企業の「裏側」がファンを惹きつける!サブアカウント・サブチャンネルSNS運用の好事例5選と成功の法則

2026/06/08

近年、多くの企業がSNSの公式アカウントに加えて、社員の日常やサービスの制作秘話といった「裏側」を発信するサブアカウント(サブチャンネル)を立ち上げ、大きな人気を博しています。本アカウントではブランド方針やコンプライアンスを重視した「フォーマルな発信」を行う一方、サブアカウントでは「親しみやすさ」や「本音のエンタメ」を展開することで、ファンとの距離を劇的に縮めることに成功しています。

■目次

  1. 企業の「裏側・サブアカウント」が今、注目される理由
  2. 企業の「裏側・サブアカウント」好事例5選の徹底解説
  3. 事例から学ぶ!企業のサブアカウント運用「3つの成功法則」
  4. まとめ

1. 企業の「裏側・サブアカウント」が今、注目される理由

SNS戦国時代において、従来の「企業からの一方的な宣伝・プレスリリース」はユーザーに敬遠されやすくなっています。そこで重要視されているのが、「ヒューマナイズ(擬人化・人間味を持たせること)」です。

  1. 親近感と信頼感の醸成:完璧な企業イメージよりも、失敗や試行錯誤、働く社員のリアルな姿(人間味)を見せることで、ユーザーは親近感を抱き、ブランドへの信頼感が高まります。
  2. 採用活動(採用ブランディング)への波及効果:社風や働く環境、先輩社員のキャラクターを飾らずに見せることで、就職活動中の学生や求職者に対して「この会社で働いてみたい」という強い動機付けを生み出します。
  3. メインアカウントとの役割分担:コンプライアンスや企業としての格式を守る「メイン」と、自由な企画やエンタメに挑戦する「サブ」を明確に分けることで、ブランドイメージを損なうことなく攻めた企画を実施できます。

今回は、代表的な好事例5選を紹介します。

2. 企業の「裏側・サブアカウント」好事例5選の徹底解説

① 福屋広島駅前店(Instagram:とある商業施設の裏側)

地方百貨店である「福屋広島駅前店」が運営する、フォロワー数5,000人を超えるInstagramアカウントです。「従業員・お客さん視点の福屋広島駅前店を体験してください」をコンセプトに、普段は見ることのできない百貨店の裏側をリール(ショート動画)で発信しています。

公式(メイン)アカウントURLhttps://www.instagram.com/fukuya_fashion_beauty/
サブアカウントURLhttps://www.instagram.com/fukuya_uragawa/

主な配信内容:デパ地下の開店前巡回や人気惣菜店のお弁当製造現場(ASMR風)、社長からの差し入れなど、百貨店の舞台裏を1人称視点で捉えたアットホームな日常動画。

メインとサブ(裏垢)の使い分け
メイン:催事情報、新商品、ブランドの告知など、百貨店としての「華やかでお堅いフォーマルな情報」を発信。
サブ:職人技や泥臭い準備プロセスといった「働く人のリアルな裏側」に特化し、来店への親近感を醸成。

② LINEヤフー(YouTube:LINEヤフーのサブチャンネル)

公式チャンネル(登録者約5,000人)を大きく上回る、登録者数1.2万人超を誇る人気サブチャンネルです。「メインチャンネルでは語りきれないLINEヤフー社内の様子や裏側、生活がちょっと豊かになるお役立ち情報」を発信しています。

公式(メイン)チャンネルURLhttps://www.youtube.com/@lycorp_jp
サブチャンネルURLhttps://www.youtube.com/@lycorp-sub_jp

主な配信内容:LINEスタンプの企画担当者への仕事密着や、新卒・若手社員のリアルな1日・座談会、「Yahoo!天気」制作現場への潜入など、社内のリアルな仕事風景。

メインとサブ(裏垢)の使い分け
メイン:決算発表、公式プレスリリース、サービスの大規模アップデートといった「コーポレートの公式発表」を掲載。
サブ:IT企業の「中の人」の顔や個性を徹底的に見せることで、若年層に向けた「親しみやすい採用ブランディング」として機能。

③ JAL(YouTube:JAL、サブチャンネルはじめました。)

公式チャンネル(登録者約13万人)の3倍以上となる、登録者数44万人超を達成している、企業サブチャンネルの金字塔です。

公式(メイン)チャンネルURLhttps://www.youtube.com/@JAL-official
サブチャンネルURLhttps://www.youtube.com/@JAL-sub

主な配信内容:現役パイロットによるCA業務の体験ロープレ、整備士やグランドスタッフへの仕事密着、外部ディレクターが視聴者目線で素朴な疑問をぶつけるインタビュー。

メインとサブ(裏垢)の使い分け
メイン:新機材の導入、TVCM、公式キャンペーンなど、航空会社としての「ブランドイメージと格式を守るフォーマルな動画」を配信。
サブ:宣伝色を徹底的に排除し、あえて自社社員にも公開を伝えないアルゴリズム対策を行いながら、飛行機に馴染みのない若年層へ「徹底した視聴者ファーストのエンタメ」をお届け。

④ MIXI(YouTube:MIXIのサブチャンネル)

「心もつながる」コミュニケーションをつくるMIXI(ミクシィ)が運営するサブチャンネルです。

公式(メイン)チャンネルURLhttps://www.youtube.com/@mixi_official
サブチャンネルURLhttps://www.youtube.com/@mixi_sub

主な配信内容:木村社長とDeNA南場会長ら他社経営者との「ガチ対談」、「モンスト」誕生前夜の裏話、社長の1日完全密着ドキュメンタリーなど。

メインとサブ(裏垢)の使い分け
メイン:企業の公式IR情報、各サービスのプロモーション動画など、「自社が主語となる公式な情報」を格納。
サブ:社長自らが広告塔となり、「IT×エンタメ」の知的好奇心を刺激するメディアとして運営。ものづくりへのこだわりや本音を語ることで「コーポレートブランディング」を牽引。

⑤ ヤマダデンキ(Instagram:ura_yamadadenki_official)

「ヤマダデンキが普段発信しないエンタメコンテンツ」を届ける公式裏アカウントで、InstagramやTikTok、YouTubeで爆発的な話題を集めています。

公式(メイン)アカウントURLhttps://www.instagram.com/yamada.denki_official/
サブ(裏)アカウントURLhttps://www.instagram.com/ura_yamadadenki_official/

主な配信内容:家電売り場での「ホストクラブのシャンパンコール風コント」、トレンドのAI風動画の人力再現、家電の分配でもめるカップルの本格ショートドラマなど。

メインとサブ(裏垢)の使い分け
メイン:最新家電のスペック紹介、セール情報、チラシの告知など、「実店舗への集客や販促に直結する正確な情報」を発信。
サブ:スペック紹介を完全に捨て、プロの役者も起用した「本気の攻めたエンタメ」に特化。炎上を避けつつ「ヤマダデンキ=面白い・親しみやすい」というファン(感情フック)を量産。

3. 事例から学ぶ!企業のサブアカウント運用「3つの成功法則」

5つの好事例を分析すると、成功している企業の裏側・サブアカウント運用には共通する「3つの鉄則」があることが分かります。

1. 「売り込み(宣伝)」を徹底的に排除する

サブアカウントを訪れるユーザーは、商品情報ではなく「面白いコンテンツ」や「働く人の人間味」を求めています。JALが「次の旅行はJALで行くことに決めました」というコメントをKPI(効果測定)の指標にしているように、直接的な販促ではなく、ファン化の先にある「行動変容」を信じて、まずはエンタメや有益な情報に徹することが重要です。

2. メインアカウントと「役割」を完全に分ける

公式アカウントは「信頼性や正確な情報(ブランドの顔)」、サブアカウントは「親しみやすさや挑戦(社員の顔)」と、役割を180度変える必要があります。ヤマダデンキのように、メインでは絶対にできない「ホスト風コール」などの攻めた企画も、サブ(裏垢)という受け皿があるからこそ、炎上を避けつつバズを生み出すことができます。

3. 「第三者目線(視聴者ファースト)」を設計に組み込む

JALの事例にあるように、自社の強みを自分たちだけで語ると「押し付けがましい宣伝」になってしまいます。外部ディレクターを介して質問させたり、視聴者が普段疑問に思っているデパ地下の裏側をPOV(主観)映像で見せたりするなど、徹底的に「視聴者が見たいもの」を起点に企画を設計することが、高いエンゲージメントに繋がります。

4. まとめ

企業の「裏側」を伝えるサブアカウント運用は、今後のSNSマーケティングにおける必須の戦略となっていくでしょう。本記事が、貴社のSNS運用や事例研究の参考になれば幸いです。