11月の主要SNSニュースまとめ! FacebookがFACEBOOKになり、InstagramはTikTokを真似た?

2019/12/05

先月はFacebookの公式ロゴの刷新やX(Twitter)のトピック機能のローンチ、InstagramにおけるTikTokに似た機能「Reels」の発表など、SNSご担当者が押さえておきたいニュースが盛りだくさんでした。

    ■目次

  1. Facebook
  2. X(Twitter)
  3. Instagram
  4. LINE
  5. YouTube

1. Facebook

ブランドロゴが刷新。グループ全体のブランド力強化を図る。

11月4日、Facebook社はブランドロゴのリブランディングを発表しました。

「FACEBOOK」と大文字になり、色も青一色からレインボー調に新しくなりました。この彩色は傘下のInstagramとWhatsAppを表現しています。

公式ブログによると、同社CMO曰く、さまざまな人気サービスがFacebookグループのいちプロダクトだと認識してもらうために、リブランディングに臨んだそうです。

国内でも既に、Instagramアプリを起動させた画面には「from FACEBOOK」と表示されるようになりました。ただしユーザーや企業にとって機能上大きな変化はありません

ユーザーの繋がりを促進し、有益なコミュニティ作りに貢献することを目標に掲げる同社にとって、FacebookやInstagram、WhatsApp、Oculusなど各プロダクトが「Facebookグループの一員である」と示すことで、ユーザーのブランドロイヤリティを向上させる狙いがうかがえます。

参考:
https://about.fb.com/news/2019/11/introducing-our-new-company-brand/
https://www.gizmodo.jp/2019/11/facebook2facebook.html

新しい支払い機能「Facebook Pay」が米国で提供開始。いずれInstagramでも。

11月12日、Facebook社は新たな支払い機能「Facebook Pay」を米国のFacebookとMessengerで提供開始しました。

将来的にはInstagramとWhatsAppでも利用可能にし、提供地域を広げていく計画とのことです。

対応するクレジットカードあるいはPayPalのアカウントと連携させることで、FacebookとMessengerで各種支払いができます。

まずは米国から開始ですが、同機能によってイベントチケットの購入、マーケットプレイス、一部のFacebookページで販売している製品の購入が行えるようになります。

ブランディングだけでなくダイレクトマーケティングまで一気通貫で行えるのは、プラットフォームとして広告主にアピールできる強みになると言えます。

ちなみに同機能は、2007年に導入された広告料金の支払いや寄付が行える「Facebook Payment」 や、2019年6月に発表された暗号通貨「Libra」とは別サービスとなります。

参考:
https://newsroom.fb.com/news/2019/11/simplifying-payments-with-facebook-pay/
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1911/13/news061.html

2. X(Twitter)

「トピックス」フォロー機能が全世界で提供開始。

米国大手メディアThe Vergeは11月6日、X(Twitter)が「トピック(ス)」のフォロー機能を11月13日までに世界で提供すると報じました。

現在は個人や企業の「アカウント」をフォローしますが、新機能ではスポーツや料理など「話題」もフォローできるようになります。

スタート段階では300以上のトピックが選べるようになり、トピック経由で表示されたツイートには、それが分かる表示が付きます。

今年8月にテスト開始が伝えられたトピックをフォローする機能ですが、ついに世界で提供が開始されました。ただし11月末時点で、国内では非公開になっています。

これまでX(Twitter)で情報収集する場合、欲しい情報を発信しているアカウントを探してフォローする必要がありましたが、今後は気になる「トピック」をフォローするだけで特定の情報に効率的に辿り着けるようになるので、情報収集の幅が広がります

また企業としては、Instagramの人気投稿の上位表示のように、どの「トピックス」を狙い、どんなコンテンツが流通させやすいか見極める工夫が必要になると考えられます。

参考:
https://www.theverge.com/2019/11/6/20948547/twitter-topics-launch-sports-gaming-entertainment-test
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1911/07/news073.html

政治広告でターゲティングが禁止に。通常ツイートは変わらず。

11月15日、X(Twitter)社は政治関連広告を阻止する規定の一環として、いかなる目的を推進する場合であっても、広告主が特定の位置情報やキーワードに基づいてターゲティングできなくする方針を明らかにしました。

今後は、意見広告を制限する施策の一部として、郵便番号に基づいて広告を配信することができなくなるほか、支持政党などの情報でターゲット層を特定することも禁止されます。

禁止されるのは政治広告のターゲティング機能のみで、通常ツイートは対象外です。

広告のターゲティングについて、ユーザーの性質に合わせたメッセージを配信して意見を左右させることが「危険な操作」だと欧米諸国を中心に認識されるようになりました。2018年に発覚したFacebook社の「ケンブリッジ・アナリティカ事件」ではそのような心理操作を裏付けることとなり問題になりました。

今回の仕様変更でX(Twitter)社は、心理操作ではなく、ユーザー同士の議論で多様な意見に触れて意思決定してもらうことをプラットフォームとして目指したと考えられます。

参考:
https://jp.wsj.com/articles/SB12636345258602743387504586020492134372216
https://jp.techcrunch.com/2019/11/19/2019-11-15-twitter-makes-its-political-ad-ban-official/

ツイート予約機能をテスト中。今後、時間指定して投稿できるようになる可能性も。

11月21日、X(Twitter)のデスクトップ版でツイートの予約機能のテストが開始されました。

ツイートを普段通りに作成し、英語のデモ動画によると、「Schedule Tweet」を選択、投稿時間を設定してか「Confirm」ボタン、「Schedule」ボタンを押して予約完了になります。

現段階では実際に導入されるかはまだ分かりません。

今までも「TweetDeck」など専用ツールを使うことで予約投稿は可能でした。ただし、ツイートソースラベルに「X(Twitter)for iPhone」、「X(Twitter)for Android」の代わりにツール名が表示され、「業者感」が出てしまうのは否めませんでした。

今回のテストの様子を見ると、ネイティブ機能で簡単に予約ができるようになり、運用担当者の負荷が軽減されそうです。一方、企業としては、予約投稿ばかりに頼り、X(Twitter)の最大の特徴である瞬発的なやり取りやリアルタイム性が損なわれる運用に陥らないように注意したいですね。

参考:
https://twitter.com/TweetDeck/status/1197214465231601671
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1911/21/news063.html

「休眠アカウント」削除を検討したものの、故人アカウントの対応を検討し保留へ。

11月27日、X(Twitter)社は6ヶ月以上ログインをしていない「休眠アカウント」の削除を検討中で、12月の施行を目指すと発表していました。

しかし「故人のアカウントをいきなり削除することになり、配慮に欠ける」という意見が集まり、同月28日、追悼機能が導入されるまでアカウント削除を取り止める公式発表が改めてなされました。

結果的に「休眠アカウント」の一斉削除は今回保留となりましたが、今後もプラットフォームの健全化のために、こうした処置が検討されていくと考えられます。

フォロワーの多い企業のなかでも、特に長い間アカウント運用している企業はそれだけフォロワーのなかに「休眠アカウント」が含まれる可能性が高く、フォロワー数が減少する可能性があり、注意が必要です。

参考:
https://twitter.com/TwitterSupport/status/1199777313300209664
https://twitter.com/DaveLeeBBC/status/1199406070508081153
https://japanese.engadget.com/2019/11/27/twitter/
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1911/27/news125.html

3. Instagram

「いいね!」件数を非表示にする試験の範囲を世界中に拡大。

11月14日、Instagramは「いいね!」の件数を非表示にする試験を米国だけではなく世界のユーザーに対し適用しました。自分の写真に付いた「いいね!」の件数は、これまでどおり確認できます。

同社CEOのAdam Mosseri氏は自身のX(Twitter)で、同機能の導入により(特に若年層)ユーザーのプラットフォームとの向き合い方がどう変わるかより理解して欲しいと述べました。

第一にカナダでテストが始まり、次に日本でも現在適用されている「いいね!」件数の非表示は、これから世界でも導入されるようです。

これにより世界中で「友達が『いいね!』押しているから自分も……」といった群集心理に左右されず、各人が純粋に良いと思った投稿のみ押下する環境になったと言えます。実際に件数が非表示にされた世界の国々では、フォロワー5,000~2万人規模のインフルエンサー投稿において、平均3~15%もいいね!が減少したデータもあります。

ここからは推測ですが、日本での開発チーム設立(米国以外では初)が今年3月に発表されたので、今後も日本でテストして世界全体に適用させる機能が増えるかもしれません。

参考:
https://twitter.com/mosseri/status/1195101452399562752
https://japan.cnet.com/article/35145508/
https://japan.cnet.com/article/35134277/
https://jp.techcrunch.com/2019/11/16/2019-11-14-instagram-private-like-counts/

TikTokのような新機能が一部地域で導入開始! 15秒間の動画制作が可能に。


11月、InstagramではTikTokに似た新機能「Reels」を追加しました。現在はブラジルのみで利用可能となっています。

製品マネジメント部門ディレクターのRobby Stein氏によると同サービスがTikTokとは別物であり、Instagram内には既に多くの繋がりを持ったユーザーがいる点を強みだと強調しています。

同機能とTikTokの違いについて、製品マネジメント部門ディレクターのRobby Stein氏は既存の「ユーザー(Friends)」がInstagramに多くいる点を挙げていましたが、具体的な機能の違いは言及されていませんでした。

現在ではブラジルのみ利用可能な機能ですが、これからFacebook社の保有する音源を活用し、どれほど機能を進化させユーザーを集めていくのか注目が集まります

また、InstagramはSnap社からストーリーズ機能を模倣したように、これからも流行のフォーマットを取り入れて強化していく姿勢がうかがえます。

参考:
https://techcrunch.com/2019/11/12/instagram-reels/
https://hypebeast.com/jp/2019/11/instagram-tests-new-music-feature-for-stories-similar-to-tiktok

4. LINE

運用型広告においてセルフサーブ機能の提供開始。中小企業・店舗のサポート強化。

11月18日、 LINE株式会社は「LINE」および関連サービスを対象とした運用型広告配信プラットフォーム「LINE Ads Platform」で、セルフサーブ機能の提供を開始しました。

中小企業・店舗における広告運用のサポートを強化することが目的で、誰でも簡単に広告配信、運用できるようになりました。

複雑な手続きがなく、オンライン上でアカウント開設から支払いまで行えます。

LINEは一般ユーザーだけでなく、SMB領域をビジネスユースも取り込んで、国内最大級の情報インフラのひとつになっています。同社の強みはデータの量とそれを活用した細かな広告ターゲティングのサービスですが、今回のセルフサーブ機能でも利用可能です

実施したいけどまだできてない人向けに、公式サイトでは予算や期間、活用目的別に利用すると良いパターンが複数まとめられており、先進企業の活用事例も豊富に掲載されているので、そちらも参考になります。

参考:
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2019/2975
https://www.linebiz.com/lp/self-serve/

5. YouTube

ホームフィードと検索結果にショッピング広告が出稿開始。

11月5日、 Google社は傘下であるYouTubeのホームフィードと検索結果に、「ショッピング広告」の表示を開始しました。仕組みは商品の画像・価格が表示されるGoogleの検索連動型広告と同様です。

例えばユーザーがYouTubeで「ランニング」を検索すると、検索結果の上部にランニングシューズのショッピング広告が表示されます。

YouTubeユーザーのなかには、有名タレントや一般人が商品・サービスの使い方や過程を説明したレビュー動画を観て購入を検討する人がいます

従来のYouTubeにおける広告といえば、バンパーやTrueView広告、インフルエンサータイアップなどが主流ですが、新しいダイレクトマーケ手段としてショッピング広告を検討するのは良いでしょう。

またその場合、Googleでは検索の頻度が少なく、YouTube検索ならではの頻出検索ワードをサジェストから見つけられるとパフォーマンスが高まりそうです。

参考:
https://www.blog.google/products/ads/gift-giving-ideas/
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1911/06/news052.html
https://netshop.impress.co.jp/node/5227