【SNS運用担当必見!】SNSで視聴率アップに成功したテレビドラマの“ココ”がすごい!
2016/01/19
「大人になってからというもの、連続ドラマを観る機会が、めっきり減ってしまった」という方も多いのではないでしょうか?テレビドラマが放映されている時間は、残業や飲み会、帰宅途中と重なることも多く、リアルタイムで1クール欠かさず観ることは、なかなか至難の業のように思えます。
しかし10代や20代前半の若者にとって、“テレビを見ながらX(Twitter)でつぶやく”というのは、ごく自然な日常行為です。今やドラマの視聴率と、X(Twitter)を始めとするSNSの活用は、切っても切り離せない関係になってきています。今回はそんなSNSの活用で視聴率アップに成功した2015年秋のテレビドラマの事例をいくつかご紹介しながら、企業でも活かせるキーポイントを探りたいと思います。
■目次
1.サイレーン
2.コウノドリ
3.孤独のグルメ
4.企業アカウント運用でも大切になるポイント
5.まとめ
1.サイレーン
最初に取り上げるのは、松坂桃李さん主演のフジテレビ系刑事ドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」。『モーニング』(講談社)に連載されていた人気漫画を原作とした作品で、2015年10月20日~12月15日まで、毎週火曜日22:00~22:54にフジテレビ系で放送されていました。
平均視聴率が関東で9.2%(関西12.5%)だったのに対し、最終回にかけて菜々緒さんの悪女っぷりがネットで話題となり、最終回には関東11.5%(関西13.5%)まで上昇する結果となりました。
また、X(Twitter)では主演の松坂桃李さんや菜々緒さんなどのキャスト陣も自身のアカウントで盛り上げたこともあり、関西テレビの発表によると、最終回放映の15日前後の「サイレーン」に関するツイート数が約26万件(正式版数字で259,650件)にものぼったのだそうです。
X(Twitter)で特徴的なのが、ドラマの公式アカウント(@Siren_ktv)におけるハッシュタグの使い方。「#今夜は桃李に守られたい」「#この署内のチャンピオンさチビデカナンバー1」「#文乃が黒幕かもってどゆことやねん」「#菜々緒様は永遠に不滅だカラ」など、ドラマを観ている人にしかわからない“内輪ネタ”感が強く、逆に観ている人にとっては、とても親近感が湧くものになっています。
こうした長いハッシュタグは、とってもInstagram的です。
ツイートの文章も非常にやわらかく、視聴者が気軽にコメントできる空気感があふれていました。
2.コウノドリ
「コウノドリ」はサイレーンと同じ『モーニング』(講談社)で連載中の漫画が原作で、こちらは「切迫流産」や「人工妊娠中絶」といったシリアスな医療をテーマにした作品です。2015年10月16日から12月18日まで毎週金曜22:00〜22:54にTBS系で放映され、綾野剛さんが主演を務めました。
公式X(Twitter)(@kounodori_tbs)では放送開始2日前の時点で、すでに約4万以上のフォロワーを獲得。最終的に10万2,000人がフォローする人気アカウントになっています。
出演者の星野源さんの公式スタッフアカウント(@gen_senden)は25万以上、坂口健太郎さんの公式アカウント(@kentaro_s_711)は23万以上という多くのフォロワーを抱えている影響が大きいとの見方も。1万人以上のフォロワーがいる漫画原作者の鈴ノ木 ユウさん(@suzunokiyou)も、ドラマについて多くのツイートを投稿しており、実写化を待ち望んでいた漫画のファンも巻き込めているようです。
コウノドリのX(Twitter)では、出演者の写真が多く投稿されているのが特徴で、毎回出演者が画用紙を持って、放送開始時刻をカウントダウンしている写真が投稿されており、多くの「いいね」やリツイートを集めています。ドラマが始まるワクワク感を共有できる、素敵な演出ですね。
さらに、コウノドリではX(Twitter)だけでなくInstagramでオフショットも公開。
投稿数は多くありませんが、内容はX(Twitter)と異なっていて、こちらも10万人以上というたくさんのフォロワーを獲得しています。
出演者の写真を多く利用できるというのは、ドラマのアカウントにとって大きな武器だと言えるでしょう。
X(Twitter)上では、続編を待ちわびる声が次々と寄せられており、ドラマの機関を通じて、制作者と視聴者の絆がしっかりと生まれていたことが見受けられます。
3.孤独のグルメ
こちらも漫画が原作という点は同じですが、先に紹介した2本のドラマとは明らかに異なるSNS上での盛り上がりを見せているのが「孤独のグルメ」。テレビ東京でSeason1が始まったのは2012年で、昨年秋から放送されていたのはSeason5になります。放送時間は各シーズンで異なりますが、Season5は土曜日0:12〜0:52に放送されていました。
松重豊さんがあまりにも幸せそうにひとり飯を堪能するシーンが“夜食テロ”と呼ばれ、孤独のグルメで紹介されたお店には、放送後から長蛇の列ができることでも有名です。
そんな孤独のグルメのSNSアカウントで人気なのは、X(Twitter)よりも断然Facebook。X(Twitter)のフォロワーが約6万2,000に対し、Facebookのいいね数は約22万8,000。お正月スペシャルの告知の投稿には、2万1,000件以上のいいね!がつき、400件以上シェアされ、100件以上のコメントが残されています。同じ写真を使ったX(Twitter)の投稿は、リツイートが2,545件、いいねが1,428件と、やはりFacebookの方が反応が良いようです。
これは視聴者の年齢層・ターゲットが、他の2つのドラマに異なりFacebookユーザー利用層とマッチしていたためだと考えられます。投稿された文章を見ていると、どうやら制作側の年齢も、他の2つに比べて高そうな印象を受けるので、投稿もユーザーを意識していると考えられます。
投稿する側の文章がかたくなれば、ファンの反応もかたくなります。できるだけ中の人はターゲットに近い年代の人にするか、それが難しければ中の人のペルソナを決めて、そのキャラクターを演じきるくらいがちょうど良いのかもしれません。
企業アカウント運用でも大切になるポイント
鍵になるのは“最適なチャネル”と“ライブ感”
今回ご紹介した3つのドラマを通して見えてきたことは、「ターゲットに合わせて重きを置くチャネルをしっかりと決めておくこと」と、「ドラマというコンテンツを通じて、ひとつのエンターテインメントを共有しているというライブ感の演出」が大切なのだということです。
これは同様に、企業アカウントにおいても言えることです。
次から次へと新しいSNSが出てくるので、つい闇雲に手を広げて、いろんなSNSに同じ投稿をしているアカウントを散見しますが、複数のSNSの中でもしっかり軸を決めて優先順位をつけ、それぞれのチャネルに合わせたトーン&マナーでコンテンツを作る必要があるでしょう。
また、SNSという場に参加してもらっているという意識を持ち、リアルイベントを盛り上げるような気持ちを忘れずにすることも大事です。一方通行の情報発信では、満足度が上がることはありません。ファンの反応を見ながら、柔軟にこちらからのアクションも変えていけるくらいの“しなやかさ”を持てたら、最高です。
まとめ
いかがでしたか?今回はテレビドラマのSNS活用について、調べてみました。
昨今では芸能人の方もSNSに対する理解があるため、ドラマの宣伝用なら写真を気軽に使わせてもらえる人も多いようです。
企業活動の中でも、写真を撮影できそうな機会があれば積極的に撮影し、SNSでの使用に関する許諾をもらうフローを固めておくと良いのではないでしょうか。