1月の主要SNSニュースまとめ! 「IGTV」ボタン消滅。 “ツイート編集機能は入れない”とCEOが断言ほか

2020/02/06

今年一月もマーケター必見のニュースが目白押しでした。InstagramがTikTokやSnapchatなど競合アプリに負けじと機能追加、改善を推し進める背景のひとつには、米国におけるユーザー数の成長率が頭打ちし始めているがあると考えられます。

それでは見ていきましょう!

    ■目次

  1. 全般
  2. Facebook
  3. X(Twitter)
  4. Instagram
  5. YouTube

1. 全般

3割以上の消費者が、商品を買うときにデジタルとリアル両方の情報源を活用

https://jpm-inc.jp/wp/wp-content/uploads/2019_report_summary.pdf

1月15日、日本プロモーショナル・マーケティング協会(=JPM)は、「購買行動調査2019」を発表しました。

今回の調査では、認知・体験などもプロモーションの機能ととらえ、一連の消費者の購買行動を調査対象としていました。結果、「実際に購買に至った購買行動において役に立った情報源」としては、デジタル/リアルの両方が役に立っている人は31.5%に上りました。

テレビを視聴しながらスマホでSNSを見たり、店員の説明を受けた後に検索エンジンですぐ調べたり、SNSで知った商品を学校や職場の友人に聞いて反応をうかがうなど考えてみれば、デジタルとリアル両方で情報収集するのは今や珍しくありません。

情報感度の高い消費者が満足度を高め、ブランドを他者に広めてくれるというデータは、企業のマーケティング担当者にとって、ネット広告やテレビCM、OOH、店頭プロモーションなどをそれぞれ単体で見るのではなく、マーケティングの全体最適化が重要だと改めて教えてくれます。

参考:https://www.advertimes.com/20200115/article305778/, https://jpm-inc.jp/wp/wp-content/uploads/2019_report_summary.pdf

2. Facebook

政治広告のファクトチェックをしない方針。その上で「透明性を上げる」と宣言

https://www.facebook.com/ads/library/

1月9日、Facebook製品管理ディレクター、ロブ・レザーン氏は「政治広告に関しては透明性を高め、ユーザーが広告の表示をコントロールできるようにする」と発表しました。

政治広告をファクトチェックしない方針は変えず、具体的には「広告ライブラリ」の改善や広告主がターゲティング対象を設定する機能をユーザー側が制御できる機能を追加をして、透明性を高めるようです。

Facebook社は前回の米国大統領選のフェイクニュース問題が指摘されてから、これまでページ管理組織の明示やフェイクコンテンツのラベリング表示など対策を明かしていました。

X(Twitter)社が政治広告の規制したことを先月取り上げましたが、Facebook社は「民間企業が政治広告に関する決定を下すべきではない」とし、あえてノータッチにしました。

その一方でユーザーが政治や意見広告を検索可能にし、政治広告の表示コントロールをできるようにすることで、透明性を高めようとしています。プラットフォームの運営スタンスの違いがうかがえる結果となりました。

参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/10/news073.html, https://www.facebook.com/ads/library/

3. X(Twitter)

企業の公式アカウントに、RT・リプライされたら嬉しいユーザーは9割以上と判明

1月8日、株式会社コムニコはX(Twitter)キャンペーンの効果について調査結果を発表しました。

2019年10月28~31日の4日間、キャンペーンに参加したユーザーへのウェブアンケート5,165件がもとになっています。キャンペーンを知ったきっかけや人気のキャンペーン形式、ユーザーの態度変容についてまとまっています。

X(Twitter)では企業アカウントと通常ユーザーのアカウントに設定の違いがなく、分け隔てなく会話が行えます。企業アカウントは一般的に規模も大きく、リアルでやり取りする機会がない分、企業からRT(リツイート)やリプライをもらえて交流できるのは、ユーザーにとって貴重な機会と感じてもらいやすいです。

企業は自社に関するつぶやきや質問を寄せてくれたユーザーに対して、アクティブにエンゲージメントを図るのは効果的だと言えます。一方で、全然関係ない・関心がないアカウントにセールストークするのは、驚かせたり嫌われる原因になり兼ねないので注意しましょう。

参考:https://blog.comnico.jp/we-love-social/tw_research, https://webtan.impress.co.jp/n/2020/01/15/35058

CEOのジャック・ドーシー氏、ツイート編集機能を導入しないと初めて明言


1月14日、X(Twitter)社CEOのジャック・ドーシー氏は米Wiredが公開した動画の中で、ツイートを修正する機能を「たぶん、絶対追加しないだろう」と語りました。

同氏はX(Twitter)のなかにSMSの一度送信したら訂正できない感覚を維持したかったこと、RTで拡散後のオリジナルの文章を変更した場合、RTした人の意図とかけ離れた拡散になる可能性もあることなど理由を説明しました。

X(Twitter)は最大140字の投稿ができ、リツイートによって拡散性が高いことが特徴のSNSです。ただ一度発信したツイートを書き直すことができないため、編集機能についてユーザーから導入が期待されていました。

動画で語られていた「SMSの、一度送信したら訂正できない感覚を維持したかった」という同社CEOの視点は、X(Twitter)の最大の特徴である瞬発的なコミュニケーションを尊重する思想です。今回の編集機能の導入しないという宣言は、この思想に基づいた判断だったと言えます。

参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/16/news068.html, https://www.youtube.com/watch?v=de8wRd2TQQU

4. Instagram

米国では新規ユーザー数の伸びが鈍化するとの報道

https://www.emarketer.com/content/instagram-user-growth-in-the-us-will-drop-to-single-digits-for-the-first-time

米国の調査企業eMarketerが1月2日に発表した資料によると、米国内のInstagram利用者数の年間上昇率が2019年には初めて一桁台まで低下し、今後3年で2%以下になるそうです。

Facebook傘下の同サービスは直近では、アプリ内のEコマース機能を強化していますが、これは利用者数が減少すると広告収入にも影響が出るため、その対応策だとも考えられています。

2012年にFacebook社がInstagramを買収してから7年。右肩上がりの成長が緩やかになってきています。縦型動画のストーリーズ機能やECサイトと連携してその場で買い物ができるショッピング広告など大型のアップデートが近年続いているInstagramですが、その裏にはライバルアプリとの競争激化や広告収入減少に対する不安が見受けられます。

本国で導入された機能が日本で反映される動きが多いことから、本国における今後の新機能や仕様変更には引き続き注目です。

参考:https://forbesjapan.com/articles/detail/31737,
https://www.emarketer.com/content/instagram-user-growth-in-the-us-will-drop-to-single-digits-for-the-first-time

スマートフォンアプリ上部から「IGTV」ボタンが取り除かれる

1月19日、TechCrunchは、Instagramのモバイルアプリのメイン画面にあった「IGTV」ボタンが、最新バージョンでは表示されなくなったことを、Facebookのコメントを添えて報じました。

Instagramを運営するFacebook社は「IGTVボタンをタップするInstagramユーザーはほとんどいなかった。Instagramをできるだけシンプルにするよう心がけているので、このボタンを削除することにした。」と記者に語っています。

2018年6月に登場した縦型の長尺動画視聴サービス「IGTV」は、これまでInstagramの本体アプリからも遷移できるようフィード投稿や発見タブ内のプレビューだけでなく、上部ボタンが設けられていました。ボタンが無くなったことによる企業アカウントへの影響は、ほとんどなさそうです。

Facebookはシンプルにするため使われないボタンを排除した旨を発表していますが、背景にはTikTokの成長によってIGTVアプリのユーザー数が伸び悩んでいる点が挙げられます。ユーザーの可処分時間をどう占領できるか、大手プラットフォーマー同士の戦いに注目が集まります。

参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/20/news051.html, https://techcrunch.com/2020/01/18/igtv-button-gone/

TikTokに対抗し、ストーリーズ機能内のBoomerangに新エフェクトを追加


1月12日、Facebookの広報担当者はTechCrunchに「新しいSlowMo(スロー)、Echo(ブラー)、Duo(高速リワインド)といったBoomerangモードを、Instagram上で共有できるようになる」と話しました。

Boomerangは1秒間のサイレントビデオを撮影し、順方向および逆方向に3回再生して、6秒間の動画として共有、ダウンロードできる機能です。今回はその新機能になります。

先ほどのニュースにも関連しますが、Instagramは若年層をもっとユーザーに引き込むために、縦型動画コンテンツに注力していると考えられます。特に近年では「Stories」や「Reels(ブラジルで試験導入中)」など、SnapchatやTikTokの機能やアイデアを積極的に取り込んでいます。

また日本の若年層は、今や通常投稿よりもストーリーズ投稿を閲覧するデータもあり、企業がこうした新機能を試してみることは若年層マーケティングにおいてアドバンテージになり得ます。

参考:https://jp.techcrunch.com/2020/01/12/2020-01-10-boomerang-filters/,
https://twitter.com/instagram/status/1215696803338735617, https://croja.jp/case/instagram03

デスクトップブラウザで使えるDM機能をテスト中

1月14日、Instagramではデスクトップブラウザでダイレクトメッセージ(DM)を送受信できるようにするテストを、一部のユーザーで実施中だと公式X(Twitter)アカウントにて発表しました。

添えられた画像から、Safariで表示した投稿からDMを開始でき、グループチャットも可能であることが分かります。

この機能が導入されれば一般ユーザーはもちろん、企業がキャンペーン対応などでユーザーとやり取りする場合にも役立つでしょう。

近年ブラウザ版でも、いいねの押下やストーリーズの閲覧が可能となり、徐々にスマートフォンアプリだけのInstagramではなくなってきました。今回の導入に期待が高まります。

参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/15/news070.html, https://twitter.com/instagram/status/1217122528755240960

5. YouTube

子ども向けコンテンツの新ルール日本含めたグローバルに展開

https://support.google.com/youtube/answer/9383587?hl=ja

1月6日、米Google傘下のYouTubeは以前より予告していた子ども向けコンテンツでのデータの収集方法と使用方法を変更したと発表しました。

同変更は「児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)」に基づく YouTube のコンプライアンスに関し、昨年9月の米国連邦取引委員会(FTC)が提起した懸念に対処し、和解条件を満たすためのGoogle社の対策です。

大きな変更点として、まず子ども向けのコンテンツを配信するクリエイターは申請が必要になり、申請していないものの配信を続けている配信者のコンテンツは機械学習が判定すると発表しています。また個人情報保護の一環で、子どもと考えられるユーザー層からインサイトデータが収集できなくなる上にターゲット広告が配信されなくなります。

昨年11月に予め伝えられていたこととはいえ、これまでYouTubeで子ども向けコンテンツを配信して収益を得ていたクリエイターにとって痛手であり、プラットフォーマーとしても苦渋の決断だったと考えられます。今後の進展にも注目が集まります。

参考:https://www.excite.co.jp/news/article/Itmedia_news_20200107074/, https://jp.techcrunch.com/2020/01/08/2020-01-06-youtube-starts-limiting-ad-targeting-and-data-collection-on-kids-content/, https://support.google.com/youtube/answer/9383587?hl=ja

ユーザーのコメント履歴を閲覧できる新機能「Profile card」を追加

1月17日、YouTubeでは、視聴しているチャンネル上で他のユーザーのコメント履歴やアクティビティーを確認できる新機能「Profile card」をリリースし、数日中にAndroid版を提供するとわかりました。

これまで配信者の情報は、プロフィール名や登録チャンネル、最近のコメントが一般公開されていました。こうした既存のデータを統合し1カ所で参照できるようになります。

昨年9月から海外で試験導入されていた機能が追加されることになりました。同機能により配信者の基本情報やコメント履歴がまとまったバナーが画面下部に表示されます。視聴者にとって配信者を知り、フォローするきっかけになるため、YouTube運用中やこれから始める担当者は設定すべき項目と言えるでしょう。

レポート執筆中の2月3日時点ではiPhoneとAndroidそれぞれの端末でYouTubeアプリを確認しても表示されてませんでした。ただし、近日中には反映されるとのことです。

参考:https://japan.cnet.com/article/35148132/, https://support.google.com/youtube/thread/25546270

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