企業のソーシャルメディアでユーモアのある投稿をする方法【書き起こし】
2020/09/10
どうも、ガイアックスの重枝です。本日はソーシャルメディアでユーモアのある投稿をする方法についてお話しさせていただきます。
※本記事は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルで配信した内容を書き起こしてまとめたものです。
1. SNSでのユーモア
先日私が勉強会を開催した際に、参加者の方から「ユーモアのある投稿ってどうすればできるんですか?」という質問を受けました。じつは私がユーモアたっぷりだということを、よく見抜いていただいたなと思いました(笑)。
例えばSHARPやタニタのように、企業アカウントの中でもユーモアのある投稿をする人はおられます。センスのある人のように投稿すれば、バズりやすく人々に受け止められやすいため「ユーモアのある投稿をしよう」「おもしろい投稿をしよう」と思われるのは当然でしょう。
しかし、誰もがユーモアのセンスがあるわけではありません。そこで今回は、ユーモアに自信がない人でもSNSでユーモアのある投稿をする2つの方法をお話させていただきます。
2. ユーモアがあると見せかける方法
1つは、ユーモアがなくても補助輪をつけてユーモアがあるように見せかける、基本的に誰でもできる方法です。
もし、これができなければおもしろい投稿はあきらめたほうがいいかもしれません。この方法では以下のような例でテンプレ(テンプレート)を使います。
X(Twitter)などのミームのテンプレ事例
インターネット上でネタになっているミーム(模倣して拡散されていくある題材)があるとしましょう。「テンプレ(ミーム)を活用する」とは、型に題材を当てはめて、みんなが大喜利のように自分のいろいろなアイデアを披露するというものになります。
最近流行ったもので「私のことが好きシリーズ」というX(Twitter)上のミームがありました。
乙女ゲームかギャルゲームなどが由来のようで、そういったゲームやアニメ、ドラマの人物相関図のテンプレートに、有名人などを自分と関係者(主に異性)として当てはめて架空の人間関係を作るのです。
例えば、女優の石原さとみさんを自分とし、竹野内豊さんや玉木宏さんなどの二枚目俳優を周囲の人物として職業や性格などを設定し、人物の説明の最後に「私のことが好き」と書かれているというものになります。
現在の私の相関図も作りました pic.twitter.com/KZNDqyJRDU
— MAI@イエベ秋 (@MAI07275090) April 29, 2020
こういった乙女ゲーム(あるいはギャルゲーム)のような人物相関図のテンプレに自分と好きな人物を当てはめて、周囲の異性がすべて自分に好意を抱いているという妄想の人間関係図を作り、SNSで公開して遊ぶという事例です。
CMコピーのテンプレ事例
ほかには元がCMだったものに当てはめる事例もあります。
昔のCMですが「こだまでしょうか」というのを覚えておられるでしょうか。AC(公共広告機構)のCMで以下のようなコピーがテンプレートになります。
馬鹿って言うと馬鹿って言う
もう遊ばないって言うと遊ばないって言う
そうして後で寂しくなって
ごめんねって言うとごめんねって言う
こだまでしょうか いいえ誰でも(公益社団法人ACジャパン広告より)
要は「コミュニケーションというものは自分の態度によって相手も変わるので、なるべく良いコミュニケーションをしましょう」といったメッセージの公共広告なのですが、これをいろいろ改変して遊ぶ方法です。改変した例がこちらです。
「遊ぼう」って言うと「もっと大きな声で!」って言う。「馬鹿」って言うと「もっと!もっと腹から!」って言う。「もう遊ばない」っていうと「ダメダメ!本気でぶつかってこいよ!」って言う。「ごめんね」って言うと「はい伝わった今ごめんって伝わったよ!」って言う。こだまでしょうか?いいえ修造
— 善浪 (@zennami) March 16, 2011
こちらは、ACのCMのテンプレートに松岡修造さんが言いそうな熱い言葉に変換したものです。または以下のような例もあります。
「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。「馬鹿」っていうと「馬鹿」っていう。「もう遊ばない」っていうと「もう遊ばない」っていう。そうして、あとでさみしくなって、「ごめんね」っていうと「ごめんね」っていう。こだまでしょうか、いいえ、こちらはスカイプ音声テストサービスです。ピーポー音
— くろろ (@2get_kuroro) March 17, 2011
昔Skypeで、マイクが接続できているかを調べるために自分の声を録音し、それを聞いて返ってきたらつながっているという機能があったのですが、それをネタとしているのですね。
聞こえますか構文などのテンプレ
企業活用の事例でいうと、聞こえますか構文というものがあります。元ネタは「2ちゃんねる」だといわれていますが、以下のようなテンプレートです。
あなたの心に直接呼びかけています…)
これに好きなものを当てはめていくわけですが、例えば、以前の動画でも紹介した全農広報部の公式のアカウントに以下の例があります。牛乳の消費量を増やそうということでバズった投稿で、ラッシーの作り方をこのテンプレに当てはめています。
(……きこえますか…みなさん… 全農です… 今… お買い物をしている…あなたの…心に…直接… 呼びかけています…牛乳と…ヨーグルトを…追加で…買うのです…その2つと…お砂糖を混ぜて…ラッシーを…作るのです…おいしくて…大量に飲めます…単独でだけ…味わっている…場合では…ありません…) https://t.co/QbZKNOpAJf pic.twitter.com/Q2k1bOyPcs
— 全農広報部【公式】日本の食を味わう (@zennoh_food) April 22, 2020
このような形で改変すると、ユーモアのある投稿になります。テンプレートに当てはまっている、有益な情報が載せられていると思うと、ユーザーは笑ってくれるし拡散もしてくれるということです。
ユーモアのあるアカウントで有名なSHARPさんのアカウントでも、2012年ごろの投稿に以下のような例があります。
(……きこえますか…きこえますか…フォロワーの…みなさん… シャープです… 今… あなたの…心に…直接… 呼びかけています…イグゾースマホ…もうすぐ…発売…いくぞうとか言ってる…場合では…ありません…あなたが…見る…のは…イグゾー…イグゾーを…見るのです…イグゾーを触るのです…)
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) November 27, 2012
当時、新しく発売するスマホをこの構文に当てはめて宣伝をされていた例になります。
テンプレやコピペ、ネタ、〇〇構文のような形で調べるとさまざまなパターンが出ると思います。このようなものに当てはめて投稿を作っていくと、簡単にユーモアのある投稿ができるのです。
3. ユーモア力を鍛える
もう1つは、無理やりユーモア力を鍛えようという方法論になります。
前述のような方法を使って、たくさん投稿すればユーモア力は鍛えられるわけですが、まだおもしろくない段階でもユーザーの評価を逐一受けることになり、リアクションがなければ良かったのか悪かったのか分からないこともあります。こういう場合に私がよくおすすめしているのは「bokete(ボケて)」というアプリです。
アプリ「bokete(ボケて)」で鍛える
boketeは、出題者と回答者に分かれて「出題者」がお題を出し「回答者」が大喜利で答えるというもので、例えばこんなお題があります。
(アプリ「bokete」より)
これにおもしろい答えを考えて書き込むのですが、この例では「遺憾の意を表明します」「うぇ~いwうぇ~いw」「人気者だから無理だわ」などの回答があります。どれも一生懸命ボケているわけですが、こういった回答にはあまりリアクションがありません。
一方このお題に対して人気を集めている答えが、一言「何で?」というものです。
「コイツ性格悪いなと感じさせてください」といっているのに「え、何で?」と、この問題自体を否定する性格の悪さを表現している投稿ですが、これには人気が集まっています。
このようにboketeは自分の投稿が良かったかどうかがユーザーの投票によって決まるアプリなのです。
辛口の評価がもらえるので、このアプリをやり込むと自分の本当のユーモア力みたいなことが丸裸になり、そこで精神と時の部屋(※アニメ『ドラゴンボール』に登場する、現実世界の1日で1年分の時間が流れる部屋)的に鍛えられるということです。
私も誰にもアカウントを教えず秘密でこのアプリを利用しており、じつはそこそこ星をもらっているのですが、このような形でX(Twitter)のネタを考えるときの基礎体力をつけています。
以上のようにユーモアのある投稿をするには、テンプレートなどの補助を使ってユーモアがあるふうに見せかける方法と、「bokete」などのアプリを利用して無理やりユーモア力を鍛えるという2つのソリューションがあります。ぜひ、お試しください。
4. 最後に
本記事の内容は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルでも配信しています。
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この記事を書いた人:重枝義樹