Webでも視聴率が取れるようになる! ニールセンがデジタル広告視聴率のサービスを提供開始

2015/10/07

リサーチ会社のニールセンは、7月14日に日本で正式に「ニールセン デジタル広告視聴率」の提供を開始しました。

これにより、オンライン広告にクリック数以外の効果計測方法を導入し、「自社広告がターゲット層にいかに到達したか」をテレビ広告のGRPと同様の指標で管理できるようになります。

そこで今回は、デジタル広告視聴率でどのようなことがわかるのかについて詳しく触れていきます。

    ■目次

    1.ニールセン デジタル広告視聴率とは

    2.ニールセン デジタル広告視聴率の効果分析の指標とは

    3.最後に

ニールセン デジタル広告視聴率とは

ニールセン デジタル広告視聴率では、オンラインでのブランディング広告キャンペーンのリーチ(到達度)を計測します。

これにより広告主は、従来指標としてみていた「クリック数」以外に、「自社広告がターゲット層にいかに到達したか」をテレビ広告のGRP(Gross Rating Point/テレビコマーシャルを放映した本数にそれぞれの番組の視聴率を掛けた総和)と同様の指標で管理できるようになります。

そのサービス主な特徴としては以下の3項目になります。

包括的なデジタル広告測定と分析

デジタル広告視聴率は、スマートフォンおよびタブレットを対象としたデジタル広告効果測定ソリューションです。パソコン、モバイル端末からの広告リーチを、重複を除いて統合・分析した結果がリアルタイムにレポートされます。

ビューアビリティ(広告が見られているか)を検証

広告が実際に視聴者に見られたのかを、米国のオンライン広告業界団体(Interactive Advertising Bureau: IAB)が定める業界指標3MSに則った広告効果測定で実施されます。

ビューアビリティの測定には業界リーダーであるIntegral Ad Science社の手法を採用しています。

デイリーレポート

すべてのキャンペーンにおいて、期間中にPC、スマートフォン、タブレットを含むあらゆるデジタル媒体で計測されたユニークオーディエンス数、インプレッション、リーチ、フリクエンシー、GRPが翌日にレポートされます。

視聴データは属性(年齢、性別)ごと、広告媒体社とプレースメントごとに詳しく分析ができます。

ニールセン デジタル広告視聴率の効果分析の指標とは

ニールセンはデジタル広告の効果分析においては、下記の3つのR指標をもとに計測すると述べています。

Reach(キャンペーンはターゲットにリーチできたか)

今回の「ニールセン デジタル広告視聴率」の日本でのサービス提供は、Facebook社とのパートナーシップによって実現しています。

日本で2,300万人のユーザー数を誇るFacebookの巨大なデータベースをパネルと見立て、その情報とニールセンの持つ市場代表性の高いオンライン・パネルの情報とを複合的に組み合わせることにより、日本のオンライン・ユーザーで広告に接触した人々を性別、年齢層まで把握することが可能になります。

そうすることで正確で信頼性の高いデジタル広告の属性別のリーチ、フリークエンシー、GRP指標を提供します。

Resonance(キャンペーンは共感されたか)

デジタル広告の効果(ブランド想起、ブランド認知、好感度や購買意欲)を計測し、リアルタイムでキャンペーンを最適化するプラットフォームが提供されます。

Reaction(キャンペーンは期待した行動をもたらしたか)

デジタル広告のみならず、全てのマーケティング活動ごとのインパクトを分析し、それぞれの活動のROIが把握でき、広告主のマーケティング活動の収益性の向上が見込めます。

オンライン広告業界の底上げにつながると期待されている本サービスは、すでにアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ブラジル 、オーストラリア、シンガポール、インドネシア、中国、日本の12か国で展開しており、今後はフィリピン、タイ、マレーシアとメキシコでの提供開始を予定されています。

また、調査結果は24時間以内にオンラインのインターフェース上に表示され、広告主は自社の広告キャンペーンの結果をすぐに知ることができ、その結果に応じて広告を改善し最適化できるようになります。

広告主や広告代理店、媒体社などは、同サービスを使うことで、広告効果をより正確に検証でき、他社比較や検討が可能になります。

最後に

さまざまなオンライン・メディア上の広告キャンペーンに接触している消費者を、より良く理解する方法を求め続けてきた広告主、広告代理店、媒体社にとって、このサービスは、まさにニーズに応えるサービスだと言えます。

特に、ブランドのマーケティング担当者は、従来型広告の場合と同様に自社のデジタル広告についても、想定通りの消費者へリーチできていたのかを把握したいと常々思っていましたが、デジタル広告効果を正確かつ迅速に測定し、すぐに必要な改善策を打つことが至難の業でした。

だからこそ、デジタル広告においてもキャンペーンの費用対効果を測定し、リアルタイムのリーチ最適化やROIの向上を可能にしたという点で、デジタル広告視聴率という革新的な測定手法は、非常に価値のあるサービスなのではないでしょうか。

具体的に今回提供されるデジタル広告視聴率の良さは、「正確な分析力」と「スピード」にあると思います。

これまでブランディング広告は、認知度向上の為にやらなくてはいけないものだと広告主は認識しているものの、その効果が本当に発揮されているのか否かという点は、検証できないまま、なんとなく継続的に実施している企業が多く存在していました。

しかしながら、デジタル広告視聴率の提供によって、広告効果のより正確な分析が可能となることで、その問題は解決され、費用対効果が明白になり、他社比較や継続投資あるいは停止などの判断が可能となります。

効果が明白になり、良し悪しの判断が可能となることで、日本のデジタル広告市場の拡大性は増すのではと思われます。

そして、調査結果のフィードバックのスピードの早さは、広告効果の早期改善に寄与します。

特にデジタル広告は、1秒でも早い改善がその後の効率や効果を大きく変えます。そういった意味でもフィードバックが早く、デイリーでレポートが確認できるといった点は、非常にメリットのある特徴だと言えます。

「ニールセン デジタル広告視聴率」は、消費者のニーズに応え、オンライン広告における効果検証を行うことができます。そしてこの指標は、今後大きな成長が期待される動画広告にとっても、重要なものとなってくるのではないでしょうか。

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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