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2020.06.24

【プロが回答!】ソーシャルメディアガイドライン(ポリシー)とは?内容や作成方法、事例を紹介


こんにちは。ガイアックスでSNSマーケティングコンサルタントをしている高橋です。最近弊社では大企業から中小企業まで幅広く「ソーシャルメディアガイドライン」作成のご相談をいただきます。

その中で見えてきた企業が抱えているソーシャルメディア周りの問題について、ソーシャルメディアガイドラインを作成する場合、どうしたら良いかを中心にお話したいと思います。

※更新履歴
2020年6月24日:加筆修正しました。

    ■目次

  • ソーシャルメディアガイドラインとは?ソーシャルメディアにまつわる3種類の文書
  • ソーシャルメディアガイドラインを作る目的
  • リスク許容度別、適切なソーシャルメディアガイドラインのタイプ
  • ソーシャルメディアガイドライン作成の手順
  • ソーシャルメディアガイドラインの導入事例と効果
  • ソーシャルメディアガイドラインと企業の「炎上対策」
  • まとめ

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ソーシャルメディアガイドラインとは?ソーシャルメディアにまつわる3種類の文書

ソーシャルメディアにまつわる会社の文書には、主に3種類があります。ステークホルダーなど社外を対象とした「ソーシャルメディアポリシー」と「コミュニティガイドライン」、従業員や社員など社内を対象とした「ソーシャルメディアガイドライン」です。これらは混同されやすいため、各文書の対象者、定義された内容、目的と機能の違いを押さえておきましょう。

なお、特に社外向けの2種類の文書はどちらかしか作成しないケースも見られます。3種類すべてを必ず作らなければならないというわけではありません。

ソーシャルメディアガイドラインとは?

従業員や社員を対象に作成する、ソーシャルメディアの利用に関する指針とルールです。

ソーシャルメディアの利用をめぐるトラブルを未然に防ぐためのルールや手順、禁止事項のほか、クレームや炎上が発生した場合の対処方法など詳細な内容が盛り込まれています。後に解説するソーシャルメディアポリシーなどと比較すると実用向けです。

ソーシャルメディアポリシーとは?

ソーシャルメディアに対するスタンス、態度、心構えを表明するものです。会社としてどのように考えているかを社外に示す役割を持っていますが、あまり明確なルールを設けると、ソーシャルメディアを運用する際に、柔軟な対応が困難になる可能性もあります。

コミュニティガイドラインとは?

ソーシャルメディア及びオンラインコミュニティを利用するユーザーを対象に、免責、削除方針、禁止事項、調停などの規約を明示するものです。

主に、ユーザーの動きに対する会社側のリスクヘッジとして機能します。ソーシャルメディアポリシーは抽象的ですが、コミュニティガイドラインは厳格で具体的な内容であることが多いです。

ソーシャルメディアガイドラインを作る目的

なぜ、企業にはソーシャルメディアガイドラインが必要なのでしょうか。その目的を整理します。

1.SNS運用ルールを統一化する

一つの会社の中で、事業部や部署ごとに、商品、サービス、媒体等によって、さまざまなSNSのアカウントを運用するケースが増えています。この場合、運用担当者の数も多く流動的であるなかで、企業としての指針やルールを統一しておくことが重要です。

SNSアカウントの開設や情報発信のための社内手順、発信していい(or発信してはいけない)テーマを明文化しておくと、運用担当者が変わっても、共通基準に従って情報を発信できます。運用ルールの統一化はSNS運用の基準を定め、安全かつぶれない発信をするための拠り所となります。

2.炎上の防止と発生した際の対応を明確化する

 

炎上リスクを減らすためには、炎上を未然に防ぐためのルールづくり等の防止策に加え、炎上が発生した際にはすみやかに対処できるよう、事前にエスカレーションフローを定めておくことが大切です。

SNSの炎上は企業に対して甚大な被害をもたらすことが多く、どの企業でもセンシティブになる部分です。炎上には様々な要因があるため100%防ぐことは不可能ですが、リスクを抑えることはできます。さらに、炎上時でも対応によっては悪影響を減らし、むしろイメージアップにつなげられることもあります。

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リスク許容度別、適切なソーシャルメディアガイドラインのタイプ

ソーシャルメディアガイドラインは、攻め・中間・守りと大きく3タイプに分けることができます。平時と有事に、「やってはいけない禁止指定項目」と「やるべき行動指定項目」のどちらを設定しておくか、日ごろの運用の自由度、炎上時のリスク許容度など、自社に合った適切なタイプを選択して作成しましょう。

3タイプそれぞれの特徴と採用されることが多い業種を解説します。

攻めタイプのソーシャルメディアガイドライン

攻めタイプのソーシャルメディアガイドラインの場合、平時/有事に関わらず、やってはいけないことだけを定めます。禁止とされていること以外は、運用部門や担当者が現場で判断して動くことができ、自由度が高いという特徴があります。

事業内容における炎上リスクが比較的少ないIT系企業や、ソーシャルメディア運用者のリテラシーが高いマーケティング系、スピード対応が求められるメディア系などで採用されることが多いです。

中間タイプのソーシャルメディアガイドライン

中間タイプは、平時はやっていけないことの禁止するだけにとどめて自由度を高めつつ、有事はやるべきことだけを定めるというもの。炎上が発生した際などの対応に自由度はありませんが、対応にあたっての行動が明確で、逆効果になるような対応は起こしにくいと言えるでしょう。

小売、食品、メーカー業など、普段はユーザーと交流したり、柔軟な対応が求められたりする一方で、有事には厳粛な対応が求められる業界で多く採用されています。

守りタイプのソーシャルメディアガイドライン

最後に、守りのタイプ。平時と有事に関わらず、やるべきことだけが定められています。3タイプの中でもっとも自由度が低く、発信する内容や対応に対する炎上のリスクも低いと言えます。

このタイプは、製薬会社や保険業など、情報の正確性とミスの無さに重きを置く業界で多く採用されています。

ソーシャルメディアガイドライン作成の手順

ソーシャルメディアガイドラインを実際に作成したい場合の手順を解説します。

  1. 目的と方針の整理
  2. ガイドラインの対象を設定
  3. 関係各部のヒアリング
  4. ガイドライン骨子作成 
  5. 現場との擦り合せ 
  6. 骨子に基づくガイドライン制作 
  7. 現場・関係各所との擦り合せ 
  8. 対象範囲への共有&浸透

1. 目的と方針の整理

前述の「ソーシャルメディアガイドラインを作る目的」と「リスク許容度別、適切なソーシャルメディアガイドラインのタイプ」を参考にしながら、まずは、ガイドラインを作成する目的や自社に合ったタイプを選びます。

2. ガイドラインの対象を設定

次に、作成するソーシャルメディアガイドラインを適用する対象を設定します。全社、一部の事業部、特定の部署、ユーザーと交流が多い担当者単位など、対象範囲を決めましょう。

3. 関係各部のヒアリング

適用対象者が決まったら、次の項目を中心にヒアリングします。

  • 現状の活用方法
  • 要望
  • 何が足りないか
  • 何が手間になっているか
  • 何を禁止されると困るか など

併せて炎上発生時のエスカレーションフローについて、どの部門が主体となるのか、意思決定者やメンバーの確認も行いましょう。管理側と現場側の要望や考えを擦り合せる場であることに注意しながら、ヒアリングを進めることが大切です。

メディア対応は広報部、対策の考案は経営企画部、カスタマーサポート等を行う企業であればそこでの対処も含め考えるようにしましょう。場合によっては経営判断を必要とする場面もあるので、それを含めてガイドラインに記載し、経営陣の了承もしっかりととっておきましょう。

<エスカレーションフローの例>

4. ガイドライン骨子作成

ソーシャルメディアガイドラインの策定目的、タイプ、適用範囲を整理し、ヒアリングが終わったら、骨子を作成します。一例までに、弊社制作時の目次はこちらです。

5. 現場との擦り合せ

骨子ができたら、もう一度ヒアリングを行います。管理側と現場側で、相互の認識のずれや目次構成の変更希望などがあれば骨子を修正して、再度ヒアリングする手順を繰り返し、実際に作成に入るまでの精度をできるだけ高めていきます。

6. 骨子に基づくガイドライン制作

管理側と現場側の双方が納得のいく骨子ができたら、制作に入ります。

7. 現場・関係各所との擦り合せ

制作したガイドラインに基づき、現場および関係各所と最終的な擦り合せを行います。ここで改めて調整が必要になった場合には、修正と擦り合せの手順を繰り返し、認識が一致し相互に納得できれば制作作業は完了です。

8. 対象範囲への共有&浸透

完成したガイドラインを指定の保管場所に格納します。そして、対象範囲となる部署やメンバーに研修や勉強会を開き、定期的に共有し、周知徹底を行いましょう。迷ったときや困ったときの拠り所として思い出し、参照してもらえるほど浸透させることができれば、ガイドラインを効果的に運用しているといえます。

ソーシャルメディアガイドラインの導入事例と効果

実際に、弊社でガイドラインを作成した6業界の事例を各社の課題と改善結果を合わせてご紹介します。

事例①:製薬業界

導入前の課題は、当時内資製薬企業ではSNS事例がないなかで海外支社は自主的に行っており、国内での初事例を安全に作りつつ、海外に睨みを効かす必要があった点です。

広く拡散させるよりも、炎上を防止する安全性を重視したり、グローバルでも理解されやすい明瞭で翻訳可能性の高いルール設計して、関係各所の理解を得やすくなり、内資としては初めてのSNSアカウントの開設に成功。現時点に至るまでトラブルなく運用できるように。また、海外支社のSNS運用に統制が利くようになりました。

事例②:放送業界

導入前の課題は、従業員の投稿や業務利用で実際に炎上する事例が相次いでいた点です。マスメディアは比較的炎上しやすいものの、SNSを有効に活用しなくてはならない側面もある十分にリスクを認知しつつ、積極的利用を妨げるものであってはいけない点に注意してガイドラインを作成しました。

ガイドラインのほか、ガイドラインの勉強会も通じてリスクの周知がされるようにしたところ、トラブル発生時の対応フローが整ったことで炎上発生時にもスムーズな対応が可能になりました。

事例③:通信業界

こちらは最初のガイドライン作成時よりも取り扱っているソーシャルメディアが多くなったので、それらの最新事情を酌み、有効に活用するアップデートされたものが必要になったケースです。

そこで各媒体の特性を十全に踏まえた運用のルールや、運用の外部委託業者にも分かる簡明な文章に注意して作成したところ、各媒体の仕様やアルゴリズムの特性を踏まえた細やかな運用が可能になり、外部委託業者とのコミュニケーションも円滑になりました。

事例④:化学工業業界

同社ではBtoCからBtoB、多数のブランドなど事業部が多岐に渡るなか、広報でSNSを管轄することが困難になっていました。また、既に行われている各事業部でのSNS運用やインフルエンサー活用の美点を残しつつ、安全性を高める必要がありました。

そこで各事業部の丁寧なヒアリングを通じ、各事業部の事情を酌みつつ、広報が現状をつかみやすくするため透明性を高めたところ、会社内では汎用性の高いガイドラインになり、新しいSNSの開設、不必要になったSNSの廃止などが容易になりました。

事例⑤:小売業界

こちらは各店舗や従業員のアカウントが乱立し、統制がとれなくなってしまったケースです。ガイドラインを作成する上で、SNSを有効に活用するために、さまざまな媒体の特性を踏まえた有効な活用法を分かりやすく伝える必要があり、顧客も多様なためリアルに劣らない接客をSNS上で行う必要がありました。

以上を踏まえて作成したところ、事例を交えた有効活用の解説で各店舗、従業員が有効な活用をできるようになりました。またアカウントの管理方法を整え、不要なアカウントの削除、トラブルを起こしたアカウントの追跡が容易になりました。

事例⑥:ホテル業界

最後に、同社ではグローバルホテルチェーンであるため、本社で一定のブランド管理を行う必要がありました。作成時のポイントとしてはアイコン、カバー画像などの品質を保つ必要があり、トラブル発生時には本社が速やかに把握し、指示を出せる環境を整える必要がありました。

ガイドラインを作成したことで、各ホテルのリテラシーの違いなどで生じていた運用の質の差が縮まり、トラブル発生時には本社を交えて、ブランド毀損を防止する円滑な対応が可能になりました。

ソーシャルメディアガイドラインと企業の「炎上対策」

最後に、企業がソーシャルメディアガイドラインを策定する際にもっとも重視することが多い炎上対策について、SNSコンサルタントの立場からいくつかアドバイスをお送りできればと思います。

SNSを使わなければ、炎上リスクはゼロになる?

炎上によって、企業として甚大なダメージを受けてしまうことは少なくありません。その懸念からSNSでの活動が消極的になったり、参入自体をためらったりする企業があることも事実です。しかし、近年では上でも書いたとおり炎上の火種はSNSの領域にとどまらず、テレビやラジオ、個人の活動から発生し、SNSを通じて大炎上になることもあります。

社会活動をする限り、火種はそこらじゅうにあると考えたほうが良いでしょう。「SNSアカウントを運用しなければ、炎上リスクとは無縁でいられる」というのは間違った認識です。

ではもし炎上が起きてしまったらどうしたらいいのでしょうか。

適切な炎上対策とは、事前に策定すること

炎上対策で大切なのは「焦らず、素早く誠実に対処する」ことです。

このことを心がけて対処すればいいのですが、いざ我が身(我が部署、我が社)に炎上が起きたときにはそう簡単に落ち着けるものではありません。

ですので、「炎上の際に気を付けなければいけないことは何なのか」「どう対処するのか」を事前に策定しておくことが大切です。この「事前に策定」を実現してくれるのが、ソーシャルメディアガイドラインと言えます。

炎上が発生したときには、企業全体として対応しなくてはなりません。ガイドライン内で、対応部署をきちんと明記し、突然の事態にも対応できるようにしておきましょう。

まとめ

SNSは、今や企業と個人とをつなげる重要なものとなっています。リスク軽減は企業として大切ですが、炎上を恐れるあまり参入せずにいることは、大きな機会損失に繋がるでしょう。

重要なのは、リスクを正しく認識し、準備しておくことです。きちんと準備して、積極的なSNS活用で企業利益に貢献できる仕組みを作りましょう。

炎上対策なら、ガイアックスにお任せください!

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この記事を書いた人:高橋篤

高橋篤 ソフトウェア開発会社、広告業界を経て2013年ガイアックスに入社。2015年よりソーシャルメディアマーケティング部に参画し、以降SNSコンサルティング、ガイドライン関連の業務に従事。仕事はデジタルだが趣味は楽器演奏とアナログ。

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この記事を書いた人:高橋篤
高橋篤 ソフトウェア開発会社、広告業界を経て2013年ガイアックスに入社。2015年よりソーシャルメディアマーケティング部に参画し、以降SNSコンサルティング、ガイドライン関連の業務に従事。仕事はデジタルだが趣味は楽器演奏とアナログ。

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