新たな企業プロモーション手段?LINEの運用型広告「LINE Ads Platform」を徹底解説

2017/05/26

LINEは2016年6月から、LINE内の広告に運用型配信システム「LINE Ads Platform」を本格的に提供開始しました。これまでもLINEに広告を出すことはできましたが、費用が高いため、広告予算の小さい企業は手が届きませんでした。
このシステムにより、ターゲットを絞った広告配信が可能になり、かつ従来よりも費用が抑えられるので注目を集めています。今回は「LINE Ads Platform」ではどのような広告が出せるのか、既存のLINEでのプロモーション方法との違いも併せて解説していきます。

※更新履歴
2017年5月26日:LINE Ads Platformの特徴について加筆しました。
2017年4月28日:最新情報をもとに加筆修正しました。

    目次

  1. LINEをプロモーションに活用する際に選択できる広告の種類
  2. LINE Ads Platform
  3. まとめ

LINEをプロモーションに活用する際に選択できる手法

1.LINE公式アカウント

LINE公式アカウントは、「LINEビジネスコネクト」や「プロモーションスタンプ」「LINE ポイント」など利用できるサービスが充実しているものの、その分費用が高額です。

2.LINE@

LINE@では料金プランが「フリー」「ベーシック」「プロ」と3種類あり、「フリー」は名前の通り月額が無料ですが、機能にかなり制限があります。「ベーシック」「プロ」はLINE@の機能をほぼ制限なく使うことができ、有効友達数によって、月額料金が変わります。

▼関連記事
【2016年最新版】LINE@とLINE公式アカウントの違いまとめ
メッセンジャーツールからプラットフォームへ。LINEの広告メディアとしての恐ろしさ

3:LINE Ads Platform

LINE Ads Platformは、LINEのタイムラインやLINE NEWS、1.000以上の外部掲載先を持つHike Networkへ広告配信ができるプラットフォームです。ユーザー属性や関心、目標の達成度に合わせた広告の配信が可能になっており、LINE公式アカウントよりもかかる費用が少ないので、これまでLINE広告を控えていた企業でも利用できる可能性が広がっています。
以降で、このLINE Ads Platformについて詳しく解説します。

LINEの運用型広告/タイムライン広告とは

LINEの運用型広告/タイムライン広告=LINE Ads Platform

「LINE Ads Platform」はLINEが2016年6月に導入した運用型広告の配信プラットフォームです。これによりタイムラインとLINE NEWS内の広告がワンストップで配信されるようになりました。タイムライン広告(旧:LINE Timeline AD)はLINE Ads Platformの一部になり、現在タイムライン広告を単独での利用はできません。

関連記事:LINEが発表した運用型広告により企業のマーケティングはどう変化するのか

LINEのタイムラインの利用データ

マクロミルがLINEユーザーを対象に行った調査によると、1ヶ月間に「企業からの投稿を閲覧したことがある」ひとは約半数に達するそうです。友人や知り合いの投稿にいいねした人は39.6%、コメントした人は21.4%となっています。

タイムライン利用者はやや女性の比率が高く、幅広い年齢層に利用されていますが、最も比率が大きいのは20〜30代女性です。FacebookやX(Twitter)などのSNSを利用せずLINEを使用している層が18.3%、そのうち約6割が女性です。

LINEのタイムラインはアクティブに使われており、幅広い層にリーチできる可能性があることがわかります。

LINE Ads Platformの特徴

LINE Ads Platformの3つの特徴を解説します。

1.幅広いリーチ

2.精度の高いターゲティング

3.配信面の拡張性の高さ

1.幅広いリーチ

LINEは若年層へのリーチを強みとしているため、その他の運用型広告ではリーチしにくい層にアプローチできます。タイムライン利用データから、全国の15-69歳の男⼥の約20%はFacebook、X(Twitter)、LINEのうち、LINEしか利用していないことがわかります。

またLINE公式アカウントの場合、その企業に興味があり友だちになったユーザーへのアプローチとなるのに対して、LINEのタイムラインは情報収集段階のユーザーが多いので、まったくサービスを知らない潜在層へのアプローチが可能です。

2.精度の高いターゲティング

LINEはサービスのポリシーとして属性情報やトーク内容を活用するのではなく、友だちになっている公式アカウントやLINE関連サービスの利用状況から推計してターゲティングを行っています。つまり類推によるターゲットセグメントとなりますが、この類推ターゲティングでもかなり精度が高く、広告への反応がいいと言われています。

消費者のニーズが多様化する中、例えば「20代前半の女性」というような年齢と性別によるターゲティングよりも、年齢は関係なく「コスメ系の公式アカウントと多く友だちになっている人」というような興味関心によるターゲティングの方が、よりニーズを正確に捉えることができる面もあるのかもしれません。

3.配信面の拡張性の高さ

タイムラインや記事などのコンテンツ内に配信するインフィード型の広告は、多くのSNSやアプリで取り入れられ始めています。LINE Ads Platformの配信面も基本的にインフィード型のものになりますが、タイムラインのインフィード広告だけでなく、LINE NEWSやHike Networkなどへの配信も可能です。配信面の選択肢が広いといえます。

また、LINEではLINE NEWSのほかにも、LINE GAMEやLINE LIVEなど単体でも影響力のあるサービスを運営しているので、今後配信面を拡大できる可能性もあります。

LINE Ads Platformの利用目的

LINE Ads Platformが効果を発揮するポイントは「友だちの新規獲得」や「Webサイトの認知向上」です。購買ステージの初期段階(注目→興味のステージ)でもPRを目的に利用するのが基本的な戦略になります。

中期~後期の段階にあたる購入やリピートには、LINE公式アカウントおよびLINE@を使った顧客リレーションが効果的です。

画像引用:http://blog.lineat.jp/archives/49772648.html

LINE Ads Platformはどのように配信されるのか(配信面ごとのフォーマット)

LINE Ads Platformでは、「タイムライン」「LINE NEWS」「Hike Network」と配信面によって広告のフォーマットが決められています。

タイムライン

タイムラインでの広告のフォーマットは「WEB AD」「APP AD」「VIDEO AD」の3種類があり、それぞれに外部送客やアプリのDL促進、ダイレクトレスポンスやブランディグの用途があります。

また、「WEB AD」のリンク先を「LINE@の友だち追加画面」にすれば、LINE Ad Platformを使って友だち数を増やすことも可能です。

今までスタンプ配信による新規友だち獲得施策は公式アカウントでしが実施できず、LINE@アカウントがLINE内で新規の友だち数を増やすのは難しい状況でした、基本的に、地道にオーガニック獲得を狙うことしかできなかったのです。

しかしながらこの機能を活用することで、最低出稿金額さえクリアすれば、LINE内に新規友だち獲得のための広告を配信できます。

画像引用:http://blog.lineat.jp/archives/49772648.html

LINE NEWS

LINE NEWSでの広告のフォーマットは「WEB AD」「APP AD」の2種類で、「VIDEO AD」がないのがタイムラインと異なる点です。

LINE NEWSやLINEアカウントメディアのリッチメッセージに広告が配信されます。

スライド4

Hike Network

Hike Networkは、ネイティブ広告を掲載できる外部メディアネットワークで、メディアからアプリまで1.000を超える掲載先を持っています。特にダイレクトレスポンス系商材との相性がいいそうです。

hikenetwork

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LINE Ads Platformにかかる費用

LINE Ads Platformの費用は、タイムラインとLINE NEWSを利用する場合は最低金額35万円以上(応相談)~※、となっています。課金方法は、静止画はCPC、動画はCPM、VIDEO ADはImpression課金です。

※:過去にはLINEの配信面を利用する場合は100万円以上、Hike Networkのみ利用する場合は30万円~の金額制限がありましたが、2017年4月3日以降は上記の最低出稿金額に統一されました。

配信方法/ターゲティング

設定できるターゲティングが、以下の表にまとめられています。すべての配信面で、指定したサイトを訪れたユーザーや逆に訪れていないユーザーに配信するリターゲティング/逆リターゲティングを設定できます。またタイムラインとLINE NEWSで利用可能なLINEオーディエンスデータ配信では、年齢・性別・地域・興味関心でターゲティング可能です。

広告フォーマットと入稿規定

LINE Ads Platformの広告掲載フォーマットは「WEB AD」「APP AD」「VIDEO AD」の3つ+Hike Networkです。それぞれの入稿規定をいかにまとめます。

WEB AD

 

  • アイコン:114×114px(50KB以内)
  • ディスクリプション:75文字以内(半角全角問わず)
  • 画像:1200×628px(jpg/png、10MB以内)
  • タイトル:20文字以内(半角全角問わず)
  • アクションボタン:管理画面内の選択肢より選択

APP AD

 

  • アイコン:114×114px(50KB以内)
  • ディスクリプション:75文字以内(半角全角問わず)
  • 画像:1200×628px(jpg/png、10MB以内)
  • タイトル:20文字以内(半角全角問わず)
  • アクションボタン:管理画面内の選択肢より選択

VIDEO AD

 

  • アイコン:114×114px(50KB以内)
  • ディスクリプション:75文字以内(半角全角問わず)
  • 画像(サムネイル用):自動生成のため不要
  • タイトル:20文字以内(半角全角問わず)
  • アクションボタン:管理画面内の選択肢より選択


■ビデオファイルの入稿規定

  • フォーマット:mp4
  • アスペクト比:16:9
  • 解像度:最大1080p (広告配信時は最大720p)
  • ビットレート:最大8Mbps
  • 時間:5秒以上60秒以内
  • ファイルサイズ:100MB以内

Hike Network

 

  • アイコン:114×114px(50KB以内)
  • ディスクリプション:75文字以内(半角全角問わず)
  • 画像:114x114px(50KB以内)、640x320px(1MB以内)、640x200px(1MB以内)※配信メディアによってトリミングされる場合あり
  • 対応形式:jpg/png
  • タイトル:20文字以内(半角全角問わず)

画像内のテキストエリア制限について

画像は縮小/トリミングされて表示される場合があるため、テキストを含まないデザインが推奨されています。テキストを含む場合でも、全体領域の20%以内に収めなければなりません。なお、ロゴはテキスト対象外となります。

参考:LINE Ads Platform/ Hike Network媒体資料 2017年4-6月

まとめ

LINEへの広告出稿をより身近にしてくれるLINE Ads Platform。そのユーザー数の多さは多くの事業者にとって魅力でしょう。
LINE Ads Platformは始まったばかりで成功事例などはあまり出てきていませんが、以下の記事では、現在LINE Ads Platformの一部になっているタイムライン広告の運用の結果が報告されています。

▼アド論 byGMO
ついに解禁となったLINE AD Platformの可能性と最新事例

こういった事例からも、LINE Ads Platformは大きな可能性を秘めていると感じられます。今後LINE Ads Platformを利用する企業が増加していった場合、どのようにな効果が出るのか、引き続き目が離せません。

参考:
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1368
http://at.line.me/jp/plan
http://blog.feedmatic.net/entry/2016/08/16/113000

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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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