【事例付き】5種類の活用方法を使いこなす!Facebook360度動画を徹底解説
2017/04/03
今では、身近にあるiPhoneなどのモバイル機器で誰もが簡単に360度写真・動画を視聴することが可能です。また、2017年3月8日にFacebookが『Samsungの「Gear VR」向け360度動画閲覧アプリ「Facebook360」』を公開するなど、今後さらに普及していくことが予想されます。企業にとっては、どのようなシーンで使用し、どのような活用方法があるのでしょうか。
今回は、360度動画を活用している企業を事例に取り上げ、活用方法を5つのカテゴリーに分けてご紹介します。
参考URL:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1703/09/news099.html
- ■目次
- 360度動画・写真とは
- 360度動画・写真の撮影や投稿の方法
- 事例
- まとめ
1. 360度動画・写真とは
360動画・写真とは視聴者が画面をスワイプすることにより、360度すべての視点を見ることができる視聴方法です。従来は撮影したフレームでしか表現できませんでしたが、これにより、地上はもちろん空中や水中などの人知を超えた世界まで、「そのとき」「その場所」をリアルに体験することができます。企業が利用すれば、自動車や物件などの自社商品のリアルな体験を消費者に提供することも可能です。
また、動画や写真の角度を変える際はデバイスごとに以下のように動作します。
- PC:カーソルで画面をドラッグして動かす
- モバイル機器:指でドラックして動かす、もしくは機器の向きを変える
2. 360度動画・写真の撮影や投稿方法
360度動画・写真を撮影する際は、別途専用の機器が必要です。
動画の撮影には、360度動画に対応しているカメラを使用します。動画の中で回転や移動などの動作が発生しないようになるべく固定して撮影することで、視聴者が見やすい動画が撮影できます。
また、写真の撮影には、360度写真撮影の機能が付いているモバイル機器端末((ios端末やSamsung Galaxy端末)や全方位カメラを使用します。なお、どちらの場合も通常の動画や写真を投稿するときと同様の方法でアップロードできます。
3. 事例
臨場感系
事例1:サントリー
画像引用:https://www.facebook.com/116375271764862/posts/1340679352667775
ウイスキーやビールなどの酒類やウーロン茶や缶コーヒーなどの清涼飲料を主に展開している「サントリー」の公式Facebookページによる投稿です。
お花見と同社商品「金麦」を掛け合わせて360度動画に採用しています。
この投稿では春の季節を象徴するお花見にフォーカスし、写真では伝えることのできない散歩目線の魅力やお花見の幸せな雰囲気を伝えています。
また、春の時節テーマを用いることにより、「金麦」をよりユーザーの潜在意識に訴求できています。リアルな雰囲気を伝えて、かつ印象にも残りやすくできるのは360度動画ならではの特徴だといえるでしょう。
事例2:HONDA
二輪車、四輪車、汎用製品を中心にグローバルに展開する「HONDA」の公式Facebookページによる投稿です。こちらの投稿では佐藤琢磨選手が、鈴鹿サーキットでHONDAの新型NSXを運転する様子を360度動画に採用しています。
併走車と抜きつ抜かれつ走行していることでサーキット感を演出し、運転する選手にしか視ることのできない高速の世界を視聴者に提供しています。ユーザーにとって現実では不可能なプレミアムな体験であり、360度動画の特徴を十分に活かした投稿だといえます。
爆音とともに走行する人気車種は、TOYOTAを愛するコアなファンの心もわしづかみするに違いありません。
舞台裏系
事例1:ブルボン
幅広いカテゴリーの菓子・飲料・食品を提供する「ブルボン」の公式Facebookページによる投稿です。こちらの投稿では、普段は見ることのできないCM撮影の裏側の様子を扱っています。
360度動画により現場の隅々まで見ることができ、よりリアリティーを持った体験を提供しています。
また、投稿のテキストを利用することで、「◯◯している人をピックアップし動画内で該当する人を探す」というゲーム要素を盛り込み、視聴者参加型イベントを行っています。
事例2:RICOH
主に事務機器や光学機器を展開する「RICOH」の公式Facebookページによる投稿です。こちらの投稿では、モデルオフィスの様子を、宣伝を兼ねて360度動画に採用しています。
ただ「訪問できるモデルオフィスをご用意しています」とPRしても、気軽な気持ちで連絡を取ってくる顧客はそう多くはないでしょう。そんな中、同投稿では実際に訪問できる「Live Office」の1日の様子を360度動画として紹介しています。
360度動画を視聴することでRICOHの1日を疑似体験できるため、アクション一歩前の潜在顧客に対してサービス内容をリアルに伝えることができます。
ドローン系
事例1:MINI
1959年に画期的な小型車として発売された「MINI」の公式Facebookページによる投稿です。こちらの投稿では、荒野を走破する同社製品をドローンで撮影した360度動画を用いています。
最新機器を使用しており、ユーザーが引き込まれるような迫力のある動画です。
また、視野を自身でコントロールしないと砂漠を駆け回るMINIを見失ってしまうほどのリアリティーとなっています。これも視聴者に能動的なアクションを取ってもらうことで必然的かつ潜在的に、同投稿に引き込む狙いがあると考えられます。
事例2:じゃらん
株式会社リクルートが提供する、宿泊予約も可能な旅行情報サイト「じゃらんnet」の公式Facebookページです。こちらの投稿では、熱海海上花火大会の様子を360度動画で扱っています。
花火は、通常打ちあがる様子を遠くから眺めるものですが、こちらの360度動画では高いところからより近距離で花火を見ることができます。また、花火の打ち上げ地点の映像もあり、花火師さえ入れない、ドローンだからこそ入れる危険で迫力満載の場所での疑似体験も提供できています。
まさに、上下左右の空間を上手に利用した360度動画ならではの投稿だといえるでしょう。
クイズ(キャンペーン)系
事例1:コカ・コーラ
世界最大の飲料会社である「コカ・コーラ」の公式Facebookページによる投稿です。コカ・コーラの「スタンプボトルキャンペーン」と連携しており、自社商品をクイズ形式で探してもらうという内容の投稿です。
クイズ形式にすることで、ついつい動画内のコカ・コーラ の数を探したくなるように工夫しており、ファンのエンゲージメントを高めています。
また、こちらの動画は動きのないものを採用していますが、他社の事例のように動きのあるものを採用すれば、よりユーザーが視覚的に楽しめる投稿になるのではないでしょうか。
事例2:ジャックダニエル
画像引用:https://www.facebook.com/jackdanielsjapan/videos/1136153019779579/
ウイスキーブランドであるジャックダニエルを展開する「ジャックダニエルジャパン」の公式Facebookページによる投稿です。こちらの投稿では、150周年の記念に記念樽をプレゼントするイベントで360度動画を使った「宝探しキャンペーン」を実施しています。
360度動画を緩衝材にWebページとFacebookを巧みに連動させることで、リッチなユーザー体験を生み出しています。同投稿のように、ユーザーが違和感を感じることなく、アプリからブラウザに遷移できるような工夫が重要になります。
ユニークなPR企画と豪華なプレゼントの組み合わせは、コアなファンはもちろん一般ユーザーにとっても目のとまりやすいものになっており、潜在顧客獲得にもつながります。
販促(サービス類似体験)系
事例1:JAL
日本の代表的な航空会社「JAL(日本航空)」の公式Facebookページによる投稿です。こちらの投稿では、自社が保有する航空機の座席の様子を360度動画で紹介しています。
普段多くの人が利用するエコノミークラスのワンランク上であるビジネスクラスの座席には、誰もが興味をもっているものです。同投稿では、そんな「興味はあるけど高いから座れない」といった考えのユーザーに向けて、ワンランク上のサービス内容を実際に可視化することで、価値ある体験であることをPRしています。
投稿下部に付いているリンク先に遷移すると、Youtubeで「プレミアムエコノミークラス」や「エコノミークラス」の360度動画を視聴できる点もポイントです。
事例2:スバル
富士重工業の自動車ブランド「SUBARU」の公式Facebookページによる投稿です。こちらの投稿では新型インプレッサの発売に伴い、「インテリア体験」ができる360度動画を使用しています。
車の購入の決め手としては外観や走行性などが注目されがちですが、実際に乗車する空間である内部のインテリアも重要な判断材料です。そのため同投稿のような、わざわざ試乗しなくても社内設備や空間を体験できる機会を提供することは、購入を検討するユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう。
4.まとめ
ここまでカテゴリー別に360度動画の企業活用事例を見てきました。
通常の写真や動画の投稿と比較し、360度動画を用いた投稿では、普段できないような事柄の疑似体験や普段見ることのできない視点からの景色を見ることができるなど、リアルなユーザー体験を提供できます。
今回取り上げた事例を参考に、ぜひ360度動画を活用してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部