ユーザー心理を突いて潜在顧客を獲得!”あなたはこの謎が解けますか?”|明治キシリッシュの大胆巧みなFacebookプロモーション術。
2013/07/23
大手企業の技アリなFacebookプロモーション、どんな戦略?
映画『真夏の方程式』と キシリッシュがタイアップしたキャンペーン告知を、店舗で見かけたことがある方もいらっしゃるかと思います。
このプロモーションに参画している株式会社 明治さんは、キシリッシュの公式Facebookページ「Xylish」を運営しています。
そのページ上で開催中の謎解きキャンペーン『君は、この謎が解けるか?-XYLISHからの挑戦状-』が現在話題となっており、今回はその施策について明治さんにインタビューに伺いました。
お話を伺って見えたことは、メディアの役割と そこから得られる効果を明確に切り分け、Facebookページ運用とキャンペーンの効果を 最大限に得られるような企画力と知恵。
目標達成のために考え抜かれたFacebookページ運用のストーリー設計。
運営には、株式会社 電通さんが運用支援としてサポートされており、ガイアックスは懸賞キャンペーンアプリのサービスを提供させていただいています。
大手企業 明治さんのプロモーション企画の実態から、ぜひ皆さんの参考になる情報をお届けできれば幸いです。
■目次
1.新旧2つのFacebookページ-異なる切り口で巧みにファンを獲得
2.見事にターゲット層が増加!そのプロモーション設計とは
3.参加したくなる要素が散りばめられたキャンペーンとその企画力
4.成功するためには、ファンに期待してもらい楽しんでもらうこと
お話を伺った方
株式会社 明治
マーケティング推進本部 宣伝部
制作グループ 専任課長
森田 次郎さん (左)
株式会社 電通
第4営業局
高橋 浩史さん (右)
1.新旧2つのFacebookページ-異なる切り口で巧みにファンを獲得
ガイアックス :
明治さんの自社商品であるキシリッシュのFacebookページ「Xylish」について、立ち上げの背景とコンセプトを教えてください。
株式会社 明治(以下、明治) 森田さん :
キシリッシュの公式Facebookページ「Xylish」は、『働くビジネスマンの息抜きのためのキシリッシュ』をコンセプトに、ビジネスマンやビジネスウーマンをターゲットにした商品のブランディングを目的として立ち上げたものです。
その背景の一つに、現在のページ「Xylish」の前身である「Xylish.Inc」というページの存在があるのですが、6月にその「Xylish.Inc」ページをリニューアルして、現在の「Xylish」の運営に移ったという経緯があります。
1st Step:商品イメージとビジネスシーンのイメージを合致させる
もともとのプロモーションでは、福山雅治さんを” Xylish.Inc”という架空の企業のCEOに見立てた設定の全体的な施策で、初めのFacebookページ「Xylish.Inc」はその一環で取り組みました。
「Xylish.Inc CEO福山雅治さんの元で働く社員を求める」という切り口で、ビジネスマンをメインにファン獲得を狙いました。
2nd Step:映画とタイアップしたキャンペーンでFbページを盛り上げる
次のステップでは、映画「真夏の方程式」とキシリッシュのタイアップ企画上でプロモーションを行っていくという経緯のもと、Facebookページを映画に掛けた謎解きのキャンペーンの仕様にリニューアルすることにしました。
ビジネスマンの息抜きなるようなクイズ問題とコンテンツ配信で、Facebookページのコンセプトを新たに確立しようというものです。
旧Facebookページでは、他メディアのプロモーションを活かしてファンの母数を獲得し、ビジネスシーンで想起してもらえるような商品イメージ作りを。
新Facebookページでは、基盤となる既存ファンを引き継いで、潜在顧客にも楽しんでもらえるキャンペーンをきっかけにページを活性化、新規ファンを獲得。そして商品のブランディングへ、という構想でいます。
2.見事にターゲット層が増加!そのプロモーション設計とは
ガイアックス :
公式HP上には、キシリッシュと映画がタイアップしたブランドサイトがありますね。
Facebookページとその他のメディアはそれぞれどのような役割で運用していますか? またその全体的なプロモーションの戦略を教えてください。
明治 森田さん :
こういった企画に対しては、例えば店舗と連動したマス広告を年2,3回の間隔で打ち出すといった手段を基本的にとるのですが、マス広告の効果というのは瞬発力と訴求力が高い反面、持続性がないのがデメリットです。
そこで、ファンへの継続したアプローチが可能なFacebookページ運用に、マス広告の効果が落ちる間をつなぐ役割を持たせました。マス広告には出来ないファンの累積化を、ソーシャルメディア活用の目的としました。
ブランドサイトでは、Facebookページとは異なるキャンペーンを開催するなどして、Web上で複数のメディアとコンテンツを活用したマーケティングに取り組んでいます。
(対象商品のキシリッシュに印字されているシリアルナンバーを入力して「謎」に挑戦すると、「ガリレオ 湯川学」の正解ムービーが視聴できるというキャンペーンを開催しています。)
ビジネスマンに支持されるコンテンツで男性ファン増加に成功
第1段階のプロモーションでは、働く福山雅治さんという魅力あるイメージのプロモーションだったので、「Xylish.Inc」のファンになってくれる方は順調に集まりました。
ですが、ターゲットであるビジネスマンに属さない福山雅治さんファンの女性がほとんどなのではという懸念もありました。
ファンのターゲティングを意識した運用が後のポイント
リニューアル後のFacebookページ「Xylish」では、ビジネスマン向けに訴求したいコンテンツやキャンペーンを開催する計画なので、確実なターゲティングが必要です。
そこで、旧ページ「Xylish.Inc」から新しいページの「Xylish」に移行する前に、ファンの男女比割合を数回に渡って、確認の調査をしました。
すると、前回調査の結果(男性2割・女性8割)よりも、男性が4割・女性が6割と、男性ファンが大幅に増えていることが分かりました。
これは戦略通りの結果でした。
有名人をプロモーションに起用しつつも、商品のビジネス的な切り口の見せ方を徹底したり、Facebookページのコンテンツや雰囲気も、ターゲットを意識して作りこんでいるので、その成果を狙い通り得られたと思います。
3.参加したくなる要素が散りばめられたキャンペーンとその企画力
ガイアックス :
映画「真夏の方程式」とタイアップしたキャンペーンということで、すぐには解けない難しいクイズを出題されていますね。これはどのように企画され、クイズが作成されているのですか?
明治 森田さん、株式会社 電通(以下、電通) 高橋さん :
これはクイズ問題を専門的に考案されている方に協力いただいて作成しています。
あまりに難しいクイズだとキャンペーンへの参加ハードルが高くなってしまいますが、映画をイメージさせる挑戦しがいのある難易度で、
且つビジネスマンの仕事の合間の頭の体操にもなるもので、数学者じゃなくても「やってみたい」と思わせるレベル感の問題を考えています。
今のところ参加者の正解率は思ったよりも高く、ファンからは「難しい」とか「簡単だった」とか、様々に好反応が得られていますよ。
「参加してみたい」「もう一度やってみたい」と思わせる誘導
また、キャンペーンの打ち出し方とクイズの出題方法も工夫しています。
キャンペーン開催期間の5週間のうち、クイズは1週間ごとに新しい謎を出題し、毎週正解者の中から抽選で2名に賞品が当たるという形式にしました。
キャンペーンを複数回に分けて継続して開催することで、賞品自体の価値やコストを変えることなく、ファンには毎回チャンスを提供することが出来ます。
結果的に 1回限りの参加で終わらないキャンペーンの実施と、よりファンの参加率が高まる仕組みを考えました。
4.成功するためには、ファンに期待してもらい楽しんでもらうこと
ガイアックス :
映画の要素が感じられるクイズに、総額100万円が当たるという豪華景品も魅力的で、ユーザーが参加したくなる設定となっていますね。
最もファンの興味を引くモノを賞品に設定
明治 森田さん、電通 高橋さん :
今回は期間が定められている映画とのタイアップ企画というのもあって、1回のキャンペーンでより多くのファンに参加してほしいという理由から、引きの強い現金を賞品に設定することにしました。
やはり賞品が現金だと参加者は集まりやすいと思います。ただ、とくに現金になるとリスクも発生するので、クイズ問題の答えは必ず1つになるように作るなどの対策を講じています。
何よりファンの方に期待してもらい、参加する楽しみを持っていただくことが企画として前提です。反応を得るためや諸々の条件から、賞品を現金にすることにしました。
キシリッシュファンを増やす!”息抜き”できる投稿コンテンツにも注目
ガイアックス :
様々な手段でのプロモーションと大胆なFacebookページ活用で、キャンペーンへの力の入れ様が伺えます。最後に、その想いをお聞かせください。
明治 森田さん :
とにかくこのキャンペーンに、ファンの方がたくさん参加し楽しんでくれて、Facebookページが盛り上がってほしいという想いで取り組んでいます。
そして1回のキャンペーンで施策が終わらないように、参加者からどれだけファン化へ促せるか、キシリッシュの商品ブランド認知へつなげられるか、配信コンテンツへのこだわりと商品訴求は継続していきたいです。
初めての試みだからこそ、専門企業の支援を活用しながらノウハウを学び、成果を確実に取りにいきたいと考えています。
以上、『ユーザー心理を突いて潜在顧客を獲得!”あなたはこの謎が解けますか?”|明治キシリッシュの大胆巧みなFacebookプロモーション術。』でした。
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