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2018.03.22

新規購入者7割の新サービスをLINE@で実現! 340以上のアカウントを運用するビジョナリーホールディングスグループに迫る

多店舗展開する企業がLINE@を持つ事例は増えてきましたが、メガネスーパーをはじめとするビジョナリーホールディングスグループではLINE公式、LINE@合わせて約340ものアカウントを運用して成果を上げています。

しかし、ほんの数年前までは同社内でも「LINEは個人がつかうもの」という認識で、ビジネスでの活用が意識されてこなかったといいます。そんな状況を一変させた、デジタルエクスペリエンス事業本部の川添隆氏に導入の経緯や現在までの成果、今後の展望についてお話を伺いました。

Interview / ソーシャルメディアラボ編集長 大久保亮佑
Text, Photo / ソーシャルメディアラボ副編集長 小東真人

    ■目次

  1. プロフィール
  2. マーケティング施策におけるLINEの役割とは
  3. LINEの効果はクーポン利用の再訪だけじゃない
  4. 従業員の悩みを解決したコンタクト取り置きサービス
  5. 今後の展望

1.プロフィール

川添 隆 氏
株式会社ビジョナリーホールディングス デジタルエクスペリエンス事業本部 本部長
株式会社メガネスーパー 店舗営業本部 デジタル・コマースグループ ジェネラルマネジャー

2.デジタルマーケティング施策におけるLINEの役割とは

大久保:貴社のデジタルマーケティング施策におけるLINEの位置づけはどういったものでしょうか?

川添氏(以下、敬称略):弊社ではもともとメールアドレスの保有数が少なくWebもECが積極的に活用されていない、デジタル戦略をとるのに最適な状況ではありませんでした。そのような中で、私は何かしらお客様とコミュニケーションできるSNS・デジタル活用の必要性を感じていました。

私の前職の経験からも、特にLINEの効果を確信していました。しかし、はじめ社内にはLINEをマーケティングに活用できると考えている方はいなくて、(ビジネスではなく)個人のものと捉える方が多かったです。

大久保:そんな状況から始められたのですね。今は何アカウントくらいあるのでしょうか?

川添氏:2013年の8月にLINE@を始めてもう4年以上続けています。現在では全部で340アカウントほどあり、すべて私たちのチームで運用しています。LINE@から始めて、その後公式アカウントも開設しました。

大久保:アカウントごとの役割はどのように分けられているのでしょうか?

川添氏:大きく分けて購入チャネルへの送客と、キャンペーンやアイケアに関する情報の発信ですね。もともとメガネスーパー全店舗への送客のためのアカウントから始めたんですが、そこから役割が分かれていきました。

一番最初に「メガネスーパー」として展開していたLINE@は、「メガネスーパーコンタクト」に名称変更し、現在は1to1のチャット機能を使って、お客様がチャットで「コンタクトをください」と言ったら、オペレーターが応答する仕組みにしています。

その他、各店舗ごとにアカウント取得している店舗アカウントのなかでも、最初に成果を上げたのは、面白いことに四国 香川県にできた新しいお店でした。そこの店長が「ゼロから顧客情報をあつめて、次回の来店につなげるのに、LINEは絶対に使える」といって積極的に活用したのが要因です。

大久保:新しい店舗にとって、そんな利点があるんですね。

川添氏:利点があるのは、新しい店舗だけではありません。店舗では、メガネでもコンタクトレンズでも、ご購入いただいた際にお客様の情報をいただき、主にDMを通じた来店促進をするのですが、従来のDMが1通数十円のコストになる一方で、LINE@は0円。「タダなら、やるしかないでしょう」という感じで、店舗での活用も広がりました。

3.LINEの効果はクーポン利用の再訪だけじゃない

大久保:LINE@では、どのように友だち数を増やしていったんですか?

川添氏:「登録すると、500円オフのクーポンをお渡しします」といったインセンティブをつけながら、友だちをちょっとずつ獲得していきました。

施策を進めるなかで、LINEはやはり従来のメールマガジンと比べて手続きが簡単という利点があると感じました。メールマガジンだと、お客様がお持ちのスマホのキャリアや機種ごとに、登録の設定が異なっているために、うまくいかないこともありました。でもLINEであれば、ポチッと押すだけで完了します。

もう一つ、当社のPOSシステムにはクーポンコードを計測する仕組みと店頭でのオペレーションがあるため、配信したクーポンを通じて「どれだけお店(各店舗)の利益が上がったか」が計測できています。これがメガネスーパーの全国の店舗の間にLINEが広がった要因となったように思います。

大久保:それでは、後に始めた公式アカウントは始めてみていかがでしたか?

川添氏:公式アカウントを開始してLINE施策が社内に浸透しました。当初はクーポンを配信したところで、お客様がくるのかみんな半信半疑だったのですが、継続していくにつれてクーポンの効果は上がりました。

いまではLINE経由での新規でご購入いただいた後に、その後継続的にLINEクーポンを利用されるお客様もいらっしゃったりします。

また、お客様が来店する週末にあわせて、土曜日にクーポンを配信するように工夫しています。約4年間継続してきましたが、現在では、土日だけアカウントのブロックを解除する方がでてきています。継続することで何かお得な情報があることを覚えていただければと考えていましたが、こうしたお客様の動きから狙いが伝わっているんじゃないかと感じたりしています。

そうした手ごたえがある一方、配信に対するリターン率が想定したより少なかったですね。これは仕方がないという理解をしています。なぜなら、公式アカウントでの配信相手はスタンプや広告をきっかけに登録した人が多く含まれますから、配信効率はどうしても悪くなるのだと思います。

それでも大きい収穫があるんです。それは、LINE公式アカウントを通じて「コンタクトを売っている」という認知を以前よりも上げられたことです。メガネスーパーはどうしても「メガネ屋」のイメージが強く、コンタクトを売っていることがなかなか認知されてなかったんです。

4.従業員の悩みを解決したコンタクト取り置きサービス

大久保:続いて、今年の1月からスタートされたLINE@の新サービスについて教えてください。

川添氏:お客様自身でコンタクトレンズの在庫検索と店舗取り置きができるサービスをはじめました。お客様が普段つかっているコンタクトレンズの商品と度数を登録し、お客様の位置情報を送信することで、在庫がある店舗が表示されます。そこから、そのままご希望の店舗での取り置きができます。これはLINE@のAPIを利用したものです。

国内7,100万人以上(LINE株式会社調べ 2017年9月時点)に利用されているLINEを通じて、「今すぐにコンタクトレンズが欲しい」というニーズに応えることが目的にあります。

この「今すぐにコンタクトレンズが欲しい」というニーズは存在するのですが、これに対応するには当社なりの工夫が必要なんです。

メガネスーパーでは、眼鏡、コンタクトレンズ、補聴器などを取り扱っています。眼鏡の場合はお客様1人1人の眼環境を把握した上で、利用用途に応じた最適な見え方をご提案するために時間をかけて検査とヒアリングを通じてレンズを選ぶ必要があります。大体1時間くらい接客をする必要がありますね。

店舗スタッフの視点に立つと、「1時間接客をしなきゃいけない商品」と、かたや「すぐ欲しい」、というニーズに応えなければいけないコンタクトレンズもあるのは大変です。このような状況で、たとえば2人しか従業員がいない店舗に2人の「1時間接客をしなければいけない商品」をお買い求める方がいらっしゃったら、もうそれだけで対応できなくなってしまいます。

当社の場合、毎度購入する商品が決まっているお客様であればコンタクト定期便、そしてスマホアプリをお勧めして、来店しなくてもご自宅に配送する仕組みを作っています。

一方で、「今すぐ欲しい」ニーズは店頭に駆け込んだ方が早いわけですが、なるべくスムーズにご提供するためには先に商品を決めていただいた方がよい。そのため今回導入した、従業員による接客のかわりになるコミュニケーションツールが有効なのです。

大久保:接客の代わりになるツールとして、どういった点を意識されたんですか?

川添:従来の商品選択の流れは引き継ぎながらも、LINE特有のメッセージの流れで余計な手間なく取り置き予約ができることを意識しました。

たとえば、コンタクトレンズは1つの商品で数十から数百の度数バリエーションを持っていますが、最初にお客様自身て登録していただければ、位置情報を送って、「予約する」をタップするだけで取り置き予約ができます。

大久保:同種のものとしてLINEビジネスコネクトもあります。今回、LINE@のAPIを選ばれたのは、なぜでしょうか。

川添氏:以前からLINEビジネスコネクトのご提案はいただいていましたが、使わなかった理由はただ1つ。「付帯費用が高いから」です。かかったツール代や配信費用分、導入によるリターンを得るのは難しいと考えています。この点、LINE@のAPIは開発ベンダーが増えてきてコストが下がってきていますし、配信費用が別途必要ないという利点があります。

大久保:新サービスに対する、お客様の反応はいかがでしたか。

川添氏:狙い通り、「今すぐ欲しい」というニーズを少しずつ取り込んでいえていると感じています。

実際に、お店のスタッフから、コンタクトレンズが早く欲しいから、Googleで「コンタクトレンズ 在庫」と検索し、本サービスの説明ページにたどり着き、LINE@登録し取り置き予約をされ、来店・購入されたお客様もいらっしゃっていると聞いています。今回はグループ内のメガネハウス、シミズメガネでも対応しており、既に購入につながっています。

購入者の実績としては、新規が約7割を占めており、少しずつですが新規のお客様獲得につながっています。近いうちに、クーポン経由の新規獲得と同等規模になると見ています。

5.今後の展望

大久保:LINE@から公式アカウント、新しいコンタクト取り置きサービスまで様々な施策を上手く展開されているように感じますが、それらを進めていくうえでどのようなことに気をつけていらっしゃいますか?

川添氏:今の全社としての課題と、今のLINEやテクノロジーでできることのインプットを欠かさないようにしています。特に前者に関しては、各部門や店舗に関わるメンバーからの情報収集を積極的にやっています。

ビジョナリーホールディングスグループにはセクションごとの垣根がないことも特徴で、各部門や店舗の生の声を拾いやすいんです。飲み会のときに社内のいろんな人と話をしながら、「アプリの反応はどう?」とか「今、WEBとして助けられそうなことはない?」といった質問をして、施策が店舗のスタッフやお客様にどのように受け止められているのかの情報を得るようにしています。

大久保:いまSNS施策に関して、抱えている課題はなんでしょうか。

川添氏:SNSの活用に対して、答えの方向性はわかっていても当社なりの解決策がはっきりしないということです。

これまでの仕事や他社の方々のお話し等を通じて、私はソーシャルメディアやSNS施策というのは「人らしさ」が中心にあるのが望ましいと捉えています。フォトジェニックな写真の反応はいいですが、“画”としても表現だけではファンは作りにくい。そこには担当者の熱意や届けたい想いがのってこそ、少しずつ信用とつながりが生まれてくるわけです。

最適なクリエイティブを見つけて、広告で後押しして、いいねとリーチを増やすというようなテクニカルな話は、あくまで二の次なのだとおもいます。

大久保:最後に、今後の展望について教えてください。

川添氏:ビジョナリーホールディングスグループの店舗のスタッフたちは、みんな個性的で、接客をしているのをみても、すごく丁寧であったり、ものすごい知識があったり。それぞれが魅力的です。もちろん、癖が強い人もいますが、それも含めて個性です(笑)。

たとえば眼鏡をつくるにしても、検査技術が長けているスタッフもいれば、お客様との会話を弾ませるのがうまいスタッフ、ブランドの知識やファッション観点でのフレーム選びがうまいスタッフもいる。

それぞれが、情報を発信することができれば、そのニーズに応じたお客様が反応してくれるはずですし、来店前後での信頼構築につながっていくと思っています。私たちはモノで勝負するというより、そういう接客ができることに強みがありますので、今後はもっと人がフューチャーされてもいいんじゃないかなとおもいますね。

したがって、そういった「人」の魅力をどうやって表現したらいいか、という点が今後の課題ですね。メガネスーパー、メガネハウス、シミズメガネそれぞれ独自の「人」や「接客」は可視化しづらいところではありますが、私たちの魅力であり強みであると確信していますので、ぜひうまく発信していきたいと考えています。

具体的には、もし私たちのチームに余力ができたら、店舗の方ではなく私たちから発信していければと思っています。まさにオウンドメディア部隊となって、社内取材をしていきたいですね。でも原稿はなるべく書きたくないですから、音声でそのままテキスト化できるような仕組みをつくれたら、楽で持続的に発信していけると思います。

この記事を書いた人:小東真人

小東真人 ソーシャルメディアラボ副編集長。地方や中小ビジネス向けセミナーなどを担当。
17年ガイアックス入社のデジタルネイティブ世代。靴磨きが大好きで、休日はInstagramで関連アカウントばかり見ている。

Twitterアカウントはこちら。



この記事を書いた人:小東真人
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