LINEがプラットフォーム化に本気か!?食べログとの提携・LINEバイトなどから見えてくる狙いを考察。

2015/03/02

2月は、LINE関連のニュースが多く見受けられました。

最も大きなニュースは、元々店舗向けに提供されていたLINE@を個人向けにも開放したことですね。これまでは基本的に、クローズドな会話ができるメッセージアプリとして使われてきたLINEですが、ここにきてX(Twitter)のようなオープンなコミュニケーションをリリースしたのは大きな話題を呼びました。

ですが他にもLINEは2月に、立て続けに大きな業務提携買収を発表しています。

連携していくのは、あの有名な大手レストラン口コミサイト「食べログ」から、高級レストラン予約サービス「ポケットコンシェルジュ」、サイトに決済機能を付けることができる「WebPay」の3つ。

さらにアルバイト求人情報サービス「an」を運営する株式会社インテリジェンスとの共同出資により設立した会社が、LINE上でバイトが探せる「LINEバイト」をリリースしました。

これらの連携は、今後のLINEの拡大においてどれも非常に大きな意味を持っているように思えます。そこで今回の記事では、この4つのニュースからLINEの狙いや未来を探っていきます。

■目次

ここ最近のLINE関連ニュースまとめ!それぞれの狙いとは?

1.「食べログ」とLINEの連携

2.「ポケットコンシェルジュ」への出資

3.「WebPay」を買収

4.「LINEバイト」のリリース

1.「食べログ」とLINE@の連携

LINEは2月5日に、カカクコムとの業務提携を発表し、LINE@と食べログの相互連携発表しました。

http://tabelog.com/

これにより、双方のアカウントを持つ店舗は、食べログ側にはLINE@アカウントの友だち追加ボタンが表示され、LINE@側には食べログページに推移するアイコンが表示されます。

(画像引用:http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2015/920

LINE@にはなかった口コミ機能と、食べログにはなかったお客様への連絡手段が追加され、それぞれが補完し合う形になりますね。

プラットフォームとして拡大し、ぐるなびを潰しにかかるのか!?

LINE@と食べログの提携により脅威を感じているのは、ぐるなび・ホットペッパーではないでしょうか。

元々食べログはユーザーが口コミを作成するCGM形式で、ぐるなびやLINE@は店舗向けの情報発信サービスです。LINE@がリニューアルされた際にも、形式が近いLINE@とぐるなび・ホットペッパーがぶつかる可能性について言及しましたが、今回そのLINE@が食べログと手を組むことで、グルメ系サービスの戦力図がまた大きく変わるかもしれませんね。

LINE@単体で見ても、足りなかった「口コミ」というソーシャル要素が追加されることになるので、飲食系プラットフォームとして一気にレベルアップしますね。

2.「ポケットコンシェルジュ」への出資

またLINEは2月17日に、株式会社ポケットメニューが運営する、高級レストランの予約決済サービスであるポケットコンシェルジュに出資することを発表しました。

https://pocket-concierge.jp/

ポケットコンシェルジュと提携している店舗を対象に、LINE PayやLINE@、さらにはLINE TAXIといった機能を順次連携していくことになります。

高級路線の顧客も取り込む

本来LINE@は、基本的にそこまで規模の大きくない店舗でも活用できることがウリなので、ポケットコンシェルジュと提携するような高級店舗はLINE@とはあまり関わりを持つことはありませんでした。

したがって今回の連携では、そういった高級路線の顧客もLINEに取り込んでいくことが狙いでしょうね。

考えてみれば、高級店とLINE TAXIの相性は悪くないはずなので、「誰でも気軽に使えるサービス」という一般的なイメージを持つLINEは、今後「高級店もLINE」というイメージも植え付けることができるのでしょうか?

3.「WebPay」を買収

LINEは2月10日にも、開発者向けクレジットカード決済サービスWebPayを運営するウェブペイ・ホールディングスの買収発表しました。

https://webpay.jp/

WebPayとは、WebサイトやECサイトに決済機能を付けることができるサービスで、簡単なAPIや短い審査期間などが特徴です。

サイトに「LINE Payで払う」ボタンが付く!?

こちらの動きは、LINE Payの強化のための連携であることは間違いありませんね。

サイトに決済機能を付けることができるWebPayと連動することで、例えばモバイル版サイトの商品ページなどに「LINE Payで支払う」というオプションが付くのではないでしょうか。

現状LINE Mallなど一部でしか利用できないLINE Moneyの使い道が拡大すれば、LINE Payの利用を開始する人も一気に増えることが予想されます。

4.「LINEバイト」のリリース

2月16日には、アルバイト求人情報サービス「an」を運営する株式会社インテリジェンスと共同出資し設立した株式会社AUBEが、LINEバイトをリリースすることを発表しました。

anが持つ膨大な求人情報と、LINEが抱える若者ユーザー層を合わせた強大なアルバイト求人プラットフォームを生み出していくことになりますね。

LINEバイトとは?

LINEバイトとは、その名の通りLINE上でバイトを探すことができる機能です。

LINEアプリの「LINE Apps」の一番上にLINEバイトという機能があるかと思いますので、そちらをタップして探したいバイトの条件(地域・職種・給料・期間)を入力すれば早速マッチした求人情報が出てきます。

検索履歴に応じてオススメのバイト情報が送られてきたり、良さげな求人情報はすぐに友だちに送信できる機能も備わっています。

LINE Payがより強力な存在に、新たな通貨となるか

LINEは今後、LINE@LINE PayともLINEバイトを連動させ、例えば企業と求職者がコミュニケーションを取ったり、LINE Payを使った給与や祝い金の支払いも可能にしていくと語っています。

バイト探しのシェアで驚異的な存在になることは間違いないですが、個人的には「LINE Payと連動した給与の振込」が気になります。お金が直接LINE Payに振り込まれて、それをそのまま現金に戻すことなく様々な商品に使うことができたら…本格的に、新しい通貨としてLINE Payが使われる感覚に近づくいていくのではないでしょうか。

最後に

2月の動きをまとめると、「飲食系」と「バイト求人」全般で大きなシェアを狙いに行きつつ「高級店」とも連携し、同時に「LINE Pay」の強化を進める、といった狙いが読み取れます。

「LIFE」をテーマに事業を展開しているLINEですが、特に今回の「飲食」と「決済」の分野をより強固なものにすることができれば、いよいよLINEのインフラ化も見えてきそうです。

次は生活の中でどの分野を押さえにくるのでしょうか?勝手な想像ですが、例えば既に「音楽」や「ゲーム」「マンガ」といった「エンタメ」の分野でも動き始めているので、今度は施設やイベントなどのリアルな「娯楽」ジャンルに手を出してくるかもしれませんね。または「求人」に合わせて「引越し・不動産」もあり得るのではないでしょうか…。他にも様々な展開がありそうな今年のLINEに注目です。


以上、『LINEがプラットフォーム化に本気か!?食べログとの提携・LINEバイトなどから見えてくる狙いを考察。』でした。

あわせて読みたい関連記事

個人向けLINE@で何ができるの?使い方や店舗向けLINE@との違いなどを徹底解剖!

意外とわかりにくいLINE Payの仕組みを徹底解剖。LINE CashとMoneyの違いとは?手数料はどこにかかるの?

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

企業のWeb担当者様が積極的にSNSをビジネス活用していけるよう、ソーシャルメディア関連の「最新ニュース」「運用ノウハウ」「事例・データ」の情報を素早くキャッチしてお届けします。