5月の主要SNSニュースまとめ!Instagramがロゴデザインを変更、TikTokクリエイター収益分配の新広告サービス「Pulse」ほか
2022/06/09
皆さんいかがお過ごしですか?
昨今は各媒体でクリエイターを囲い込むためのアップデートが増えていますが、5月もYouTubeの「メンバーシップ ギフト」機能や、TikTokのクリエイター収益分配新広告サービス「Pulse」など、クリエイターファーストな機能アップデートのニュースが見られました。
それではどうぞ!
1. X(Twitter)
「劇場型」言動に市場警戒 マスク氏、ツイッター買収保留
米国時間5月13日、イーロン・マスク氏は、米X(Twitter)買収手続きの一時保留を、X(Twitter)上で表明しました。利用者数に占める偽アカウント割合を精査するためだとしています。
SNS上の影響力を駆使して注目を集めようとする「劇場型買収」の不確実性に、株式市場は警戒感を強めており、真意がつかみづらい同氏の言動に、株式市場やX(Twitter)経営陣は振り回されています。
イーロン・マスク氏は、個人的な利益のためにX(Twitter)を通して世論を動かしてきた背景があるため、今回の「買収保留」も、「スパムや偽アカウントがX(Twitter)社が公表している5%未満かどうかの真意」以外の思惑がある可能性が高いです。
イーロン・マスク氏は、X(Twitter)を実名制にしたり、アルゴリズムを公開するという旨の構想を語っていることから、買収が実現すると、X(Twitter)が大きく変わる可能性があります。担当者としては、動向を注視するのがよいでしょう。
X(Twitter)の裏側を語る特集「X(Twitter)トリビア」公開
https://blog.twitter.com/common-thread/ja
日本時間5月11日、X(Twitter) Japanは、X(Twitter)運営の裏側が垣間見える特集サイト「X(Twitter)トリビア」を公開しました。
同社が持つデータや過去の事例などを基に、実名アカウントやbotに関する知識をまとめた記事を掲載しています。
記事中では同社のリサーチャーやプロダクトマネジャー、経営陣などが登場し、運営の裏側も紹介します。
X(Twitter)に対して一般的な認識や誤解されていそうな内容に対する分析結果や裏話が公開されています。
例えば「実名制にして利用者の身元を明らかにしても有害なツイートを減らない」などの興味深い分析結果や、「2020年後半には1億4,300万回ものスパム防止策が実施され、スパム報告件数が同年の前半に比べて約18%も減少したこと」など、X(Twitter)社の動向を知ることができます。担当者にとっては価値ある内容なので、定期的にチェックして運用に役立てるとよいでしょう。
参考:https://blog.twitter.com/common-thread/ja,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2205/11/news183.html?fbclid=IwAR1nS_yS0plAsIcJqKKCe88zKaf8NbWp903cMCsvisdip-eJZu7bCv7IxlU
選んだ相手にだけツイートを表示する「Circle」のテストを開始
米国時間5月13日、米X(Twitter)は、選んだ相手にだけツイートし、会話できる機能「X(Twitter) Circle」のテストを開始したと発表しました。
テスト参加者は、選んだ150人までのユーザーをCircleに入れ、プライベートな会話を楽しむことができます。
Circleはコミュニティとは異なり、テーマ限定ではなく選んだ人とだけ共有したい話題をツイートするための機能となります。
Circle内の投稿はリツイートできないようになっており、メンバーによる返信はCircle内でのみ表示されます。また、Circleのメンバーリストは主催者以外には表示されないため、主催者がコミュニケーションを取りたい人のみとコミュニケーションができる限定的な空間となるようです。
実装された際には、例えば企業が主催するイベントの参加者のみをメンバーに加え、イベントの情報をやり取りするなどの利用が考えられます。
また、現在X(Twitter)は誰もがツイートを閲覧できるオープンな空間のため、本来限られた空間(同じ思想・ノリを持つ集合体)では受け入れられたコミュニケーションが受け入れられず、炎上してしまうことが多々発生しています。本機能を使うことで、ツイートに対する誤解や炎上を防ぐことができるかもしれません。
参考:https://help.twitter.com/en/using-twitter/twitter-circle,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2205/04/news026.html
パクツイ撲滅につながる新ポリシーを発表。見つけ次第、誰でも報告が可能
米国時間5月10日、米X(Twitter)は、他人のツイートをそのままコピーしたツイート(日本で言うところの)「パクツイ」の撲滅につながる新ポリシーを発表しました。
このポリシーでは、「パクツイ」に相当する「コピーパスタ」や重複したコンテンツには、検索結果の上位やトレンドでツイートが拡散されない措置が取られ、タイムライン上でおすすめされなくなります。
今まではパクツイを報告をしてもX(Twitter)社がアカウント凍結等を行わない限りどうすることもできませんでしたが、今後は通報をすればパクツイが拡散されない措置が取られるため、パクツイのインプレッションが伸び続けるのを防ぐことができます。
コピーパスタ、重複するツイートは、それだけでツイート削除やアカウント凍結の対象にはなりませんが、繰り返し行うと対象になるようなので、見つけたときは都度通報するとよいでしょう。
参考:https://help.twitter.com/ja/rules-and-policies/copypasta-duplicate-content,
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/1409271.html,
https://news.livedoor.com/article/detail/22154234/
2. Facebook・Instagram
「Facebook」と「Instagram」で広告トピックの管理機能のアップデート実施
米国時間5月16日、Metaは、「Facebook」と「Instagram」で広告トピックの管理機能のアップデートを実施したことを発表しました。
広告トピック興味・関心のカテゴリの管理機能を統合。「ギャンブル」「体重管理」を含む広範な広告トピックの設定が可能になり、どのトピックでも「表示を減らす」を選ぶと、広告主は利用者の興味・関心に基づくターゲティングができなくなります。
広告主側の機能ではなく、利用者(ユーザー)側の機能アップデートです。
利用者は、現在も「この広告が表示されている理由」を確認することができますが、今回はさらに自分が紐づいている「広告トピック」を確認、編集することができるようになりました。例えば、東京都にお住いの場合、普段のアクティビティから「東京都」が広告トピックに含まれている可能性が高いです。その場合、もし「東京都」関連情報を受け取りたくない場合は、「表示回数を減らす」を押下することで、表示回数を減らすことができるようになります。
一方的に配信することができた広告も、近年は利用者側が調整できるようになってきているため、広告主はより質の高い広告を配信することが求められるようになってきています。
参考:https://webtan.impress.co.jp/n/2022/05/17/42774
3. Instagram
NFTの投稿・共有機能のテストを開始 手数料は無料
米国時間5月8日、Instagramは、プラットフォーム上でのNFT(代替不可能なトークン)の投稿・共有を可能にするテストを、米国の一部クリエイターを対象に開始すると発表しました。Instagramのフィード、ストーリー、メッセージに表示できるようになります。
クリエイターは、サードパーティのデジタルウォレットをInstagram内でリンクすることで、無料でNFTを投稿・共有できます。
昨年、X(Twitter)現CEOによる世界で最初の投稿が、約3億1,500万円で売却されたことで話題となったNFTですが、今後Instagramで自由に投稿・共有できるようになるかもせしれません。
NFTにより所有権が明確になることで、投稿の不正利用などを防ぐことができるため、クリエイターにとっては積極的に利用したいところですが、日本ではまだ正式な法律がないため、緩やかに展開していくことになると予想されます。
同機能はFacebookでも展開予定ですが、日本を含む米国外での展開は現時点では未定となっています。
ロゴデザインを変更し、日本語を含むオリジナルフォント作成
https://about.instagram.com/blog/announcements/instagram-visual-refresh
米国時間5月23日、Instagramは、アプリロゴの変更とオリジナルフォント「Instagram Sans」を発表しました。
アプリロゴ変更は6年ぶりで、形は変わりませんが、背景のブランドカラーのグラデーションが微妙に変わりやや明るめになりました。
新フォントInstagram Sansは、ロゴの角丸四角(squircles)にインスパイアされたデザインだそうです。
2016年に行われたロゴの刷新では「急成長を遂げ多様性のあるコミュニティに発展したInstagramを表現」と発表しており、今回は「明るく、生き生きとしており、発見の瞬間を告げるにふさわしいものになった」と発表しています。
この発言から、Instagramは今後「よりユーザーが新しいものと出会う発見の場所となるような進化」を遂げようとしていることがうかがえます。4月に「オリジナルコンテンツ>リポストが優先されるアルゴリズム変更」が行われたことなどを考えると、より「新しい情報」が重視されるようになっていく可能性があります。
参考:https://about.instagram.com/blog/announcements/instagram-visual-refresh,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2205/24/news088.html?fbclid=IwAR0EtK6Z_NEvXn9hfj7VPGRXq1x7i6kF5BxZ12iWNqqbZQCke7pSnGlJLOQ
4. YouTube
「ファンがメンバーシップ加入権をプレゼントして布教できる機能」のベータ版が開始
米国時間5月11日、YouTubeは、チャンネルのファンがメンバーシップの「1カ月間限定の加入権」を未加入者にプレゼントし、好きなチャンネルの布教ができる「メンバーシップ ギフト」機能のベータ版を開始しました。
チャンネルのライブ配信やプレミア公開の最中にメンバーシップ ギフトを購入、購入完了後、同じ配信を見ているメンバーシップ未加入者にランダムでギフトが配布されます。
基本的に初月から月額料金がかかってしまうため、メンバーシップの加入は既存ファン以外には敷居の高いものでしたが、ギフトとして初月無料で加入できるようになると、クリエイターにとってはメンバー数を大きく伸ばすきっかけになりそうです。特に熱狂的なファンがいるアカウントでは、多くのファンがギフトを購入することが予想されるため、爆発的にメンバーが伸びる可能性もあります。
今後数カ月でさらに多くのクリエイターに機能を拡大する予定のため。興味のあるクリエイターは「リクエストフォーム」から利用申請するとよいでしょう。
5. TikTok
クリエイターに収益分配の新広告サービス「Pulse」
米国時間5月4日、TikTokは、クリエイターに収益を分配する新広告サービス「TikTok Pulse」を発表しました。米The Vergeなどに対し、フォロワーが10万人以上のクリエイターとパブリッシャーを対象に、6月に米国でスタートすると語っています。
広告主は、TikTok上の上位4%の動画の次に、設定に沿った位置や頻度で、自社製広告動画を再生させることができるようになります。
クリエイター収益化ツールは以前から提供していますが、クリエイターへの広告収入の分配は今回が初になります。
TikTok上の上位4%の動画の次に自社製広告動画を再生させることができるようになります。クリエイターや動画を広告主が選ぶことはできませんが、「独自のフィルターにより最高レベルのブランド適合性を備えた検証済みコンテンツの後に広告を表示する」としているため、より効果的な広告配信が期待できます。
参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2205/05/news031.html
「Discord」は男子の半数以上、「TikTok」は女子の半数が利用 大学1年生調査 東京工科大
日本時間5月24日、東京工科大学(東京都八王子市)は、新入生にコミュニケーションツールの利用状況などを尋ねる調査(Webで実施、対象は全学部の学生1358人、男女比約6:4)の2022年度の結果を発表しました。
TikTok、Discordの利用率が急上昇しており、TikTokは女子の48.5%(前年度比9.5ポイント増)、Discordは男子の53.5%(同8.0ポイント増)に伸びました。
新入生が現在利用しているSNSは、1位がLINE、2位がX(Twitter)、3位はInstagram。4位のTikTok、5位のDiscordは、ここ数年で利用率が急上昇しているとのことです。
Discordは、無料で利用でき、コミュニティの作成、ダイレクトメッセージ、音声通話、最大10人のビデオ通話に対応しています。それらの機能がオンラインゲームをする層に重宝されており、ゲーマーの利用が進んでいることが、利用率上昇につながっていると考えられます。
参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2205/23/news099.html,
https://www.teu.ac.jp/press/2022.html?id=105