米国成人のネット利用実態調査に見る、話題のSNS&コミュニティサービスとは
2015/09/08
米調査機関Pew Research Centerが、米国内の成人を対象にモバイルメッセージングアプリとソーシャルメディア人口に関するアンケート調査を行いました。
その調査結果から、ソーシャルメディア人口という視点で大きな変化があったPinterestとInstagramについて取り上げます。それでは他ソーシャルメディアと比較しながら詳しくデータを見ていきましょう。
■勢いのあるSNSはInstagramとPinterest
調査は約1,900人を母体に電話で行われ、性別・年齢・人種・学歴・収入・地域など細かくデータが取られています。
まずインターネット利用者85%の中でFacebook、Pinterest、Instagram、LinkedInの過去3年間の利用者推移を見てみると、ほぼ順調に増加傾向にあります。なかでも2012年から2015年を比較すると、Pinterestが15%から31%へ16ポイントアップ、Instagramも13%から28%へ15ポイントアップと倍の利用者数を獲得していることがわかります。
これはFacebookが5ポイントしかアップしていないところを見ると大きな変化と言えます。ただし、母体が桁違いに大きなFacebookは利用者が実に70%を超えてきており、成長率は減速したもののその存在感は大きいままです。
今回の調査では利用者72%という数字を出し、これは実に米成人人口の62%にあたります。
また、毎日使うと回答した人に関しては、Pinterest27%、Instagram59%、LinkedIn22%、Facebook70%、X(Twitter)38%となっています。
Facebookには及ばないものの、Instagramも非常に健闘しています。写真や動画に特化したInstagramの簡易性や手軽感は、積極性のある人々だけでなく潜在的に興味のある人々を巻き込んでいくのも早いと考えられます。
毎日気軽に見たくなる要素が強いInstagramは、アクティブユーザーのパーセンテージに関してはFacebookへ追いつくのも時間の問題かもしれません。
これは、性別と人種の面から見て取れます。Instagramは女性からの支持が多く、興味深いことにInstagramは非白人からの支持と20代までの若者が約半数という特徴をもっています。
匿名性が強く、言葉がいらない、自由でアーティスティックな世界では、Instagramのような、写真1枚で表現するサービスが適していると言えるのではないでしょうか。
女性からの支持はというとPinterestも高く維持しています。人と人とのつながりに軸を置くFacebokやX(Twitter)と異なり、人の興味関心を軸にしてつながるという点、そしてその興味関心を視覚的に表現している点で女性には使いやすいツールでしょう。
■各社メッセージアプリとコミュニティサイトの利用率
スマートフォン所有者の36%がWhatsApp、Kik、iMessage などのメッセージアプリを使用しており、 そのうち17%がSnapchat や Wickr などの送信メッセージを自動的に削除するアプリを使用しています。
スマートフォン所有者18~29歳の約半数がこれらメッセージアプリを使用し、4割ほどがメッセージ自動削除アプリを使用しています。
上記のようなアプリは、FacebookやX(Twitter)のように伝統的なSNSよりも、もっとプライベートな社会的相互作用を提供しています。
次にインターネット利用者については、全体の15%がreddit、Digg、Slashdotなどディスカッションサイトで読んだり、コメントをし、10%はブログサイトtumblrを利用している。
特に若者にこうした傾向が強く、ディスカッションサイトへは女性より男性の参加率が高い傾向にあります。
※redditとは、米国の出版大手コンデナストが運営するソーシャルニュースサイトである。
※Diggとは、米国で2004年から提供されているユーザー参加型のニュースサイトの名称である。
※スラッシュドット(英: Slashdot)とは、特に米国で有名な、コンピュータ関係のニュースを扱うWeb上の電子掲示板である。
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部