2月の主要SNSニュースまとめ! X(Twitter)がクソリプ防止策や140秒音声DMのテストほか

2021/03/08

皆さんいかがお過ごしですか? 春に向かって少しずつ暖かさを感じる時期になってきました。

2月のニュースでは、特にX(Twitter)のアップデートが多かったです。140秒の音声DMのテストや有害リプライに再考を促すメッセージの表示テスト、ニュースレターサービスのアクセス可能化など、さまざまな仕様の追加や検討が進んでいます。それでは具体的に見ていきましょう!

    ■目次

  1. 全般
  2. Facebook
  3. X(Twitter)
  4. Instagram
  5. Clubhouse

1. 全般

ファンになった企業・ブランドを知ったきっかけ、「SNS」が「テレビCM」に迫る【ネオマーケティング調べ】

2月9日、ネオマーケティングは「ファンづくり」「ファンマーケティング」をテーマにした調査の結果を発表しました。20歳~69歳の男女で、「ファンだ」と言える企業・ブランドがある方1,000人から回答を得ています。

「ファンとなった企業・ブランドを知ったきっかけ」を聞くと、「テレビCM」21.3%、「SNS」20.2%、「知人・家族・パートナーの紹介」19.8%の3つがトップ3でした。

消費者が企業やブランドを知る過程で、SNSがテレビCMに匹敵するほど影響力を持つ可能性があると分かる調査です。企業にとってSNSを上手く活用できれば、消費者の認知以降、興味関心や購買意欲を向上させる段階でも役立ちます。

前提として、一般的に人の認知は企業やブランドの名前やロゴを知った後に、関連性(何のカテゴリーに属すのか)や好意度(好きか嫌いか)が形成されていきます。

SNSの場合、テレビCMに比べて自分から情報を積極的に取りにいくことができる上、他のファンユーザーと情報交換もできます。そうした体験が商品の関連付けや好意形成を補強し、認知以降の態度・行動変容にも影響を与えやすいと考えられます。

参考:https://webtan.impress.co.jp/n/2021/02/17/39118, https://neo-m.jp/investigation/2663/

2. Facebook

「よりよい広告体験のため」ユーザーに追跡許可を求めるテストを開始

2月、Facebook社はAppleが導入予定のアプリトラッキング透明性(ATT)に先立ち、iOSアプリなどで、ユーザーに対し、独自の追跡許可を求めるテストを開始しました。

テスト版の1つは「Facebookがアプリとウェブサイトのアクティビティを使用することを許可しますか」と問いかけるようになっています。Facebook社は「より良い広告体験を提供するため」だと謳っているようです。

2018年にEU圏内で施行された「EU一般データ保護規則:GDPR」が代表するように、近年、ユーザーの個人情報保護の動きは日本を含め世界的に高まってきています。こうした観点から、個人情報を扱う際はユーザーから許諾を得る必要が出てきています。

そもそもFacebookは実名制であり、詳細なデータを取得して、デバイスをまたいでも「人ベース」で精度の高い広告ターゲティングを行えることが強みですが、その反面で透明性の問題を抱えています。この点においてApple社のCEOティム・クック氏は、今年1月末にもFacebookを批判していました。このような状況のなかで安全が保たれた上で、新しい広告機能がローンチされるのか、注目が集まります。

参考:https://japanese.engadget.com/facebook-ads-tracking-prompt-060037449.html,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2101/29/news070.html,
https://www.cnbc.com/2021/02/01/facebook-strikes-back-against-apple-ios-14-idfa-privacy-change.html

オーストラリアでニュースの掲載が一時停止。その後、同国政府と和解

2月17日、Facebook社は豪報道機関などが制作した記事の配信やユーザーによるコンテンツの共有に、制限を加える決定をしました。

同決定は、豪政府が議会に提出した、IT大手にインターネットのサービス上で使用するニュース記事の対価支払いを義務付ける法案への対抗措置とみられています。

協議の結果、2月22日、同国でのニュースの表示を近日中に再開すると発表しました。

大手オンラインプラットフォーム側が報道機関の質の高いニュースを、使用料を負担せず配信にして良いものか。またパブリッシャー側も大手媒体の力を借りて情報を拡散し、購読者を増やし、自社の収益を上げることに依存するのはいかがなものか。双方のビジネスモデルを考えさせられる出来事でした。今回の場合は和解となりましたが、今後同様の議論が巻き起こる可能性はありそうです。

これまでFacebookは、フェイクニュースが広まり、意見の極性化を加速させやすい点が問題視されています。そのため実績と権威のある媒体社が有す、プロの記者による高品質なニュース情報はFacebook社としても無くてはならない存在だといえます。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN19EM60Z10C21A2000000/, https://japan.cnet.com/article/35166636/, https://media-innovation.jp/2021/02/21/newsletter-210221/, https://japan.cnet.com/article/35166883/

3. X(Twitter)

有害な返信を再考するように促すテストを再開

2月23日、X(Twitter)は、ツイートする前に立ち止まって再考するようにユーザーに求める、新たなテストを実施中だと明らかにしました。

他人のツイートに対して有害または攻撃的と思われる返信をしようとしていると検知した際に、ツイートする前に文章を見直すように促すようになっています。

もともとこの機能は2020年5月にも同様のテストが行われていました。

読まずにリンク投稿を拡散したり、引用リツイートをデフォルトにして自分の考えをまとめた上で拡散することを促したりと、拡散力が強みのX(Twitter)でも、流通する情報の質を高めようとする動きが最近のアップデートから見られています。

同機能が直接的に企業のX(Twitter)活用に及ぼす影響はそれほど多くないと考えられますが、ユーザーからネガティブな反応をもらうことの多いアカウントの場合、テスト期間中には反応数が減少する可能性があります。

参考:https://twitter.com/TwitterSupport/status/1363956974824550400, https://twitter.com/TwitterSupport/status/1257717113705414658, https://jp.techcrunch.com/2021/02/24/2021-02-23-twitter-relaunches-test-that-asks-users-to-revise-harmful-replies/

ニュースレター配信サービス「Revue」を買収。日本でもアクセスが可能に

1月26日、X(Twitter)はオランダ発のニュースレター配信サービスRevueの買収を発表しました。その2日後、米国版X(Twitter)からRevueが利用できるようになり、2月2日には日本からもアクセスが可能になっています。

Revueは個人や小規模な事業主でも、購読者となったフォロワーや顧客、ファン向けにニュースレターが配信できるサービスで、月額の購読料を設定できます。

ブログのように、リンクや画像、ツイートを感覚的に貼り付けてニュースレターが簡単に作れるCMSと言えます。X(Twitter)は投稿が流れてしまいやすいため、熱量の高いフォロワーを多く抱えるインフルエンサーやクリエイターがそれらを定期的にまとめ、コンテンツとして配信するなどの活用シーンが考えられます。

3月2日の執筆時点では、Revueに遷移できるのはブラウザ版X(Twitter)のみに限られています。また、日本語未対応であり、購読者の支払い時に日本円も選べないため、今後の改善が求められます。

参考:https://jp.techcrunch.com/2021/02/02/twitter-revue-japan-launch/

広告をアップデート。キャンペーン設定を簡易化し、Cookieレス対策を実施


2月8日、X(Twitter)は、モバイルアプリインストール目的およびウェブサイトクリック目的、それぞれの広告プロダクトに関するアップデートの実施を公式ブログで発表しました。

アプリインストール広告に関しては、キャンペーンの設定や管理、効果測定を簡単に行えるよう基礎部分から再構築。ウェブサイト誘導目的の広告では、広告フォーマット、効果測定、最適化モデルの向上を行いました。

X(Twitter)広告を出稿する広告主、特に運用担当者には朗報です。今回、独自のクリックIDパラネータを開発・ウェブサイトタグを改良したことで、広告をクリックした後にサイト訪問した人数をより信頼性高く計測できるようになりました。

加えて、コンバージョン最適化モデルも更新され、サイト訪問数の最大化が図られているようです。ウェブサイトクリックする可能性がより高い人を推定するシステムが開発され、広告内クリック数におけるサイト訪問者情報の取得割合も増加しているようです。

参考:https://twitter.com/TwitterMktgJP/status/1358935191725563905, https://blog.twitter.com/ja_jp/topics/marketing/2021/performance-advertising-on-twitter.html, https://markezine.jp/article/detail/35535

スマホ版X(Twitter)、140秒の音声メッセージを送れるようになる

2月17日、X(Twitter)は、iOSとAndroid版に、最大140秒のボイスメッセージを送る機能(音声DM)が実装されることを発表しました。Webブラウザではまだ作成できません。

音声DMでは、ユーザーは140秒の音声クリップを録音して、その場の気分を伝えたり、より個人的なメッセージを送ることができます。

現時点では日本、インド、ブラジルのみでテストされています。

昨年6月にiOS版のみでテストされていた機能が、Androidにも対応して日本でも実装されました。ひと昔前までのX(Twitter)はテキスト中心の媒体でありましたが、今ではGIFが充実し、短尺縦型投稿のフリートも搭載され、表現が豊かになってきました。

聞き取り時にイヤホンが必要になる場合もあり、企業が積極的に使うことは少し難しいかもしれませんが、その障壁を逆手にとり、X(Twitter)キャンペーンで当選結果を中の人やキャラクターの生の声で届けたり、参加用のパスワードをあえて音声入力で送ったりと、活用する機会が出てくるかもしれません。

参考:https://help.twitter.com/ja/using-twitter/direct-messages, https://www.gizmodo.jp/2021/02/twitter-smartphone-140-seconds-voice-message.html, https://slashgear.jp/tech/17838/

「チップ」制や「TweetDeck」、コミュニティ機能など有料提供を検討か


米国時間2月8日による報道や、2月25日の公式発表によると、X(Twitter)が広告への依存を減らすためにサブスクリプションの枠組みの追加を検討していることが明らかになりました。

具体的には、フォローするユーザーの非公開コンテンツを有償で閲覧する「チップ制」の導入、ダッシュボードアプリ「TweetDeck」、「送信取り消し」、グループ機能やインフルエンサー向け機能など有料提供が検討中です。

2020年第4四半期では売上高と利益が市場予想を上回るものの、ユーザー数は予想を下回ったX(Twitter)社。さらなる事業成長のため、広告ビジネス以外の手法でも収益化を図っています。

有料機能については昨年、開発エンジニアの求人情報や海外のインフルエンサーへのアンケートからも「サブスクリプション型サービスが出るか?」と噂されていました。

特定の趣味嗜好が集まったグループを作り交流する「コミュニティ」機能やファンが金銭を支援できる「スーパーフォロワー」機能は、今後導入されれば企業活用も考えられそうです。

参考:https://twitter.com/TwitterIR/status/1364982026030379016, https://japan.cnet.com/article/35166250/, https://japanese.engadget.com/twitter-new-features-groups-tipping-super-follows-213025093.html, https://jp.reuters.com/article/twitter-results-idJPKBN2A933O

4. Instagram

リールタブ内でTikTok動画の投稿を非推奨に

https://www.instagram.com/p/CLFMSunBRX1/

2月10日、Instagramは15秒の短い動画を投稿できるリール機能に他のプラットフォームの動画を投稿しないよう呼びかけました。

今後、TikTokなどの透かしが入っていたり、画質が悪い動画を投稿してもリールタブには表示されなくなります。低解像度で画質が悪い動画や、他のアプリの透かしやロゴが入っている動画は、ユーザーの満足度を下げてしまうからだそうです。

同ニュースは、Instagram公式アカウントのひとつ「Creators」が「リール(Reels)タブで見つけてもらうTIPS(※意訳)」と題した投稿のなかで紹介していました。もともとリールはTikTokの縦型動画コンテンツの後発とも言え、TikTokユーザーのクリエイターがTikTokロゴの付けたコンテンツをInstagramでそのまま再投稿する様子が見受けられます。

Instagramとしてはそのユーザー体験の悪さを危惧しており、クリイエイターには同アプリ内で動画の加工・編集をやってもらうことで独自性が高く、見やすいコンテンツがもっと量産されることを期待していると考えられます。

参考:https://www.instagram.com/p/CLFMSunBRX1/, https://japanese.engadget.com/instagram-real-titktok-clone-041021873.html

5. Clubhouse

個人情報保護に不安の声。運営側は録音しているとの指摘が

2月、人気の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」に対し、個人データ管理の不透明さを問題視する指摘が海外のデータ保護当局中心に出ています。

利用者に会話の録音を禁じる一方、運営側は利用者間の会話を録音しデータの扱いの説明が曖昧で、利用者から知人らの個人情報を集める手法にも欧州当局が注意を促しています。

今年の1月末から、音声SNSのClubhouseがIT・スタートアップ界隈を中心に日本でも注目を集めています。(企業名や団体名ではなく)個人として名前を登録し、録音や書き起こしが原則禁止されたウェブ空間で、フランクな会話を楽しめる点が大きな特徴です。

当初から企業活用の点でも、従業員や取締役がアプリ上で不適切な発言をしないかなど、ガバナンスの懸念がありました。今回の報道では、そもそもプラットフォーム運営者がデータを録音している点が指摘され問題となっています。

活用を検討中の企業は、こうしたリスクや対応策をまず整理してから活用することをおすすめします。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFP0988G0Z00C21A2000000/

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