いまこそ知っておくべきFacebook関連度スコアの見方とその活用方法

2015/07/30

Facebook社は、利用者の関心が高い広告を表示することにより、利用者と広告主の双方にとってより良い結果をもたらすと考えていました。そのため同社は以前から広告の配信において関連性を考慮しており、できるだけその関連性(レリバンシー)の高い広告を表示するよう取り組んでいました。

今回、Facebook広告において、ユーザーと広告の関連度が確認できるようになりましたので、その内容について詳しく触れていきます。

■関連度スコアとは

Facebookの広告レポートでは、広告の関連度を数値化した「関連度スコア」を確認できるようになります。そのスコアの確認・活用方法を、簡単に以下にまとめました。

・関連度スコアのしくみ

関連度スコアは、広告のターゲットオーディエンスから得られる反響(肯定的、否定的の両方のフィードバック)を予想した数値のことです。

肯定的な反応が多く期待できる広告は、関連度スコアが高くなります(何を肯定的な反応と判断するかは、広告主毎に異なりますが、たとえば動画再生数やコンバージョン数などが挙げられます)。

逆に、非表示や報告対象になる可能性の高い広告は、関連度スコアが低くなるという仕組みになっています。

関連度スコアは1から10までの10段階の数値で表され、10が最高の評価となっています。広告に対する反響のデータが集まるにつれて、スコアは随時更新されていきます。

ちなみに、配信保証付きの広告(リーチ、フリークエンシー購入したものなど)は、関連度スコアの影響は受けません。

また、キャンペーンの目的がブランド認知の向上である場合など、特定のアクション(アプリのインストールや商品の購入など)ではなく、ユーザーへのリーチに最適化した場合も、関連度スコアが配信に及ぼす影響は少なくなるようになっています。

・関連度スコアの重要性

関連度スコアをうまく活用することは、キャンペーンを有利に展開する上で非常に大切になってきます。

リーチあたりのコストを削減:

Facebookの広告配信システムは、関心を持ってもらえそうな広告を、関心を持ってくれそうな人に配信するよう設計されています。つまり、関連度スコアが高い広告は、システムによって配信されやすく、配信コストが下がります。

ただ、広告配信システムの判断基準は関連度だけではなく、入札金額やCTRなども影響しています。そのため必ずしも関連度が高い広告が優先的に配信されるわけではありません。ただ、全体的な傾向として、関連度スコアが高いほどより効率的に広告が配信されます。

キャンペーンの実施前にクリエイティブを比較テスト:

関連度のスコアは、画像、コピー、オーディエンスの組み合わせを変えることによって変化し、関連度スコアの高さを参考に最も効果的な組み合わせを探すことが重要です。

実施中のキャンペーンを最適化:

広告キャンペーンを開始したら、関連度スコアを定期的にモニタリングしましょう。徐々にスコアが落ち込みはじめたら、クリエイティブの差し替えやターゲットの変更を検討すべきかもしれません。

関連度スコア高かった広告でも、フリークエンシーが高まり、同じユーザーに何度もアプローチしていれば、その関連度は低くなってきます。

・関連度スコアの活用法

広告主がFacebook広告を活用して成し遂げたいことは、あくまでそれぞれのビジネス目標を達成することだと思います。その目標を達成するためには、必ずしも高い関連度スコアの広告だけを作り続けることが最適な手段とは言い切れません。

もちろん、関連度スコアを上げることで、配信コストをさらに抑えたり、関連度スコアと売上をモニタリングして、広告を差し替えるタイミングを見極めたりすることも重要な手段です。

しかし、仮に関連度スコアが平均的だとしても、広告の効果がしっかりと出ているのであれば、特になにかを変える必要はないと判断することも1つの手段となります。

オーディエンスにリーチするためのコストを抑えたり、クリエイティブやターゲット設定の妥当性を確認したい場合、関連度スコアは有効な指標となりえますが、関連度スコアそのものを上げるということは、あくまでも手段であって目的ではないことに気をつけましょう。

・提供開始時期

関連度スコアについては、順次グローバルに展開され、Facebookの各種広告レポートツールおよびAPIパートナー各社のツールで利用できるようになる予定です。

広告の関連度スコアを確認するには、広告マネージャで広告レポートに「関連度スコア」タブを追加する必要があります。

■最後に

これまでのFacebook広告は、関連度スコア部分がブラックボックスとなっていたため、CTRが高い(クリックは多くされている)クリエイティブにも関わらず、CPCは高い、露出がされないといった状況に陥ることが、多々あったのではないかと思います。

それを考えると、関連度スコアが数値化されて視覚的にわかるようになったことは、広告主、広告代理店にとっては非常に大きなメリットを生むと思います。

特に、先述していますが、関連度スコアが見えるようになることで、最適な画像、コピー、オーディエンスの組み合わせがテストでき、より早く効果的な広告パターンを見つけることが可能となります。

1分、1秒でも早い改善をすることがその後の効果を大きく変えるWeb広告において、高速でテストを行い、最適化していくということは、Facebookに限らず、どんな媒体においても重要です。

広告効果改善の為の新たな指標が、広告主、広告代理店に具体的な数値として見える化されることで、Facebookは今後さらに効果の期待できる媒体へとなっていくのではないでしょうか。

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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