【事例付き】企業セミナーは今やFacebookライブ配信する時代!メリットや活用ポイントを徹底解説
2017/03/17
各SNSで続々と追加されているライブ配信機能。特にビジネス面でも優れているFacebookでは、企業がセミナーを配信することも増えています。今回は、企業のFacebookライブ配信の活用について事例とともにご紹介します。
■目次
- Facebookライブ配信とは
- Facebookライブ配信の企業活用事例
- Facebookのライブ配信を成功させるポイント7つ
- まとめ
Facebookライブ配信とは
Facebookのライブ配信とは一般人や著名人、FacebookページなどがFacebook上のフォロワーや友達にライブ動画をシェアできる機能のことです。
この機能は、一般ユーザーの場合は「今なにしてる?」をタップ、著名アカウントの場合は画面下部の「投稿する」をタップし、表示されたメニューから「ライブ配信を開始」を選択することで簡単に利用することができます。
ライブ配信の動画は、配信中は投稿者のページまたはプロフィールのニュースフィードに表示され、配信後はページまたはプロフィールに動画として残り公開されます。そのためライブ配信を見逃してしまったフォロワーも後から視聴することが可能です。また、配信者が動画として残したくない場合は削除することが可能です。
Facebookを使ってライブ配信する方法や具体的な手順は、以下の記事で解説していますので参照ください。
関連記事:Facebookでライブ配信する方法は?
なぜFacebookのライブ配信は有効なのか
ライブ配信が有効な理由として、リアルタイムで視聴者とコミュニケーションをとれる点が挙げられます。生放送中に届く視聴者からの質問やコメントに対して、配信者がその場で回答したり、すぐにリアクションが取れたりするのはライブ配信ならではです。さらに配信中に視聴者の反応を見ながら行動を促せるので、通常の動画よりもコメントやいいね!をもらいやすいというメリットもあります。
一般ユーザーだけでなく、企業でもFacebookライブ配信の活用が広がっている
ライブ配信機能は、一般人やメディア企業、記者会見やイベントがあるようなブランド企業などの限られたユーザーにしか利用機会がないのではないかと感じる人も多いかもしれません。しかし、現在はこのようなユーザーだけでなく、一般的な企業の中でもFacebookライブ配信の活用が広がっています。
Facebookライブ配信の活用方法の代表例にはセミナー配信が挙げられますが、これによりファンのエンゲージメントを高められる可能性があります。実際に会場に足を運ぶよりもライブ配信を見る方が、参加者のハードルを下げられるためです。
一方、ライブ配信には、ユーザーの通信環境によってスムーズな配信ができなくなるというデメリットもあります。このような配信状態によって不満があがり、企業イメージが下がってしまうことも考えられます。
企業はライブ配信の積極的な活用を心がけた方がいいものの、ライブ配信を実施する時間をあらかじめアナウンスしておくなど、最低限の管理には注意しておく必要がありそうです。
Facebookライブ配信の企業活用事例
それでは、実際に企業のFacebookライブ配信の活用事例をご紹介します。
事例1:freee
https://www.facebook.com/freee.co.jp
「中小企業経営者、フリーランスを経理から解放する。」をミッションに掲げ、クラウド会計ソフトを提供するfreee株式会社の公式Facebookページです。普段の投稿では、様々な機能を盛り込んだ全自動のクラウド会計ソフトfreeeの製品アップデート情報に加え、経営やクラウドに関する情報を取り扱っています。
こちらは、「freee確定申告超セミナー2017」というタイトルの投稿で、セミナーに用いられるスライドと解説者、セミナー参加者の様子が配信されています。配信時間は、約100分です。
コメント欄には、快適にライブ配信に参加できているユーザーと、音声などが聞こえにくいユーザーの両方の意見が見受けられ、ユーザーの通信環境によってライブ配信の質が左右されてしまうことがわかります。
しかし同アカウントは、聞こえにくいと不満を持つユーザーに対して「こちらのURLから表示を試して見て頂けますでしょうか」と代替URLを提供したり、実際に会場で聴講しているセミナー参加者の質問を文字にしてコメント欄に表示させたりと、様々な配慮をしています。
また、配信後のコメント欄を用いて、セミナーについてのアンケートへの回答を促している点もポイントです。
事例2:スマレジ
https://www.facebook.com/smaregi/
iPadやiPhoneを用いた低価格かつ高機能なPOSレジアプリを提供する株式会社スマレジの公式Facebookぺージです。普段の投稿では、提供するアプリのアップデートや改善に関する情報、また、イベントやキャンペーンの告知などを行っています。
こちらは、「スマレジ・ウェブセミナー 小売・アパレル向け料金プラン」というタイトルの投稿で、スライドを用いながら、解説者が小売り・アパレル向けの料金プランについての解説をしています。配信時間は、約35分です。
実際に参加者がいるセミナーを中継しているのではなく、ターゲットをFacebookユーザーに絞っているためしっかりと対策されており、視聴者からの不満の声も比較的少ないようです。
このセミナーの特徴は、2人の出演者がまるで解説者と視聴者のように会話をしながらセミナーを進行していることです。あらかじめ用意した「よくある質問」を視聴者の代弁としてセミナー内で取り扱うことで、視聴者が納得しやすいようなセミナーとなっています。また、セミナーの冒頭で「聞こえづらい・わかりづらいと感じた方はお気軽にコメントしてください」と視聴者を気遣う姿勢をみせるとともに、セミナーへの積極的な参加を促している点もポイントです。
事例3:Yahoo!ニュース
https://www.facebook.com/yjnews/
Yahoo!Japanが提供する「Yahoo!ニュース」の公式Facebookページです。普段の投稿では、Yahoo!ニュースに掲載しているトピックからいくつかピックアップして紹介しています。
こちらは「View of rare super blue moon eclipse in Tokyo」というタイトルの投稿で、東京で31年ぶりとなる皆既月食の模様を生中継しました。配信時間は約2時間半です。
月食のように、特定の場所に行かなければ見られないものや風景などをリアルタイムで共有している良い例です。事象そのものが珍しいので、配信側も動画の企画や準備にそれほど手間をかけずに価値が高いコンテンツを制作できる利点があります。この手法は観光地などでも真似できそうです。
ハワイアン航空でも、ハワイの海の様子をスマホで撮影したライブ動画を配信しました。2分30秒ほどの短い尺で海を撮影しているだけのものですが、約1万回再生され「見に行くよ」「この動画でさわやかな気持ちになりました」といったコメントもつきました。スマートフォンから閲覧しやすい縦型動画になっているのもポイントです。
事例4:Nissan
https://www.facebook.com/NissanJP/
大手自動車メーカー日産の公式Facebookページです。普段の投稿では、イベント告知や商品紹介のほか、安全に楽しくドライブするための情報などを発信しています。
こちらは、2018 1月に開催したカスタムカーの祭典「東京オートサロン2018」での日産ブースの内容を生中継したもの。配信時間は約50分です。
展示会でのメインプレゼンテーションやピットワークシミュレーションの様子を中継しています。動画を生中継の最初に挿入することでよりリッチな印象になり、配信後も視聴しやすいコンテンツにしています。なおFacebook ライブでBGMや画像を挿入するには、OBS Studioなどの専用ソフトが必要です。
事例5:ラルフローレン
https://www.facebook.com/RalphLaurenJapan
アメリカの有名ファッションブランド、ラルフローレンの公式Facebookページです。普段の投稿では、コレクションの情報や、有名人がブランドの商品を身に着けている写真などを紹介しています。
こちらは、2018年2月にニューヨークで開催されたファッションショーの様子を生中継したもの。配信時間は約21分です。今までは特別な人しか体験できなかったショーの様子を配信することで、17万回も再生されています。
事例6:日本バスケットボール協会
https://www.facebook.com/JAPANBASKETBALL
国内バスケットボールの振興を行う日本バスケットボール協会の公式Facebookページです。普段の投稿では試合の情報や選手の紹介などを行っています。
こちらは、FIBA U16 アジア選手権 第2戦の日本vsインド戦をライブ配信したもの。配信時間は2時間弱で、試合を中断せずに配信しています。バスケットボールのようにテレビ中継する機会が少ない競技や小規模の大会でも、Facebookライブのような機能を使えば簡単に全世界に配信できます。コストもかからず編集も不要なので、運営人数が少ない組織や団体でも手掛けやすい方法です。
Facebookのライブ配信を成功させるポイント7つ
海外ではすでに、Facebookライブ配信は成果が出てきています。
2016年秋、ドイツのテレビ局がアメリカの人気ドラマの放送開始に向けてプロモーションを行いました。2人のオランダ人がゾンビの生息地に迷い込み、ソンビに遭遇していくという設定の動画を、Facebookのライブ配信で公開したのです。映像の中の2人の行動を「いいね」などのリアクションで投票をするユーザー参加型の動画はまたたく間に拡散し、シリーズ合計で200万のライブビューイングを記録しました。
参考:http://adgang.jp/2017/03/140041.html
ただライブ配信をするだけでは、思った通りの効果や多くのビューイングを得ることは簡単ではありません。そこで、ライブ配信を成功させるポイントを6つご紹介します。これを参考に、より効果的なライブ動画を配信してください。
- リアル感を大切にする
- 準備は念入りに
- ライブ配信の日時・内容は事前に告知をしておく
- 視聴者が見る時間帯を考える
- 会話の内容・状況説明は何度も繰り返す
- 視聴者のコメントに反応する
- ライブ配信を二次利用する
① リアル感を大切にする
まずは、クオリティよりも「リアル感」を重視し、好感を持ってもらえるような動画を目指しましょう。あまりに完璧すぎるものは「あらかじめ撮影されたものなのでは?」と不信感を抱かれてしまうこともあるからです。
参考事例:アイホップ
アメリカのレストランチェーン店は、パンケーキをひたすら放置する動画を配信することで、視聴者の興味を引きました。「何が起こるのか分からない」という「予定不調和」感は、ライブ配信の醍醐味の1つです。
参考:https://www.facebook.com/IHOP/videos/10153861952208152/
② 準備は念入りに
「予定不調和」が醍醐味と言っても、完全に行き当たりばったりではいけません。配信する内容を事前にしっかりと決めておきましょう。Q&Aメインの動画にしようと考えている場合は、質問が来なかった場合の対処法も考えておきましょう。
また「撮影機材を整える」「カメラの位置」「できるだけ静かな場所で撮影」をするなど、撮影環境にも十分気を配ってください。企業として動画配信するときに会社ロゴを写り込ませたい場合、その位置やサイズ感なども調整しておきましょう。
③ ライブ配信の日時・内容は事前に告知をしておく
より多くの視聴者を集めるために有効なのが事前の告知です。ライブ配信をいきなり始めるのではなく「配信日時」「配信内容」などを、事前にFacebookやその他のSNSで告知しておくと、そのタイミングでたまたま気付いてくれた人だけでなく、目的意識を持って見に来てくれるユーザーを集められます。
④ 視聴者が見る時間帯を考える
たとえば主婦向けなら平日の昼間、学生向けなら夜から深夜にかけてなど、ターゲットによって配信時間を考えることもポイントです。Facebookのライブ配信は投稿として残せるのであとからでも視聴できますが、「臨場感」を味わってもらうためには、リアルタイムで観てもらえる時間帯に配信することが望ましいです。
⑤ 会話の内容・状況説明は何度も繰り返す
途中から視聴する方もいますので、そこまでの流れや「何をしている場面か」などの説明をライブ配信中に定期的に挟みましょう。何をしている動画か分からないと、視聴者は離脱しやすくなってしまいます。
⑥ 視聴者のコメントに反応する
ライブ配信中に届いた視聴者のコメントに反応したり、視聴者を名前で呼びかけることが大切です。このような対応により、視聴者は自分も配信に参加しているという当事者意識を持ち、離脱しにくくなります。
またコメントが増えることで投稿のエンゲージメントが高まりFacebookのニュースフィードで、より多くの人に動画を表示させることができます。できるだけ視聴者に対してコメントしてもらうよう促すのがおすすめです。
1点注意があります。配信者は自分で話したりカメラを持ったりしながら撮影しているため、画面に表示される視聴者からのコメントを見逃してしまう可能性もあります。必要に応じて配信者とは別の誰かがコメントをチェックしつつ、配信者に報告するようなフォロー体制を用意するとよいでしょう。
⑦ライブ配信を二次利用する
ライブ配信の録画は残しておき、説明などを付けて閲覧しやすいようにしておきます。保存した動画は、埋め込みコードを使えば簡単にブログやWebサイトに埋め込めますし、少し編集すればほかのSNSへの投稿にも使えます。
とくに企業のセミナーをライブ配信した場合などは、あとから見ても有用性の高いコンテンツになっているはずなので、積極的に活用しましょう。
まとめ
ここまでの事例を通して、Facebookライブ配信の活用が企業でも広がっていることを理解していただけたでしょうか。通信環境やセミナーの見せ方など難しい点もありますが、Facebookユーザーやファンの「生の声」を聞くことができる貴重な機会です。
本記事を参考に、ぜひ御社でもFacebookライブに挑戦してみてください。
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部