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2017.12.11

2週間で12万アクセス、Twitterとリアルを連動!『GODZILLA 怪獣惑星』プロモーションの舞台裏に迫る

みなさんは大ヒット公開中のアニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』をご覧いただいたでしょうか? 50年以上の歴史を誇る「ゴジラ」を初めてアニメ化することから注目を集めている同作品ですが、実はデジタルとリアル両軸で多角的におこなわれたプロモーション施策が非常に面白い取り組みでした。

今回は同プロモーション施策の中でも特に注目を集めたSNS連動企画「ゴジラvsバズラ」と屋外広告企画「アニゴジゲート」について、プロモーション企画を統括された久保田光治氏に取材してきました!

Interview:ソーシャルメディアラボ副編集長 小東真人

編集部注
12月12日:タイトルとアクセス数に関する記述を一部変更しました。

    ■目次

  1. プロフィール
  2. 取材の背景
  3. なぜデジタルとリアルなのか
  4. 2週間で12万アクセス!『ゴジラvsバズラ』
  5. 約100万人が接触!『新宿アニゴジゲート』
  6. 映画プロモーションにおいて大切なこと、必要な姿勢

1. プロフィール

久保田 光治
株式会社ムサシノ広告社/REGENTS マネージング・ディレクター

1983年生まれ、東京都出身。WEBマーケティング会社を経て、2012年にムサシノ広告社入社。映画配給/宣伝/プロモーションレーベル〈REGENTS〉を立ち上げ、多くのヒット作のプロモーションを手掛けている。2015年には『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』のプロモーション“シビュラシステムゾーン”でデジタルサイネージアワードを受賞。

<プロモーション担当実績>
映画『TOKYO TRIBE』、『劇場版PSYCHO-PASSサイコパス』、『攻殻機動隊 新劇場版』、映画『ピッチ・パーフェクト』、劇場アニメ3部作『亜人』、劇場アニメ3部作『傷物語』、『劇場版 弱虫ペダル』、映画『日本で一番悪い奴ら』、映画『PK ピーケイ』、映画『ドリーム』、他

2. 取材の背景

久保田氏が担当したのはゴジラ初のアニメ映画『GODZILLA 怪獣惑星』のプロモーション。この映画は、興行収入82.5億円を記録する大ヒットとなった2016年公開の映画『シン・ゴジラ』のネクストと位置づけられ2017年11月17日に全国公開いたしました。

日本が誇る歴史あるコンテンツ「ゴジラ」を初めてアニメ化した作品であるため、従来のゴジラファンに加えて、新たに若年層への認知と意欲上げるために、デジタルとリアル両軸で口コミを広げる斬新なプロモーションが実施されました。そのなかでも、今回ラボ編集部が特に注目したのが「アニゴジゲート」「ゴジラvsバズラ」です。

アニゴジゲートとは新宿駅にあるメイン階段の上に、地上約8mの巨大ゴジラを登場させたもの。階段を行き交う人々がまるでゴジラの口に吸い込まれるかのような造作となっており、ゴジラがほえる声、足音がそこを響き渡る音響設計や、夜間にはゴジラの目が光るライトアップも見受けられました。日本で最も通行量が多いと言われる新宿駅ど真ん中のこの場所に広告物が設置されたのは初の試みとの事。

一方、「ゴジラvsバズラ」とはリアルな場につくられたアニゴジゲートとは異なり、オンラインで行われたプロモーション企画。突如インターネット上に出現したゴジラを、日本中のバズ(Twitterによる拡散)の力で倒すという、SNS連動型企画が開催されました。バズラ企画に参加してくれた有名ライターさんたちの企画告知ツイートを見てみると、その数回の告知投稿だけで100万インプレッションを超えたそうです。

3. なぜデジタルとリアルなのか

小東:今回のプロモーションを手がけることになった率直な感想を教えてください。

久保田氏(以下、敬称略):日本を代表するコンテンツ「ゴジラ」の新作プロモーションを企画させて頂くことになり、最大限に嬉しかったですが最大限にプレッシャーでしたね。なので今まで見たこともない新しい企画で世の中をバズらせたいと、REGENTSチームメンバー一同意気込んで取り組みました。

小東:今回、デジタルとリアルの両軸でプロモーション施策に取り組まれていましたが、どういった意図があったのでしょうか?

久保田:50年以上歴史あるコンテンツがゆえ、コアファンの年齢層が高めだったことや、初のアニメ化ということもあり、若年層までファン層を広げるというミッションがあったので、前作『シン・ゴジラ』の鑑賞層や、スタッフ&キャスト陣のファン層などをプロモーションターゲットに据え、全く新しいプロモーションを企画しました。

小東:具体的に「全く新しい打ち出し方」とは? TwitterなどSNSの活用も、若年層を意識した新しい手法だったのでしょうか?

久保田:そうですね。今回のターゲットとTwitterとの親和性は非常に高いと考えていました。現に映画の公開前に地上波で放送された『シン・ゴジラ』も、とんでもない数の実況ツイートがありました。ゴジラを鉄道で攻撃する無人在来線爆弾のときなんかすごかったですね。関連するハッシュタグがたくさん付けられて盛り上がっていました。

 

これって、ジブリ映画「天空の城ラピュタ」が放映されるときに「バルス!」というセリフに合わせて、Twitterが盛り上がることと似たものだと捉えています。

つまり、若い世代に対して高い拡散性のあるTwitterが「ゴジラ」というコンテンツをエンタメ化させてくれるポテンシャルを持つということ。また、Twitterを含めたオンラインの盛り上がりを最大化させ、ゴジラの新作というスケールの大きさも伝えたかった。だからリアルとオンラインを融合させることが必要と考えたのです。

小東:他にもSNOWとのコラボも行われていましたね。

▲顔認証画面で専用フィルターを選んで口を開けると、ゴジラの光線が出せる

久保田:SNOWはオフラインとオンラインをつなぐ架け橋の一種と考えていました。新宿アニゴジゲートがSNS映えするフォトジェニックスポットになっていたので、若い人がSNOWでゴジラになりきって、熱線をはいて盛り上がってくれてました。結果、スタンプ利用数が約100万人というSNOW内でも極めて高い数値だったそうです。

このほかにも、(上述)ゴジラvsバズラのような企画を通じて、オンライン・SNSを活用した若年層向けの企画を打ち出していきました。

4. 2週間で12万アクセス! 「ゴジラvsバズラ」

小東:ツイートがゴジラにダメージを与える企画「ゴジラvsバズラ」について、もっと教えてほしいです。有名なライターさんをアサインされていましたよね。

久保田:はい。Twitterの特徴でもある瞬発的な盛り上がりを、映画公開まで持続させる為に、ネット界隈で有名なライターの皆さんにご協力いただき、“バズラ特殊攻撃”と題して記事やツイートを定期的に投下する仕掛けを施しました。

通常だとゴジラ好きタレントなどインフルエンサーを起用することも考えられたと思うんですが、変に色をつけず、ゴジラに纏わる読み物として「誰にでも」面白がってもらいたかったんです。だから、カツセさんやヨッピーさんのように、ゴジラファンに限らず読者のいるライターさんがピッタリでした。

また、雰囲気やモードにもこだわりましたね。「なんかこいつらやろうとしているぞ…!」的な面白がってもらえそうな雰囲気を醸し出したい。そのためにも、良い意味で個性の強いバズライターさんをアサインしました。

小東:ユーザーがゴジラを倒す感覚や快感について、何か工夫されたことはございますか?

 

久保田:自分のフォロワー数に応じて攻撃力が変わるギミックや、バズライターの記事攻撃の演出にもこだわりました。具体例としては、特殊攻撃に参加してくれた人気の企業アカウント“パインアメ”は、「パインアメミサイル」がゴジラを攻撃するという、見る人の参加欲を刺激する面白い演出でした。

こうして、全く知らないユーザー同士が「ゴジラ」という共通のコンテンツに集まり、ゴジラを倒すことに熱中することを通じて、一体感を生み出していきました。

全5弾にわたって実施したバズラ作戦も、ラップで攻撃する『ゴジラップスロット』やゴジラの知識力で攻撃する『ゴジラ検定』など、何回もチャレンジしたくなる企画を用意することで、映画公開までの約2週間に何度もサイトに訪れる参加意欲を高め、一体感を生み出す仕掛けの一つになったと言えるでしょう。

小東:いくつかの仕掛けを通じて、継続的に計画的に、バズラ作戦に参加してもらえるようにするんですね。

久保田:今回の企画を通じて改めて実感したことなのですが、Twitterってリアルな友達よりも、共通の趣味や同じテーマが好きな人同士がつながるツールなんだなと。

ゴジラ、アニメ、声優など、共通の趣味をもつユーザー同士が、フォローし合っているケースがとても多い。だから、同じ趣味に対する投稿のハードルがすごく低いんです。リアル友達ベースなフェイスブックやインスタでの連投は気を使うけど、Twitterは違うと思います。

Twitterの投稿ハードルの低さを活かして、何度もやってみたくなるような企画を複数打ち出したことが、ツイートやシェアの数を増やすきっかけになったとおもいます。そうした拡散もあり、ページへのアクセスは2週間で12万を超えました。

5. 約100万人が接触! アニゴジゲート

小東:アニゴジゲートの反響はいかがでしたか?

久保田:盛り上がりましたね。設置期間中、約100万もの人がアニゴジゲートに接触しました。今回のような「拡散されるリアルな体験」って、いつものあの場所、あの空間が「なんか違う!」という違和感を感じさせることがポイントだと考えています。

 

アニゴジゲートは、今まで広告が出たことない場所に出したことが勝因の一つ。東京都、新宿区、JRなど様々なところへの交渉・申請が必要になり、いろいろな規制の中での実施だったので大変でしたけど、その分圧倒的な違和感を生み出せたのだと思います。

ゴジラvsバズラにも共通しますが、たとえばTwitterでフォローしている人がいきなり「無人在来線爆弾だー!いけーー!」とかってつぶやいて自分のタイムラインに流れてくる体験って、普通じゃないですよね(笑)。そういう違和感や異常な感覚が、肝だと思いますね。いつもよりインパクトがあるという程度だと、なかなか違和感は生まれないわけです。

小東:たしかに新宿東口がゴジラになっていたら異常事態ですね(笑)

久保田:私は過去に『劇場版PSYCHO-PASSサイコパス』のプロモーションで”新宿シビュラシステムゾーン”というデジタルサイネージとテクノロジーを融合した体感型企画をプロデュースしました。

その時も人通りの多い新宿駅構内に、犯罪者になる危険性を表した数値「犯罪係数」を測る体験ができる巨大なデジタルサイネージを出現させ、サイコパスの世界観に没入できる体感型の空間を作って、大変バズりまして、延べ9万人もの人が参加し、最長2時間待ちの行列ができました。

コアファンが体感することで圧倒的な熱量が生み出され、さらにその熱がライトな層まで伝播する。こういう仕掛けは、既に一定のファンがいるコンテンツでは効く手法と言えるかもしれないですね。

小東:『サイコパス』の体感型プロモーションをされた当時もTwitterが流行っていて、月間アクティブユーザー数は約3500万人いたと記憶していますが、最近はSNSにおけるバズの実感ってありますか?

久保田:まだまだあります。特に若い層とアニメではバズが効いている感覚がありますね。Twitterは、絶対外せないです。

6. 映画プロモーションにおいて大切なこと

小東:最後に、映画プロモーションにおいて大切なことについて教えてください。

久保田:作品に対して、誰よりも熱い思いやりや理解を持つこと、つまりバイブスが一番大切だとおもいます。自分が一番のファンになることで、様々な場面で正しい判断を下せると考えています。

「この企画は楽しんでもらえるか?」

この問いに対して、自分が圧倒的な理解者であれば必然的に正しく向き合えて、解に辿りつける。これは映画以外のあらゆることにも、通じることだと思いますね。

 

この記事を書いた人:小東真人

小東真人 ソーシャルメディアラボ副編集長。地方や中小ビジネス向けセミナーなどを担当。
17年ガイアックス入社のデジタルネイティブ世代。靴磨きが大好きで、休日はInstagramで関連アカウントばかり見ている。

Twitterアカウントはこちら。



この記事を書いた人:小東真人
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