国内MAU2,800万人突破!ミッション変更後のFacebook、日本における今後の展望

2017/09/14


昨日9月14日、フェイスブック ジャパンはプレス向けラウンドテーブルを実施しました。今回はその内容を前編・後編の二部構成にしてお送りします。

前編では同社代表の長谷川晋氏による2017年第2四半期事業ハイライトと今後の取り組みについて、後編では執行役員 SMB事業統括 井上英樹氏による日本の中小ビジネスに向けた取り組みについてご紹介します。

    目次

  1. ミッションの変化、Facebookの思い
  2. 人々のコミュニケーションの中心となりつつある「動画」
  3. 日本市場における現状とミッションに基づいた今後の展望

1. ミッションの変更、Facebookの思い

冒頭に代表の長谷川氏から述べられたのは、6月に発表されたFacebookの新ミッションについて。これまで掲げられていた「人と人との繋がりをサポートし、よりオープンで繋がった世界を実現する」に代わって新たに「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」というミッションが打ち立てられました。

「Facebookで20億人、Instagramで7億人、Messengerで12億人という規模で人々をつなげてきましたが、それだけでは世界は良くならない。もう少し踏み込んだ『コミュニティ』という形で、人々が共通の意思を持って、物事を前に、より良い方向に進めるようにする。そのためのミッション変更。社員としての行動、会社としてのディシジョン一つ一つがミッションに基づいているので、それを変えるというのは、我々にとっては非常に大きなことでありますし、おそらく今後我々が提供していくサービス、プロダクト、取り組み、全てにおいてそれが反映されてくる」と長谷川氏は述べました。

また、今後さらにFacebookが追い求める指標として「有意義なグループ」の存在とそのグループへのユーザー参加、と指摘。

長谷川氏によれば「有意義なグループ」とは、参加することで有益な情報を取得でき、そこでさらに相互関係が生まれるようなコミュニティ、あるいは、オンラインだけでの繋がりではなく、実生活にまで大きな影響を及ぼすようなコミュニティのことを意味しているといいます。

例えば同じ病を抱えた人や初めて子育てする親など、共通の理解や意思を持つコミュニティを応援していくことで、もっと世の中が良くなっていく。それに向けた取り組みをこれから10年かけてやっていこうという思いがミッションにも表れているとのこと。

2. 人々のコミュニケーションの中心となりつつある「動画」

配信コンテンツは動画が主流になってきており、Instagramでもユーザーによる動画の視聴時間が前年比+80%、投稿されている動画の数も昨年に比べ4倍近く上昇したとのこと。

昨年導入された新機能InstagramストーリーズのDAUは現在2.5億人ほどで、爆発的な人気を誇っています。Instagram全体の数字で見ると、全世界の25歳未満の若い人たちが1日平均30分以上費やしているというデータも公表されました。

第2四半期の業績は、売上が約1兆253億円(グローバル値)。前年同期比で+45%という進捗。長谷川氏はさらに「地域別に見ても、日本を含むアジア太平洋地域は前年比+53%となっている。世界の中でも成長を牽引し続けるグロースエンジンとしての位置付けは保てている。」と言及。

3. 日本市場における現状とミッションに基づいた今後の展望

日本への注力として以下の三つが挙げられました。

  1. 利用者・コミュニティをエンパワーする
  2. ビジネス成長のベストパートナーとなる
  3. テクノロジーを活用して日本社会に貢献する

1. 利用者・コミュニティをエンパワーする

まず日本でのFacebook MAUが2,700万人から2,800万人にまで増加したとの発表。

コミュニティに関しては、「防災ガール」の紹介。2011年に震災の復興支援に携わっていた田中美咲さんが立ち上げたコミュニティで、「普段の生活と離れた“非日常”の準備をするのではなく『普段の生活に防災が入っている』という状態こそが防災のあるべき姿」(※防災ガールHPより引用:http://info.bosai-girl.com/about-2/)という気づきに基づいて立ち上げられました。

現在100人以上の人たちが活動を行ない、Facebookページではショップ機能を活用してグッズを販売したり、防災に役立つ情報を投稿する様子が見られます。

Facebookではこのようなコミュニティに対し、様々なサービスやツールを提供することで、情報発信を応援していきたいと考えているとのこと。

2. ビジネス成長のベストパートナーとなる

ビジネスの側面では企業の規模に関わらず、Facebookがどのようにしてビジネス成長のベストパートナーになれるかに主眼をおいて活動しているとのこと。

ゼクシィ(Instagram)

ゼクシィでは、ストーリーズ広告を活用したところ顧客獲得が増え、獲得単価も下がっただけでなく、潜在顧客層へのアピールにもつながったとのこと。

トヨタ自動車(Facebook)

トヨタ自動車のケースでは、テレビCMをそのままFacebookのフィードに流す場合と、モバイル最適化したものを流す場合では、ユーザーの広告への反応が大きく違うことが検証されています。

”無音でも内容が伝わる” ”動画の尺の短くする” ”画面の比率を変える” などの編集を加えることで、車種の認知率や広告の再生率、認知率も劇的に変わったという。このようにFacebookでは、すでにあるものをモバイル用に編集するだけで効果が得られることがわかっているとのこと。

3. テクノロジーを活用して日本社会に貢献する

こちらのパートは主に、Facebook Workplace導入事例について報告。

長谷川氏によれば、Facebookのテクノロジーの提供を通じて、セキュリティが確保された安全なネットワークの中で自由な意見や情報交換ができると説明しています。実績としてIT企業や著名な企業だけでなく、銀行等の金融機関にも導入していただけているとのこと。

情報が自由にフローする中で、自由なアイデアやイノベーション、またさらに自由な働き方が出てくる。それをFacebook Workplaceのようなテクノロジーを用いて、働き方に貢献していこうとしている。それがFacebookの日本における取り組みの一つだとしています。

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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