LINE友だち数No.1を走り続ける「ローソン」のLINE公式アカウント運用の裏側
2013/02/13
2013年1月末時点で、なんと600万人を超えます。(友だち数の調査記事はこちら)
ローソンさんは、このLINE公式アカウントの運用を通じて、『1投稿で約10万人が来店』『あきこちゃんのスタンプ総利用回数1000万回』など様々な効果を出しています。
今回の記事ではローソンの白井さんに、そういった効果を出すために行なっている、LINE運用の裏側について教えて頂きました。
- ■目次
- ローソンさんがLINE公式アカウントを始めた理由
- LINE公式アカウントで行ったこと
- 運用して分かったLINEの効果
お話を伺った方
株式会社ローソン 広告販促企画部(兼)CRM推進部 アシスタントマネジャー 白井 明子さん
1. ローソンさんがLINE公式アカウントを始めた理由
ガイアックス 井出 :
ローソンさんでは、いち早くLINE公式アカウントを始め、1月末段階で612万人の友だちがいて、日本で1位になっています。最初はどういった理由で立ち上げたのでしょうか?
ローソン 白井さん :
元々、NHNさんとはロケタッチの絡みでお付き合いがあり、そのご縁で公式アカウントの第一弾に参加させて頂きました。
なぜLINE公式アカウントをやろうと思ったかですが、(1)あきこちゃんの認知度向上、(2)来店誘導、(3)ソーシャルメディア会員の獲得、という大きく3つの目的がありました。
(1)あきこちゃんの認知度向上
日経デジタルマーケティングさんの調査で、あきこちゃんの認知度は20%強と出ています。企業アカウントとしては最も高い認知度でしたがこれ以上にあきこちゃんの認知度を上げて行きたいと考えていました。
(2)来店誘導
また、ローソンの店舗への集客というのも目的の一つです。Facebookでは、ロッピーで金麦受け取りキャンペーンという企画や、その他にも色々とO2O施策を行って来ました。
LINEではクーポン発行など来店誘導に使える機能があったので試してみようと思いました。
(3)ソーシャルメディア会員の獲得
ローソンでは、全ソーシャルメディアアカウント会員(フォロワー、ファン、友だちなど)を1000万人に増やそうとしています。
Facebookでは40万人のファン(2013/02/06時点)ですが、LINEでは600万人の友だちを抱えるまでになっているので、1000万人に大きく近づきました。
2. LINE公式アカウントで行ったこと
ガイアックス 井出 :
2012年6月8日に公式アカウントを立ち上げて以来、これまでどういった施策を行なって来たのですか?
ローソン 白井さん :
ローソンでは、これまでスタンプの配布やLINEクーポンなど大きく5つの施策を行って来ました。
・(1)メッセージでプッシュ
・(2)スポンサードスタンプの配布
・(3)LINEクーポン
・(4)LINEカメラとのタイアップ
・(5)「LINEで送る」ボタンの設置
(1)メッセージでプッシュ
LINE公式アカウントでは、友だち同士でメッセージを送るのと同様に、企業から友だちに対してメッセージを送れます。
ローソンでも月に1~2回程度、定期的にそのメッセージ配信をしています。
クリック率は高い。だが注意も必要。
LINEはFacebookのように相互コミュニケーションでロイヤリティを高めるというより、マス広告のようなものだと感じています。一斉に配信をして、一定の高い効果を得られる。
だからこそ、メッセージで送る内容は、コミュニケーション目的ではなく、『クーポンを付けたお得な情報』としています。そうすることで、受け取る側のメリットが出て、ブロックされづらくもなると思います。
メルマガの開封率は10%行くと優秀だと思いますが、LINEのメッセージ送信によるクリック率はそれ以上に高いと感じています。
そろそろLINEの友だち数がローソンのメルマガ会員数を抜きそうな勢いなので、今後もLINEでのメッセージ送付は重要な施策です。
(2)スポンサードスタンプの配布
また、スポンサースタンプも配布しています。スタンプを配布すると、ユーザー間のコミュニケーションの軸にもなるので、あきこちゃんに対する認知や記憶が高まります。
これまで2回配布しました。第一弾で「あきこちゃん」、第二弾で「Ponta」です。
スタンプの効果は絶大で、あきこちゃんのスタンプ配布では100万人以上の友だち増加につながり、Pontaのスタンプ配布では150万人以上の友だち増加につながりました。
無料スタンプを配布すると、ユーザーは『イベントタブ』や『友だちから送られて来て』知ります。ローソンで配布したスタンプもこの流れで多くの方に使って頂けて、総利用回数は1000万回を超えました。
[参考] ローソンさんのLINEアカウントの友だち増加数推移を見るには、以下の記事も参照して下さい。
(3)LINEクーポン
LINEクーポンは、LINEのアプリ上から様々なクーポン情報を検索して、友達に共有できるサービスです。
ホットペッパーさんなど他の事業者さんもそこにクーポンを出していますが、ローソンもコンビニでは初でクーポンを掲載し始めました。
ユーザーは、フリーワード・ジャンル・エリア・現在地などからクーポンを検索でき、例えば大崎で近くのクーポンを探すと、最寄りのローソンのクーポンが表示される仕組みです。
(4)LINEカメラとのタイアップ
LINEカメラとタイアップしたフォトコンテストも開催しました。
ローソンのパスタ屋の商品を、LINEカメラを使ってLINEキャラクターを付けて投稿して貰いました。日本初の取り組みだったのですが、かなり多くの投稿が集まり成功した施策と言えます。
※ラボ編集部注:2016年7月現在に上記URLが残念ながら閲覧できないため修正をしました。
(5)「LINEで送る」ボタンの設置
ローソンホームページ内に「LINEで送る」ボタンを設置しています。ユーザー間での情報伝播のための共有ボタンとして活用しています。
ホームページのスマホ版にだけ設置するのがポイントです。PCからサイトを見た時に表示されると意味がないですし、ユーザーにPCからLINEに送れると混乱を招いてしまいますから。
3. 運用して分かったLINEの効果
ガイアックス 井出 :
最後にLINEを半年以上運用して来る中で、どういった効果があったかを教えて頂けますでしょうか?
ローソン 白井さん :
はじめは「まずはやってみよう」という感じでしたが、色々な面で効果を実感しています。ここでは主に3つご紹介します。
・(1)スタンプ利用回数
・(2)PRページのLINEクーポンを配布した時の効果
・(3)認知度向上
(1)スタンプ利用回数
前述のようにあきこちゃんのスタンプが今まで1000万回以上使われてきました。
(2)PRページのLINEクーポンを配布した時の効果
ローソンでは、LINEの友だち数が150万人の時にLチキのクーポンプレゼントを行いました。
その時、Lチキの半額券を配布したのですが、3日間で約10万人のお客さんが来店してくれました。
引き換え率が6%と驚異的な数字で、1回の投稿で10万人の方々に動いて頂いたのは非常に驚きました。他の施策だと、引き換え率は3%くらいが良いところではないでしょうか
※引き換え率=今回のケースでは、10万人÷150万人)
[参考] ローソンさんによるLINEでのLチキクーポン配布の効果を伝える記事。
『高校の傍のローソンでアルバイトをしているものですが、昨日だけでローソンのLINE限定のクーポンを持ってきた高校生が100人近く来ました。』という店員さんの声も載っています。
また、前述のようにメルマガよりも開封率、クリック率が高いので、LINEでクーポンを配布すると非常に効果が高くなります。
(3)認知度向上
また、認知度向上という点でも効果を実感しています。
先日私は母校の法政大学でマーケティング論の講師をしたのですがが、そこで大学生にLINEをやっているか手をあげてもらった事があります。
その時、大学生の9割以上がLINEを使っているという結果が出たので、浸透しているなと感じました。
以上、『LINE友だち数No.1を走り続ける「ローソン」LINE公式アカウント運用の裏側』でした。皆さんもローソンさんの活用例を参考に、LINEを活用してみて下さい!
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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部