【解禁目前】ネット選挙活動で行うべきWebマーケティング施策とは?4つの目的別に活用方法をまとめてみた。

2013/05/23

ネット選挙 ソーシャルメディア facebook

夏の参院選に向けて、いよいよネット選挙運動の解禁が目前となっていますね。

ガイアックスでも、ネット選挙活動用のプロモーションや、なりすましの発見・モニタリング対策のサービスの提供を開始しています。

そのサービスの提供にあたり、ネット選挙活動におけるWebマーケティング施策について、解禁前の旧来の方法と比較しながら、目的別に使いどころをまとめましたので、ラボの読者さま向けにもシェアさせて頂きます。

■目次

1.4つの目的別のWebマーケティング施策まとめ

-(1) 認知フェーズ

-(2) 理解・共感フェーズ

-(3) 共感の維持フェーズ

-(4) 支持・投票フェーズ

2.主要ソーシャルメディアのメリット・デメリット

3.費用対効果が高いこともネットの特徴

1.4つの目的別のWebマーケティング施策まとめ

まず、ネット選挙活動では「認知」「理解・共感」「(投票日までの)共感の維持」「支持・投票」という4つの目的別のアプローチが必要です。

▼選挙における4つのフェーズ

これまで、各フェーズごとに「ポスター」「街頭演説」「郵送物・演説会」「電話」などの手法が取られていました。もちろん、これらの手法は引き続き行わなければいけません。しかし、各フェーズにWebマーケティングの方法を取り入れる事により、さらに効率的に選挙活動を行う事ができます。

▼4つの目的別アプローチまとめ

(1) 認知フェーズ

まだ認知を獲得出来ていない有権者に対しては、まず候補者の顔・名前・政党と、候補者の掲げる政策を知って貰わなければいけません。

これまでは、ポスターが主な手段でしたが、インターネットを活用できるようになると、「各種バナー広告」「SEO/SEM」などを行えるようになります。

また、政党のサイトでIP Geolocation技術を用い、サイトを閲覧した有権者の地域に合わせた候補者情報を表示する事が可能となるため、政党による候補者のプロモーションの援護施策を行いやすくなります。

また、後述するようなFacebook、X(Twitter)等のソーシャルメディアアカウントの運用を通じて、情報発信することにより認知を獲得する事も可能です。ファンからその友だちへの口コミ伝播が発生するためです。

(2) 理解・共感フェーズ

候補者を知って貰った後は、その政策・人柄などを理解して貰い、共感を得なければいけません。

これまでは、街頭演説が主な手段でした。しかし、街頭演説には時間的な制約があり、リーチできる有権者数に限りがあります。そこで活躍するのが、Facebook・X(Twitter)・Ustreamなどのソーシャルメディアを使ったマーケティング施策です。

例えば、共感を集めるためにはFacebookが効果的です。Facebookでは、動画・写真・テキストなど、他のソーシャルメディアに比べて投稿可能なコンテンツが多岐に渡り、文字数の制限も少ないです。

候補者はそういったFacebookの特性を利用して、日本が抱える課題・これから打つべき政策などについて分かりやすくコンテンツ化し、有権者に訴えかけていく事が可能です。

自由民主党のFacebookページカバー写真

また、(X(Twitter)でも同様ですが) Facebookではリアルタイムに、候補者の活動を投稿していくことも効果的です。有権者の声に耳を傾ける姿選挙事務所でのスタッフと共に働いている姿選挙区を走り回って演説をして回る姿、それらが全て、有権者から親近感や信頼感を獲得する事につながっていきます。

▼(左)みんなの党/(右)公明党-Facebookページのウォール投稿

実際に海外の事例では、ソーシャルメディアを活用することで候補者が票を集めたという事例もあります。米・オバマ大統領はFacebookを活用していることで有名ですね。(参考記事 :SEOジャパン、インフォグラフィック

(3) 共感の維持フェーズ

一度有権者からの支持を得られたとしても油断は出来ません。有権者には、常に他の候補者からのアプローチもあり、投票日まで誰を支持するかは揺らいでいきます。

投票日まで共感・支持の維持をしていかなければいけませんが、そのためには、Facebook・X(Twitter)・LINE等で、定期的に情報を発信していく事が大事です。さらには、各ソーシャルメディアで、有権者からの声を集めたり、相互コミュニケーションをしていく事により、有権者との間での関与度が上がっていき、共感の維持が強固なものになっていきます。

※参考:ガイアックスのLINE運用代行サービス

(4) 支持・投票フェーズ

最終的な支持の獲得には、これまで電話での個別連絡という手段をとっていました。

これが、ネット選挙解禁後は、ソーシャルメディアのファン解析ツールなどを用いたファンの支持率の可視化による票読みが可能になったり、メッセージ配信による投票の取り付けの最終連絡などが可能(*1)になります。

(*1)公選法により、候補者は「Webサービスを利用したメッセージ配信は可能」ですが、現時点では「電子メールの配信は禁止」されています。

2.主要ソーシャルメディアのメリット・デメリット

Facebookの他、国内で利用が多い主要なソーシャルメディアには、X(Twitter)・LINE・Google+ が挙げられます。それぞれの特徴を簡単にまとめると次のようになります。

  • Facebook :実名制により信頼性が高い。荒れににくい。
  • LINE :スマホ特化型。プッシュ通知機能で情報が届きやすい。
  • X(Twitter):クチコミの拡散スピードが速い。更新がラク。
  • Google+ :検索順位が上位に表示されやすい。

以下、簡単ですが各ソーシャルメディアの特徴とメリット・デメリットをまとめた図を示します。

▼ネット選挙運動における主要なソーシャルメディアの特徴・メリット・デメリット

政党や候補者・広告代理店は、これらのソーシャルメディアの特性と機能の理解を踏まえた上で、適切なツールの選択とノウハウに沿った運用が必要になります。

3.費用対効果が高いこともネットの特徴

インターネットを利用した宣伝は、従来の宣伝に比べて費用対効果が高いのが実情です。

例えば、1世帯10円程度のポスティングと比較すると、ダイレクトメールやメッセージは半額以下であり、バナー広告においては、ひとつの露出につき1円程度と費用対効果が高く、その上、HPへの誘導など理解度を高める施策につながりやすい特長があります。

単純にホームページを作るだけではなく、「情報の拡散」「共感」「接点づくり」に長けているソーシャルメディアをもっとネット選挙運動に積極的に活用するべきです。


今回の記事は参考になりましたでしょうか?

先日、全政党のLINE公式アカウントと、X(Twitter)公式アカウントが開設され、その運用や投稿内容に注目が集まっています。次回は各政党が実際に取り組むSNS運用について追ってみたいと思います。

以上、『【解禁目前】ネット選挙活動で行うべきWebマーケティング施策とは?4つの目的別に活用方法をまとめてみた。』でした。

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宛先 株式会社ガイアックス 木村、河瀬
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