反発を受けたロゴ変更は英断! インスタグラム急成長のきっかけはロゴのデザイン変更にあり?

2024/01/09

「Instagramのロゴデザインが大幅にリニューアルされる」というニュースは、日本でも広く話題になりました。

今ほどInstagramが浸透していない、やっと受け入れられ始めた時期のことです。その反応と言えば、賛否両論。今までとガラッと変わったロゴイメージに反発の声も少なからずあり、「昔のロゴの方がいい!」という声も多く聞かれました。

その一方で現時点での結果を見てみると、Instagramの業績は大幅成長。月間アクティブユーザー数も7億人を突破し、現在も破竹の勢いでユーザー数を伸ばしています。なぜこれほどまでの大幅な成長を達成するできたのか?その要因のひとつになんと、ロゴリニューアルが大きく関係していたのです。

今回はそんなロゴリニューアルと、Instagram急成長との関係性についてまとめていきます。


本記事は企業のSNSマーケティングを包括的に支援をしているガイアックスが解説しています。運用実績10年以上、大手企業を中心に累計1,000社以上の運用実績があります。

SNS運用、SNSキャンペーンに興味のあるご担当者様は、ガイアックスにご相談ください。


    ■目次

  1. Instagramのロゴはどんな風に変わった?
  2. ロゴ変更に対するユーザー・メディアからの評判
  3. なぜ大幅に変更? 新しいロゴデザインの意図とは
  4. ロゴデザイン変更後のInstagramの軌跡
  5. まとめ

1. Instagramのロゴはどんな風に変わった?

ロゴの変更についてはまだ記憶に新しい人も多いかと思います。Instagramは2016年4月にロゴデザインを変更しました。

トップ画像をご覧の通り、これまでのカメラを強くイメージさせるロゴから、よりシンプルなカメラを表現したデザインになり、カラーは青・ピンク・オレンジ・黄色の虹のグラデーションがかかったものに変更されました。

2. ロゴ変更に対するユーザー・メディアからの評判

この大幅な変更に対して、ユーザーやメディアからは戸惑いの声が多く上がりました。Instagram公式ホームページでは、「ほかのアイコンに埋もれる」「Instagramらしくない」などの批判的なコメントが多数寄せられ、日本国内でも同様、戸惑いの声が多く上がっていました。

この混乱をInstagramは予測していなかったかというと、そうではないはずです。せっかく広く認知されたロゴを変えてしまったら、これまで積み上げてきたものを失ってしまいかねません。そのリスクを負ってでもこのロゴ刷新を実施したことを考えると、Instagram側にも意図があったはずです。

その意図とはどういったものだったのでしょうか?

3. なぜ大幅に変更? 新しいロゴデザインの意図とは

ロゴ変更は、「Instagramが写真の加工・投稿アプリからそれ以上のコミュニティーに成長するための土壌づくり」を意図して行われたものだったのです。

これまでの一般的なInstagramのイメージと言えば「写真加工アプリ」でした。機能も写真投稿のための機能に限られており、ロゴもカメラを強く連想させるデザインとなっていました。

Instagramのデザインチームを率いる方が記したブログによると、そうした考え方を変えないといけないという問題意識があったことがわかります。

Instagramは5年前、写真を手軽に編集および共有できる場として始まった。今ではかつてないほど多くの写真や動画を人々が共有する多様性のあるコミュニティーに発展している。…しかし今のロゴはコミュニティーを適切に反映できていないため、もっとより良いものが作り出せると考えた

https://medium.com/@ianspalter/designing-a-new-look-for-instagram-inspired-by-the-community-84530eb355e3

※原文は英語。ラボ編集部が意訳しています。

Instagramはサービスとして成長し、単なる写真投稿アプリの領域を超えはじめていました。そして、さらに成長していくためには、カメラアプリのイメージから脱却し、写真以外の機能を追加していく必要がありました。

当時の「カメラを強く意識させる」ロゴデザインでは、そういった「変化するInstagram」を適切に表現できなくなっていたのです。

こうした背景のもと、カメラを強く意識させるようなロゴから、よりシンプルにデフォルメされたロゴに変更することによって、新しい機能を追加していきやすい土壌を整えました。現にこのロゴの変更後に次々と機能が追加され、大幅にユーザー数を伸ばすことに成功しています。

ロゴの変更は多くの混乱と反発を生みましたが、その後のInstagramの成長を見込んだ、必要不可欠な変更だったのです。

4. ロゴデザイン変更後のInstagramの軌跡

Instagramのロゴデザイン変更は、新しい機能を追加していくための土壌づくりとして実施され、実際にその後新しい機能が次々と追加されていきました。下記で追加された機能のいくつかを紹介していきます。

ストーリー機能

https://business.instagram.com/blog/introducing-instagram-stories/

写真や動画をスライドショーのように投稿できる機能です。投稿が24時間以内に自動的に削除されるため、投稿のハードルが低いのが特徴です。ストーリー機能の追加によって、Instagramはより気軽に日常の出来事を投稿できる場所になりました。

ライブ機能

Instagram上でリアルタイムに動画を配信できる機能です。ユーザーはワンタッチで放送を開始でき、視聴者もその動画にコメントやハートなどをリアルタイムで投稿できます。通常の投稿以上にユーザー同士がリアルなつながりを感じられる機能になっています

非時系列表示(フィードへのアルゴリズム適用)

フィードの表示が「ユーザーの関心が高い順」に変更され、ユーザーは家族や友達などの重要な投稿を見逃しにくくなりました。このアルゴリズムの詳細は非公開ですが、いいねする写真やユーザーの過去の投稿に基づいてフィードの順番が決まってくるようです。

ショッピング機能のテスト

https://business.instagram.com/blog/shopping-on-instagram/

ショッピング機能とは、商品画像をタップすると商品の詳細をInstagram上で確認でき、購入の意思決定まで完結できる機能です。従来の押し売りのような広告ではなく、雑誌から商品を選ぶかのように商品を選択することができるという、Instagramらしさが活かされた機能だといえます。

複数枚の写真投稿が可能に

https://business.instagram.com/blog/carousel-ad-enhancements/

これまでは1投稿につき1件の写真や動画の投稿しかできませんでしたが、最大10枚までまとめて投稿できるようになりました。

これにより、厳選した1枚を投稿しないといけないといった心理的ハードルが下がり、写真をストーリー仕立てにするなど、投稿の表現の幅も広がりました。

美容室などの予約機能テスト

お店の予約機能もInstagramに追加されることになりました。例えばある飲食店のプロフィールページに予約用のボタンが追加され、そこをクリックすることでInstagramを通じて予約ができるようになります。

また実装されていませんが、今後数カ月で導入されていくようです。

投稿の保存&コレクション機能

投稿を保存し、自分専用に整理する「コレクション機能」が追加されました。保存した内容はほかの人には公開されません。Instagramによると、2016年12月に投稿をブックマークして保存できる機能を導入して以来、ユーザーの46%が1つ以上の投稿を保存しているようです。

 

上記で紹介した機能のいずれも、これまでのカメラアプリ、画像編集・投稿アプリという立ち位置からの脱却を意識した機能になっています。

例えば、ストーリーや複数枚投稿できるようになって投稿のハードルが下がったことによって、これまでは厳選された写真の投稿アプリから、気軽な体験ログとしてInstagramが利用されるようになりました。

上記以外にも、カメラアプリ脱却のためのたくさんの機能が追加されてきています。

5. まとめ

ユーザーを混乱させたInstagramのロゴ変更も、カメラアプリからイメージから脱却して、さらにユーザー数を伸ばしていくためには必要不可欠な変更だったのです。

実際、今のインスタグラムの成長は「ストーリー」など新機能が受け入れられたからこそあります。

※ソーシャルメディアラボ編集長 大久保の所感

「サービスを伸ばすためには、時には既存ユーザーからの反発があるようなことも取り入れていかなくてはいけない」ということをこの事例から私たちは学ぶべきなのではないでしょうか。

Instagram活用なら、ガイアックスにお任せください!

■SNS運用代行サービス
■SNSコンサルティングサービス

メルマガでSNSの最新情報をキャッチしたい方はこちら

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

企業のWeb担当者様が積極的にSNSをビジネス活用していけるよう、ソーシャルメディア関連の「最新ニュース」「運用ノウハウ」「事例・データ」の情報を素早くキャッチしてお届けします。