そのKPI設定で大丈夫?改善につながるFacebook効果測定のポイント

2017/01/23

Facebook運用効果測定
企業のマーケティングツールとしての活用が進むFacebook。様々な企業が広告や自社のプロモーションとして利用しています。このFacebookアカウントの運用にあたり、気を付けなくてはならないことは何なのでしょうか?本記事では、注目されるFacebookにおけるSNS運用を行ううえで非常に重要な、効果測定について解説していきます。

    ■目次

  1. SNSは運用が命!効果測定で改善を繰り返そう
  2. 用語解説:Facebookの効果指標としてよく使われるもの
  3. KPI設定の方法
  4. Facebookの効果測定のポイント
  5. まとめ

SNSは運用が命!効果測定で改善を繰り返そう

SNS運用は、ユーザー反応や数値を見て改善を積み重ね続ける“運用型”の手法。つまり、効果測定を行い、その結果を受けてPDCAサイクルを回すことが重要になります。
SNS自体は、低コストで始めることができるものの、本当に成果を出すにはある程度の手間をかける必要があります。例えば、ユーザーの反応を見てクリエイティブを差し替えたり、訴求ポイントを変えたりと、常に数字を見ながら何かしらの手を打つことが求められます。
常時運用アカウントの情報を把握し、効果測定を行うことは、SNSにおける目的達成に大いに役立つのです。

用語解説:Facebookの効果指標としてよく使われるもの

ここでは、Facebookの効果指標としてよく用いられる用語をご紹介していきます。

Facebookページへのいいね!数(ファン数)

「Facebookページへのいいね!」とは、投稿に行ういいね!とは異なり、企業のFacebookページに直接押されるいいね!のことを指します。いいね!をすると、ユーザーは同時にページをフォローすることになります。その結果いいね!したユーザーのニュースフィードにページから発信される情報が流れるようになります。いいねの数が増えることで、ページを見てくれる方が増え、さらにユーザーと継続的な関係性を構築することができます。
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薄い青範囲で表示されている「オーガニックいいね!」は、Facebook広告を用いずに自然に獲得したいいね!数です。そして、濃い青範囲で表示されている「有料いいね!」は、Facebook広告を用いて獲得したいいね!数です。
これらの合計から、赤範囲の「いいね!取り消し数」を引いたものが、折れ線で表示された「純いいね!」であり、いいね!の純増数を表しています。

リーチ(数/率)(※投稿のリーチ数/率)

リーチとは、Facebookページのコンテンツ(投稿)を見たユーザー数を表します。このリーチ数増加により、いいね!をしていないユーザーに対しても、コンテンツの露出増加・反応増加が期待できます。
また、リーチ率は「リーチ数÷ファン数」で求めることができます。
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エンゲージメント(数/率)

エンゲージメントは、ユーザーのページに対する好意度を表す指標です。
Facebookでエンゲージメントとして判断されるアクションは、「いいね!・リアクション・コメント・シェアまたはクリック」となります。エンゲージメント率は、これらのアクション数と投稿のリーチ数から算出されます。
よって計算式は、
「Facebookエンゲージメント率=(投稿のいいね!・リアクション・コメント・シェア・クリックを行なったユニークユーザー数)÷投稿のリーチ数」となります。
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流入数

流入数とは、ユーザーが広告や投稿に付いているリンクを通して企業のHPなどにどれだけ誘導されたのかを表す指標です。
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KPI設定の方法

KPIは目的に合致するものを選びましょう。

KPIとは

KPIとは「Key Performance Indicator」を略したもので、日本語では「重要業績評価指標」などと表現されます。施策の目的の達成基準(KGI)を数値化し、それをさらに月ごと、四半期ごとなど、期間ごとの達成基準に落とし込んだものです。
例えば、オーガニックで月間100,000リーチのページを一年後に目指すのであれば、三ヶ月目は月間24,000リーチ、六ヶ月目は月間50,000リーチ、九ヶ月目は月間75,000リーチなどのように、各期間に数値を設定し、目標を達成できるように運用を行えているかどうかを評価する基準にします。

目的別のKPIの選び方

KPI設定で最も重要なことは、目的達成にしっかりとひもづく指標を選択することです。多くの場合は、上記でご紹介した「いいね!数・リーチ数・エンゲージメント・流入数」の中のどれか、またはいくつかをKPIとすることになるでしょう。
以下に、目的とKPI を紐付ける基本セオリーをご紹介します。

  • 認知を拡大したいなら「リーチ数・ページいいね!数」
  • 顧客ロイヤリティを向上させたいなら「エンゲージメント数」
  • サイトへのアクセスを増やしたいなら「流入数」

これらのKPI項目を見ていくことで効果測定ができ、SNS運用に活用することができます。
Facebookの場合は、ユーザーの年齢や性別、居住地など、非常に細かな数字を取得可能です。Facebook広告であれば、コンバージョンの測定もできるため、投稿内容やクリエイティブがどのようにコンバージョンに影響しているのかなどの効果測定もしやすいでしょう。通常の投稿であればGoogleアナリティクスなどの外部のアクセス解析ツールを使うことで、コンバージョンのデータとFacebookのデータを組み合わせて測定することができます。

Facebookの効果測定のポイント

指標の意味を理解し、適切なKPIを選択できたとしても、まだ不十分。具体的なKPIの数値を設定したり、Facebookの効果を評価したりする際には、以下の2つのポイントを忘れないようにしてください。

ポイント1:絶対値と率を分けてKPI設定・測定する

SNSやWebサイトの評価指標には、「絶対値」で表すものと「率(割合)」で表すものがあります。
リーチ数やフォロワー数のような絶対値で表されるような数値は、右肩上がりで上がり続けるという想定をしても問題ありません。しかし、リーチ率やエンゲージメント率など、割合で測るものについては、ずっと上がり続けるようなシミュレーションやKPI設定をしてはいけません。コンテンツ内容によって上下することはあったとしても基本的には、一定であり、改善にも限界があるのです。
つまり、「絶対値」で表せるものは増えていく見通しを立て、「率(割合)」で表せるものは数値の一定を目指すことがポイントとなります。

ポイント2:短いスパンだけで判断しない

SNS運用は、季節要因の影響を受けたり、1回のバズの発生により数値が跳ね上がったりと月ごとの変動が大きいという面があります。そのため、前月比などの短期的な見方では正しく全体像を把握することができないため、半年以上のスパンで推移や傾向を見ていく必要があります。
例えばあるクライアントでは、「7月は各数値が一気に伸びたけれど、8月には下がってしまった」という問題が浮上しました。しかし長期的に見てみると、毎月の数値に比べて7月が異様に高かっただけで、特別8月の数値が悪かったわけでないことが判明しました。この場合、7月になぜ高くなり、8月になぜ落ち着いたのかを検証すればいいのです。
つまり、細かな改善を行う際には短期的な数値に注目し、SNS自体の方向性を決める際などは長期的な視野で冷静に判断する必要があるのです。

まとめ

本記事では、SNS運用に必要不可欠な効果測定、なかでも特にFacebookについて解説してきました。
SNS運用では、めまぐるしく変化するユーザーのトレンドを常に把握し、その都度対応していくことが重要です。その際の方向性の指針として、ぜひ本記事で紹介した考え方を参考にしてみてください。

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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