Facebook広告の新フォーマット! コレクション広告を徹底解説

2017/03/30

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Facebookは2017年3月23日(米国時間)より、新たな広告フォーマットである「コレクション広告」の提供を開始しました。Facebookから直接的な購買行動を可能にしたコレクション広告。

本記事では、この広告の機能や活用の仕方など詳しくご紹介します。

    ■目次

  1. コレクション広告とは
  2. 従来のカルーセル広告やキャンバス広告との違い
  3. 事例
  4. 新指標:アウトバンドクリック
  5. まとめ

1. コレクション広告とは

「コレクション広告」とは、商品の詳細を動画や写真で確認しながらスムーズに買い物ができる新広告フォーマットです。同機能は米国時間3月23日に提供が開始され、日本でも数か月以内に全広告アカウントで使用可能になります。

コレクション広告とはどのように表示されるのでしょうか。以下に詳しくご紹介します。コレクション広告は、動画また静止画のメインビジュアルの下に商品画像が4枚並んだ状態でニュースフィードに配信されます。

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上画面の状態の広告をタップすると、フルスクリーン表示に切り替わります。
フルスクリーン画面で動画または静止画のメインビジュアルの下をスクロールすると、最大50枚の商品画像が表示されます。

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表示された商品画像の中から任意の商品を選択すると、モバイルサイトやアプリに遷移して商品の詳細情報を確認することができます。

また、この画面をさらに下にスクロールすると表示されている商品の類似商品が自動で表示され、最下部の右画像赤枠内をタップすることで実際に購入手続きに移行できます。

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画像引用:https://www.facebook.com/business/success/adidas(動画内)

このように、コレクション広告はユーザーをニュースフィード内の広告からスムーズに購買行動に誘導でき、通常の通販サイトのようなわかりやすい構成であることがわかります。

2. 従来のカルーセル広告やキャンバス広告との違い

カルーセル広告

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画像引用:https://www.facebook.com/business/news/JA-carousel-ads

カルーセル広告は、1つの広告にリンク付きの画像や動画を3~5枚組みこむことができる広告フォーマットです。
特徴としてはユーザーに様々な角度からアプローチできることが挙げられます。

キャンバス広告

動画引用:https://www.facebook.com/business/news/facebook-canvas-updates

キャンバス広告はFacebookモバイルアプリの中でインタラクティブなクリエイティブを出稿できる広告フォーマットです。
ユーザーが広告をタップすると専用のビューワーが立ち上がり、リンク経由でFacebookからブラウザを立ち上げるよりもスムーズに動画を表示できます。

カルーセル広告やキャンバス広告との違い

コレクション広告と上記で紹介した広告との最も大きな違いは、広告フォーマットとショッピング体験を直接結びつけている点です。

従来の広告フォーマットでは、広告にリンクを添付して自社Webページや自社商品紹介ページに誘導したり、ブラウザに遷移せずにFacebookアプリ内で完結する閲覧しやすい動画広告を提供したりと、Facebook内で購買行動まで誘導することはできていませんでした。

今回のコレクション機能は、小売り業界の企業にとって従来よりも効果的な広告手段であるといえるでしょう。

また、一度に表示できる商品の数が飛躍的に増加した点も挙げられます。ユーザーが、広告をタップするアクションをしなくてはいけないことは避けられないものの、Facebook内で完結した状態で多くの商品を表示できることが魅力的です。

3. 事例

事例①:アディダス

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画像引用:https://www.facebook.com/business/news/inspire-shoppers-to-purchase-with-a-collection

アディダスは、Z.N.Eシリーズの新作商品や関連商品の広告手段としてコレクション広告を活用しています。

同社は、最新の「Z.N.Eロードトリップパーカー」をメインビジュアルにし、その下に表示される4つの商品には衣服や靴、アクセサリーなどのカテゴリー別に分類した同シリーズ関連商品を採用しています。

新発売の商品などの最も強調したいものをメインビジュアルに配置し、他の商品はカテゴリ別に表示することで間口を広げた広告にし、ユーザーの離脱を防いでいます。

メインビジュアルでは、上記でも紹介したパーカーの機能を解説した動画を用いています。

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画像引用:https://www.facebook.com/business/success/adidas(動画内)

このように自社が最も強調したい商品を、動画を用いて訴求することもコレクション広告の使い方の1つでしょう。同社は、コレクション広告の使用により、5.3倍もの広告費用対効果を達成しています。

事例②:TOMMY HILFIGER

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画像引用:https://www.facebook.com/business/news/inspire-shoppers-to-purchase-with-a-collection

TOMMY HILFIGERは、2016年の秋に実施された「See Now, Buy now」キャンペーンをモバイル対応させる手段としてコレクション広告を用いました。

同社は、ランウェイショーでモデルが着用した商品を消費者がすぐに購入できる仕組みを目標に、ランウェイショーの動画をメインビジュアルにし、下部に表示される商品にモデルが着用している商品を採用しています。

これにより、ユーザーは目の前で披露される同社商品をその場で購入するような疑似体験ができ、より購買行動にリアリティーを持たせることに成功しています。同社は、コレクション広告の使用により、広告費用対効果を2.2倍向上させました。

4. 新指標:アウトバンドクリック

Facebookは今回のコレクション広告の提供開始に際し、新指標である「アウトバンドクリック」のテストを行うことを発表しています。
このアウトバンドクリックとはどのような指標なのでしょうか。

これまで今回のコレクション広告をはじめとした、リード獲得広告やキャンバス広告などのFacebookニュースフィード上からフルスクリーン画面などのFacebook内に遷移する段階のある広告は、そのあとのFacebook外へ遷移する場合もまとめて同様のカテゴリーで集計されていました。

しかし、新指標であるアウトバンドクリックが導入されることにより、Facebook内へ遷移する場合とFacebook外へ遷移する場合とが区別して集計されます。

これにより、キャンバス広告の場合は、広告を開いたユーザーのうちどれだけのユーザーが実際にWebサイトへ移行したのか、また、コレクション広告の場合は、広告経由でどれだけのユーザーが商品詳細ページへ移行したかなど、従来よりも明確に広告パフォーマンスを把握できます。

5. まとめ

今回は、Facebookの新しい広告フォーマットである「コレクション広告」について解説しました。

米国ではカスタマージャーニーのうちモバイルがらみの行動が45%に達しているという調査結果が出ています。一方で、Webサイトのページ表示が遅く、ユーザーの離脱を生んでしまうなど、ユーザーのモバイルでのショッピングにはまだまだ問題点も多いようです。

このような状況を改善するためにも、Facebookにはニュースフィードからショッピングをシームレスにするような機能・広告の部分への注力を期待したいですね。