ソーシャルグラフ戦国時代、mixi・Facebook・X(Twitter)・GREEによる『第三次アテンションウォーズ』

2010/09/14

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9月10日(金)、mixi・GREEが、同じ日にソーシャルフィード(いいね!系ボタン)をオープン化するという発表を行いました。

 

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これは、AISA(アイサ)で言う最初のAの”アテンション”に流れるユーザー導線を押さえに行く動きです。

今までFacebook・X(Twitter)に日本勢は後塵を期していましたが、mixi・GREEのオープン化により、四つ巴のアテンション獲得競争『アテンションウォーズ』が始まりました。

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AISA(アイサ)についての詳細はこちらの記事をご覧下さい。

アテンション獲得競争の結果、どのサービスが世の中に選ばれるのでしょうか?
本エントリーでは、各サービスのソーシャルフィードの現状やメディアの反応、今後に向けた課題を考察していきます。
【目次】
・4社のソーシャルフィードの比較
・メディアはどこを選ぶか?
・どうすればどうすれば勝ち残れるか?
・アテンションウォーズで生き残るための、2つのポイント
・アテンションウォーズの歴史

■各社のソーシャルフィードの比較

以下にて、4社のソーシャルフィードの比較をまとめました。

比較

 

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▼アテンション機能
「ボタン」「件数表示」の2点で比較しました。

mixi・GREEは、件数が表示されません。これは、まだまだ本機能の利用ユーザ母数が足りず、表示すると寂しい結果になってしまうため、あえて実装していない、という事だと思われます。

▼MAU数
世界で5億人のMAUを誇るFacebookでも、日本では未だ135万人です。
恐らく、GREEのMAU数も1,000万人を超えていると思われるので、順位は
1. mixi  :1,447万人
2. GREE :不明
3. X(Twitter):1,000万人
4.Facebook :135万人

になると予想されます。

▼ユーザーのソーシャルフィード利用回数
mixi・GREEは開始したばかりなのでまだ数字は分かりませんが、Facebookは世界中で月間900億回もLikeボタンがプッシュされています。
日本では、Facebook利用者数がそもそも少ないので実感が沸きませんが、なんと1秒間に3.5万回もプッシュされている事になります。
▼他デバイスでの展開
PC・モバイル・スマートフォン・他デバイス(家電等)での比較をしました。
ユーザーの利用シーンの網羅性を考えると、mixiが高く、次にX(Twitter)といった感じになります。
ちなみに、mixiの他デバイス(家電等)での展開については、mixi meetupで言及されています。「social Graph API」の提供により、家電などPC・携帯・スマートフォン以外のデバイスとの連携が発表されました。
▽図中の記載内容の補足▽

(*注4)Tweetmemeボタンが押された回数なので、他のプラグインからtweetされている回数もカウントすると、さらに大きい数字になるかと思います。

引用:FacebookのLikeボタンは毎日30億回プッシュされている! -In the looop-

■メディアはどこを選ぶか?
ソーシャルフィードの誘導口である「mixiチェックボタン」「Facebook いいね!(Like)ボタン」「tweetボタン」「GREEいいね!ボタン」は、外部のメディアに設置して貰えなければいけません。
まず、mixi・GREEの発表から、現段階での導入メディアを見てみましょう。

(各社公式サイトで明示されている内容をまとめています。)

導入先リスト

 

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この図からも分かるように、Google・リクルートなど、mixiの発表に登場しながら、同時にGREEいいねボタンの設置を進めて

いた、というメディアもあります。

設置自体、エクスクルーシブではないのです。
メディア側の心境も、
  • どうせあまり設置コストかからないし、貼れるなら全部貼ろうかな。
  • addclipのように、アグリゲートしてくれるサービスがあればいいな。
といったものだと思われます。
■どうすれば勝ち残れるか?
もちろん、勝ち残るにはユーザーに使われるかどうか、が重要です。
但し、1社が残るのではなく、複数社が残るのでは、と考えています。
要はユーザーによって使い分けがされるのです。
その人が、mixi・X(Twitter)・GREE・Facebookにおいて、どのようなソーシャルグラフを形成しているかによって、どんなものを買う時に、どのソーシャルグラフを参考にしたいか?が変わって来ます。
(ネット業界のなかの人ならまだしも、一般ユーザーが全てのプラットフォームで同質のソーシャルグラフを形成しに行く事は稀だと思われます。)
今回の、mixi・GREEによる同日ソーシャルフィードの発表を受け、以下のような会話を耳にしました。
  • 「GREEのゲーム目的で集まったユーザーだから、お互いどれだけシンパシーを感じられるのか?」
  • 「mixiの中の友達は、古い(=10代の地元の)ソーシャルグラフだから趣味趣向が合わないのではないか?」
恐らく、皆さんの感覚値としても同じように思われると思います。
こういった各サイトの使い方の違い、というのが、ソーシャルフィードの使い方の違いにつながっていくと思われます。
■アテンションウォーズで生き残るための、3つのポイント
これからのアテンションウォーズの争点は、以下の3点に絞られます。
  1. アクティブ利用者数
  2. アテンション機能のユーザーへの浸透度
  3. ユーザがフィルターをかけやすいかどうか
「1.アクティブ利用者数」「2.ユーザーへの浸透度」については、皆さんのほうでも考えてらっしゃる事だと思いますので、今回は「3.ユーザーがフィルターをかけやすいかどうか」について、補足致します。
『3.ユーザーがフィルターをかけやすいかどうか』
アテンションの口が増え、アテンションの情報が一杯入ってくるようになると、情報を処理しきれなくなるユーザも増えてきます
そうすると、サービスを離れていくユーザも出てきます。(どうせこんなに見きれないから、もういいや、と。)
まさに、情報が情報を淘汰するのです。
プラットフォーム側は、数多あるアテンションの中から、そのユーザーにとって有益な情報を取得しやすいように、支援していく事が重要になります。
X(Twitter)であればリストがあり、人で情報元を分ける事が出来ます。
ただ、それでは不十分です。
例えば、自分が釣りが好きで、釣りについてのためになるツイートを見つけたのをきっけかに、あるユーザーをフォローしたのであれば、基本的には釣りに関する情報だけが欲しいはずです。
(フォローしている人数が少ない場合は、もちろん仲良くしたい、と思うようになるはずですが、フォローが100人を超えてくると、見きれなくなり、仲良くコミュニケーションとっているどころではなくなります。)
  • 「ソーシャルフィード投稿時に、カテゴリを指定できる」
  • 「アテンションを受け取る際(閲覧時)に、人×カテゴリ選択によるフィルターが通せる」
こういった機能が、アテンションウォーズの生き残りには必要です。

ちなみに、Facebook,GREEは既に、ソーシャルフィードボタンを設置する際に、どのカテゴリで投稿するかを設定できます。

また、X(Twitter)は今後、カテゴリに相当するアノテーション機能を実装する予定であることを発表しています。

※ラボ編集部注:2016年7月現在、下記Social Feedback – GREE Developer Center(グリー デベロッパーセンター)は残念ながらページが閲覧できません。

■アテンションウォーズの歴史
歴史はいつか来た道を繰り返します。
タイトルでも書いたように、今回のソーシャルフィードの競争は、『第三次』とされています。
『ソーシャルグラフ戦争』の前にも、
  • 『ポータルサイト戦争』
  • 『ソーシャルブックマーク戦争』

がありました。

今までの歴史

 

 

 

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資料にも書きましたが、この後どうなったかは周知の通りですね。
ユーザー属性によって活動するインターネットの領域が違うので、当然ソーシャルフィードボタンが押される分野が偏ります

現に、先に行われたソーシャルブックマーク戦争の一例をご覧下さい。

< div style=”text-align: center;”>MixClip

MixClipでは、記事ごとのソーシャルブックマーク数を見れます。
これを見てみると、
・『A4折紙』という記事では、”はてブ”が最も多く、
・『玉置浩二、ライブで大暴れしてチケット払い戻しでござるの巻』という記事では、newsingが圧倒的に多くなっています。

ソーシャルフィードも、それぞれまだら模様になるでしょう。

本ブログにも、先の4社のソーシャルフィードボタンを設置していますので、今後、フィード回数や流入数の比較分析記事を書く予定です。

 

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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