ソーシャルメディアマーケティング事業部 部長 管大輔
SNSマーケティング業界の現状は決して明るいとは言えません。
例えばInstagram。昨年に広告配信が許可され、瞬く間に広告を出稿する企業が増えましたが、そのクリエイティブの多くがInstagramの世界観を無視した酷いものでした。
Facebookやtwitterについても同様です。最近では、各 SNSの世界観を考慮せず自社のことをアピールするだけのクリエイティブを使用する企業が増えてきている印象があります。
私たちはこの現状を非常に危惧しています。このようなことを企業がしていては、届けたい情報をユーザーに届けられないので結果としてSNS活用は上手くいかないですし、そもそもそのような企業の情報発信を嫌がるユーザーがSNSから離れてしまうことにも繋がるからです。
Facebook、twitter、Instagram。各SNSにはそれぞれに特徴があり、風習があり、文化があります。だからこそ、SNSによってそこに集まるユーザーが異なり、その場でやり取りされるコンテンツも大きく異なるのです。
そもそもユーザーは、企業の情報を知りたくてSNSにアクセスするのではありません。他のユーザーとコミュニケーションを取るためにSNSへアクセスします。このようなユーザーに対して、企業が自社の宣伝やPRをしても反応されないし、むしろ嫌がられるのは当然です。ユーザーに求められていない情報を発信している企業がまだまだ多いのが現状です。
SNSで間違った情報発信をしていると、良い成果が期待できないだけでなく、むしろマイナスイメージを与えてしまう恐れもあります。
求めていない情報を企業が発信し続ければ、ユーザーは当然不快感を持ちます。投稿をブロックされたり、ファンやフォローを解除されたり、最悪の場合にはユーザー間で話題にされて炎上を引き起こす可能性もあります。
SNSは取り組みやすい反面、注意して運用しないとこのようなリスクもあるのです。そのため、運用を始める際にはどんなコンテンツであればユーザーに受け入れてもらえるのかを入念に検討し、実際に運用を開始した後も適宜振り返りをしながらコンテンツをブラッシュアップをしていくことが重要になります。
企業がSNSを活用する主な理由は、SNSの利用者数が非常に多いこと、ユーザーに直接情報を届けることができること、場合によっては情報の拡散も見込めること、ではないでしょうか。
10代〜20代はSNSを利用している時間は1日に50分にもなると言われており(※参照)、数千万人のユーザーがいてアクティブ率も高いとなると、もはや一種のマスメディアであると言えます。
このような場に企業が露出することによって、これまで繋がりを持てていなかった潜在顧客層との接点を持つことで新規顧客の開拓をしたり、ブランディングの促進、既存顧客へのフォローなどを目的にSNSを運用する企業が多いというのが現状だと推測します。
参照:情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査【総務省】
もちろん企業によってSNSを活用するに至った背景や期待する成果が異なるため、一概に言うことはできません。しかし、どんな企業でも絶対に守るべきルールがあります。それは各SNSが持つ世界観を理解し、ユーザー視点でコンテンツを作成して発信することです。
企業アカウントは本来、SNSにおいては邪魔者扱いされるという認識を持っておいた方が良いです。元々ユーザー同士がコミュニケーションを取る場に参加させてもらっている立場なのです。そのことを十分に認識して運用を行うことが重要です。
その上で、ユーザーに受け入れられるにはどうすれば良いか、各SNSの独自の世界観を壊さずに情報を発信するにはどうすれば良いか、これを突き詰めて考える必要があります。そうすればFacebook、twitter、Instagramに同じ画像、同じ文章で投稿するようなこと起こらないはずです。
いかにユーザーに受け入れてもらえるか。その場の世界観に適したコンテンツを作れるか。これができて初めて、企業が情報発信をすることを許されると考えています。
それぞれの世界観を踏まえて情報を発信し、ユーザーの興味関心を引くことができれば、ユーザー間の会話のネタとして瞬く間にその情報は拡散します。自社のアカウントのファンやフォロワーだけでなく、これまで繋がりのなかったユーザーに対して、無料で情報を届けることができるのです。加えてその情報は自分の友達が拡散しているものなので、より好意的に受け取られやすいです。
また、関係性ができてくると、ユーザーからコメントやメッセージを受け取る機会も増えてきます。これまで直接的なコミュニケーションを取ることが難しかったメーカーなどの企業も、SNS上であればユーザーと直にやり取りをすることができます。このようなインタラクティブ性もSNSの魅力の一つです。
SNSの特性を理解し、ユーザーが喜ぶ質の高いコンテンツを発信することができれば、少ない予算でも大きな成果をあげられる可能性があります。これが、企業が行なうべきSNSマーケティングの理想的なあり方ではないでしょうか。
私たちは、SNS上で身勝手な情報を発信する企業をなくし、ユーザーと企業が共存できる場を作ることが、SNSマーケティングの更なる発展に繋がると考えています。
そしてその上で、自社が届けたい情報を最適な形でユーザーに届けることができる企業を少しでも増やすことが、私たちソーシャルメディアラボの役割と捉えています。
ソーシャルメディアラボでは、企業のSNSアカウントやSNS広告の運用を代行する業務が現在のメインのサービスですが、これは私たちの本意ではありません。
本来、SNSマーケティングは社内で担当者を据えてしっかりと取り組むべき施策です。なぜなら、その企業の独自の文化や理念、提供しているサービスの価値などについて最も理解が深いのは、その企業の中にいる人だからです。SNSマーケティングを全て外注化してしまっては、社内にノウハウが溜まらないし、ユーザーとの関係性を深めることは非常に難しいです。
ソーシャルメディアラボの強みは、圧倒的な情報収集能力と、多くのクライアント運用実績から得たSNS運用の知見・ノウハウです。日々国内外を問わず最新情報を収集し、数百にのぼるクライアントの運用を行っています。
その上で、私たちが担うべき役割は、クライアントのSNSマーケティングを全て代行することではなく、クライアントとともに最適なSNSの活用を考える、パートナーとしての役割だと考えています。
SNSのトレンドを踏まえ、ユーザー目線でコンテンツを作るのは、自社だけではなかなか厳しいです。情報収集にコストが掛かりますし、ユーザー目線というのもできているようで、実際に行うのはなかなか難しいです。
そのような際に、私たちが第三者の視点から、SNSのメディア特性やトレンドを踏まえた上で、企業が作成したコンテンツを最適な形で発信することができるようにサポートするというのが私たちの最適な役割だと認識しています。
私たちは、SNS領域におけるベストパートナーであり続ける、というミッションを掲げ、クライアントの最適なSNSマーケティングの実現に取り組んでいます。