照記事:Facebook公式教育プログラム!マーケティングや広告出稿が学べる”blueprint”が思った以上に使える!
広告代理店の紹介サイト『Facebook Agency Directory』の開設
Facebookと直接取引のある代理店の方が招待されているサイトです。Facebook blueprintを受講し、広告運用の実績に応じて掲載をしています。今後さらに掲載社数の拡大を目指すようです。
その他取り組み及びサービス
ここで注目すべき点は支払い方法の多様化。クレジットカード以外での支払い方法についての問い合わせがあったことを背景に、広告費の銀行振込(前払い)ができるようになりました。
最後に井上氏は「効果的なマーケティング活動自体が、資金や人が潤沢な大企業だけのものではなくなっている。あらゆるビジネスを、FacebookやInstagramのプラットフォームを通じて支援し、日本の経済の発展に貢献していけたらと思っている。」と締めくくっています。
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部