『LINEが目指す世界』をのぞいてきた!LINE@フォーラム登壇レポート。
2014/08/04
LINE@のビジネス展開の構想をちょっとお伝えします。
ここ最近LINEは、東京とNYでの上場に向かっている件が報道され、またアリババとソフトバンクのLINEへの出資が噂されています。
そんな動きのなか、(少し前ですが)6月12日と7月3日に開催された『LINE@フォーラム』に、ゲスト講師としてラボ編集長こと僕、末広が登壇して参りました。
LINE@は実店舗向けのローカルサービスで、現在5万5千以上の店舗が導入しています。5月16日に実装されたLINE@のリニューアルを記念して、今回のイベントは開催されました。
それぞれの会場で100名以上の企業のLINE@運用担当者様が集まった今回のイベント。僕自身、人見知りで人前で話すのがちょっと苦手な軽度のコミュ障のため、気合を入れてお話しさせていただきました(僕の中での葛藤については今回は割愛します)。
今回の記事では、その2つのフォーラムのレポートと称して、僕がお話しした内容や、実際にLINE@代表の長福社長やLINE@の運用担当者のお話を聞いて知った現場の課題、今後のLINE@の展開についてなどを、徒然と語っていきたいと思います。
■目次
LINE@セミナーに参加してきた。内容や思ったこと色々。
1.LINEの現状・リニューアルについて
-目玉はやっぱり『お店トーク』!
2.ガイアックスが話したこと
3.実際にLINE@運用担当者が直面している問題
4.「LINE@の目指す世界」とは?
5.LINEの課題・今後
1.LINEの現状・リニューアルについて
今回のイベントは、5月16日に実施されたLINE@の大幅リニューアル記念として開催されました。
前半は、LINE Business Partnersの長福社長が、LINEの現状や機能紹介・今後の展開などについてお話しされました。
特に気になった情報をいくつかピックアップします。
○LINEのユーザー数は5000万人、毎日利用するユーザーは3000万人超
○アジアでもユーザー数を大きく伸ばす
○5月16日より実装されたお店ページ・お店トークの紹介
○LINEは様々なマーケティングチャンネルのハブとしても活用できる
中でも目玉はやっぱり『お店トーク』!
中でもやはり、お店トークが一番の目玉として紹介されていました。
お店トークとは、一般ユーザーとLINE@のお店ページがメッセージで会話できる機能で、5月16日のアップデートより実装されました。
こちらの機能の実装に関しては、これまでLINE@導入店からの要望が非常に多かったようです。
一方的に情報を発信するだけのメッセージよりも、確実に相手の反応が返ってくる会話ができるため、よりお店とお客様との距離も縮まることでしょう。
参考記事
・LINEがWebサービスを全部もっていく?LINE@リニューアルの狙い・影響を推測してみた。
・ついに始まった新LINE@の詳細まとめ。お店ページはWebで表示される|10分間の無料通話機能など。
2.ガイアックスが話したこと
フォーラムの後半では、特別講演として、LINE@の運用ノウハウについで僕がお話しして参りました。
そこでお話しした内容を、いくつか簡単にご紹介します。
Facebook・X(Twitter)・LINEそれぞれの強み
LINE@を運用するうえでまず知っておきたいのは、LINE@は他のSNSと比べて何が優れているのかということだと思います。
ということで、まず最初に僕は、LINE・Facebook・X(Twitter)それぞれの強みについて簡単にお話ししました。
Facebookの強み
・Facebookの強みは、ファンとコミュニケーションが取れる点。企業の投稿に対して、ファンがコメントやいいね!をして、企業がそのファンの反応に対してコメントを返す、という相互のコミュニケーションが生まれる場。様々な投稿でブランディングもできる。
X(Twitter)の強み
・X(Twitter)の強みは、情報の拡散。ツイートを見たユーザーがリツイートすると、そのユーザーのフォロワーにも情報が露出する。またFacebook・LINEとは違いオープンなSNSなので、X(Twitter)で発信された情報はウェブ上全てに駆け巡る。顧客の声を拾うことにも長けており、近年はアクティブサポートも増加中。
LINE@の強み
・LINE@は、プッシュ通知付きでファンに確実に情報を届ける情報伝達率の高さ、そしてそこから店舗送客へ繋げる関係づくりが強み。多くの人が馴染み深いアプリで、企業から直接メッセージが届く距離感はLINEにしか出せない。
LINE@の実践的な運用ノウハウ
次に、LINE@でコンテンツやクーポン作成のコツやテキスト作成ポイント・メッセージ配信のタイミング・効率的な運用などの、運用の際に実際に直面しがちな“カベ”の解決方法をご紹介しました。
こちらの項目に関しては、ITmedia Mobile様が非常にわかりやすくまとめてくださっているので、そちらの記事を是非ご一読ください。
参考記事
「LINEの特性」を知ることで効果アップ――“プロ”が教える集客サービス「LINE@」の活用法(ITmedia Mobileより)
3.実際にLINE@運用担当者が直面している問題
LINE@フォーラムでは、質疑応答や名刺交換をしてくださった方から、生の現場の声を聞くことができました。
運用担当者様の直面している問題は様々で、中には僕の知識不足もあいまって的確な回答がすぐにできないものもありました。(すみません…)
ここでは印象的だった質問や課題を、あらためて考えた解決策とともにご紹介していきます。
Q.リピーターが少ない業種はLINE@をどう活用できるの?
とある企業の担当者様から、「ウチはリピーターが少ないタイプの業種なんですが、LINE@で何ができるのでしょうか?」という質問をいただきました。
確かに、LINE@は継続顧客育成に長けているので、そもそも一回の買い物が大きく、リピーターが少ないタイプの業種はなかなか難しい…
解決策
あらためて提案しますと、そういった企業はやはり新規顧客の獲得に力を入れるコンテンツ作成を重視すると良いのではないでしょうか。
例えば「あの企業のLINE@は面白い」といった感じで、ユーザーが他の人にオススメしたくなるような拡散を狙うコンテンツ配信が適しているでしょう。友達登録をしてくれた人に自動的に配信されるクーポンも効果的です。
Q.スタンプを使ってLINE@の企業ページを宣伝できるの?
別の担当者様から、「スタンプを使って企業の宣伝をできるんでしょうか?」という質問もいただきました。
公式アカウントではなくLINE@を運用されている方なので、この場合使うのはLINEクリエイターズスタンプになりますね。
LINEクリエイターズスタンプは企業活用できる?
LINEクリエイターズスタンプの企業活用については、僕も気になっているトピックではありますが、LINE@フォーラムでは企業のスタンプ活用も推奨されていました。
規約についてなどは現在も調査中ですが、LINEクリエイターズスタンプを利用して、企業の宣伝やキャラクターブランディングをすることは、可能なようです。
参考記事
【続々参入】LINE Creators Marketに企業が殴り込みをかける!LINEスタンプの効果的な企業活用事例
Q.他のSNSの方が向いている場合もあるのでしょうか?
お話を伺った運用担当者様の中には、LINE@だけでなく他のSNSも運用するべきなのか、迷っている方もいらっしゃいました。
確かに、業種によってはLINE@で店舗へ誘導するよりも、FacebookやX(Twitter)などでブランディングをした場合の方が良いケースもあります。
目的ごとに複数のソーシャルメディアを使い分け
項目2でご紹介した内容の繰り返しになりますが、『コミュニケーション・ファン構築』がしたいのか、『店舗送客』がしたいのかなど、SNSを運用する最終目的を見極めて、どのSNSが自社のアピールに一番向いているかを知ることが大事です。
したがって、ある程度LINE@運用でノウハウを身に付けた後、違うSNSで応用してみる、という選択肢も必要になってきます。
4.「LINE@の目指す世界」とは?
友だち同士のメッセージツールから、より大きな範囲での双方向のコミュニケーションツールとして進化を遂げたLINEですが、次のステージはどうなっていくのでしょうか?
LINEが目指す次のステージ。
イベントの中で話題に上ったのは、予約システムの充実や、ポイントマイレージなど。
次はコミュニケーションという枠を超えて、より人々の生活の一部として様々な場面で活用されることを目指しているようです。
LINEは常に導入店の意見を取り入れているとも語っていたので、より多くの人にとって『日常であれば助かる機能』が、これからもどんどん追加されていくのではないでしょうか。
5.LINE@を活用していくうえでの課題
LINE@を導入されている企業は沢山ありますが、『始めてみたもののどう使っていけばいいかわからない』という方も沢山いらっしゃるようです。
LINE@の方でも、セミナー開催や導入店の意見の反映なども進めているようですが、「最初の一歩目で躓かずに上手く軌道に乗るための運用」が、一番の課題としてあるように感じました。
また、前述のリピーターが少ないタイプの業種や、クーポンが出しづらい業種など、LINE@の恩恵を最大限に受けることができない企業もあるようです。ビジネスをされるみなさんのところでは、どうでしょうか?
もちろん飲食店やサービス業はLINE@が最適ですが、その他の業種もうまくLINE@が活用できるようなシステムができると良いですね。その辺りは、今後のLINEの展開に期待です。
そういった課題が少しでも解決に近づくように、今後もラボで情報発信をしていきたいと思います。
以上、『『LINEが目指す世界』をのぞいてきた!LINE@フォーラム登壇レポート。』でした
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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部