10月の主要SNSニュースまとめ! FacebookがMetaに社名変更。IGストーリーズにリンクスタンプほか。
2021/11/08
皆さんいかがお過ごしですか? 気温が徐々に下がり始め、外に出れば肌寒く、木々の様子が秋めいてきましたね。
先月はFacebook社の社名変更やInstagramストーリーズのリンクスタンプ導入など、注目ニュースが盛りだくさんでした。それではご覧ください。
1. X(Twitter)
企業やクリエイター向けプロアカウント「Twitter for Professionals」を開始
https://business.twitter.com/en/blog/twitter-for-professionals.html
現地時間10月1日、X(Twitter)社は、ユーザーが収益化するための新たな方法「Twitter for Professionals」を発表しました。
一定の資格を持つクリエイター、パブリッシャー、企業、非営利団体、開発者などのプロフェッショナルが現行のアカウントを「Professional Account」に移行できるようになります。アカウント自体は無料で、まず一部のユーザーで利用可能になります。
現在はテスト段階で、一部のユーザー群のみ開放されており、順次範囲や機能が広がるようです。同機能は「Business」と「Creator」のなかから選択可能で、企業担当者の場合は前者が最適と考えられます。簡単にX(Twitter)広告が設定できるQuick PromoteやShopping機能は、商材との相性が良ければ積極的に試したいですね。
クリエイター向けの新機能として以前ご紹介した、音声チャット「Spaces」のチケット版や投げ銭機能「Tips」もこのプロフェショナルアカウントに含まれるようです。
参考:https://business.twitter.com/en/blog/twitter-for-professionals.html,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2110/04/news059.html,
https://jp.techcrunch.com/2021/10/02/2021-10-01-twitter-for-professionals-will-begin-to-roll-out-this-week-for-businesses-and-creators/
リプライの中に広告を配置するテストを実施中
Starting today, we’re trying something different and testing a new ad format in Tweet conversations. If you’re a part of this test (which is global; on iOS & Android only), you’ll see ads after the first, third or eighth reply under a Tweet. 🗣️ pic.twitter.com/kvIGeYt2vp
— bruce.falck() 🦗 (@boo) October 13, 2021
現地時間10月14日、X(Twitter)社は、タイムライン上や検索結果ページなどに表示されるツイートの中にプロモ広告を混ぜて表示していますが、新たにツイートへのリプライの中にも広告を表示するテストを実施しています。
ツイートの1つ目、3つ目、8つ目のリプライのあとに広告が表示されるとのこと。ツイート形式の広告表示ではなく、通常のツイートと混同してしまう心配はないようです。
タイムライン投稿の合間に差し込まれる画像広告や動画広告について、会話が連なっている箇所に挿入されることはこれまでありませんでした。
ユーザーの目線で見ると、広告が通常投稿と区別しやすい形式であっても、誰かとの会話が弾んでいる、あるいは盛り上がりに参加しようとする場面で広告が差し込まれて読みづらくなり、体験を損ねる可能性があります。
一方でユーザーの視線が集まる表示であることは間違いなく、企業としては本格的に導入された際、どのような形式だと効果が得られやすいのかを検討すると良さそうです。
参考:https://twitter.com/boo/status/1448319014921404417,
https://gigazine.net/news/20211014-twitter-trying-new-replies/
グループチャットアプリSphereを買収
現地時間10月22日、米X(Twitter)は、グループチャットアプリ「Sphere(スフィア)」を運営するロンドン拠点のSphereを買収しました。
この買収は、ここ数四半期X(Twitter)がプロダクトを積極的に拡充するための最新の動きです。
Clubhouseの買収を試みたX(Twitter)は2021年、同様の機能を導入しており、最近はプラットフォーム上の無秩序な言論を抑制するために措置をいくつか講じています。
最近のアップデートや買収に関する情報から、音声チャットやグループチャットなど、ユーザー同士の対話を充実させたい動きが見てとれます。
ポイントとなるのは、Facebookが今までグループ機能を用意してコミュニティを支援してきたように、共通した興味関心事を持つユーザー同士が集まり、意見交換することをプラットフォームが促している点です。X(Twitter)にとってSphereが傘下になることで、チャットによるユーザー同士の交流が進み、コミュニティ化をより支援できるようになります。結果、媒体の付加価値やユーザーの熱量がどこまで高めるのか注目が集まります。
参考:https://jp.techcrunch.com/2021/10/21/2021-10-20-twitter-acquires-group-chat-app-sphere/
2. Facebook・Instagram
社名を「メタ(Meta)」に変更。仮想空間に注力
https://about.fb.com/news/2021/10/facebook-company-is-now-meta/
現地時間10月28日、Facebook社は、同日付で社名を「Meta(メタ)」に変更しました。
2004年発足の同社はSNSを軸に成長。近年、グループ全体の利用者は36億人に迫りますが、企業体質や管理体制への批判が高まっています。社名変更によってイメージを刷新、仮想現実(VR)など成長領域に注力していきます。
Facebookは今後も当面の間、SNSの名称として使われ続けます。
Facebook関連サービスの今後の方向性がうかがえる重要なニュースです。「メタバース(Metaverse)」とはMetaが「超越」を意味し、Verseが「Universe(世界)」から来た混成語です。VRやAR技術と組み合わせ、仮想空間上でも仕事やゲームなど日常生活を楽しめるように設計が進んでいる同社が最も注力する領域のひとつです。
上記変更に合わせてFacebookやInstagramのサービス名や日本法人の名称(Facebook Japan社)が変わることは今のところないです。また、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は動画冒頭で強調してた通り、新しい技術を活用するとはいえ、人と人を繋げてコミュニティを活性化させる思想自体は変わらず残り続けると言えます。
参考:https://about.fb.com/news/2021/10/facebook-company-is-now-meta/,
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN258L20V21C21A0000000/,
https://www.cnbc.com/2021/10/28/facebook-changes-company-name-to-meta.html
3. Instagram
フィード動画とIGTV動画を「Instagram動画」として統合し、新しいタブで表示
https://about.fb.com/ja/news/2021/10/instagramvideoconsolidation/
現地時間10月5日、Instagramは、フィード動画とIGTV動画を「Instagram動画」として統合、プロフィール上の動画タブにまとめて表示することを発表しました。動画コンテンツを発見する際と投稿する際、どちらもよりシンプルな仕組みに変更します。
ひとつのタブに一覧表示することで、利用者はより簡単に動画コンテンツを発見することができるようになります。
公式発表によると、まずIGTVアプリの名称が「Instagram TV」に変更され、次にフィードとIGTVの動画コンテンツが「Instagram動画」に代わりタブが新設されました。ただし、現状日本のInstagramアプリ内のアカウントの表示は変わっていません(11月1日執筆時点)。本格的に実装された場合、これまで投稿してきた動画コンテンツがホーム画面の並びでどのように表示されるかにも注意したいですね。
また、フィード動画とIGTV動画が統合された背景には、ホーム画面に遷移してから動画をじっくり調べるユーザー行動が多く、今まで以上に重要視されたことが考えられます。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2021/10/instagramvideoconsolidation/
ライブ配信のスケジュールを事前設定・告知できる新機能を導入
https://about.fb.com/ja/news/2021/10/instagram_live_scheduling/
現地時間10月13日、Instagramは、配信予定のInstagramライブ開始時刻をあらかじめ設定、フィード投稿で告知できる機能を日本を含む全世界へ導入すると発表しました。
この機能により、配信者は開催予定のライブ配信日時を最大90日前からフィード投稿で利用者に告知が可能。利用者はリマインダーを設定、通知を受け取ることができ、興味を持ったライブ配信を忘れずに視聴できます。
コロナ禍でユーザーのライブ視聴が活発になっているなかで、最近ではユーザーの見逃しを防止したり今後の配信予定を共有できるようにする機能が続々と追加されています。
ライブ配信では、視聴時間に都合が合わないユーザーもいることから「定期的に配信をやっているんだな」「今度は時間を合わせて見に行ってみようかな」と思ってくれる人を増やし、エンゲージメントを少しずつ高めることが重要なため、この機能は今後重宝するでしょう。
また、ライブ配信はInstagram動画(旧IGTV)としてホーム画面上にアーカイブできるため、熱量の高いファンに回遊してもらえ、好意度や認知度醸成が期待できます。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2021/10/instagram_live_scheduling/
デスクトップから投稿が可能に
現地時間10月19日、Instagramでは、PCから写真や動画を直接投稿できる機能が提供開始されました。
これまでブラウザでモバイル表示に切り替えるといった迂回策が求められており、デスクトップのブラウザから直接投稿することは叶いませんでした。
企業のInstagram運用担当者にとって、作業効率を上げられる機能が公式に追加されました。
スマートフォンで入稿作業を行っていた人の場合は改行をするときに専用のアプリが必要でしたが、そういった手間もこのブラウザ操作においてはなくなり、時短に繋がるといえます。また、誤操作などのリスク防止にもつながりそうです。
参考:https://www.gizmodo.jp/2021/10/instagram-can-now-post-from-the-web.html,
https://iphone-mania.jp/news-413717/
ブランドコンテンツ広告をリールに拡大、その他クリエイター向けアップデート
https://about.fb.com/ja/news/2021/10/creators_and_businesses_bundle/
現地時間10月22日、Instagramは、ブランドコンテンツ広告によるクリエイターとビジネスの協業を目的とし、リールでの広告配信を含む様々なアップデートを行っています。
米国では、アフィリエイト機能を利用しているクリエイターがショップを開設できるテストなども開始。自身のプロフィール画面にショップを開設、紹介している商品を一箇所にまとめて表示させることが可能になります。
この度、縦型の短尺動画投稿「リール」にブランドコンテンツ広告が出稿可能になりました。やはり人気のある投稿フォーマットには広告枠の拡充が続きます。
ブランドコンテンツ広告とは、企業がクリエイターなどに対して自社を宣伝する投稿をしてもらいながら、協業関係も示すことができる(「ステマ」ではないと伝えられる)広告機能です。自社で動画を制作し、上手く配信することが難しい広告主にとっては一考に値する手法ではないでしょうか。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2021/10/creators_and_businesses_bundle/
ストーリーズ投稿でリンクを追加できる「リンクスタンプ」を全利用者に導入
https://about.fb.com/ja/news/2021/10/linkaccessstickers/
現地時間10月27日、Instagramは、ストーリーズ投稿にリンクを追加できる「リンクスタンプ」を全ての利用者のアカウントを対象に、段階的に導入します。数週間で全ての利用者が使えるようになる予定です。
今回導入されるリンクスタンプは、誰でも利用することができ、現在、スワイプアップでリンクを追加する機能を使っているアカウントも、今後はリンクスタンプに移行します。
以前ニュースとして取り上げていた機能が日本でも実装され始めました。「段階的に導入」とされてますが、まだ利用ができない企業のご担当者も、まもなく使えるようになるでしょう。
従来、スワイプアップによるリンク誘導を行うためには、フォロワー数が1万人を超えている必要がありました。それに対し、同新機能はフォロワー数に関係なく利用できる点が魅力です。
ストーリーズ投稿は目で見てすぐに言いたいことが分かることや、ひと目で気を引ける表現が通常投稿よりも重要視されます。そのため、宣伝したいからといって闇雲にリンクを付けても、ユーザーにはスキップされる可能性が高い点には気を付けましょう。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2021/10/linkaccessstickers/
4. YouTube
日本語を含め自動でキャプション機能を付加できる機能を搭載予定
現地時間10月7日、YouTubeは新しいオーディオ機能をいくつか発表しました。
発表同日に展開されたのは、ライブ配信に英語の自動キャプションを付けられる機能で、アクセシビリティが増すと予想されます。今後数カ月のうちに日本語も対象となります。
今までこの機能は、チャンネル登録者が1,000人以上のクリエイターに限り使うことができた機能です。
昨今のライブ配信視聴の活発化を見ると、ユーザー目線では有難い機能です。聴覚障がい者へのアクシビリティ向上はもちろん、音を出したくない環境でもライブ配信を見逃したくない人には役立つと言えます。
一方で翻訳精度が十分でない可能性がある点には注意が必要です。企業が国内向けに広報やマーケティングでYouTubeライブを使う場合は、基本的には自動翻訳だけに頼ることが無いよう発表内容や配信技術的な準備が求められると言えます。