Facebookはファンを増やすだけでは意味がない!リクルートSUUMOから学ぶファン獲得・運用・効果測定方針

2012/11/01

Facebookのファンは多ければ良いという訳ではない!

SUUMOインタビュー後編

前編の『リクルートSUUMOから学ぶFacebookの使い方5つのポイント|Facebook戦略策定の押さえ所。』に続いて、SUUMOのFacebook活用のインタビュー記事をお届けします。

この後編では、SUUMOのファン獲得やウォール運用の方針、効果測定の考え方についてご紹介します。

■目次

1.「低頻度高単価商材」なSUUMOのソーシャルメディアの使い方

2.TVCMの課題をソーシャルメディアで補完

3.先行者メリットを享受するために真っ先にFacebookページを開設  ←ここまで前回記事

4.ファン数は多ければ良いという訳ではない。 いまここ。

5.Facebookページの効果測定の考え方:利用経験率を上げたい。

4.ファン数は多ければ良いという訳ではない。


GaiaXソーシャルメディア ラボ(以下、ガイアックス)井出 :

SUUMOさんでは、ファンの獲得方法や方針についてはどのようにお考えでしょうか?


株式会社リクルート(以下、リクルート) 田島さん :

前述のように、SUUMOではFacebookページの目的やターゲットが明確になっています。ですので、単純にファン数を増やしていけば良いとは思っていません。

▼SUUMOのFacebookページの狙い

ソーシャルメディアを活用したソーシャルメディアマーケティング【SUUMO】

今後SUUMOの利用につながる方との関係性を築くことを重視しています。ファンの数と合わせて関係性の質が大事だと考えています。

エンゲージメントが重要

ファンになって頂いても、その後、エンゲージメントを築いていかなくては意味がありません。

キャラクターの「スーモ」やその仲間たちをフックにまずは関係性を作り、日々のウォールでのコミュニケーションを通じてエンゲージメントを高めて行きたいと思っています。

昨今のFacebookにおいては参画企業ページも増えましたし、Facebookの仕様変更の影響もあり、ファン数の自然増が難しくなって来ています。

いいね!、コメント数、シェア回数などのインタラクション数と新規ファンの増加については相関が見えづらくなってきています。

また、Facebook広告は、単純に広告出稿量を増やしたからといって新規ファン数を増やせるものでもありません。

こういった背景もありコンテンツの種類を増やしたり小さなキャンペーンを実施するなど、既存のファンの方との関係性を活性化しながら新しいファンを増やしていけないかと日々検討しています。

5.Facebookページの効果測定の考え方:利用経験率を上げたい。


ガイアックス 井出 :

SUUMOさんでは、Facebookページの運用効果を定期的に社内にフィードバックしているとの事ですが、最後に、どのような視点でFacebookページの効果測定をされているか教えて頂けないでしょうか?


リクルート 田島さん :

SUUMOのマーケティング施策全体に言えるのですが、「SUUMOサイトの利用経験率の向上」をKGIとしています。

その構成要素としてSUUMOブランドへの「認知度」「好意度」「利用意向度」の向上もあわせて確認しています。

Facebookページの運用でも同様に、『SUUMOを利用してみたことがある』という人を増やす事がゴールになっているのです。

ネットリサーチを使った利用経験調査

どれくらい利用経験率が上がったかは、ログなどのKPI指標とは別に、CM投下時に定量調査を行い定点的に確認しています。

▼ソーシャルメディア接触におけるユーザーセグメント別の、好意度・利用意向の調査1

好意度、利用意向

その結果、SUUMOサイトの利用経験の有無にかかわらず、SUUMOのソーシャルメディアに接触している人はしていない人よりも「好意度」「利用意向」が高いという結果が出ています。

※画像をクリックすると拡大します※

▼ソーシャルメディア接触のユーザーセグメント別の、好意度・利用意向の調査2

ソーシャル接触者の認知度【SUUMO】

ブランドイメージも同様に、SUUMOサイトの利用有無に関わらずSUUMOのソーシャル施策に接触した人は、していない人よりも各ブランドイメージ項目が高いという結果が出ています。

好意度、利用経験率の推移

更には前回お話しした潜在層にむけた統合ブランドコミュニケーションの結果、「好意度」が向上するだけでなく、SUUMOサイトの「利用経験率」が向上する結果を得られました。

潜在層にアプローチした統合ブランドコミュニケーションが検討層をも動かすという結果に結びついたのです。

潜在層と継続的にコミュニケーションをとることができ、マスとWEBを有機的に連携させることで検討層をも動かすことのできるソーシャルメディアの活用は今後も積極的に行っていきたいと思っています。


以上、インタビュー後編の『Facebookはファンを増やすだけでは意味がない!リクルートSUUMOから学ぶファン獲得・運用・効果測定方針』でした。

前編をまだご覧になっていない方は以下よりご覧下さい。

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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