X(Twitter)の新しいマーケティング手法!「リプライマーケティング」とは?

2016/07/05

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かつてはバナー広告に代表されるような「枠型」が主流だったWeb広告。しかしあからさまな広告はどんどんユーザーに見られなくなっています。広告への嫌悪感が強まるなかで、企業はどうやってユーザーにアプローチしていけばいいのでしょうか?今回ご紹介する「リプライマーケティング」はそのような問題の一つの答えとなり得るマーケティング手法です。X(Twitter)を活用する新しい手法「リプライマーケティング」について、アディッシュ株式会社でサービス責任者を務める古飛様にお話を伺いました。

Interview / ソーシャルメディアラボ編集長 大久保亮佑

    ■目次

  1. プロフィール
  2. 新しいX(Twitter)マーケティング手法「リプライマーケティング」
  3. なぜリプライマーケティングが重要なのか
  4. リプライマーケティングを実施するうえでの注意点
  5. アディッシュが実施したリプライマーケティング事例
  6. 今後の展望

プロフィール

古飛千絵子氏:アディッシュ株式会社 サービス責任者

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新しいX(Twitter)マーケティングの手法「リプライマーケティング」

リプライマーケティングとは

大久保:そもそも「リプライマーケティング」とはどういったものでしょうか。

古飛氏(以下敬称略):この言葉自体は弊社で作ったものです。X(Twitter)を利用したマーケティング手法で、具体的には、X(Twitter)に投稿されている「困っている」とか「探している」というつぶやきに対して、個別サービスを紹介するリプライを送付し、サービスの認知や利用につなげる手法です。

例えば、「民泊」のような比較的新しいサービスの場合、そもそもユーザーが民泊という概念自体知らなかったりしますよね。それで、「嵐のライブチケット取れたのにホテルもう取れない(泣)」みたいなツイートをする。その時リプライマーケティングなら、「民泊という選択肢もあるよ」というふうにアプローチできるんです。

リプライマーケティングとは

ユーザーの困りごとやニーズに対してリプライする様子

アクティブサポートとの違い

大久保:X(Twitter)だといわゆる「アクティブサポート」が一般的に行われていると思います。2つの違いはなんですか?

古飛:「アクティブサポート」はカスタマーサポート的要素が強く、既にサービスを知っているユーザーや、利用中のユーザー向けですが、「リプライマーケティング」はまだサービスを知らないユーザーを発掘します。見込み顧客に対してアプローチできるという点が、アクティブサポートとリプライマーケティングの大きな違いですね。

大久保:御社はアクティブサポートサービスも提供していますが、新たにリプライマーケティングに取り組もうと思ったきっかけはなんだったんですか?

古飛:海外の事例を見て取り入れました。
たとえばWindowsは「Windows」という単語だけでなくて、「New computer」とか「computer」だけというキーワードに対してリプライをして、「Windowsにも様々な商品ラインナップがありますよ」というような提案を多くしています。

リプライマーケティング_Windows

ノートPCを探しているユーザーに対してリプライするWindowsのアカウント

ほかにもNetflixなどは「Netflix」というワードではなく、Netflixで配信されている番組のタイトルに反応してアクションしています。

リプライマーケティング_Netflix

ドラマ名をツイートしたユーザーに対してリプライするNetflixのアカウント

その他にも多くの事例があり、日本でもニーズがあるのではないかと思いました。

なぜリプライマーケティングが重要なのか

リプライマーケティングの重要性

大久保:なぜ今リプライマーケティングが重要なのでしょうか?

古飛:同じマーケティングでも、広告だと狙いたい層に本当に見られているかわかりません。その点リプライマーケティングでは、ニーズがある人をピンポイントで狙って「こういうサービスがあるんだ」という発見を与えることができます。

もう一つはコミュニケーションをベースにした広告ができるという点ですね。従来の広告がどんどん嫌われるようになっていますが、リプライマーケティングは実際に困っている人とやり取りして情報を提供しているので、そういった拒否反応は出にくいです。

向いている業界やビジネス

大久保:リプライマーケティングはどういった企業向きの手法ですか?

古飛:まだあまり知られていないサービスと相性がいいです。最初に例に挙げた「民泊」や、「カーシェア」など、X(Twitter)上にニーズが顕在化しやすく、かつまだ認知が広まっていないようなサービスです。ピンポイントなニーズに対して「気づかせる」ことができるのが特徴なので、ターゲットが明確なサービスも相性がいいですね。
逆に、広告で広く浅く宣伝していきたいという企業にはあまり向いていません。

リプライマーケティングを実施するうえでのポイント

運用時の注意点

adish_古飛様02大久保:リプライマーケティングを実践するにあたって、注意すべき点などはありますか?

古飛:細かいノウハウはいろいろありますが、一番気をつけるべき点は3つ。
①関連するつぶやきをしているユーザー全員に闇雲にリプライを送らないこと
②前後のツイートを見てニーズや拡散力を確認すること
③リプライ以外のつぶやきも含めて継続してアカウント運用すること
ですね。

大久保:1つ目の「闇雲にリプライを送らない」という点について、特定のつぶやきをしているユーザーに対して、テンプレートを自動で送るようなことはしないんですか?

古飛:そうです。リプライマーケティングの「ピンポイントのニーズにアプローチできる」というメリットを生かすために、一つ一つをカスタマイズして送っています。自動化できたら効率的ではありますが、それでは広告臭が強くなってしまいますから。ユーザーとコミュニケーションを取りながら、最終的にサービス紹介に繋げるという方が、明らかに反応が良いですね。

大久保:2つ目の「前後のツイートを確認する」という点について、もう少し詳しく教えてください。

古飛:これは、その人の前後のツイートをみて、特定の話題についてどれくらいつぶやいているかや、X(Twitter)上で他のユーザーと活発にやり取りしているかなどを見ています。そうすることでニーズの中身や強さをより理解できますし、X(Twitter)上の活動が盛んな人は反応してくれる可能性が高く、他のユーザーに拡散してくれたりもする。逆に過去にネガティブなツイートが多いようなユーザーへのリプライは避けるなどのフィルタリングもしています。

ツイートをクロールして、特定のニーズを持った人を見つけてくるところは、自社のツールを使えばある程度自動化できます。ですが、実際にリプライするかの最終確認は人力でやっている部分も多いです。

大久保:なるほど。運用にはかなり手間をかけているんですね。最後の「継続して運用する」というのは?

古飛:これはシンプルで、ユーザーさんがアカウントのホームを見たときに、リプライしかなかったらちょっと怪しいですよね。中の人がちゃんといて、生きたアカウントだというのを見せられるように、サービスに関連することを日頃からツイートするようにしています。

企業アカウントのリプライに対するユーザーの反応は?

大久保:このリプライマーケティング、どれくらい反応や成果があるんですか?

古飛:だいたい60%くらいはリプライで紹介するサービスURLをクリックまたはお気に入り登録してくれます。あと、厳密に取りきれていませんが、20%弱が、後日紹介したサービスについてつぶやいてくれたりします。結構ポジティブに捉えてくれる人が多いです。

大久保:「なんでこの企業は自分のつぶやき見ているんだ」「うざい」みたいな反応はないんですか?

古飛:いまのところはないですね。実際の運用の際には、ネガティブな反応が返ってきた場合の対応も事前に決めておきますが、それよりもお気に入りに登録するとか、きちっとリプライで返ってくるというパターンが圧倒的に多いです。

アディッシュが実施したリプライマーケティング事例

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大久保:どのようなつぶやきに対してどんなリプライを送るのかなど、具体的な事例を教えてください。

古飛:たとえば先程の民泊の例をもう少し詳しくお伝えすると、「夏休みに北海道行きたい」というツイートに対して「北海道のどのあたりですか?」とヒアリングに入ったりします。「旅行」や「地域名」に反応して、ユーザーの状況に合わせてリプライしていくイメージですね。

あとは電子書籍などの事例もあります。海外事例として挙げたNetflixが近いのですが、書籍名が入ったツイートをピックアップしてリプライします。書籍の場合だと、そのタイトルをツイートした人が読みたい人とは限らなくて、すでに読んだ人もひっかかって来るんです。そのあたりは人力でフィルタリングして「読みたい!」という状態のユーザーだけにアプローチするようにしています。

今後の展望

大久保:最後に、新しい「リプライマーケティング」という手法を提供していくにあたっての展望などを教えてください。

古飛:幸いなことに、クライアントの皆様からは「新しくて面白い手法」とご好評いただいています。ただ、自社でやろうとするとそこまで時間をかけてやれない、片手間ではやれないということがほとんどです。さらに「ユーザーに話しかけたときに、どんな反応が返ってくるかわからない」という点も不安に感じるようです。
その点、弊社はアクティブサポートサービスも提供していて、効率化するための自社ツールもありますし、ユーザーさんとのやり取りに関する知見はかなり溜まっているので、全面的にサポートできます。

「ソーシャルメディアに見込み顧客がいるなら、どうにかしてアプローチしたい、でもどうしたらいいかわからない」という声は多く聞きます。そしてリプライマーケティングならその課題を解決できます。ユーザーさんとの新しいコミュニケーションを模索している企業の皆様に是非活用していただければと思っています。


アディッシュが提供するリプライマーケティングサービス:https://frontsupport.jp/

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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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