9月の主要SNSニュースまとめ! 国内TikTokユーザー、平均年齢は34歳。Pinterestが国内で広告事業の開始を発表ほか

2021/10/08

皆さんいかがお過ごしですか? 先月で緊急事態宣言が終わり、表面的には少しずつ以前の生活に戻ってきましたね。

9月は以前から導入がささやかれていたX(Twitter)の新しいサブスクサービス「Super Follows」が米国で開始されたり、Instagramでも投稿の表示場所や範囲を変える「Favorites」のテストが始まるなどアップデートがあり、その他には参考になる調査が幾つか上がってきました。ご覧ください。

    ■目次

  1. X(Twitter)
  2. Instagram
  3. TikTok
  4. Pinterest

1. X(Twitter)

有料サブスク「Super Follows」を米国で開始

現地時間9月1日、X(Twitter)は6月から申し込みを受け付けていた有料サブスク機能「Super Follows」の提供を米国で開始しました。

ユーザーはお気に入りのアカウントを月額料金を払って購読し、特別なコンテンツにアクセスできるようになります。

月額料金は、2.99ドル(約330円)、4.99ドル(約550円)、9.99ドル(約1,100円)から選んで課金できる仕組みです。

もし日本でも導入されれば、有力な発信者とその支持者を中心に、スーパーフォローを行わないと見られない情報がやり取りされる文化が生まれると考えられます。YouTubeのチャンネルメンバーシップ機能のように利用されていくかもしれません。

また、同社が有料サービスに力を入れる理由は収益化可能な1日あたりのユーザー数を増やしたいという経営的な思惑もうかがえます。CEOのジャック・ドーシー氏は今年2月、アナリスト向けの説明会で「2023年に年間売上高を現在の2倍以上にする」と表明し、新しい収益源を作る手段として、クリエイターの経済圏に可能性を見出していると言えます。

参考:https://jp.techcrunch.com/2021/09/02/2021-09-01-twitter-super-follows-monetization/

特定のテーマが好きな人同士で集まれる新機能「Communities」のテスト開始


現地時間9月9日、X(Twitter)は、同じ興味を持つ人々と特定のトピックについて会話するための新機能「Communities」のテストを開始しました。

まず犬、天気、スニーカー、スキンケア、などのコミュニティが立ち上げられました。立ち上げ段階では招待制ですが、将来的にはユーザーが参加したいコミュニティを見つけて参加できるようにしていきたいそうです。

デモ動画を見る限り、投稿時に配信先が複数表示され、Facebookグループのように自分の関心のあるコミュニティを選択することで、ツイートを通常のタイムラインとは別に流せるようです。

匿名性と拡散性が特徴のX(Twitter)において、同機能はユーザー視点で見ると、興味関心を共有しているユーザー間に情報が限定されることで、誤解や不当な主張によって予期せぬ炎上に巻き込まれる従来のリスクが減ると言えます。

また企業担当者としては、自らが熱量の高いコミュニティを見つけ(あるいは作成し)、他ユーザーとより深く交流できる機会が得られると考えられます。

参考:https://twitter.com/HiCommunities/status/1435649202810404864,
https://blog.twitter.com/en_us/topics/product/2021/testing-communities,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2109/09/news083.html

顔や拍手の絵文字だけで、ツイートに反応できる機能を一部の地域でテスト開始

現地時間9月9日、X(Twitter)は、トルコにて期間限定で、「Tweet Reactions」をテスト中です。今後、同テストを全世界に展開することも考えられます。

絵文字をクリックしてツイートに反応できる機能で、絵文字はハート以外に、笑い泣きの顔、涙の悲しい顔、考え中の顔、拍手の4つがあります。ツイートにあるハートのアイコンを長押しすると、アクセスできます。

特定のツイートに対して「いいね」だけではユーザーの押した意図が伝わりづらい問題がありました。Facebookがリアクションを増やしたように、X(Twitter)でもコミュニケーションの活性化のために検討されている可能性があります。

もし導入されれば、上記の観点から今まで「いいね」を敬遠していたユーザが絵文字によるリアクションを行うことで、エンゲージメント総数が伸びる場合もあるかもしれません。また企業担当者においては、これらが運用にどう反映されるのか注意する必要があります。

参考:https://japan.cnet.com/article/35176490/, https://news.yahoo.co.jp/articles/e4c6320b85f5ea07a44555ed7a0b5a4a101fcee6

お金を送ったり受け取ったりできる新機能「チップ」が導入。まずはiOS版から

https://blog.twitter.com/ja_jp/topics/product/2021/bringing-tips-to-everyone

9月24日、X(Twitter)は、新たに「チップ(Tips)」機能の提供を開始しました。現在iOS版で利用可能、数週間でAndroid版でも利用可能になる予定です。同機能では各種決済サービスを通じ、お気に入りのユーザーに対してチップを送金できます。

プロフィールページのフォローボタンの隣にチップアイコンが表示されていれば、チップ機能が有効になっているということです。

ユーザーと有力な発信者間でお金の送受信が行われるケースが主だと考えれますが、企業担当者としては完全に無関係という訳ではありません。

X(Twitter)がクリエイターに対してこうした金銭的な支援を行い、惹きつけようと努力する理由は、彼らがユーザーを呼び込み利用を続けさせることに役立つと考えるためです。

以前も紹介しましたが、企業にとっては収益化で勢いづくクリエイターたちが将来競合となり、ユーザーの可処分時間の奪い合いがもっと進む可能性すら秘めています。

参考:https://blog.twitter.com/ja_jp/topics/product/2021/bringing-tips-to-everyone,
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1353203.html

2. Instagram

Z世代は服装の情報収集時にInstagramを最も使う【SHIBUYA109 lab.調査】

https://shibuya109lab.jp/article/210914.html

9月14日、「SHIBUYA109 lab.」は、独自ネットワークに所属するaround20(15~24歳)のZ世代対象に行った「Z世代のファッションに関する調査」の結果を公表しました。

ファッションに関する普段の情報収集と購入時の検索方法は、ともにInstagramが1位で、情報収集では83.4%、購入時の検索では47.8%の人が、Instagramを使っていることがわかりました。

同調査では服の購入時に重視する点について、「デザインの良さ(63.9%)」や「サイズ感(55.1%)」、「着回しがしやすい(44.9%)」との回答が得られています。このようなユーザーのニーズとInstagramの親和性が高いことが、その他のSNSと比べて突出して使われる理由であると考えられます。

実際に、Instagramでは企業投稿だけでなく、服に詳しいスタッフ、目利きのインフルエンサーや友人知人など、様々な種類の情報に静止画や動画で触れられ、ライブ配信やDMで質問もできるため熱量のある人は欲しい情報にも手が届く設計になっています。

企業担当者としては、自社がInstagramを使うことで、どのユーザーのどんな悩みを解消できる(あるいはどんな要望に応える)コンテンツを訴求すべきなのかを第一に検討する必要があると言えます。

参考:https://shibuya109lab.jp/article/210914.html, https://netshop.impress.co.jp/node/9076

お気に入りアカウントの投稿を見逃さない新機能「Favorites」を開発中


現地時間9月9日、Instagramが「Favorites」という新機能を開発中であると明らかになりました。特定のユーザーを対象に、コンテンツを表示できるようになります。

同機能では、ユーザーはフォローしているInstagramアカウントで検索してFavoritesのリストを作ることができ、いつでも編集可能です。ユーザーが誰かのFavoritesに加えられても通知はされないようになっています。

同機能は導入が決まったわけではありませんが、将来X(Twitter)のリスト機能のように定期的に見たいアカウントをまとめておき、そのアカウント群を一気にチェックするというような使われ方が普及するかもしれません。

また、Forbesの取材によると「ユーザーは特定のコンテンツを指定したフォロワー限定で公開できるようになる」とも言われおり、将来的に企業やインフルエンサーがユーザーに対してFavoritesへの登録を促し、限定コンテンツを投稿していく文化が生まれる可能性もあります。

参考:https://twitter.com/alex193a/status/1435919581277609989,
https://jp.techcrunch.com/2021/09/14/2021-09-13-instagram-is-building-a-favorites-feature-so-you-dont-miss-important-posts/,
https://forbesjapan.com/articles/detail/16736

米国大手経済紙の批判を受け、13歳未満向けサービスの開発を一時停止

https://about.instagram.com/blog/announcements/using-research-to-improve-your-experience

現地時間9月27日、Facebookは、13歳未満向けサービス「Instagram Kids」のプロジェクトを一時停止することを発表しました。10~12歳の子供向けに、参加には保護者の許可が必要で広告は非表示、保護者がアプリ利用を管理できる「Instagram Kids」を提供しようとしていましたが、米WSJがInstagramの若者への悪影響を報道したことで批判が高まり、一時停止の決断となりました。

WSJによる批判内容に同社は反論しつつも、開発の一時停止をしています(10月7日時点)。

前提としてInstagramでは、安全性の観点から13歳以下は原則利用を制限し、2019年以降には新規登録者に年齢を確認する仕組みが導入されています。今回問題が指摘された「Instagram Kids」はInstagram本体サービスを利用できない10~12歳以下を対象に、広告が表示されず楽しめる媒体とする予定でした。同サービスは安全目的とはいえ、実質的に10~12歳以下のユーザーを早期に囲う、Instagram利用への「玄関口」であり中長期でメリットをもたらすサービスだったことは否めません。

補足ですが、現在Instagramでは16歳未満のユーザーアカウントが非公開になり、18歳未満のユーザーには成人ユーザーからのDMが制限されるなど、若年層を守る規制を積極的に行っています。

参考:https://about.instagram.com/blog/announcements/using-research-to-improve-your-experience,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2109/28/news075.html,
https://www.wsj.com/articles/facebook-knows-instagram-is-toxic-for-teen-girls-company-documents-show-11631620739

3. TikTok

日本のTikTokユーザーは平均34歳だと判明【博報堂調査】

9月3日、(株)博報堂DYメディアパートナーズと(株)博報堂の共同研究プロジェクト「コンテンツビジネスラボ」は、全国の15~69歳男女約5,000人が対象の「コンテンツファン消費行動調査」2021年版を公表しました。

調査ではTikTokユーザーの実像やコンテンツ消費の実態、広告のあり方を分析。TikTokユーザーは若年層が主体で、平均年齢34歳。この数字は2019年以降毎年上昇しています。

TikTokは数年前まで「若い女性がダンスを踊っている短尺動画SNSである」「視聴者は女子高生、女子大生が多い」などと囁かれていました。同データは10~20代の利用が突出していることを示した上で、ユーザーの平均年齢は34歳であり、かつての風説を覆す根拠になっています。

こうした変遷からTikTokで楽しめるコンテンツはダンスやお笑いに加え、アニメやゲーム、漫画といった分野まで増え、ユーザー層が広がっている様子をうかがい知れます。

参考:https://www.hakuhodody-media.co.jp/newsrelease/report/20210903_30402.html, https://digiday.jp/platforms/the-real-image-of-tiktok-users-from-the-content-fans-consumption-behavior-survey/

米英にて、TikTokの「動画の平均再生時間」がYouTubeを超える

現地時間9月6日、アプリ調査会社App Annieの新たな調査結果によると、アメリカとイギリスで、TikTokの「1ユーザーあたりの平均動画再生時間」が、YouTubeを超えました。

YouTubeの月間ユーザー数は推定20億人、TikTokは7億人のため、アプリ全体の平均動画再生時間はYouTubeの方が多くなりますが、「1ユーザーあたり」に換算すると平均動画再生時間はTikTokの方が長くなります。

同エリアのYouTubeユーザー数が20億でTikTokは7億であり、分母の違うそれら二つをそれぞれ平均すると後者の平均動画再生時間が上回ったという調査です。ただし、比べ方のせいでYouTubeの滞在時間が相対的に少なく見えてしまう点は注意が必要です。

しかし、コロナ以前からユーザー数の世界的な増加が報道されているTikTokにおいて、米英のユーザー1人あたりの平均利用時間がYouTubeを上回るという統計的な根拠は、同国でマーケティング活用を検討する広告主やマーケターにとって心強い情報と言えるでしょう。

日本国内ではYouTubeが6,500万MAU、TikTokが950万であり、世界とは普及状況は異なりますが、ユーザーの活発度合いも考慮に入れ、今後の施策に加えるべきかを検討するのは有益だといえます。

参考:https://gigazine.net/news/20210907-tiktok-youtube-average-watch-time/, https://www.nme.com/news/music/tiktok-passes-youtube-for-average-watch-time-in-uk-and-us-3038483

4. Pinterest

2022年前半に日本で広告事業を開始すると発表

9月7日、Pinterestは、日本で2022年前半に広告事業の開始を発表しました。2021年第2四半期の収益は前年比125%増の6億1,300万ドル、過去1年間で欧州の広告主の数は2倍に成長しました。日本は31カ国目の広告展開国になるそうです。

東京オフィスの拡大、45人以上の新規採用予定など2014年のオフィス開設以来、最大のPinterest Japanチームの事業拡大となります。

世界30ヵ国以上で企業の広告活用が進んでいるPinterestは、予算やターゲティング設定に加えて静止画や動画とリンクを登録することで出稿可能です。

公式インタビューによると、Pinterestは検索語の97%が非指名検索だそうです。つまりブランド名の指名検索より、「夏 旅行」「赤 革靴」など、情報収集段階の利用がほとんどです。そのため、現時点で認知度が確立できていない企業や商材であっても広告で訴求することで効果的に消費の初期段階のユーザーに覚えてもらえます。今後の実導入に期待が高まります。

参考:https://help.pinterest.com/en/business/article/promoted-pins-overview,
https://japan.cnet.com/article/35176254/,
https://business.pinterest.com/en/creative-best-practices/,
https://japan.cnet.com/article/35169052/

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