【Facebook】新機能『Call To Action/コールトゥアクション』の狙いとは?2つの可能性を想像してみた。
2015/02/27
こんにちは、ソーシャルメディアラボの渕上です。
米Facebookは2014年12月12日、FacebookページにCTA(Call To Action/コールトゥアクション)ボタンを設置すると発表しました。遅れること2ヶ月、2月に入って日本版FacebookページもCTAボタンが導入され始めましたね。
さて、この機能はいったい何に使えるのでしょうか?
また、Facebookがこの機能を追加した目的とは何か?
そして、Facebookは何を目指しているのか?
今回はCTAの設定方法や導入事例の紹介から、ソーシャルメディアラボなりに吟味したFacebookの未来予測を提示してみたいと思います。
■目次
FacebookはCTA導入で何を目指しているのか
1.CTAの項目について
2.CTA設定手順
3.導入事例
4.考えられるリスク
5.Facebookの狙いはどこに?
CTAの項目について
今回Facebookページに追加されたCTAボタンは、Facebookページのカバー画像上にあるいいね!ボタンの左側に設置されています。まだ表示されていない方は、順次対応されるかと思いますのでしばらくお待ち下さい。
『コールトゥアクションを設置する』ボタンをクリックすると、以下の7項目から設置するボタンの種類を選択できます。ちなみにこのCTAボタンは、ひとつのFacebookページにつき、ひとつしか設置することはできませんのでご注意を!(変更は何回でも可能です)
・予約する
・お問い合わせ
・アプリを利用
・ゲームをプレイ
・購入する
・Facebookに登録
・動画を見る
2月26日の執筆時点では項目による設置手順の違いは見受けられないため、今回は『予約する』ボタンを設置するとして、その流れを簡単に解説してみましょう。
CTA設定手順
CTAボタンをクリックしたら、次の7項目からFacebookページに相応しいもの(今回は「予約する」)を選択し、右下の「次へ」をクリックします。
誘導したいウェブサイトのURLを入力します。モバイルからアクセスした際には別のウェブサイトにリンクさせたい場合は、モバイルウェブサイトの欄にそのURLを入力しておきましょう。今回はソーシャルメディアラボのブログURLを入力しておきました。
続いて、iOSから閲覧した際のリンク先を設定します。
最後に、Androidから閲覧した際のリンク先を設定し、作成をクリックすればCTAボタンが設置されます。
『コールトゥアクションを設置する』ボタンが『予約する』に変わっているかと思います。試しにクリックしてみると、先ほど入力したURLにリンクするのが確認できます。ちなみに自分が管理しているページだと、リンクするかCTA再編集、削除を選択することができます。
最後にCTAのクリック数についてですが、今のところインサイトに項目は見当たりません。
しかしFacebookページトップの右側にある今週のアクセス数欄、上から3番目が直近7日間のCTAクリック数となるようです。
導入事例
日本では2月に始まったばかりということもあり、まだ導入している企業はそんなに多くありません。どうやって活用すればいいのか模索している段階のようですね。
海外での導入事例をまとめた記事はすでに出回っているようですので、本記事では国内企業が運営するFacebookページでCTAを導入しているところを中心にピックアップしてみました。
予約する:美容室スプラッシュ
飲食店・理美容室などのリアルショップと「予約する」ボタンは、かなり相性が良いのではないかと考えられます。こちらの美容室スプラッシュでは、CTAの予約するボタンから、公式ウェブサイトの予約受付フォームへリンクするように設定されていました。
他にもホットペッパーやぐるなびといったレストラン検索サイトの、店舗予約ページにリンクさせるという手もあります。これがFacebookページで予約完結できるようになれば、ページ遷移が無くなりレスポンスの早い予約ができるようになりますね。
お問い合わせ:青山フラワーマーケット ティーハウス
大概のウェブサイトで、何も設定しないよりはしておいた方がいいボタンがこの「お問い合わせ」でしょう。今回の記事のためFacebookページ利用の調査を行ないましたが、一番設置が多かったCTAボタンはこちらでした。
クリックすると、青山フラワーマーケット ティーハウス公式ウェブサイトにあるお問い合わせフォームへとリンクします。こちらもページ遷移せずに問い合わせができるフォームを出せれば、さらにレスポンスは良くなるかと考えられます。
アプリを利用:ビックカメラ
家電量販店大手・ビックカメラが設置しているのは「アプリを利用する」ボタン。クリックすると、クーポンやチラシなどの情報が集約されるビックカメラのスマートフォンアプリ紹介ページにリンクします。
現状はリンクさせることしかできませんが、直でダウンロードできるようにしたり、クリック後すぐに起動するようになれば需要は増しそうですね。ECサイトを運営しており、リアルショップも持っている企業であれば、以下の「購入する」ボタンを設置するというのもひとつの手かと考えられます。
購入する:ユニクロ
カジュアルファッションの定番・ユニクロのFacebookページには「購入する」ボタンが設置されています。こちらからはユニクロの公式ウェブサイトトップページにリンクするように設定されています。ECサイトも兼ねているので、スムーズに買い物ができますね。
2014年7月に米Facebookが、タイムライン上で買い物ができる「Buyボタン」が導入を予定しているというニュースがありました。今年の2月にはFacebookグループ内で売買ができる「販売ボタン」も導入されました(日本はまだです)。まだ日本では確立されていませんが、CTAとしての「購入する」ボタンと関係してくるのかが気になるところです。
Facebookに登録:BLOGOS
イマイチ使い道がよくわからないこの「Facebookに登録」ボタン。ニュースキュレーションメディアのBLOGOSに設置してありますが、リンク先はBLOGOSのトップページでした。項目名からはFacebookアカウントを新規登録させるためのボタンにようにも見えますが、基本的にFacebookページを見るのは、すでにアカウント登録しているユーザーなのでは……?
BLOGOSの場合、ウェブサイトに遷移してアカウント登録してもらうためにこのボタンを設置しているのかもしれませんね。他にもメルマガ登録ページなど、会員登録してもらうためにつけるボタンとして利用されそうです。
結構探しまわったのですが……
「ゲームをプレイ」と「動画を見る」は、設置しているFacebookページを見つけられませんでした……。
もしご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報提供ください!
<<2/27 17:20追記>>
株式会社ワコール様、株式会社ワオ・コーポレーション様より、自社FacebookページにてCTA「動画を見る」ボタンを設置していると情報提供頂きました。ありがとうございます。
リンク先はワコール様の公式ホームページにある動画ページとなっていました。
リンク先は、株式会社ワオ・コーポレーション様が制作されているオリジナルアニメ『昼夜伝』の公式サイト・動画ページとなっています。
「動画を見る」ボタンについては、他にもYouTube公式チャンネルやFacebookページ動画タブなどにリンクさせる手もありそうですね。
考えられるリスク
まだ始まったばかりの機能なのでアレコレ言っても仕方ないのですが、現状では遷移させるURLに何の審査もなく設定できてしまうので、項目と全く関係のないページに飛ばすことも可能です。
もちろん実名制で紐付いているFacebookというSNSの性質上、悪質な行為はイメージに大きく関わってくるので、そんなことはわざわざしないと思いますが、遷移させるページの内容とボタンの項目が合っているかはしっかり確認しておいたほうがいいですね。
今のところ特に設置して被るようなデメリットはないと考えられますので、とりあえず「お問い合わせ」ボタンとして設置しておくことをオススメいたします。
Facebookの狙いはどこに?
さて、今回の機能追加によってFacebookは何を目指しているのでしょうか。Facebookの狙いについてラボで考察した結果、対極にあるふたつのストーリーが浮かび上がりました。
ひとつずつ解説してみようと思います。
1.Facebookページが最強のプラットフォームとなる?
前述のとおり、Facebookのタイムライン上で買い物ができるBuyボタンや、Facebookグループ内で売買ができる販売ボタンが導入されると発表がありました。これは外部サイトに行かずにFacebook上でショピングが完結することになります。
また、Facebookページに動画タブが追加されたことも記憶に新しいですよね。これはYouTubeでいうところの公式チャンネルのようなもので、「注目の動画」「プレイリスト」などの設定も可能。
例えば、海外ABC NewsのFacebookページには大量の動画がアップロードされており、YouTubeで動画を観るのと大して変わらない感覚で動画を楽しむことができます。
これからのことから、Facebookページ内を自由に飛び回ることでユーザーの望むことが完結するように機能を追加していっているのではないか、というのがひとつめの見解です。
YouTubeに行かなくても、ECサイトに行かなくても、Facebookページ内を動くだけで全てが叶えられるとすれば、それはもはや最強のプラットフォームとなるのかもしれません。
例えばCTA項目の「予約する」や「お問い合わせ」も、現在は他のウェブサイトに飛ばすことしかできませんが、Facebookページ内で予約フォームや問い合わせフォームが構築できるようになれば、規模の小さな企業やサービスはウェブサイトをつくる必要すらなくなる可能性が出てきます。
飲食店が個別のウェブサイトを持たず、ぐるなびやホットペッパーなどのプラットフォーム依存のページしか用意しないのと構造は同じですね。
これって何かに似ているなと思っていたのですが、ひょっとするとLINE@が目指している方向性に近いのではないでしょうか。
LINEは元々メッセンジャーアプリでしたが、LINE@を中心に現在は総合的なプラットフォームになりつつあります。LINEとFacebookはもはやソーシャルメディアという枠に収まらない、新しいインフラを目指しているのかもしれませんね。
2.Facebookページは様々なメディアと紐づく情報発信源となる?
もうひとつは、Facebookページユーザーが持つ外部のオウンドメディアやサービス・アプリケーションなどに紐付かせることで、様々な情報の発信源となる仕組みを構築するのでは、という見解です。
この場合、Facebookページが担うのは“コンバージョン率の向上”となります。
ひとつ目の見解では、ユーザーのウェブサイトやサービス自体のパワーが弱く求心力がない場合、Facebookページにそれらの機能を集約することでFacebook自身のドメインパワーを活かし、ローンチ当初からアクセスを集めやすくする仕組みを創造するのではと述べました。
しかしこちらの見解では、FacebookページにあるCTAボタンなどから積極的に外部オウンドメディアなどにリンクさせることで、コンバージョン率の向上につなげるのが狙いなのでは?ということになりますね。
ふたつの見解共に、ユーザーの持つメディアやサービスにパワーがなくとも、Facebook自体のパワーが強いため、結果的にユーザーの利益となるところは同じかと思います。
近頃のFacebookの動きからソーシャルメディアラボではこんな予測をしてみましたが、読者の皆さんはどう思われるでしょうか?ああでもない、こうでもないと未来を妄想するのは楽しいですよね。
ただ、Facebookはもっとプラットフォームとしてのパワーを上げていこうとしているのは間違いないと思います。果たしてLINEやFacebookは世界のインフラとなり得るのか?
皆さんもぜひ想像してみてくださいね。同感・異論があればコメントいただけると嬉しいです。
以上、『【Facebook】新機能『Call To Action/コールトゥアクション』の狙いとは?2つの可能性を想像してみた。』でした。
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部