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2019.01.30

テレビだけでなく、YouTubeで「#ディスカバる」? ディスカバリーチャンネルのYouTube戦略

220以上の国・地域で放送されている世界最大のドキュメンタリーチャンネル、ディスカバリーチャンネル。ケーブルテレビの老舗チャンネルのイメージが強かったものの、いまYouTubeで話題になっていることをご存知でしょうか。

特にサバイバル系の動画が注目を集めており、サバイバルのプロで冒険家のエド・スタフォード氏が出演する『ザ・秘境生活』はたった1動画で200万回再生を獲得するエピソードもあります。チャンネル自体も大きく成長しており、2019年1月時点で40万人以上がチャンネル登録をしています。

テレビに加え、オンラインに注力するの大きな戦略変更の裏側、そしてYouTubeでの成功にはどのような取り組みがあったのか。その背景に迫ります。

Interview / ソーシャルメディアラボ編集長 小東真人(@gxsoc_kohigashi)
Text & Photo / 大木一真(@ooki_kazuma)

    ■目次

  1. プロフィール
  2. ディスカバリーチャンネルを若い世代にもっと知ってもらいたい
  3. 動画の選定から配信、分析まで。ディスカバリーのYouTube運用体制
  4. YouTubeのカギはユーザーに最適な動画の選定とタイトル
  5. チャンネル登録者数40万人突破。4ヶ月での15倍成長に!

1. プロフィール

ジェニー・ヤン(写真左)

コンシューマー・インサイトマーケティング ディレクター

榊原 亜弥香 アリソン(写真右)

インタラクティブメディア&マーケティング シニアマネージャー

2. ディスカバリーチャンネルを若い世代にもっと知ってもらいたい

小東:なぜ今年からYouTubeでの動画配信に取り組まれたのでしょうか? きっかけや理由を教えてください。

ジェニー・ヤン(以下、敬称略):ディスカバリーでは去年からデジタル強化を本格的に始めました。取り組み始めたのは昨年8月、その理由には大きく2つあります。1つはマーケティングのアングルからのチャレンジ、もう1つがビジネスとしてのチャレンジです。

前者についてですが、そもそもディスカバリーチャンネルが今までブランド認知の拡大に苦戦していたことが背景にあります。特に最近ではテレビ離れも進み、視聴者数もあまり伸びていない印象です。さらに、視聴者層の高齢化という事情もあります。

つまり、弊社のコンテンツをユーザーに接触してもらうプラットフォーム、つまりディストリビューション(流通)が限定されてしまっていたんです。「みんなが見ているプラットフォームでコンテンツを出さなければいけない」と考えまして、世界で1番大きなビデオプラットフォームであるYouTubeに力を入れることになりました。

また、TwitterやFacebook、LINEといった自社のSNSアカウント、そして自社メディアでもコンテンツを展開しています。

ビジネス上の理由では、弊社の広告主からの「もっと若い世代にリーチしたい」というニーズからでした。テレビではなかなか若い世代にリーチできないので、デジタル上でディスカバリーがどんなことができるのか、今問われています。

小東:テレビとYouTubeでは視聴者層は実際どのような違いがあったのでしょうか。

榊原 亜弥香 アリソン(以下、敬称略):どちらも男性が多いのは共通で、Youtubeでは6〜7割が20-30代です。テレビはそのボリュームゾーンに+20歳したイメージですね。地上波以外でテレビを見ている世代はほとんど50代以上、BSなら60代以上です。ターゲットがテレビとYouTubeで被っていないため、以前テレビで放送したことのある内容も初めて見るという方が大半です。

3. 動画の選定から配信、分析まで。ディスカバリーのYouTube運用体制

小東:社内の運用体制について教えてください。

榊原:動画をメディアごとに編集し、配信、コメントがきたら対応する、と運用もかなり大変です。またその後、効果の分析もしなければならない。運用体制としては、それぞれのチームでそれぞれ得意なプラットフォームがあるので数名で分担して行っています。私は前職がYouTubeでして、お客さま(配信主)へのアドバイスを行っていたこともあり、やはりYouTubeが一番得意な分野です。

具体的には、YouTubeのコメント運用や視聴者対応の全てをいま行っています。何の動画をどのタイミングで配信するかは私が基本的にプランニングしています。テレビにない、デジタルのよい所は配信の直前で臨機応変に対応できることですね。社内でビデオ編集ができる人がいるので、直前でも早く対応できます。「どうしても明日このコンテンツを出さなきゃいけない」といった事情でも、対応することが可能です。

小東:特にどういった部分を編集することが多いのでしょうか。

榊原:1番は尺の長さです。テレビ用の動画が元になるので、自由に試行錯誤できています。当初、色々試してみてどの程度の尺が一番よいのか考えようというスタンスでした。8月に始めたタイミングでは長尺のものもあれば短尺のものもありましたね。

短尺、長尺どちらも試した結果、意外かもしれませんが長尺のものが一番エンゲージメントが高いというデータが出ました。そのため、我々のYouTubeチャネルに関しては長尺のシリーズ物が特に強みになっています。

ジェニー:今のは面白い発見の一つですね。ソーシャルに出す動画は短尺のもので気軽にサクッと視聴できる長さがよい、というイメージでした。しかし、実はそうとも限らないことが分かってきたんです。動画そのもののストーリーラインに合わせて長いもの、短いものもあり、結局はそのコンテンツによると思っています。

榊原:YouTubeでは再生回数よりも再生時間を重視しています。1本の動画をただ長くすればそれでよいという訳ではなく、長くても視聴者にとって面白く、意味のあるものが1番です。それがプラットフォームの特性にも合うのではないでしょうか。

4. YouTubeのカギはユーザーに最適な動画の選定とタイトル

小東:尺の長さの他に、特に工夫されている部分はどのあたりなのでしょうか。

榊原:一般的なSEOですとキーワードを工夫すれば伸びるといったイメージあると思うのですが、YouTubeはそんなに簡単ではありません。

ディスカバリーチャンネルでの工夫点としては大きく分けて2つあります。まず1つはユーザーの属性に合った動画を選ぶことです。社内のアーカイブにかなりのコンテンツがあるので、その中からチームで検討しながら選んでいます。具体的なところですと、サバイバルコンテンツの反応が非常によかったです。

若い男性が好きそうなコンテンツ、かつディスカバリーらしいというところから選択しました。このサバイバルシリーズがヒットしたため、いろんな尺の長さでも提供しています。

もう1つの工夫は「タイトル」です。そもそも動画のタイトルはテレビ向けに作られています。どうすればYouTubeの視聴者に消費されやすくなるかを考えて、タイトルを工夫していますね。例えばですが、「ザ・秘境生活」というシリーズが我々のコンテンツの中で一番見られているコンテンツですが、YouTubeでは「【ガチサバイバル】」とタイトルに入れています。

これによって、パッと見た時に「ガチ」で「サバイバル」をするのがわかるようになり、視聴者にとっても覚えやすくなる工夫をしているんです。ただ、新シリーズの動画なので、当然SEOの観点では効果はありませんが、まずはよりキャッチーなものをしっかり企画しています。「ディスカバリー◯分クッキング」もそうですね。ハッシュタグの「#ディスカバる」は「ディスカバリーチャンネルを観る」ことを短く表現しており、Twitterでも拡散の際にうまく利用されていますね。

最近ですと、宇宙コンテンツが人気です。他には路線を変えて、工場見学シリーズもあります。もちろんヒットするもの、しないものもありますが、全部の動画を含めてディスカバリーの世界観として認知されたいです。サバイバルだけではないことをお伝えしたいですね。

ジェニー:以前までのテレビでのディスカバリーチャンネルでは、コンテンツの内容からどうしても堅苦しいイメージがありました。YouTubeではそれをあえて崩して、視聴者からツッコミが入りそうな部分をあえて企画することが重要かなと思っています。

榊原:また、「Dbox あなたの疑問を深掘りする新シリーズ」を最近始めました。これはまず日本人向けに、日本オリジナルのコンテンツを作りたいという想いがあります。2つ目として、YouTubeというプラットフォームにおける教育コンテンツはまだまだ伸びしろがあると感じたからです。

我々のコンテンツの根底には「教育」というベースがあるので、ストレートに教育のコンテンツを作ることにしたんです。YouTubeも教育コンテンツに今後力を入れていきたいというアナウンスもありましたし。

社内で全て作っているので、かなり柔軟性があります。どういった内容でも、どういった台本でもできるので、広告主さんのニーズとディスカバリーのカラーを組み合わせて1つのコンテンツを作ることができます。

当初はナレーターとして芸能人やアイドルの方の起用も検討しましたが、その方よりも教育やコンテンツの内容、ディスカバリーチャンネルらしさを全面に出したかったので、敢えて社員である私も自ら出演しています。

5. チャンネル登録者数40万人突破。4ヶ月での15倍成長に!

小東:具体的な数字の指標はどこを追われていたのでしょうか。

ジェニー:再生回数と登録者数ですね。この両者は我々が当初想定していたものを超えるも結果になりました。当初は半年かかると想定していた数字を3か月で達成、もっと投資しなければと想定していましたが。

今年の8月時点ではチャンネル登録者数が2万7,000人でしたが、2019年1月現在で40万人突破、4ヶ月での15倍成長には驚きましたね。チャンネル登録者が10万人に達すると送られる「シルバー クリエイター アワード」もいただきました。

小東:最後に今後の展望をお願いします。

ジェニー:デジタルでのアクティブ視聴者数がゆくゆくはテレビを超えるサイズにはなってほしいなと考えています。冒頭でもお話しましたが、ブランド認知の拡大にここ数年は苦戦していました。

特に若年層からの「ディスカバリーチャンネル」というブランド認知を、YouTubeを始めとしたウェブ上を起点にもっと拡大していきたいですね。目標としては現状の倍までにはしていきたいなと思っています。

小東:ありがとうございました!

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