【2024年9月の主要SNSニュースまとめ】

2024/10/07

 

今月もラボ編集部より最新ニュースと解説をお届けします!

 


 

本記事は企業のSNSマーケティングを包括的に支援をしているガイアックスが解説しています。運用実績10年以上、大手企業を中心に累計1,000社以上の運用実績があります。

SNS運用、SNSキャンペーンに興味のあるご担当者様は、ガイアックスにご相談ください。

 


 

■目次

  1. 動向データ
  2. Meta
  3. X(Twitter)
  4. Instagram
  5. その他SNS
  6. 企業炎上
  7. SNS好事例|かどや製油ノベルティ
  8. SNS好事例|かっぱえびせん&新幹線
  9. SNS好事例|ヤンマーTikTok

1. 動向データ

【消費者のLINE通知メッセージ利用実態調査2024】約6割が認知、うち約8割は利用経験あり、約6割がID連携経験あり

日本時間9月4日、モビルス株式会社が、CX(顧客体験)向上を支援するテクノロジー「CXブランディングテック」の調査・普及を行う「CX-Branding Tech. Lab」の取り組みとして、LINE通知メッセージを知っている、全国の男女671人を対象に実施した「LINE通知メッセージの利用実態調査」の結果を発表したことが明らかになりました。

「LINE通知メッセージの受け取り経験」を尋ねたところ、「はい」が78%、年齢別においても約7割以上が受け取り経験があり、LINE通知メッセージは幅広い年齢層で利用されていることが伺えます。

 

LINEは日本国内で月間9,700万人が利用しており、「コミュニケーションインフラ」の一つとして欠かせなくなっています。InstagramやXのような情報発信を主目的とする媒体とは少し役割が異なり、主にCRMとしての役割で活用されていることが多くなっています。

通知メッセージ認知層の8割が利用、うち46%が通知メッセージをきっかけに友達追加をしており、調査によると「配送物のお届け予定を受け取れる」ことをメリットに感じています。

企業としては利便性の高い通知を受け取れるコミュニケーションツールとしてLINEが有効活用できることが伺えます。

 

参考:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000274.000031387.html

2. Meta

第三者ファクトチェックプログラムを日本で開始

日本時間9月2日、Metaは、FacebookやInstagram、Threads上での誤情報拡散防止に関する取り組みの一環として、第三者によるファクトチェックプログラムを日本で開始しました。

Metaのファクトチェックプログラムは、2016年以来、世界60以上の言語で活動する約100の団体に拡大しています。

この第三者ファクトチェックプログラムでは、独立したファクトチェッカーが、一次情報源へのインタビュー、公開データの調査、写真や動画などのメディアの分析を含む独自の記事を通じて、情報の正確性を審査、評価しています。

 

SNSの利用者増加に伴い、フェイクニュースや誤情報も問題視されることが増えてきました。

提携先の一般社団法人リトマスは、世界各国のファクトチェックメディアから成る中立的な連合である、国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)の加盟団体として認定されており、ファクトチェックにて虚偽等と評価されたコンテンツは配信と閲覧者を減らし、ラベルを付け、シェアしようとする人に通知されるようになります。

媒体の情報信頼性を担保する動きは、企業活用視点でも安心できる取組となりそうです。

 

参考:
https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP677637_S4A900C2000000/
https://www.facebook.com/formedia/mjp/programs/third-party-fact-checking

3. X(Twitter)

Xへの来年の出稿、グローバルマーケ担当者26%が削減を検討

英国時間9月5日、市場調査会社カンターが発表した報告書により、ロンドン(CNN) Xに出稿する企業のマーケティング担当者の26%が、過激コンテンツでブランドが毀損される可能性への懸念から、来年の広告費削減を検討していることが判明しました。

実現すると、世界の主要広告プラットフォームで過去最大規模の撤退となります。

Xへの出稿が「ブランドの安全性」、過激コンテンツの隣に表示されない確信をもたらすと考えるマーケティング担当者はわずか4%で、Google広告の39%とは大きな差が付いています。

 

ロンドンの調査会社カンターが、27カ国のマーケターへのインタビューした結果に基いた内容です。

Xは近年日々予測不可能な変化も多く、ブランドセーフティの観点から優先度を下げる外資企業の傾向などがありました。

一方、広告の量が減ることで、消費者のXに対する広告好感度は上昇しているようです。

日本においては、Xの利用ユーザー数が世界第2位とも言われており、他国と比較すると利用が根強い傾向にあります。

グローバルの動きも理解しつつ、直近の自社データを確認をしながら引き続き動向を確認していくのが良いでしょう。

 

参考:
https://www.cnn.co.jp/tech/35223640.html

4. Instagram

Instagramに新機能が続々登場中。テキスト機能の新エフェクトや紙吹雪が舞うノートの裏技

日本時間9月4日、Instagramでの新しい音楽機能やテキストツールの登場が明らかになりました。

全ユーザーに向けて順次公開されているニューバージョンのテキスト機能では、新しいフォントやエフェクトが豊富に展開されています。

プロフィールアイコンに、テキストや好きな音楽をアップできるノート機能もあります。

ノートに特定の絵文字を入力すると、お誕生日やお祝いムードにぴったりな、紙吹雪のアニメーションが表示されるようになっています。

また、フィード投稿も、より魅力的にパワーアップしています。

 

Instagramで続々と新機能が登場しています。

ストーリーズのテキストエフェクトには「ゆらゆら」と「ピクセル」が新たに追加、ノート機能の紙吹雪アニメーション、フィード投稿への音楽追加、フィードは最大20枚まで画像が投稿できるようになりました。

SNSの特徴の1つはプラットフォームの新機能やアップデートが常にあること。

企業の運用担当としては事前に計画していたものが予定変更…という場面も多いですが、最新機能はユーザーの注目を集めやすい側面もあります。

ユーザーと一緒に新機能を楽しむスタンスで、自社ならどう活用できそうかを企画してみましょう。

 

参考:
https://isuta.jp/category/iphone/2024/09/623230

5. その他SNS

Amazonが「Pinterest」「TikTok」と連携、その理由は? アプリ内でシームレスに買い物できる新機能を展開

日本時間8月29日、Amazonが、ユーザーが自身のAmazonアカウントを写真共有サービス「Pinterest」または動画共有アプリ「TikTok」に連携すると、シームレスにAmazonの商品を買い物できる新機能を発表したことが明らかになりました。

専門家は、Amazonにとって顧客層が広がるといったメリットのほか、販売されるブランドの管理、小売事業者によるプラットフォームへのますますの依存、独占禁止法などの規制の問題などに関する潜在的なリスクをもたらすなどのデメリットも生じる可能性があると指摘しています。

 

パーチェスファネルにおいて、トップ&ミドルファネルに強みのあるSNSにボトムファネルの強化が進んでいます。

米国でのリリースとなり、現時点で日本での提供はありませんが、SNSアプリ内のショッピング機能を拡大することで、顧客がソーシャルメディア上で買い物することがより便利になる流れはトレンドとしては日本への展開も十分考えられるでしょう。

小売事業者とプラットフォームの関係が深くなればなる程依存のリスクは高まりますが、まずはユーザー活用がどの程度進むのか引き続き注視が必要です。

 

参考:
https://news.yahoo.co.jp/articles/f2dad1dfb57316c50a691f1d325cec9fcf167a17

6. 企業炎上

【牛角】“女性半額”キャンペーン「男性差別だ」と大炎上…「女性は小食」が一切通用しなかったワケ

日本時間8月30日、大手焼き肉チェーン「牛角」が2024年9月2日(月)~12日(木)の期間、女性が食べ放題コースを注文すると料金が半額になるキャンペーンを展開すると発表。

このキャンペーンについて、Xのグルメ情報発信アカウントが取り上げる投稿をしたところ、9月1日17時半時点で、10万件を超える“いいね”が集まる大反響となりました。

女性ユーザーたちから歓迎の声が挙がっている一方、女性客のみを対象とした値引きに対する批判が男性ユーザーたちから挙がり、厳しい意見が相次ぎました。

 

背景は「TOKYO GIRLS COLLECTION」への出展記念で、女性が男性に比べて、食べ放題の肉4皿分少ないというデータを元に、期間限定の女性への販促キャンペーンを実施した、というのがマーケティングとしての視点となります。

キャンペーン自体は通常通り実施されており、実際に本キャンペーンをきっかけに牛角に行った、という女性のクチコミも多数見受けられました。

大きな問題があった、とまでは言えないですが、特に近年はジェンダーバイアスについて批判を浴びやすい傾向もあるため、意図はなかったとしても、生活者がどのように受け取るかという考慮はしておいた方が良いでしょう。

 

参考:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000448.000018604.html
https://www.gyukaku.ne.jp/pdf/release_20240830.pdf

ゆうちょ銀行の広告に「Mizuho Bank」と記載の通帳が──「確認が不十分だった」と取り下げ

日本時間9月4日、ゆうちょ銀行は、Xで掲載していた広告に他金融機関の貯金通帳の画像が含まれていたと発表しました。

同行は原因について「広告制作に際しての確認が不十分であった」と説明。広告はすでに配信を停止しています。

フォントの違いから別の銀行の通帳を使っているのではと指摘する投稿が話題になっていました。

ゆうちょ銀行は「心よりおわび申し上げるとともに、今後この様な事態を招かぬよう、十分な確認を行うよう努める」と謝罪。再発防止に努めるとしています。

 

銀行の広告に他銀行の通帳画像が含まれていたことでユーザーから指摘が集まっています。

画像自体は、画像素材サイト「PIXTA」にある画像を使用していたとのことですが、どの広告主から出された広告なのか、という点において適切ではなかったという事例になります。

企業視点では、自社のポジションやステークホルダーを意識の上、適切な素材や訴求を意識していく必要があるでしょう。

 

参考:
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2409/04/news190.html

7. SNS好事例|かどや製油ノベルティ

「欲しい!」を生む!ごま油グッズが成功した3つの理由

かどや公式Xアカウントで、日本時間7月11日に投稿された「ごま油に見えるコップ」というノベルティグッズのプレゼントキャンペーンが話題になりました。

キャンペーン前日に、ノベルティの需要を喚起するティザー投稿で盛り上がりを醸成。

「ごま油にしか見えない」「是非商品化してほしい」といった期待通りのリプライが集まり、キャンペーン投稿への伏線として機能しました。

キャンペーンは7/22時点(参加締切7/19)で、約58万インプレッション、7,400いいね、2万リポスト、650コメントを獲得、多くの注目を集めました。

 

この一連の投稿は、以下の3つのポイントを掛け合わせたことで成功したと言えるでしょう。

  1. 夏と麦茶というシーズナル性|「麦茶をよく飲む夏」に合わせたタイミング
  2. 麦茶の茶色がごま油に見えるというユーモア|日常の中で「ごま油に見えるもの」を発見しSNS投稿に落とし込む発想力
  3. 非売品だから欲しくなるという心理や限定感|ここでしか手に入れられないものというレアさ

特に重要なのは②で「自社で取り扱っている商品やサービスが、どうなったら面白いか」を考えることです。

「麦茶?ごま油?どっち!?」と空目してしまう点がユーモアに富んでいてSNSライクです。実際のリプライから、ユーザーがユーモアを楽しんでいる様子が伝わってきます。

 

参考:
https://note.com/socialmedia_lab/n/ndd072c6452ec

8. SNS好事例|かっぱえびせん&新幹線

60周年コラボ 思わずSNSで投稿したくなる!X投稿キャンペーン徹底解説!

日本時間8月23日に投稿された、「浜松駅がかっぱえびせんに乗っ取られている」というXキャンペーンに注目が集まっています。

投稿は、3.1万いいね、4,221リポスト、105件ものリプライを獲得、179.5万インプレッションを記録しました。

このキャンペーンは、JR東海道新幹線とかっぱえびせんの60周年を記念して開催され、「新幹線の駅にえびを放流する」というユニークな設定になっています。

「かっぱえびせん」の「えび」ステッカー計60匹が東海道新幹線全17駅の改札内に掲出され、各駅で写真を撮りXに投稿することが参加条件です。

 

このキャンペーンのポイントは以下の3点です。

  1. 探して投稿したくなる工夫|参加のハードルを下げ、「えび」のステッカーを楽しく投稿
  2. UGCによる自然な拡散効果|興味を持たせる効果で、X投稿キャンペーンの理想的な展開
  3. 興味を引くハッシュタグ|「#新幹線駅にえび放流」で違和感を与え、興味を引く仕掛け

実際、ハッシュタグ投稿を見ると、駅名看板のほか、壁や静岡駅のおでんステッカーの中に隠れた「えび」もあり、ユーザーが楽しんでステッカーを探す様子が伺えます。

また、インセンティブは60周年を記念した2社コラボの限定ノベルティを用意。

ここでしか手に入らないノベルティは魅力的で、企業や商品のファンを巻き込むうえで非常に効果的です。

 

参考:
https://note.com/socialmedia_lab/n/n6673400f6a17

9. SNS好事例|ヤンマーTikTok

企業らしさとエンタメの両立。再現性とそのヒントとは?

@yanmarofficial バレずに一日密着出来たと思いますか?? #ヤンマー#YANMAR#密着 #広報社員の1日 ♬ So Real (Instrumental) – mabanua

@yanmarofficial 休憩中の嬉しい瞬間 #ヤンマー #YANMAR #嬉しい瞬間 #びわ工場 ♬ オリジナル楽曲 – YANMAR/ヤンマー【公式】

日本時間9月26日現在、ヤンマー公式のTikTok投稿が注目を集めています。

「広報社員の1日にこっそり密着してみた」投稿では、再生数22.2万、いいね1,050、コメント15、保存131、シェア93を獲得。

隠し撮りで広報社員の1日に密着、バレずに密着できるかというミッションにチャレンジするエンタメ要素のある投稿です。

「休憩中のうれしい瞬間」投稿は、再生数19.7万、いいね1,292、コメント21、保存86、シェア38を獲得。

うれしい瞬間はTikTokやリールでもトレンドのフォーマットで、他社でも活用されていました。

 

今回の重要なポイントは、

  1. スピーディーにTikTokのトレンドをキャッチし取り入れられるか
  2. キャッチしたトレンドをもとに企業のユニークさを活かした投稿企画~制作が行える体制があるか

の2点です。

伸びない投稿があることに一喜一憂せず、伸びる投稿・伸びない投稿の傾向をつかみながら、新しい投稿にチャレンジし続ける積み重ねが重要です。

社内で限界がある場合は、得意とする支援会社の力を借りることで実現できる確率が高まるでしょう。

TikTokは、適切なレコメンドと受動的なコンテンツ接触により、新たに企業や製品を知っている人を増やし、親近感が持てる投稿を通じて「好感が持てる」「(イメージとの)ギャップがあって好き」「もっと知りたい」といった企業のブランディングや好意度のアップも期待できます。

 

参考:
https://note.com/socialmedia_lab/n/nea4d15c553e4