ニュースフィードの表示順はどう決まる?Facebook・X(Twitter)・Instagramに分けて徹底解説

2017/01/20

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SNSでいつも目にしているニュースフィード。そのニュースフィードの表示順に、単純な投稿の新着順以外の独自のアルゴリズムがあることはご存知でしょうか?

本記事では、Facebook・X(Twitter)・Instagramを例に、表示順を決定するアルゴリズムを解説し、投稿をより多くのユーザーに見てもらえる(リーチする)にはどうすれば良いか分析していきます。

※更新履歴
2017年5月26日:Facebookのアルゴリズムについて、最新情報をもとに加筆修正しました。
2017年4月5日:Facebookのアルゴリズムについて、最新情報をもとに加筆修正しました。

    ■目次

  1. Facebookのニュースフィード表示アルゴリズム
  2. X(Twitter)のタイムラインの表示順
  3. Instagramのフィード表示アルゴリズム
  4. まとめ

1. Facebookのニュースフィード表示アルゴリズム

投稿のエッジランクという概念について

Facebookのニュースフィードには、「ハイライト」と「最新情報」があります。「最新情報」は時系列で表示され、「ハイライト」はFacebook独自のアルゴリズムによって表示順が調整されます。デフォルトがハイライトなので、ほぼすべてのユーザーはハイライト表示のニュースフィードとなっています。

かつてハイライトの表示順を決めるのは、親密度、重み、経過時間からなる「エッジランク」でした。

▼エッジランクの3要素
Facebookキャプチャ1

現在では、エッジランクという仕組みは導入されておらず、Facebook自身もエッジランクという表現ではなくアルゴリズムという表現を使っています。エッジランクよりもさらに要素が増え、複雑化しているのです。

エッジランクの要素や根本的な考え方は、現在のアルゴリズムに通ずるものがあります。しかしながら、エッジランクという用語は今後使われなくなっていくので、アルゴリズムという呼び方に慣れていくことをおすすめします。

エッジランクについてより詳しく知りたい方は、「Facebookの『エッジランク』の3要素と、各要素の優先順位」をご参照ください。

ニュースフィードの表示順を決める要素は?

Facebookのニュースフィードを決定する要素には、主に4つの要因があります。

Facebookキャプチャ2画像引用(動画内)
http://newsroom.fb.com/news/2016/04/news-feed-fyi-from-f8-how-news-feed-works/

①誰が投稿をしたか

1つ目の要素は誰が投稿をし、そのユーザーの投稿にどれだけ興味を示しているのかというものです。この興味とは、いいね!やコメントのエンゲージメントに関すること以外に、そのユーザーの投稿へのクリックやPVも含まれます。

2016年6月のFacebookの公式ブログでは、親しい友人の投稿がニュースフィードの上位に表示されるようにアルゴリズムを更新したと名言されています。気にかけている人の投稿を見逃さないように改善するということです。

親しい友人の投稿を重視し上位表示するという変更後のアルゴリズムは、企業ページにとっては不利に働く可能性が高いです。とはいえ、投稿者は努力しても変えられません。このアルゴリズムのなかでも企業ページがリーチ数を減らさないためには、努力によって改善できる以下の3つの要素を押さえることが重要です。

参考:News Feed FYI: Helping Make Sure You Don’t Miss Stories from Friends | Facebook Newsroom

②ほかのユーザーのその投稿への反応

2つ目の要素は、エンゲージメント率です。ある投稿に対して多くのユーザーが反応しているとそのコンテンツは面白いものだとFacebookが判断し、ニュースフィードに表示されやすくなります。ここで言う反応に含まれるのは、いいね!などの気軽なものから、コメント、投稿のクリック、リンクのクリック、投稿のシェアなどです。

また、「超いいね!・うけるね・すごいね・悲しいね・ひどいね」のいいね!以外の反応が加わってからは、いいね!以外のこれら5つの反応のほうが、いいね!ボタンよりも若干ながらエンゲージメント率に影響力があるとされています。

その背景には、Facebookはいいね!は興味の指標があいまいなリアクションである一方、そのほかの反応を選ぶにはアイコンの長押しと選択が必要で、ユーザーの強い意志や感情表現の種類を受け取れるためです。

これを踏まえて、いいね!以外の「超いいね!・うけるね・すごいね・悲しいね・ひどいね」のリアクションを引き出すような投稿をすることも、エンゲージメント率を高めてより多くの人にリーチするための施策の1つとして有効かもしれません。

■事例:UEFA Champions League

リアクションボタンを上手く活用した事例としてサッカーリーグのFacebookページの投稿をご紹介します。この投稿では4人の人気ストライカーをリストアップし、それぞれの写真にリアクションサインを振り分けて、今夜最高の試合をすると思う選手のリアクションボタンをクリックすることで投票を促しています。

選択肢があらかじめ用意されているので、ライトなファンでもいいね!以外のリアクションを押しやすいのはもちろん、理由も添えたいディープなファンによってコメント欄も活性化された好施策となりました。

複数のリアクションを使った投稿については、LINEのタイムライン活用事例が参考になります。

関連記事:
LINE公式アカウントのタイムライン投稿活用事例と活用ポイントまとめ

③どのようなタイプの投稿か

3つ目の要素は、ユーザーが好む投稿のタイプです。写真、動画、リンク、他アプリやサイトからのコンテンツなど、ユーザーが好んで反応するものが、その後もニュースフィードに表示されるようになります。

④いつ投稿されたか

4つ目は、投稿から経過した時間です。投稿時間が新しいものほどニュースフィードに表示されやすくなります。しかし、ユーザーが長期間ログインしていなかった場合、時間に関係なく重要だと判断された過去の投稿が、次のログイン時に表示されることもあります。

以上4つの要素を軸として1つ1つに投稿にスコアが付けられ、スコアが高いものが優先的にニュースフィードに表示されるのです。

Facebookキャプチャ3画像引用(動画内)
http://newsroom.fb.com/news/2016/04/news-feed-fyi-from-f8-how-news-feed-works/

フェイクニュース、フィルターバブルとFacebookのアルゴリズム

Facebookでは日々新しいアルゴリズムのテストが行われ、改善されています。現在ニュースフィードのアルゴリズムの弊害として表面化しており、改善が求められているのが「フェイクニュースの拡散」「フィルターバブル」と呼ばれる問題です。

フェイクニュースとは、真偽がはっきりしない偽のニュース、嘘のニュースのことです。あたかも事実のように書かれた根拠不明のフェイクニュースは、2016年のアメリカ大統領選挙で悪用され、世論に大いなる影響を与えました。単純に根拠が薄いならまだしも、Webサイトのページビューを増やすために、「真っ赤な嘘」の内容をでっち上げる場合もあります。

さらに、アルゴリズムが「ユーザーが知りたいであろう情報を推定して上位に表示する」機能を果たすことにより、それらのフェイクニュースが特定の政治的思想を持った集団内で拡散されたり、思想・価値観を強化する内容(それがフェイクの場合もある)ばかりがニュースフィードに表示されたりします。これがフィルターバブルです。

現在でも多岐にわたるフェイクニュースが、スパム業者によってSNSに拡散され、特定の層に熱狂的な支持を受ける問題が起こっています。

関連記事:
「信じたいものを信じる」、Post Truth時代へ。 ソーシャルメディアはどこへ向かう?

Facebookアルゴリズムのフェイクニュース問題への対応

2017年1月、Facebookはより信頼性の高い情報が評価されるための新しいアルゴリズムの導入を発表しました。情報の真偽を判別して評価するシグナルの導入と、関連性の高い投稿をリアルタイムで予測し、ランク付けする仕組みです。

真偽の判別は、ユーザーのリアクションに基づきます。いいね、コメント、シェアなどのリアクションから、投稿の重要度、真偽が識別されるのです。さらに、ユーザーの友達やフィード購読者のリアクションもリアルタイムで精査されます。

ただ、真偽の判断の精度を高めても「フィルターバブル」の問題は解決できません。情報が偏ってしまいがちなアルゴリズムを改善するために、2017年4月には、ニュースフィードに流れてきたニュース記事の下に関連記事を表示する機能を追加しました。記事や投稿に対して、同じような記事、関連のある記事だけでなく、別の視点や情報を含んだ記事を表示する機能です。

画像引用:https://newsroom.fb.com/news/2017/04/news-feed-fyi-new-test-with-related-articles/

真偽不明の投稿を排除し、信頼性の高いニュースだけでなく、様々な視点を持った記事を表示させることで、フェイクニュースとフィルターバブル問題に取り組んでいます。

Facebookのアルゴリズムに関する最新情報は「News Feed FYI」でチェック

こういったFacebookのニュースフィードのアルゴリズムに関する最新情報は、「News Feed FYI」から閲覧できます。Facebook運営を担当している方であれば、定期的にチェックすることをおすすめします。

関連記事:
Facebookニュースフィードのアルゴリズム最新情報!基本方針と変更の変遷

アルゴリズム変更に惑わされないように

Facebookのアルゴリズムは頻繁に変更されます。そのため、アルゴリズム変更に惑わされないためには随時アカウントの効果測定を行い、ユーザーから反応を得ることができるような有益なコンテンツを投稿し続けることが重要です。アルゴリズムの変更にいちいち右往左往するのではなく、常に本質を考えるようにしましょう。

2. X(Twitter)のタイムラインの表示順

いつから現状のタイムライン表示になった?

以前のタイムラインは単純に上から新着順で投稿が並んでいました。しかし、2016年2月10日以降、ユーザーの趣向や好みをアルゴリズムが選定し、それに関するツイートが新着順の上部に優先的に表示されるという表示順に変更されました。

なぜこのような表示順に変更したのでしょうか?

それは、従来の新着順の表示ではユーザーが注目すべきツイートを見逃してしまったり、フォローが多くツイートの流れが早い人がツイートを見にくかったりと、使いにくさが生じていたからです。この機能を導入することでアカウントの規模に関係なく、ツイッターの使い勝手が良くなり、改善されたとされています。

「最近の重要なツイート」がTOPに表示

「最近の重要なツイート」は、過去に返信やリツイート、いいね!などで反応したことのあるツイートやアカウントを考慮して選出されています。また新着順と「最近の重要なツイート」の他に「前回ログインからのできごと」として、見逃している可能性のあるツイートがTOPに表示される場合もあります。

なお、このアルゴリズム導入による「最近の重要な表示のツイート」を表示する機能は、OFFにすることも可能です。その場合は、従来と変わらず投稿の新着順で表示されます。しかしながら「最近の重要なツイート」機能がデフォルト設定ということもあり、基本的には多くのユーザーが同機能を使用すると考えられます。

3. Instagramのフィード表示アルゴリズム

アルゴリズムはいつから導入された?

Instagramのアルゴリズム導入は、2016年6月に行われました。

Instagramの調査によると、アルゴリズム導入前の時系列順の投稿表示ではユーザーが投稿の70%を見逃していましたが、導入後はコメントやいいね!などのエンゲージメントが増加したということです。

フィードの表示順を決める要素は?

それでは、このアルゴリズムはどのような要素から成り立っているのでしょうか? Instagramの公式ブログでは次のように定義されています。

The order of photos and videos in your feed will be based on the likelihood you’ll be interested in the content, your relationship with the person posting and the timeliness of the post.

出典:http://blog.instagram.com/post/141107034797/160315-news

意訳すると、「ユーザーのフィード画面の写真や動画の順番は、各ユーザーが興味のありそうなコンテンツや投稿の関係性、投稿時間などがもとになって決定され、表示される」ということになります。

注意点として挙げられることは、このアルゴリズムが強制導入になっているということです。つまり、X(Twitter)のようにユーザーの意向でアルゴリズム導入前の時系列順の状態に戻すことはできないのです。

4. まとめ

ここまで、Facebook・X(Twitter)・Instagramのニュースフィード表示のアルゴリズムを解説しました。この3つのSNSのアルゴリズムを踏まえて、ユーザーのニーズにマッチするコンテンツを投稿するより多くの人に投稿を見てもらうためのポイントを2点ご紹介します。

独自のコンテンツを含んだ投稿

SNSの投稿表示順は、従来の時系列順から各ユーザーの好みにマッチした表示順へと移行しています。つまり、ターゲットとなるユーザーの好みに合うような投稿をすることが重要なのです。

そのためには、投稿に一貫性を持たせることでニーズがマッチしているユーザーだけにフォローしてもらえるようにしたり、単純な画像や動画ではないクイズやキャンペーンなどを付けたアカウント独自のコンテンツを用いたりと様々な工夫が必要なのです。

ユーザーとの関係性を深める

ご紹介した3つSNSのアルゴリズムから、ユーザーとの親密度はどのSNSにおいても重要であることが分かります。
つまり、ユーザーがアクションをしてくれるような投稿をすることが必須条件なのです。ユーザー参加型のイベント性を持った投稿やアンケートを含んだ投稿など、いいね!やコメント以外にユーザーがついアクションを起こしたくなるような投稿をするのも良い手かもしれません。

各SNSのアルゴリズムを理解したうえでこのポイントをおさえた投稿をすれば、より良い投稿ができると思います。ぜひ試してみてください。

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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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