SNSの運用は記録テンプレートで業務を標準化&属人化ゼロへ|仕組み化を実現する方法
2025/07/27
SNS運用を効果的に進めるためには、「どのように運用しているか」「どんな成果が出ているか」を正確に記録・報告し、チームやクライアントと情報を共有することが不可欠です。
しかし、日々の投稿や数値データ、運用ルールの管理が煩雑になり、属人化や情報の断絶が課題となっているケースも少なくありません。
この記事はSNS運用の記録管理に悩む方やチーム向けに、すぐに実践できる具体的なノウハウを解説します。
目次
本記事は企業のSNSマーケティングを包括的に支援をしているガイアックスが解説しています。運用実績10年以上、大手企業を中心に累計1,000社以上の運用実績があります。
SNS運用、SNSキャンペーンに興味のあるご担当者様は、ガイアックスにご相談ください。
SNS運用の記録はなぜ重要?目的とメリットを整理

このセクションでは、SNS運用における記録の重要性と、その背景・メリットについて詳しく解説します。
単なるデータの蓄積ではなく、記録がどのように運用の透明性や再現性、改善サイクルの確立に役立つのか、実務視点で理解を深められます。
SNS運用の記録が求められる背景とは
近年、SNSは企業やブランドのマーケティング活動において欠かせないチャネルとなりました。
その一方で、運用担当者やチームが変わった際に「これまでの経緯や意図が伝わらない」「過去の成果や失敗事例が活かせない」といった課題が顕在化しています。
こうした問題を防ぐためには、日々の投稿や運用施策、数値データを体系的に記録し、情報を蓄積していくことが必要です。
運用記録を取ることで得られるメリット
記録を徹底することで、施策ごとの効果検証や改善点の発見が容易になります。
報告業務の効率化や社内外への透明性向上、ノウハウの共有・再活用も可能です。特に、複数人で運用する場合や代理店がクライアントにレポートする場面では、共通フォーマットによる記録が属人化を防ぎ、業務の標準化にもつながります。
メリット:
・施策ごとの効果検証や改善点が明確になる
・業務の効率化・標準化につながる
・ナレッジ共有やノウハウの再活用ができる
どんな場面で「記録テンプレート」が活きるのか
SNS記録テンプレートは、定期レポートや月次報告、運用の引き継ぎ、新規プロジェクト立ち上げ時など、さまざまな場面で活用できます。
テンプレート化することで「記録すべき項目」が明確になり、記載漏れや齟齬を防ぐだけでなく、報告の一貫性や比較・分析のしやすさも向上します。
テンプレートを活用することで、運用の属人化防止や業務効率化にも大きく貢献します。
SNS運用の記録テンプレートで管理すべき項目とは?

このセクションでは、SNS運用の記録テンプレートに盛り込むべき代表的な項目を整理します。
何をどのように記録すれば、後々の報告や分析に活かせるのか、実務で役立つ視点を具体的にまとめました。
投稿内容(日時/媒体/クリエイティブ/目的)
まず、SNS記録の基本は「いつ・どこで・何を・なぜ」投稿したかを明確に残すことです。具体的には以下の項目を押さえておきます。
- 投稿日時
- 投稿媒体(例:Instagram/X/Facebookなど)
- 投稿内容の要約またはリンク
- 画像や動画などクリエイティブの内容
- 投稿目的(キャンペーン告知/情報発信/エンゲージメント向上など)
これらを一元管理することで、投稿の意図や戦略の変遷が可視化でき、施策ごとの成果を正しく評価できます。
数値データ(リーチ/エンゲージメント/CTR)
記録テンプレートには、主要なKPIとなる数値データも欠かせません。一般的には以下のような指標が用いられます。
- インプレッション/リーチ数
- エンゲージメント数(いいね・コメント・シェア等)
- クリック数/CTR
- フォロワー数の推移
- 保存数やDM件数など媒体ごとの特徴指標
これらのデータを一元管理することで、投稿や施策ごとの効果を比較・分析でき、改善アクションにつなげやすくなります。
運用状況・所感・改善メモ
数値や事実だけでなく、運用担当者の所感や改善メモも重要な記録要素です。
「なぜこの結果になったのか」「次回どう改善するか」といった振り返りを記載することで、単なる数字の羅列から意味のあるレポートに昇華します。
記録フォーマット例
| 項目 | サンプル |
|---|---|
| 投稿日 | 2024/7/1 |
| 媒体 | |
| 投稿内容 | キャンペーン告知 |
| クリエイティブ | 画像A |
| 目的 | 認知拡大 |
| リーチ | 8,500 |
| エンゲージメント | 180 |
| CTR | 2.1% |
| フォロワー増減 | +120 |
| 所感・改善メモ | 投稿時間を変更し、次回も検証予定 |
SNS記録テンプレートの作り方と選び方

このセクションでは、記録テンプレートの種類や目的ごとの違い、実際のフォーマット作成のコツについて解説します。自社・自チームに最適なテンプレートを選ぶ視点も紹介します。
目的別テンプレートの違い
SNSの運用管理には「運用記録」「レポート」「ガイドライン」など目的に応じたテンプレートが必要です。
運用記録:日々の投稿・データ・所感などを記録し、現状把握や改善のベースとする
レポート:月次・四半期など定期的な成果報告や分析のために集計・可視化する
ガイドライン:運用のルールや投稿基準、トラブル時の対応方針などを明文化し、全体の統一感を保つ
それぞれの役割や記載項目が異なるため、目的ごとに最適なテンプレートを用意することが重要です。
Excel・スプレッドシートでの記録フォーマット作成方法
多くの企業・チームで利用されているのがExcelやGoogleスプレッドシートによる管理です。
シートを作成する際は、前述の項目を「列見出し」として設定し、データ入力しやすいレイアウトを意識しましょう。
ポイント:入力規則やプルダウン、条件付き書式を活用することで、誰でもミスなく管理できる環境を作れます。チームで運用する場合は、共有設定や編集履歴も活用し、情報の透明性や更新漏れを防ぐことが大切です。
SNS記録管理におすすめのテンプレート・ツール4選

このセクションでは、SNS運用の記録・管理・レポート作成に役立つ代表的なツールを厳選し、特徴や料金、公式サイト情報とともに紹介します。
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 公式サイト |
|---|---|---|---|
| Looker Studio | 多様なデータソース対応、グラフやダッシュボードで視覚的に管理 | 無料(一部有料テンプレートあり) | Looker Studio |
| SocialDog | 予約投稿、フォロワー分析、運用レポート作成 | 無料プランあり/有料プラン:月額980円~ | SocialDog |
| Buffer | 複数SNS管理、一括投稿、詳細レポート | 無料プランあり/有料プラン:月額6ドル~ | Buffer |
| Comnico | 運用ルールの一元管理、レポート自動化、承認機能 | 要問い合わせ | Comnico |
各ツールは公式サイトから詳細や最新情報を確認できます。実際の運用規模や目的に合わせて最適なものを選択しましょう。
Looker Studio
Looker StudioはGoogleが提供する無料のダッシュボード/レポート作成ツールです。
SNSやWeb、広告、売上などさまざまなデータソースを連携し、視覚的で分かりやすいレポートを自動生成できます。
データの可視化、社内共有、レポートの自動更新・共同編集が簡単に行えるため、SNS運用の効果測定や分析業務を効率化したい企業に最適です。
| プラン | 料金 | 備考 |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | Googleアカウントで利用可 |
| 有料コネクタ | 各種課金 | 外部コネクタ接続は有料あり |
SocialDog
SocialDogはX(Twitter)やInstagramなどに対応した、国産のSNS管理・予約投稿ツールです。
直感的なUIで予約投稿・自動返信・分析など多機能をワンストップで提供。日本語サポートが手厚く、個人から企業の本格運用まで幅広いユーザーに支持されています。
スマホアプリもあり、モバイル運用もスムーズです。
| プラン名 | 月額(税込) | 主な内容 |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | 1アカウント、基本機能 |
| パーソナル | 1,480円 | 2アカウント管理、予約投稿 30件 |
| プロ | 4,980円 | 5アカウント管理、予約投稿 無制限 |
| ビジネス | 19,800円 | チーム運用、承認フロー、詳細分析 |
Buffer
Bufferは世界中で利用されるSNS一括管理・予約投稿ツールです。
X(Twitter)、Facebook、Instagram、LinkedIn、Pinterestなど複数SNSをまとめて運用できるのが特徴。
投稿の一括予約や簡単な分析機能も備えており、シンプルなUIで中小企業からチーム運用にもおすすめ。英語UIが基本ですが、直感的に操作できます。
| プラン名 | 月額(USD) | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free | $0 | 3SNS/1ユーザー、10投稿まで |
| Essentials | $5 | 1ユーザー/全SNS、予約無制限 |
| Team | $10 | 2ユーザー~、承認・チーム機能 |
comnico Marketing Suite (コムニコ マーケティングスイート)
Comnico Marketing Suiteは日本のSNS運用現場に特化した総合管理ツールです。
X(Twitter)、Facebook、Instagramなどに対応し、予約投稿・カレンダー管理・コメント監視・承認フローなど企業SNS担当者に便利な機能を多数搭載。
国内大手企業での導入実績も多く、運用効率化とリスク管理を両立できます。詳細料金は公式サイトまたは資料請求で確認可能です。
| プラン名 | 月額(税別) | 主な内容 |
|---|---|---|
| 要問い合わせ | 要問い合わせ | 複数SNS管理、予約投稿、承認・分析機能など |
SNS記録・レポート作成の成功事例3選

このセクションでは、実際にSNS記録テンプレートや運用ツールを活用し、運用改善や成果向上を実現した企業事例を紹介します。実践イメージを具体的に持っていただけます。
SNS記録の「型」を活用することで、現場ごとに異なる運用課題も可視化しやすくなります。事例ごとにどのような成果につながったか確認してみましょう。
株式会社JCB × Social Insight
JCBでは、Social Insightを活用したSNS記録管理により、部門横断でのナレッジ共有やレポート作成の効率化を実現しています。
多媒体の運用成果を一元的に管理し、施策ごとの改善PDCAサイクルが回しやすくなりました。
部門ごとの情報格差を解消し、社内全体の改善スピードが向上
スカパーJSAT株式会社 × Social Insight
スカパーJSATでは、SNSレポートの標準化・自動化によって属人化の解消と業務効率化を達成しました。
データの記録・分析だけでなく、各部門間でのコミュニケーションも円滑に進んでいます。
標準化による再現性の向上と、部門間連携の強化を実現
株式会社わかさ生活 × Social Insight
わかさ生活では、SNS運用の記録テンプレートをもとにKPI管理と施策の振り返りを強化。
定量・定性両面から運用の見える化を進め、継続的な改善につなげています。
KPIの数値だけでなく、現場のノウハウ蓄積にも貢献
SNS記録・管理がうまくいかない人の共通課題

SNS運用を継続していると、「ちゃんと記録を残しているのに、あとから全然役に立たない」という悩みをよく耳にします。
個人運用でもチーム運用でも、「なぜか振り返りや改善につながらない」が生まれる背景には、いくつかの共通した課題があります。
特に多いのは「粒度・意味づけ・ルール」という3つの曖昧さが隠れていることです。
どれも忙しさや属人化、仕組み化不足から生まれる課題ですが、裏を返せば、この3つを整理することで記録も活用もしやすくなります。
「誰が見ても分かる」「なぜそうしたのかも分かる」記録の形を整えていきましょう。
「記録の粒度」がバラバラで、結局誰も活用しない
一見、SNS運用の記録を残しているつもりでも、実際には「抽象的すぎる」か、逆に「細かすぎて整理できない」というケースがよくあります。たとえば、「今月はフォロワーが増えた」「投稿に反響あり」とだけ書かれていて、具体的な施策や要因が分からなかったり。
逆に、「毎日すべての数字や反応を細かく記録しているが、分析や報告には使われていない」という悩みも少なくありません。
- 記録内容が曖昧すぎて、後から何をしたのか思い出せない
- 細かすぎるデータを残しても、集計や振り返りで活かせない
- 何をどこまで書くかの基準が人によって違い、バラつきが出る
こうした曖昧さが原因で、「結局どんな運用をしてきたのか」「どんな施策が効果的だったのか」が見えなくなり、改善や共有が難しくなります。
目的に応じて「どの項目まで記録すべきか」を明確にし、粒度を統一することが重要
数値だけの管理で意味づけが抜けている
多くの現場で、「フォロワー数」「いいね数」など、数字の変化だけを追いかけてしまう傾向があります。
しかし、「なぜそうなったのか」という背景や仮説、担当者の所感が抜け落ちていると、その数字が「偶然」なのか「狙った成果」なのか分からなくなってしまいます。
- 数字だけ並べて満足し、分析や振り返りの時に「理由」が見つからない
- 成果や失敗の気づきが共有されず、同じことを繰り返す
- レポート作成や報告時、「なぜこの変化が起きたの?」と聞かれて困る
記録とあわせて「なぜその結果になったのか」「次に生かすべきポイントは何か」を簡単でも言葉で残しておくことが、SNS運用の質を高めるコツです。
数値とあわせて「なぜその結果になったか」も記録する
チーム内で管理ルールが統一されていない
複数人でSNSを運用している場合、「記録のフォーマットや記入ルールがバラバラ」だと、せっかくの記録が台無しになってしまいます。「この項目は書く人と書かない人がいる」「それぞれ好きなテンプレートを使っている」「前任者の書き方が分からず手探り」という「引き継ぎ迷子」もよくあるパターンです。
- チームごと、担当ごとに書き方や管理方法が違う
- ガイドラインやサンプルがなく、何を書けばいいのか曖昧
- 引き継ぎ時に「前回はどうしていた?」が分からず手戻りが発生
こうしたバラつきが重なると、「運用履歴があっても使えない」「せっかくのナレッジがチームで共有されない」など、現場の混乱や業務ロスにつながります。
ガイドラインや運用ルールを定め、全員が同じフォーマットで管理できる体制を整えることが大切
SNS運用記録を仕組み化するためのポイント

SNS運用の現場で「記録が続かない」「せっかく残したのに活用できていない」と感じたことはありませんか?
実は、単発の努力や個人任せの管理だけでは、記録はすぐに形骸化してしまいがちです。
そこで重要なのが、「仕組み化」=チーム全体で継続的に活用できる管理体制を作ること。ここでは、現場で本当に使える仕組み化の考え方と具体的な工夫について解説します。
ガイドライン・運用ルールとのセット運用が鍵
SNS運用記録を「ただ書くだけ」で終わらせず、チームで迷わず活用するためには、記録テンプレートと運用ガイドラインをセットで整備することが大切です。
たとえば「どのタイミングで何を記録するのか」「投稿基準はどうなっているか」「誰がどこまで書くのか」といったルールを明文化し、誰もが迷わず記入できる状態を作りましょう。
- テンプレートだけでなく、「記入例」や「運用フロー」を添えると実務で迷いにくい
- ガイドラインがあることで、担当者交代時もスムーズに引き継げる
- ルール化することで「個人差」や「書き忘れ」の防止にもつながる
ポイントは、テンプレート+ガイドラインの両輪をセットにし、迷わず運用できる体制を作ることです。
「記録→分析→改善」までを意識した設計に
SNS運用記録は、「残すこと自体」が目的になってしまうと形だけの作業になりがちです。
本来は、「記録→分析→改善」という一連の流れを意識し、運用改善や成果向上に活用できる設計にすることが重要です。
たとえば、「投稿内容や施策」「その結果どうなったか」「なぜその結果が出たのか」など、次の振り返りやPDCAサイクルに役立つ情報を記録項目に組み込んでおきます。
- 「記録して終わり」にならず、定期的な振り返り・分析の時間をチームで確保する
- テンプレートに「所感」「今後の改善案」欄を設けておくと、自然とPDCAが回りやすい
- 定例ミーティングやレポートで「記録→分析→改善」を習慣化すると定着しやすい
記録することがゴールではなく、活用して変化を生み出すための設計を意識しましょう。
ルーティン化・自動化のためのツール活用も視野に
毎日の記録や報告を「人の頑張り」だけに頼ると、忙しい時期や担当者によってバラつきが出やすくなります。
そこで、ツールの力を借りて記録作業を自動化・ルーティン化する工夫もおすすめです。
- GoogleスプレッドシートやNotionでテンプレートを用意し、日々の入力を簡単にする
- Slack連携や自動集計ツールで、数字の収集・反映を省力化
- 毎日決まった時間にリマインドや自動記入フォームが届く仕組みを作る
「書きやすい仕組み」と「入力の負担軽減」を両立させることで、SNS記録の継続率も大幅にアップします。
まとめ|SNS記録テンプレートで属人化を防ぎ、再現性ある運用を

SNS運用の成果を最大化するには、記録テンプレートを活用した「可視化」「標準化」「仕組み化」が不可欠です。
記録・レポートを適切に管理することで、属人化を防ぎ、誰でも運用を再現できる体制を整えることができます。
現場に合ったテンプレートやツールを選び、日々の運用業務に取り入れていくことが、チームやクライアントから信頼されるSNS運用担当者への第一歩です。
まずはガイドライン+テンプレートの整備と、振り返りを習慣化する場から始めてみてはいかがでしょうか。
もし、「自社やクライアントでSNS運用をもっと仕組み化したい」「テンプレートやルール作りに悩んでいる」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
SNSマーケティング・コンサルティングの視点から、現場に合わせた管理方法や運用の仕組みづくりをサポートします。
SNS運用の最新トレンドや成功事例、実践ノウハウに基づいた運用をお手伝いします。SNS活用を加速させたい方は、ガイアックスへお問い合わせください!













