さっそくアルゴリズムの変更も! 2017年1月の主要なSNSニュースまとめ
2017/02/10
先月も様々なSNSのニュースがありました。新たな広告の発表や動画機能の充実が目立ったように思います。それでは2017年1月の主なSNSニュースをご紹介します。
- ■目次
- 全般
- X(Twitter)
- LINE
1. 全般
SNS情報検索の1位はX(Twitter)
野村総合研究所が行った調査によると、情報検索の際に使うSNS媒体はX(Twitter)が28.2%、LINEが26.6%、Facebookが22.2%、Instagramが11.8%という結果になりました。
性年代別に聞いた結果では、若年層で男女ともにX(Twitter)の利用が高かったものの、女性の30代以上はLINEの利用が最も高かったです。
画像引用:https://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2017/pdf/forum245.pdf
野村総合研究所の林氏は「家庭内の連絡や学校のPTA活動の連絡に、LINEが使われるケースが増えている。利用の増加に伴い、情報収集にもLINEを使う割合が高くなっている」と分析しています。子育て世代には欠かせないスーパーや薬局のクーポンを配信する企業アカウントが人気なようです。
企業にもよりますが、若い人に向けた情報発信はX(Twitter)、30代など子育て世代の女性にはLINEでという使い分けが今後のSNSマーケティングでは重要になるといえます。
■参照
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/011700119/?n_cid=nbpitp_twbn_top&rt=nocnt
https://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2017/pdf/forum245.pdf
新成人、ニュースを得る手段は「SNS」が2位
株式会社マクロミルが全国の新成人を対象に行った調査によると、SNSの利用率はLINEが93%、X(Twitter)が78%であり、いずれも過去5年で最高となりました。さらに、昨年新たに項目に追加されたInstagramは、Facebookを追い抜く36%でした。
また、「SNS(個人による投稿)」でニュースや話題を得る人は59%と2位でしたが、“利用者の信頼度”はワースト2位でした。
画像引用:https://www.macromill.com/honote/20170104/report.html
新成人は消費活動が比較的活発で情報発信が盛んなため、企業が彼らの動向を追うことで、今後の売上に影響する可能性が高いです。
SNSでは、Instagramの利用率が増加傾向が目立ちます。Instagramで検索し、ユーザーの間で話題となる商品やサービスを購買するケースも多いため、Instagramの動きには、今年も引き続き注目です。
■参照
https://www.macromill.com/honote/20170104/report.html
2. Facebook
「オーディエンスネットワーク」経由の広告が好調
Facebook社は、Facebook広告をモバイルアプリやWebサイトなどの他媒体に掲載できる「オーディエンスネットワーク」を通して広告を閲覧する人数が毎月10億人を超えたと発表しました。
画像引用:https://www.facebook.com/business/help/788333711222886
FacebookとInstagramに広告出稿している広告主は、オーディエンスネットワークに出稿先を広げることで、平均16%も多くのユーザーに広告を表示でき、キャンペーン全体の効率を上げることができたと言います。
こうした展開は広告市場の活発化につながり、Facebook側にも広告主にも利益になるだけでなく、ユーザーにも関連性の高い情報が広告として流れてくるため、嬉しいニュースとなります。
■参照
https://www.facebook.com/business/news/audience-network-update
動画のなか、メッセンジャーのなか…広告の多様化
画像引用:https://www.facebook.com/notes/david-marcus/messenger-2017/10155735233104148
「ミッドロール」広告ユニットと呼ばれる広告が発表されました。これはビデオの再生途中に動画広告を挿入するもので、近くテストに入ります。広告収益は分配され、パブリッシャーが55%を得ます。
Facebookのミッドロール広告は、長さが90秒以上のビデオを20秒以上見た後ユーザーに表示されます。そのため動画を配信する企業のなかには、広告枠として機能するよう動画の質を高める意識がより生まれてくると考えられます。
また「Messenger (メッセンジャー)」のホーム画面で、友達との会話の真下に広告を表示するテストを開始しました。Facebook社はマネタイズの幅をますます広げてきていると分かります。
■参照
https://www.cnet.com/news/facebook-messenger-gets-more-ads/
http://www.recode.net/2017/1/9/14211466/facebook-video-advertising-midroll
長めの動画の表示ランクを変更すると発表
Facebook社は、ニュースフィード上の動画の表示ランクに影響するアルゴリズム変更を実施すると発表しました。
従来の評価基準には音声を有効にしたかや、大画面にしたか、どのくらいの長さ視聴したか等、さまざまな要素を加味してきました。この長さについて、今後は何秒再生されたかではなく、全体の何%再生されたかで判断されます。
一般的にソーシャル上の動画は、開始3秒前後で良し悪しが見限られると言われています。
しかし今回のアルゴリズム変更では、視聴「秒数」ではなく「割合」を評価する様になるため、特に長い動画は視聴者を惹きつける工夫が求められるでしょう。
また、前項で説明した「ミッドロール」広告ユニットの登場を考えると、今年のFacebookは長めの動画コンテンツの視聴環境を整えているように思えます。
■参照
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1701/27/news104.html
https://newsroom.fb.com/news/2017/01/news-feed-fyi-updating-how-we-account-for-video-completion-rates/
ストーリーズ(Stories)機能をテスト
画像引用:http://ja.newsroom.fb.com/news/2016/08/instagram_instagramstories/
FacebookはアイルランドでiOS版とAndroid版でFacebook Storiesを公開しました。利用できる国はこの数ヶ月で拡大される予定です。この機能は公開後24時間で消える写真とビデオのスライドショーで、Instagramのストーリーズ機能と同じものになっています。
Facebookは今回の機能の追加について、情報の共有の仕方の変化に対応したものだと発言しています。いつどこでも、誰に対しても、望みのままにビデオや写真を見せることができるようにすることが目的だと考えられます。
昨年は、SnapchatやSnowのような「消える系」を模倣する動きがあり、その流れにFacebookも乗ってきていると考えられます。今後、Facebookがどのように独創的な機能を付け加えて、差別化を図るかに注目です。
■参照
https://techcrunch.com/2017/01/25/facebook-stories/
3. X(Twitter)
「もっと探す」タブをiOS版アプリに追加
X(Twitter)社は「X(Twitter)」のiOS版アプリに「もっと探す」タブを追加したと発表しました。「トレンド」や、話題のツイートをまとめた「モーメント」のほか、検索機能を1つのタブに集約しています。
また、ツイッター上でユーザーが投稿済みのツイートの編集機能を実装しようとしていることが発表されました。
画像引用:https://blog.twitter.com/ja/2017/0127ntab
日本語版X(Twitter)公式アカウントによると「もっと探す」タブはユーザーの意見を反映し、改善を続けていくそうです。昨今ささやかれている「ツイッター離れ」を引き止める努力が見受けられます。
以前から要望のあった編集機能について、時間制限付きで、実装を進めているそうです。送信した投稿を訂正できる機能はInstagramでも見られますが、X(Twitter)でもユーザビリティを大切にする動きが見受けられます。
■参照
https://blog.twitter.com/ja/2017/0127ntab
4. Instagram
消える動画「Stories(ストーリーズ)」、広告を表示へ
Instagramのストーリーズの中の流れる広告が間もなく開始されます。数週間のうちにそれぞれ15秒以内の広告が表示される予定です。Nike、Netflix、Maybelline New Yorkといった一部の世界的ブランドとともに試験が開始される予定です。
市場調査企業eMarketerは2016年11月、Instagramの広告売上高を18億5000万ドルと試算しました。Instagramがメインのフィードの収益化と同じようにストーリーズ機能の広告も収益化することができれば、さらに広告売上高を上げるでしょう。
今や1日あたり1億5000万人を超えるユーザーがストーリーズを利用しています。その数はこの3カ月間だけで50%増加しています。
■参照
https://www.cnet.com/news/instagram-stories-ads-are-coming-snapchat/
https://www.emarketer.com/Article/Instagrams-Ad-Business-on-Rapid-Trajectory/1014691
「消えるライブ動画」が日本でも利用可能に
Instagramは1月17日(米国時間)、日本国内の利用者に対して「インスタグラム ストーリーズ(Instagram Stories)」のライブ動画の提供を開始しました。
ライブ動画は終了後に自動的に消去されるため、利用者はいつでも気軽にライブ動画をシェアすることができます。
画像引用:http://ja.newsroom.fb.com/news/2017/01/liveinjp/
このライブ動画は保存機能や録画機能がないため、フォロワーが見てくれるような時間にライブ配信をする必要があります。そのため、余暇時間の多い23時や24時台におけるライブ配信には、視聴者がより多く集まる可能性があります。
ライブ配信は配信開始されるとフォロワーに通知が行くようになっていますが、他のSNSであらかじめライブ配信時間の予定を告知しておくのも良いでしょう。
■参照
http://ja.newsroom.fb.com/news/2017/01/liveinjp/
5. LINE
ソーシャルプラグインを刷新
今回の刷新では、「LINEで送るボタン」のデザインの変更に加え、新たに「友だち追加ボタン」「いいねボタン」が追加されました。
「いいねボタン」は閲覧中のWebサイトやアプリの情報をタイムラインへ気軽に投稿できるものです。
画像引用:https://media.line.me/ja/
「友だち追加ボタン」では、IDの入力や検索の手間なく、LINE@アカウントや公式アカウントを追加することができます。友だち追加の手順が簡略化されたことで、より企業アカウントの友だち追加をするユーザーが増えるでしょう。
また、LINEのタイムラインは他のSNSと比べると情報で溢れていないことが多いため、友だちがいいねした投稿も頻繁に流れてきます。企業のマーケターの方々は自社サイトへの導入をぜひ検討してみてください。
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部