【Tポイントインタビュー】やっぱり効果があった!対話が生み出すFacebookによる活性化効果|ファンは非ファンよりも利用動向が高まる!
2013/05/13
皆さんご存知のTポイント。TSUTAYA・ファミリーマート・ENEOSなど全国52,000以上の店舗で利用できる全国規模のサービスですが、やはりそこにはソーシャルメディアを積極的に活用する運用施策が行われていました。
TポイントさんのFacebookページ「Tポイント・Tカード 公式Facebookページ」では、思わず参加したくなるようなキャンペーン等を開催し、その成果として「いいね!」を23万以上獲得しています。
今回はTポイントさんのFacebookページ運用の取り組みとその実態についてお話を伺いました。
ファンと継続的にコミュニケーションをしていくことで、実際の利用動向にもつながるというアンケート結果と、Tポイントさんが実際に取り組んでいるエンゲージメントを高める10の投稿Tipsも併せてご紹介します。
Facebookのファン数やエンゲージメントを活性化させたい方に、ぜひ参考にしていただければと思います。
■目次
1.SNS導入の背景-ブランドイメージ・ロイヤリティ向上を実現する
2.運用方針・体制-伝えたい情報が届かないと意味がない
3.運用の効果-キャンペーン開催でエンゲージメントの課題を克服!
4.「いいね!」「閲覧」しているユーザーほど利用意向が高くなる
-【調査結果】いいね!・閲覧しているほど利用意向が高い
5.工夫を凝らしたウォール運用で確実にリーチさせる
6.【Tips】明日から使える!エンゲージメントを高める10の投稿Tips
7.Facebookキャンペーン施策への期待と今後の取り組み
お話を伺った方
株式会社Tポイント・ジャパン
DBマーケティング事業本部 アライアンスコンサルティング 企画部 コンサルティング企画 販促
運用担当者/キャンペーン担当者 田野倉 正規さん
キャンペーン担当者 大西 ゆかりさん
1.SNS導入の背景-ブランドイメージ・ロイヤリティ向上を実現する
ガイアックス :
Tポイントさんでは、Facebookを含むいくつかのSNSをプロモーション施策に取り入れていらっしゃいますね。その目的はどういったものでしょうか?
株式会社Tポイント・ジャパン(以下、Tポイント)
田野倉さん :
Tポイントをアクティブに利用いただいているお客様は現在4,450万人を超え、日本の総人口の3割の方にTカードを利用いただいています。
既存のお客様から潜在ユーザーまで幅広いお客様に向けて、Tポイントに興味をもっていただきファンになるきっかけづくりとして、ソーシャルメディア(Facebook/X(Twitter)/Google+/mixi)をプロモーションに取り入れています。
結果、ブランドイメージやロイヤリティ向上に繋がっていくと考えており、継続的にコミュニケーションを重ねていくことで好感度の高いユーザーを増やしていきたいと考えています。
Facebookで双方向のコミュニケーションを拡大したい
ガイアックス :
Facebookページの開設は2011年1月と、やはり比較的早い段階でされていますね。その導入の背景と狙いを教えていただけますか?
Tポイント 田野倉さん :
導入当初(2011年1月)、国内ではまだ導入企業も少ない状況でしたが、世界的に急速な広がりも見られましたし、自社サイトからの一方的なコミュニケーションだけではなく、ソーシャルメディアならではのインタラクティブなコミュニケーションがTポイントユーザーとのコミュニケーション接点拡大に繋げられる良い機会と思い導入を決めました。
自社サイトで伝えきれないことを伝える
一つの施策だけにとらわれず、FacebookページではTポイントのサービス、Tポイント提携先、商品、キャンペーンを万遍なく日々紹介していき、サービス内容や世界観を知ってもらうことで、お客様にとってTポイントがより身近な存在になれたら良いなと思っています。
また、キャンペーンやお得情報だけではなく、Tポイント提携先やサービス紹介をバランス良く紹介していくことで、「いままで知らなかったけど、利用してみたい」と感じていただけるように、自社サイトでは伝えきれていないことも知ることができる機会を増やしていきたいと思っています。
2.運用方針・体制-伝えたい情報が届かないと意味がない
ガイアックス :
Facebookページの運用方針とその体制についてお教えいただけますか?
Tポイント 田野倉さん :
毎週、定期的にプロジェクトメンバーでミーティングし、効果検証と編成確認を実施しています。
伝えたい情報がファンに届かないと意味がないので、各投稿に対する「いいね!・コメント・シェア」の数と内容をウォッチし、ユーザーの反応を高めることを意識したPDCAを回しています。
Tポイントのファンページの運用はプロジェクト化し、運用と効果検証は基本的に1名で行っておりますが、プロジェクトメンバー合計4名で投稿内容の精査や編成内容のチェックを行っています。
3.運用の効果-懸賞キャンペーンの開催でエンゲージメントの課題を克服!
ガイアックス :
懸賞キャンペーンの実施からは、キャンペーン参加者がサービスの利用につながることを裏付ける調査結果が得られましたね。
その効果と、Fbページを運用している中で、得られている成果を教えてくださいますか?
また、運用結果や課題に対してどういった数字を測定していますか?
Tポイント 田野倉さん :
いいね!数、コメント・シェア内容からみられるTポイントのイメージ向上や、サービス認知拡大に効果を感じています。
Tポイントが貯まる提携先は現在155ブランド、52,000店舗以上と拡大し続けており、お客様にお伝えしたい情報は紹介したくてもしきれないほど溢れています。
数値の測定では、日別、投稿別に4点 (1)ファン数の増減 (2)いいね・コメント・シェアの合計 (3)リーチ数 (4)エンゲージメント(リーチ数に対する反応) を見ています。
その中で、昨年はファン数に対するエンゲージメントが大きな課題であり、10月頃から定期的にFacebookページ限定キャンペーンを展開していき改善を試みました。
結果、10月からこれまでにファン数が3万人以上増加しただけでなく、日々の投稿に対する「いいね!数」も格段に向上し、1日の話題にしている人の数が半年前と比べて2倍以上に増えるなど、Facebookページが活性化してきている印象を持っています。
4.「いいね!」「閲覧」しているユーザーほど利用意向が高くなる
ガイアックス :
御社では、これまでFacebookページでの懸賞キャンペーンをいくつか開催されていますね。その目的と効果はどういったものでしたか?
Tポイント 田野倉さん 大西さん :
エンゲージメントを高めることを目的とし、ここ半年間で複数回のキャンペーンを開催してきました。ソーシャルメディア上で展開するキャンペーンということで、まずはファンに楽しんでもらえる仕掛けづくりを第一に考えました。
▼懸賞キャンペーン「Tポイント10周年記念IQクイズにチャレンジ!」
クイズ回答者から1,000名にTポイントを100ポイントプレゼントするという企画
具体的には、インセンティブをメインに打ち出すのではなく「共感されるコンテンツとはなにか」を考え、仕掛け部分を工夫し、コンテスト・クイズ形式・検定など様々な切り口で試みました。
【調査結果】いいね!・閲覧しているほど利用意向が高い
中でも、クイズ形式のキャンペーンではFacebookページについてのアンケートも盛り込み、Tポイントの利用態度変容をリサーチしたところ、投稿を「いいね!」「閲覧」しているユーザーほど利用意向が高くなる傾向が分かりました。
なんとTポイントの投稿を1週間に3回以上見たファンの78%がFacebookで紹介しているお店や商品・キャンペーンの情報を見てから利用回数が増えたと答えています。
逆に、投稿を見た覚えがないファンの半数は利用頻度が上がりませんでした。
投稿の閲覧、「いいね!」が増えていけば、おのずと利用も増えていきロイヤリティの高いユーザーが増えていく流れが見えてきました。まずは見てもらう「仕掛けづくり」と「いいね!」が重要ということですね。
いくつかのキャンペーンを通して分かったことは、キャンペーンを実施することでTポイントの感度が高いファン数が増え、ファンページがアクティブになったということです。
また、キャンペーンに加え同時に行っている投稿内容改善の効果も加わり、エンゲージメントが向上し、ファンが活性化したと実感しています。結果、投稿内容に対する反応率があがり、目的に対する貢献度も増していると思っています。
5.工夫を凝らしたウォール運用で確実にリーチさせる
ガイアックス :
キャンペーンを開催しファンを獲得後、ウォール運用でエンゲージメントの構築を図る--戦略的な施策を確実に成果につなげていらっしゃいますね。大事になってくるのがウォール運用ですが、投稿にはどのような工夫をして取り組んでいますか?
Tポイント 田野倉さん :
特に、訴求内容と編成には工夫を凝らしています。Facebookのウォールに埋もれず、反応してもらえる切り口と見せ方は何かを投稿内容に応じて工夫しています。
たとえば、ポイント○倍キャンペーンで展開しているバナーをそのまま画像投稿しても広告色が強くて反応が良くない場合があるので、食べ物やクイズで表現するなど。
投稿内容は一枚の写真で分かり易く、インパクトのある訴求ができるかがポイントだと思っています。
たとえば、一枚で世界観が伝わりづらい場合には、複数の写真を一枚に組み合わせて投稿する等、ユーザーの目に止まる工夫を常に心がけています。
画像と共に、原稿の1行目は訴求力が高いので、画像と連想できて「ウケるコピー」が何かを意識していますね。原稿が「続きをみる」で隠れてしまう場合には、表示される部分で閲覧者の琴線に触れるだろう内容を持ってこれるように意識しています。
編成については、見ていて飽きないように短期間での投稿ジャンル被りを無くしたり、同じ内容の投稿をする際には写真を変えるなど見せ方の工夫をしています。
投稿時間も、食べ物の場合は昼時や仕事上がりの時間、キャンペーン情報は自宅での閲覧が多いと想定される夜遅めの時間帯に投稿するなどの調整をしています。
特に伝えたい情報は、反応が良かった投稿の後に投稿すると反応が良い傾向もあるので、臨機応変に編成していますね。
6.【Tips】明日から使える!エンゲージメントを高める10の投稿Tips
以下に、Tポイントさんが実際に取り組んでいる10のウォール投稿Tipsをまとめます。
(1)写真は食べ物・綺麗な写真を使う
(2)広告色を抑えたい時は、食べ物の写真を使ったりクイズで表現する
(3)写真アルバムで世界観を表現する
複数の写真を写真アルバムにして、言葉で伝えきれないコンテンツの世界観を表現する。
(4)投稿・画像にストーリー性をもたせる
共感・好感してもらえるように、投稿内容に企業との関連性やストーリー性を持たせる。
※Tポイントさんであれば、必ずTポイントや関連商品に関係ある内容を投稿しています。
(5)キャンペーン訴求はとにかく分かりやすさ重視
「みんな当たる」「まさかの~」「5倍」などキャッチーな言葉で分かりやすく訴求する。
(6)1行目に「ウケるコピー」、表示部分に琴線に触れる文章を入れる
(7)投稿内容によって文章のテイストを変える
投稿する人格は指定せず、様々なファンに受け入れてもらえるように投稿内容によって文章のテイストを変える。
(8)投稿内容によって投稿時間を変える
食べ物に関する投稿であれば昼時に、キャンペーン情報は夜遅めの時間帯に投稿する。
※リーチできる投稿タイミングについてはこちらとこちらの記事もご参照ください。
(9)投稿内容のジャンルは連続しないようにする
(10)特に伝えたい情報は、反応のよかった投稿の後に投稿する
▼キャンペーンの告知投稿に食べ物の写真を使った例
広告色は薄く、親しみやすい印象を感じる
ガイアックス :
どれもリーチさせるのに効果的なウォール運用ですね。そうした運用の中でも、特にどんな投稿が良い反応をもらえますか?
Tポイント 田野倉さん :
東日本大震災後すぐに取り組み始めた「Tカード提示で被災地の子どもたちに笑顔を。」プロジェクトの日誌は、毎回多くの方に共感のコメントをいただいています。
また、新サービスや新規提携先のご紹介に対しての反応は多いですね。最近では、Tポイントが貯まるはじめての図書館「武雄図書館」の写真アルバム投稿に対して、想像以上の反響をいただきました。
食べ物の写真やちょっと変わった商品、すごくお得なキャンペーンに対しての反応もとても良いです。
訴求内容に合った投稿方法や見せ方、編成をチューニングしていき、成功法を見出していくことで反応が大分良くなってきたと感じます。
7.Facebookキャンペーン施策への期待と今後の取り組み
ガイアックス :
御社が懸賞キャンペーンの企画に取り組んだ経験を踏まえ、今後キャンペーンアプリを利用した施策のどのような点に期待をしますか?
Tポイント 田野倉さん :
キャンペーン実施前と比べ、キャンペーン中だけではなくキャンペーン後もファン数と話題にしている人が増えていっています。
キャンペーン後の伸びをみると、キャンペーン参加によりTポイントへのマインドシェアが高まり、投稿を目にする機会が増えているのではないでしょうか。
また、キャンペーンに対してのコメントやシェアも多く、キャンペーンはエンゲージメントが高まる好機会になるのだと思います。
ガイアックス :
今後はどういった取り組みを目標にしていますか?
Tポイント 田野倉さん :
これまでと同様に、まずはファンの方に楽しんでもらう工夫を心がけた運用を続けていきたいと思います。
Facebook上では、Tポイントに対して感度の低い方でも共感できるコンテンツを発信し、継続的なコミュニケーションによってTポイントを好きになってもらいたいなと思っています。
ファンの方とのコミュニケーション活性化の為にも、引き続きFacebook限定キャンペーンを展開したり、新しい企画を実施したりと意欲的にチャレンジしていきたいですね。
TポイントさんのFacebookページ運用の実態について、いかがでしたでしょうか?
特に、懸賞キャンペーン等の企画やアプリ導入を検討されているFacebookページ運営者の方の参考になれば幸いです。
以上、『【Tポイントインタビュー】やっぱり効果があった!対話が生み出すFacebookによる活性化効果|ファンは非ファンよりも利用動向が高まる!』でした。